僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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やばい女を書くとコメントがいっぱいもらえてうれしい。

感想・質問いっぱいください!!なんでも答えますよ〜〜


アマネの激辛メシの流儀

 

「ほみ、ほみ…」

 

「ん、フラン……?」

 

 

目を覚ますと、フランが心配そうに僕のことを見つめていた。嫌な夢を見たからか、涙も出ていた。

 

 

「ごめんねフラン、大丈夫だよ」

 

「ほみ〜……」

 

「よし、今日もパルデア地方を探索だ!今日は行きたいところがあるんだ〜〜」

 

「ほみ〜!」

 

 

ホテルを出て、少し歩いて。僕は目的地についた。その街には、いろんな人が僕と同じ目的でやってきている。

 

 

「ついた、チャンプルタウン!」

 

「ほみ〜!」

 

 

そう、パルデア随一のグルメな街、チャンプルタウン!!スマホロトムで調べてからずーっと気になってたんだよね〜〜。右も左も美味しそうなご飯の看板だらけ!!辛いものだけじゃなく単純に食べることが好きな僕からすればユートピアだ。とはいえ行くべき場所は決まっている。

 

ガラッ

 

「らっしゃいやせーー!!」

 

 

そう、来来来軒だ。このお店自体はハッコウシティやカラフシティにもあるんだけど、ここが元祖と聞いてこっちにした。あと単純にカラフシティは砂嵐がね。

 

ああ、タイル張りの床にパイプの丸いす。それにどんどん増えていった壁のメニュー!そして何より熱気あふれる厨房!!やっぱりご飯を楽しむ時はシチュエーションも大事だよね。

 

 

「あいよ、これお品書きね!」

 

 

そう手渡されたものは、薄い1枚の紙。それにびっしりと書かれた文字のみのメニュー。いいね、ここを選んで正解だ!

 

 

「それじゃあ麻婆炒飯と、辛味噌ラーメンお願いします」

 

「おお!お嬢ちゃん、結構行くねえ!」

 

「ここのは辛いよ?大丈夫?」

 

 

お客さんたちがガヤを飛ばしてくる。僕の辛いもの好きを舐めないでいただきたい。そこらの辛いもの好きとは一線を画している自覚はあるぞ。

 

さて。注文を済ませてやることといえば。待つ、ただそれのみ。スマホを見るなどもってのほか、ただひたすらに料理が運ばれてくるのを待つのが僕の流儀だ。もちろん強要するつもりはないから安心してほしい。

 

ああ、厨房で中華鍋を振っているのが見える!ラーメンを湯ぎりしているのが聞こえる!!これこそが“待ち”の幸福!!

 

 

「あいよ、麻婆炒飯と辛味噌ラーメンね!」

 

 

はああ……素晴らしい、なんて美しいんだ。麻婆豆腐はてらてらと輝いて、炒飯も見事なまでの茶色。辛味噌ラーメンは暴力的なまでに赤い!!これこそが人類の編み出した珠玉の発明、叡智の極地!!

 

 

「いただきます!!」

 

 

まずは麻婆炒飯。ぐああ、なんて素晴らしいんだ!!口の中でホロっと崩れる辛くも優しい麻婆豆腐、油のコーティングによってお米がパラッパラになっている炒飯!!その両方が仲良く同居している!!まるでマンタインとテッポウオの関係のようだ……まさに理想郷、完璧なバランス……

 

 

「美味しい、素敵すぎる……!!」

 

 

ここでお冷を一杯。あー、“効く”わぁ……

 

さあさ、お次は辛味噌ラーメンだよ!!まずはスープをひと口……!!これは…バター!!なるほど、濃厚な味噌と辛い味付け、それらをまろやかにすると同時に奥行きを出すための…まさにバイプレイヤー、縁の下の力持ち!!

 

そして麺も…あぁ、このちぢれ麺…最高か??ちぢれ麺によって作り出される隙間に入り込む濃厚スープ、そしてスープを吸ってさらに濃く、豊かになった麺の味!!さらに添えられたコーンがその甘みを分かりやすくしてくれている…これぞバランス、これぞ足し算!!

 

両方完璧で両方美味しいすぎる…!!ああ、どんどん食べられちゃう……!!

 

 

「ふう…ごちそうさまでした」

 

 

お礼を言ってお会計に進もうとすると、目の前に杏仁豆腐がスッと差し出された。え、さっきハイになってる間に頼んでた?己が怖い!!

 

 

「お嬢ちゃん、すごく美味しそうに食べてくれてたね。これはお礼だよ、辛いもん食ったら今度は冷たくて甘いもの!」

 

「わ、ありがとうございます!いただきます!」

 

 

ガラスのお皿にちょこんと乗った杏仁豆腐。僕はきちんと甘いものもいけますよ。みかんが乗ってるのもいいね…そそられる。ひと口食べると…口の中、浄化!!いや別に悪かった訳ではなくてね。辛さと熱に支配されていた口の中が、みるみるうちに冷たく、優しくなっていく……この緩急もいいですね……

 

 

「それじゃあ今度こそ、ごちそうさまでした!!」

 

「あいよ、お会計ね!」

 

「いやあ、俺ら常連だけど、負けない食べっぷりだったよ!!」

 

「そうそう、食べることを楽しんでるって感じ!」

 

 

えへへ、そう言われたら照れちゃうぞ。でも本当に楽しいからな。こういうのは純粋に楽しんだもの勝ちなのだよ。

 

 

「それじゃあ、ありがとうございました!美味しかったです!」

 

「へい、また来てよ!!」

 

 

ふう、幸せだった……そういえば、お嬢ちゃんって呼ばれていたような??

 

 

 

 


 

 

少女は何度も電話をかける。メッセージアプリでメッセージも送る。けれど返信はない。

 

 

「アマネったら…どうしちゃったの?心配…」

 

 

少女のスマホロトムの待受になっている少年は、少女が「世話を焼いている」少年だった。先日新種のマホイップを発見したことで一躍ガラルの有名人となったのだ。

 

 

「まあ、アマネは目立つの好きじゃないもんね。もしかして気が滅入っちゃってるとか!」

 

 

そうと決まれば、自分のやることはひとつ。キッチンに立つ。小麦粉、卵、バター。それらを使って、彼女は手際よくハート型のクッキーを作り上げていく。かわいい袋に入れたら、あっという間に乙女の贈り物のできあがり……

 

 

「待っててねアマネ、わたしが元気にしてあげるから……」

 

 

少女は、にたりと微笑んだ。




アマネ
食事にはこだわりがある男。食事を楽しんでいる間は嫌なことも忘れられる。

ルセ
アマネの世話を焼いている。彼に手作りクッキーを届けようとしている。
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