僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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追放イベントへのカウントダウンをしていてくださいね皆さま


甘味処デェト大作戦

 

今日もギンガ団本部に向かう。調査をして、本部に報告に行って。その繰り返し。そのはずだったのだけど。

 

 

「ショウ、今日は休め」

 

「……え?」

 

「近頃お前は輝かしい活躍をしているな。だがお前の活躍にかまけて他の調査隊員はだらけている。よって今日はペリーラ殿と共同で調査隊員に訓練を課すことにした」

 

「そう、ですか」

 

「ここ最近働き詰めだろう、少し休息を取るといい」

 

「分かりました……」

 

 

まさかのお休みをもらってしまった。というか昨日アマネさんが言ってたことはほんとだったんだ……何をしようか。確かにずっと調査をしていたから休みというのは初めてかもしれない。

 

 

「なるほど〜、それであたしに相談に来たんだね!」

 

「はい、ヒナツさんなら詳しいと思って」

 

 

ヒナツさんのことは割と信用している。真面目で優しくて責任感が強い。典型的な善い人だ。あと流行り物とかに明るそうだし。

 

 

「そういうことなら……あそこの甘味処に行ったら?最近ジョウトから来たっていうところでさ、全部甘くて美味しいの!」

 

「なるほど、気になりますね」

 

「でしょう?それで提案なんだけどさあ……」

 

 

ゴニョニョと耳元で話をされる。その話に、私は乗ることにした。

 

 

 


 

 

目を覚ますと、ショウさんはいなかった。僕が起きるのが遅かったのか、それともショウさんが早かったのか。とにかく朝ごはんを用意しないと……

 

 

「おーい!」

 

「あれ、ヒナツさんの声?」

 

「やっほ、アマネくん!ちょいといいもの、見たくない?」

 

「…いいもの?なんですかそれ?」

 

「それは見てからのお楽しみ。さあ、お姉さんについてくる?」

 

 

何やらヒナツさんがニヤニヤしている。これは悪巧みをしている顔だな。でもまあ悪いことはしないだろうしついていくか。

 

 

「分かりました、行きましょう」

 

「そう来なくっちゃ!じゃあついてきて!」

 

 

ヒナツさんに案内されて、歩いた先には。

 

 

「……どうも」

 

「……ショウさん?」

 

 

紅色の着物に身を包んだ、綺麗なショウさんがいた。……なんで?

 

 

「今日はショウお休みなんだって!だから甘味処に行ったらどうかなって思ってね!」

 

「そうなんですね〜……この着物は?」

 

「えぇ?せっかくのお休みだしさぁ、ショウも女の子だしさぁ?おしゃれさせてあげたいなぁって思ったわけ!呉服屋さんの新しい着物!どう?」

 

「えっと……似合って、ますか?変じゃない、ですか?」

 

「え、はい!」

 

「!!」

 

(即答ですよ、ヒナツさま)

 

(やるねえ、この子)

 

「ショウさんって髪がちょっと青っぽいじゃないですか。その髪色に紅が似合ってていい感じです!」

 

「……そうですか、よかった」

 

「よっしゃ!!そういうことなら決まりだね、じゃあ甘味処、行ってらっしゃい!!」

 

 

ヒナツさんとシャロンさんに猛烈に押されて、僕たちは甘味処に行くことになった。……が、その甘味処は、やたらと甘い空気が漂っていた。

 

 

「……なんかここ、変わってますね」

 

「そう、ですね……」

 

「いらっしゃいませ、こちらがお品書きになっております。どうぞ、お楽しみくださいませ…」

 

 

そう言って、店員さんは他の席に移って行った。けどなんだろうこの違和感。まあ楽しむことが優先か……

 

 

「じゃあこのアイスクリーム頼みましょうか!」

 

「あと、このクリームソーダっていうのも飲んでみたいです」

 

「すいません、注文をしたいんですけど」

 

 

店員さんに注文して、僕とショウさんの間に沈黙が流れる。なんだろう、今日のショウさんはいつにも増して静かだぞ。

 

 

「あの……アマネさん、この格好、変じゃないですか?」

 

「え?似合ってますけど…」

 

「そうですか……いや動きづらいし派手だしで、調査隊としては使えないなと思って。」

 

「……今日くらいはお仕事のこと忘れましょうよ、それにその着物だって調査以外で使うものでしょうよ」

 

「まあ、そうですけど……」

 

 

少しして、アイスクリームとクリームソーダが届く。けど……やたらハートの意匠が多いな??

 

 

「いただきます……わ、甘い……」

 

「いいですよね、クリームソーダもアイスとメロンソーダの味が合わさって優しい味です」

 

「ふふ、なんだか新鮮。ずっと調査をしててこういう時間は新鮮です」

 

「いいじゃないですか。ウエハース食べます?」

 

「あ、はい。……ふふ、サクサクしてて美味しい」

 

 

ショウさんが笑顔だ、よかったなあ。ショウさんはやっぱり笑顔が似合うよ。

 

 

「ねえ、アマネさん。昨日、私を庇ってくれたでしょう」

 

「え、何から?」

 

「陰口を叩く人からですよ、調査隊の人に絡まれてましたよね」

 

「あー……あれ、聞こえてたんですね……」

 

「聞こえますよ。でも嬉しかったです、アマネさんがはっきり言ってくれたから」

 

「それなら良かった、でも庇ったわけじゃないですからね」

 

「え?」

 

「本当のことを言っただけです、ショウさんが頑張ってるのも、真面目なのも本当のことですから」

 

「……ふふ、ありがとうございます」

 

 

それからお話をして、お金を払って甘味処をあとにした。美味しかったし会話も弾んだけど…結局あの甘い空気はなんだったんだろう。

 

 

 


 

 

「それで〜〜?どうだったのよ、甘味処でのデェトは」

 

「……いつものお礼を、言いました」

 

「えぇ〜!?なんだあ、てっきりそういう雰囲気になったと思ったのにい」

 

「……でしょうね、あそこの甘味処、恋仲の人しかいませんでしたし」

 

「ふふ、でも楽しかったでしょ?顔が浮かれてるよ?」

 

「まあ、否定はしません。でもアマネさんの鈍さは絶望的ですから」

 

「そんなに?まあ櫛を善意で贈る時点でお察しだけどさ」

 

「でもいいんです、一緒にいるのが幸せなんです」

 

 

ヒナツは、ショウの顔を見てニヤニヤが止まらなかった。ショウの顔は、とても幸せそうだったからだ。




アマネ
クソボケ野郎。甘味処の甘々ムードにも違和感程度しか抱けなかった。

ショウ
乙女。アマネが大好き。
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