僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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先に言っておきますがアルセウスは邪神です


のろいぎつねとショウ

 

夜が明けて、早速ショウさんが調査に出るということで僕もついていくことにした。

 

 

「ここが黒曜の原野……広いですね」

 

「はい、いっぱいポケモンを捕まえて調査しないと……」

 

 

すると、道を歩いているビッパが!かわいい!よちよち歩いてるぅ〜〜、可愛すぎるなぁこれは!!そう思ってショウさんを見ると。

 

 

「………」

 

「ひゃっ」

 

 

ものすっごい瞳孔が開いてる。めっちゃかっこいいけど怖いな。これが集中してる時の顔かな?おぉっとショウさんの豪速球!!ストレートにビッパにボールが当たって、ゲット!かっこいい〜!

 

 

「すごいですねショウさん!僕あんな早いボール投げられないです!」

 

「えへへ……ありがとうございます、さあ次に……」

 

「ぎゃんっ!!」

 

「へっ?」

 

 

いきなり体に痛みが!!振り向くとそこにはコリンクの姿!!もしかして今、攻撃された?

 

 

「あぁ、この時代は凶暴なポケモンも多いんです。気をつけてくださいね」

 

「はい、肝に銘じます……」

 

 

それから僕たちはさらに野原を進んでいく。すると何やら声が……

 

 

「きゅぅ……」

 

「…何か聞こえません?」

 

「はい、聞こえました。こっちからですかね」

 

 

岩の裏にまわり込むと……そこには白いゾロアが。でもかなり弱ってるみたいだ……脚からは血も出てる。

 

 

「急いで助けないと!」

 

「はい、応急処置をします。包帯とクスリソウを使って……それから何か止血になるもの……」

 

「ラムのみありますよ!使えますか?」

 

「ありがとうございます!」

 

 

ショウさんが手際よくきのみやクスリソウを傷口に塗りこんで、包帯を巻く。でもゾロアはまだ弱々しい。

 

 

「……だいぶ弱ってますね、アマネさん、きのみ他にありませんか?」

 

「きのみ……オボンのみとかあります!」

 

「じゃあこれを食べさせましょう、食べれる?」

 

 

口にきのみを近づけるけど、ゾロアは食べない。というかこれは、食べる力もないと言った方が……

 

 

「ふん!」

 

「!?」

 

「ごめんね、ゾロア!」

 

 

ショウさんがオボンのみを砕いて口に入れて……そしてゾロアに口移し!!なるほど、確かにそれが1番いいけど……なんか手際良すぎじゃない?

 

 

「……よし、これで少しは大丈夫だと思いますけど…」

 

「でもこのままだと襲われちゃいますし、1回連れて帰りませんか?かわいそうだし……」

 

「……そうですね、ゾロアもそれでいい?」

 

「こんぬ……」

 

 

ゾロアを抱っこして、キャンプに戻る。その間も、ショウさんは優しくゾロアを見つめていた。

 

 

「ショウさんって……手当てとか慣れてるんですか?なんだかすごく手際が良かったですけど……」

 

「……なんというか、勝手に頭の中に選択肢が出てくるんです。こうすればいいとか、逆にこうしたらダメだとか……逆にそれで不気味がられることもありますけど」

 

「そうなんですか……」

 

 

……どうしよう、ショウさんがまた俯いちゃったぞ。やっぱり無理やりヒスイに連れてこられて疲れてるんだな……それから宿舎に戻って、ゾロアを休ませた。

 

 

「それにしてもあのゾロア、どうして黒曜の原野に……」

 

「確かに。ゾロアってヒスイにいるんですね」

 

「それもそうですけど…ラベン博士に聞いたんですけど、ゾロアって純白の凍土に生息してるポケモンなんですよ。だいぶ弱ってたし、何かに襲われて逃げてきたのかな……」

 

「かもしれませんね、バトルなら僕役に立てるかもしれませんよ!僕のポケモンたちはみんな強いですから!」

 

「そうなんですか、ふふ、頼りになりますね」

 

「はい!それじゃあごはんにしましょう!」

 

 

今日のごはんはケムリイモところころマメの煮物。ムベさんから教えてもらったんだけど、ケムリイモはねっとりしてて優しい味わいなんだって。

 

 

「はい、どうぞ!」

 

「ありがとうございます」

 

「それからゾロアも……はい」

 

「こぬ……」

 

 

あれから少しは元気が出たのか、ゾロアも少しずつだけどごはんを食べるようになってきた。ショウさんももぐもぐごはんを食べている。良かった良かった!

 

 

「それじゃあ、私お風呂に入ってきますね。ゾロアのこと、よろしくお願いします」

 

「はい、任せてください!」

 

 

ギンガ団の建物の地下におっきいお風呂があるみたいで、ギンガ団員さんはそこを使っていいんだって。いいなぁ、僕も広いお風呂入りたいな〜。

 

 

 

 

 


 

 

外に出ると、村人たちがこちらを見てひそひそ話している。

 

 

「ねえ、あのギンガ団員、のろいぎつねを連れて帰ったんですって」

 

「あののろいぎつねを?ただでさえあいつも得体が知れないのに、災いを呼ぶつもりかね」

 

「関わらない方が吉だ、あんな気味の悪いのに関わったら俺たちも何があるか分からん」

 

 

「………」

 

 

じろりと睨むと、何もなかったかのように散っていく。ああ、気持ち悪い。余所者と呼ぶくせに、気味悪がるくせに。

 

 

「あれを頼んでいいかい?腕が立つんだろう?」

 

「お願いよギンガ団さん、わたしたちを助けて」

 

 

なんて言ってくる。嫌いだ、お前たちなんか。ギンガ団の奴らだってそうだ。私が必死になってバサギリを鎮めたのに、

 

 

「なんだあいつ、人間じゃないよ」

 

「恐ろしい、気味が悪い」

 

 

陰口を叩いてくる。そのくせ私の前では媚を売ってくる。私は何もしてない。ただ必死に生きてるだけなのに、ただデンボクに言われただけなのに。

 

 

そうじゃなければ、こんなところ。

 

 

「ショウさん!おかえりなさい」

 

 

……やっぱりやめた。この裏表のない笑顔が見れなくなるのは寂しいから。

 

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