みなさんどうも三笠みくらです。僕はげきからマホイップと世界を巡る、お楽しみいただけたでしょうか。
一度は退会し、退会する以前もちょっと方向性に悩んだこの作品。蘇生してから改めて書き終えて、なんだかずいぶんボリューミーになりましたね。色々プラスしてホウエン編まで増えちゃいました。
まずアマネくんという存在について。とにかく世界には辛いものがいっぱいありますよね、さらにポケモン世界も辛いきのみがいっぱいあります。この世界は辛いものに都合が良い!死んでた間も妄想は高まるばかりでございました。
そしてお次、この作品のメインヴィランにしてヒロイン・ルセちゃんです。設定を作り始めた当初はまだ可愛げのあるモラハラ女というか意地悪しちゃうタイプの子だったんですが、いつの間にか独り歩きしてとんでもねえラスボスになりました。作者すらも翻弄する女、恐ろしい子!!
改めてみなさま、この作品を読んでくださり、そしていっぱいコメントをくださりありがとうございました。おかげさまで最後まで書き上げることができました。本当にありがとうございます!!
フィナーレを迎え、この作品もとうとう終わり……
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> と 言 う と で も 思 っ た か <
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次回からヒスイ編スタートだよぅっっ!!!!それでは今回は
・チャレンジャー捻切殺人事件
をお送りします。それではどうぞ!!
チャレンジャー捻切殺人事件
ワイルドエリア エンジンリバーサイド
「警部、こちらです」
「ああ」
keep outのテープが貼られた場所に、トレンチコートを着た男……ホオズキ警部が入っていく。
「これはまた……酷いな」
「はい、相当被害者に恨みがあったものと考えられます」
「それで、身元は?」
「アグラ、27歳。今回のジムチャレンジに参加しています。ただあまりうまくいっていなかったようで、スポンサーからもプレッシャーをかけられていました」
「……そうか」
ホオズキは遺体から目を逸らす。ある程度修羅場をくぐってきたつもりだが……それにしても今回は酷すぎる。何せ……
遺体は全て、関節などを捩じ切られた上でバラバラにされていたのだから。
おまけに即死ではなかったのか、雑に捨てられている頭部は苦痛で歪んでいた。いったいどれほどの殺意と悪意があれば、ここまで残酷なことができるのだろう。正直関わりたくないが……担当にされた以上は仕方ない、捜査を進めるしかない。
それからしばらく
「……はぁ」
ホオズキはタバコを吸いながら、エンジンシティの橋で立ち尽くしていた。捜査に全く進展がないのだ。容疑者として浮上した人物も、すぐにアリバイが証明される。何より、あのような殺害方法ができる人間が存在しない。ポケモンを手持ちに入れている者もいるが、捜査を進めた結果殺害は不可能だと分かってしまった。
「全く……最悪な事件に居合わせちまったなぁ」
「警部!ここにいらしたんですね」
「ん?どうした」
「事件に関係があるかは分からないのですが……実は被害者が、ある人物に嫌がらせを行っていたことが明らかになりまして」
「ある人物?」
「はい。同じジムチャレンジャーの1人、アマネさんです」
「……あのカワイイ子に?なんで嫌がらせなんか」
「端的に言えば嫉妬ですね。被害者はジムチャレンジの資格を得るのに相当苦労してきました。そうしてようやく掴んだ舞台で、アマネさんに話題、人気を全て奪われたと……知人にたびたび話していたそうです」
「まあ確かになあ」
アマネ。マホイップの新種を発見した少年であり、彼自身も強力なトレーナーとしての腕前を持っている。ジムチャレンジではチャンピオン・ユウリの推薦を受けてエントリーし、破竹の勢いでジムを突破していっている。さらにその可愛らしい外見でファンも多い。話題を掻っ攫うのも納得だ。
「それでその、嫌がらせってのはどんなんだ」
「はい、ネットに悪口を書き込んだりフェイクの写真をアップしたり、酷い時は殺害予告まで送りつけていたようで」
「……そこまでやってたのか」
「これも捜査で明らかになったことです。ですがアマネさんにはアリバイがあります、犯行は不可能です」
「うーむ、もしやアマネさんのファンの犯行かもしれないな」
「はい、その線で捜査を進めましょう」
タバコをふかして、ホオズキはまたワイルドエリアの景色を眺める。彼の心には、何か言い表しようのないモヤモヤがあった。
いったいこのモヤモヤはなんだろうか。まるで、誰かに嘲笑われているような……
誰かににたにたと嘲笑われているような感覚のまま、ホオズキは捜査に戻った。
結局犯人は見つからず、事件は迷宮入りとなった。
アパートの一室で、アグラはパソコンを睨んでいた。画面には笑顔のアマネが映っている。そのアマネを、彼は殺したいほどに憎んでいた。
アグラは、小さい頃から貧乏だった。トレーナーズスクールに通う金もなく、必死に相棒のスナヘビと共にバトルで食い繋いでいた。それでも、ずっと憧れていた。
ポケモンリーグチャンピオンという、華々しい称号に。
だがそのためには、ジムチャレンジで頂点を獲らなければならない。だがジムチャレンジに挑戦するには、推薦状を書いてもらわなければならない。コネもない自分には、遠い話だ。それでも。
必死でもがいて、働いて。ようやくジムリーダー・オニオンに推薦状を書いてもらえた。ようやく自分の人生が始まる。そう思っていたのに。
あいつに、全てを奪われた。
人気も、話題も、全て!!アマネは全てを持っている。可憐な容姿もバトルの実力も話題性も。何もかもが自分とは正反対だ。羨ましい、妬ましい、憎い、憎い憎い憎い!!
あいつが許せない。あいつを終わらせてやりたい。気づけば、悪事に手を染めていた。ネットにアマネの悪口を書き、フェイクを流す。それでも足りない。アマネの人気は下がらない。
もう、殺すしかないのだろうか?
普通の人間なら踏みとどまるだろう。だがもうアグラのストッパーは壊れていた。
殺害予告を出して、早速行動に移した。
ワイルドエリアで、呑気にキャンプをしているアマネ。あの笑顔も、ただ憎い。包丁を持って、近づいた。その時。
ず る ん
何処かに、引き摺り込まれた。真っ暗で、何も見えない。何も聞こえない。何か奇妙な感覚が腕に伝う。視線の先には、真っ白な触手があった。次の瞬間。
ぼきっ
声にならない悲鳴をあげる。腕を折られた。痛みに悶えていると、触手がもう片方の腕、さらには両足、そして首にまで巻きついているのが分かった。そして理解した。
ああ、自分は殺されるのだと。
罰が当たったのだ。身の丈に合わないことをしたから。人を殺そうとしたから。だから死ぬのだ。
それからおよそ何十時間にも渡って、彼は甚振られ、捩じ切られ続けた。そうして腕や足はありえない方向に曲がり、力無くだらりと垂れている。すでに彼は亡くなっている。死んだ方が楽だという苦痛を味わいながら、苦しみながら死んでいった。
その哀れで無様な姿を、嘲笑いながら
うふふ、あはは。可哀想、可哀想ね。馬鹿なことをしたから。嫌がらせをしたから。
アマネを、殺そうとしたから。
アマネを傷つけていいのは、わたしだけ。アマネを殺していいのは、わたしだけ。だからお前は、できるだけ苦しませて殺しましょう。罰を与えましょう。
ああ、もう死んだの。あっけない、まあいいか。適当にバラバラにして、捨てておこう。
大好きよ、アマネ。ずっと、見てるから。頑張れ。
あなたを傷つけるものは、わたしが全て壊してあげるから。