僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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すでにエンドは決めております


ショウの舞

 

ユウガオさんと話して、どうやらガチグマの様子がおかしいのは紅蓮の湿地のクイーン・ドレディアの出した粉が原因らしかった。

 

 

「なるほど、ということはドレディアが荒ぶっていると…」

 

「そうなりますねえ……ショウさん、あなたが今回もクイーンを鎮めるの?」

 

「…はい、私にしかできないので」

 

「そうですか……ならば微量ですけれど、手助けをさせてくださいな。こちらをどうぞ」

 

 

そう言ってユウガオさんがくれたのは、何やら禍々しい色のした丸いもの。

 

 

「これは?」

 

「先ほどガチグマに使った毒除丸です。これを使えばどんな病気もイチコロですよ」

 

「ありがとうございます、必ずクイーンを鎮めてみせます」

 

 

ユウガオさんと離れて、コンゴウ団の集落に報告しに行った。

 

 

「なるほど…俺らもさっきヒナツと話してクイーン…ドレディアが荒ぶっていると知ったところだ。とにかく鎮めるぞ!」

 

「ショウさん、激辛玉の用意はできてますよ!」

 

「さすがにそれを何発も使うのは可哀想なので……」

 

 

断られちゃった。でも荒ぶってる強いポケモンなら大丈夫だと思うんだけどなあ。

 

 

「それじゃあショウ……お願い!」

 

「……はい、行ってきます」

 

 

ショウさんが、峠クイーンであるドレディアのいる舞台に上がっていく。やがて霧が晴れて姿を現したのは……

 

 

「きゅりきゅりきゅりぃ!!」

 

 

何あれ!?あれドレディアなの!?なんかフィギュアスケーターみたいになってる!!これがヒスイの姿!?えぇ〜なんか意外……イメージが180°違うなぁ……

 

そうして、ショウさんがドレディアを鎮めるための戦いが始まったけど……それはもう、美しかった。

 

どちらが、とかじゃない。どちらも美しかった。ドレディアも、まるでダンスのようにあちこち飛び回って激しいけれど、ところどころに気品を感じる。

 

 

でもショウさんは、もっと綺麗だった。ドレディアの攻撃を避けながらも、シズメダマを投げていく。その動きには一切の無駄がなくて、すごく洗練されていた。まるでそういう舞みたいだ。文化として残っていてもおかしくないぐらいには美しかった。

 

 

「うわぁ……」

 

 

思わず、感嘆の声が漏れた。もちろん攻撃がショウさんに当たったらひとたまりもなくて、ショウさんは必死で頑張ってるというのは分かってる。それでもどうしても、美しいと思わずにはいられない。

 

気がついたら、もうドレディアはヘロヘロだった。やがて。

 

 

「最後のシズメダマ……行け!!」

 

 

ショウさんがシズメダマを投げると……ドレディアの光が天に昇っていった。そうしてクイーンのドレディアは、落ち着きを取り戻した。

 

 

「良かったぁ……ドレディア、落ち着いた……」

 

「ああ……さすがギンガ団だぜ」

 

「終わりましたよ……うわ!?」

 

「ショウさん!」

 

 

戻ってきたショウさんの手を握る。この感動を、どうしても伝えたかったんだ。

 

 

「あの、ショウさんの戦い、すっごく綺麗でした!無駄のない動きでシズメダマを投げて、攻撃を避けて!その……すっごく感動しました!!お疲れ様です!!」

 

「……えへへ、ありがとう、ございます……」

 

「お疲れ様だな、ショウ!」

 

「セキさん、それにヒナツさん、ユウガオさんも」

 

「ショウ、本当にありがとう!あたしどうすればいいかわからなくて……」

 

「ユウガオさんにも迷惑かけちまったな……面目ないぜ」

 

「ほほ……いいのですよ、これからもお互い困ったら助け合いましょう」

 

 

こうして、紅蓮の湿地に平和が戻った。僕たちは宿舎に戻って、お疲れ様会をすることにした。

 

 

「お疲れ様でしたショウさん!今日はショウさんの食べたいものなんでも作りますよ!」

 

「こぬ!」

 

「アマネさん…ありがとう、それにゾロアも」

 

「えへへ、僕はこれぐらいしかできませんけど、少しでもショウさんの助けになれたら嬉しいですから!」

 

 

結局その日のごはんはカレー。でもお祝いだから奮発してボブの缶詰を使ったジューシーカレー。お肉がホロホロで美味しいんだこれが。

 

 

「ふう……お腹いっぱい」

 

「あの、アマネさん…私今日、頑張りましたよね」

 

「はい、すっごく頑張ってました!まあいつも頑張ってますけど…」

 

「だったらあの…ご褒美、欲しいです」

 

「ご褒美?」

 

「はい、あの……撫でてもらって、いいですか」

 

「え?いいですけど…」

 

 

そう言って、おずおずとショウさんが頭を差し出してくる。何だか気恥ずかしいぞ。とりあえずなでなで……

 

 

「え〜と、これでいいですか?」

 

「もっと」

 

「分かりました」

 

「アマネさん……戦ってる私のこと、綺麗って言ってくれましたよね。すごく…嬉しかったです」

 

「えへへ、本当のことですから」

 

「はい、そうですよね。私頑張ってますよね」

 

「ショウさんは頑張ってます。僕が保証します」

 

「そうですね、アマネさんがそう言ってくれるなら大丈夫です」

 

 

ショウさんは本当に頑張ってるもんな。僕も手伝えることがあったら全力で手伝おう。




アマネ
ショウの戦いに感動した。彼女を綺麗だと言ったがもちろんフィギュアスケートを見て綺麗と言う的な綺麗である。

ショウ
一切の無駄なく戦える。アマネ大好き。
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