僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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ひとりぼっちのショウ

 

それから、しばらく経って。ショウさんは次々とキングを鎮めていった。他にもムラの人たちからの依頼もこなして、ポケモンたちも捕まえていった。それはいいことだ。いいことなんだけど。

 

 

「ショウさん……このケガはなんですか」

 

「……オヤブンのゴウカザルと戦って、その時に」

 

「もう!いくら図鑑を埋めるためだからって、無茶しないでください!!」

 

 

ショウさんのケガの頻度が増えた気がする。原因は分かってる。団員ランクが上がって、より強いポケモンを捕まえられるようになったからだ。

 

 

「ごめんなさい……でも無事にオヤブンは捕まえましたよ!」

 

「そうじゃなくて!僕はショウさんのことを言ってるんです。いくら図鑑を完成させたって、ショウさんが死んじゃったら意味ないですよ!!」

 

「……そう、ですよね。ごめんなさい」

 

「分かってくれたならいいんです。宿舎に戻って、ごはん食べましょう」

 

 

ショウさんの手を取って、宿舎に戻る。けどなんだか元気がないぞ。ケガが痛むのかな。

 

 

「……ねえ、アマネさん。私最近、不安になってきたんです」

 

「不安?」

 

「アマネさんは、タイムスリップしてきたって言ったでしょう。だから元いた場所の記憶もある。でも私は……おぼろげにしか思い出せないんです。ジムとか、コンテストとか。そういうものは思い出せるけど、家族とかの顔は全く…出てこないの」

 

「…ショウさん」

 

「ふと思うんです。もし元いた場所に戻っても、私に居場所がなかったら……って。私を心配してくれる家族とかがいなかったらって。」

 

「………」

 

「だから少し、やけになっていたのかも。ごめんなさい、こんな話して……」

 

「…もし、元いた時間に戻ってショウさんの居場所がなかったら。僕の家で一緒に暮らしましょうよ」

 

「………え?」

 

「ショウさんみたいな強くて優しい人なら大歓迎です!お母さんもショウさんくらい……いやそれ以上に強い人なのできっと大丈夫です!」

 

「アマネさん……」

 

 

ショウさんを、独りにしたくない。これはずっと、僕の行動の奥底にあるものだ。初めて会った時のあの悲しそうで寂しそうな顔を、今でも覚えてる。だからこそ、ショウさんには笑顔でいてほしい。

 

 

「……ありがとう、私、頑張ります。無茶しない程度に!」

 

「はい!」

 

 

それから、最後のキングを鎮めに行った。あまりの大きさにびっくりしたけど、ひとまず安心……の、はずだったのだけど。

 

 

「空が、赤くなった……!?」

 

「なにこれ……」

 

 

クレベースを鎮めた翌日のこと。空が赤くなっていた。夕焼けとかじゃない。完全に真っ赤。これはおかしいと、ギンガ団本部に集まることになった。そこで、僕たちはデンボクさんに衝撃の言葉を投げかけられた。

 

 

「この異変は……ショウ、貴様がきっかけなのではないか!?」

 

「………は?」

 

「おいデンボクどの、何言ってんだ!」

 

「そうだよ、ショウさんがそんなこと……!」

 

「だが!!そもそもキングたちが暴走し始めたのもこの者がムラに現れてから!!貴様はキングたちを暴走させ、それを己で鎮めることで信用を得ようとしていたのではないか!?」

 

 

なんて、ひどい言いがかりだ。あまりの怒りに、心の器からどろどろとしたどす黒くて熱いマグマのようなものが溢れてくるのを感じる。でもだからと言ってショウさんの無罪は証明できない。だってここまで来ても、空の裂け目については何も分かっていないんだから。

 

 

「ショウ、本日をもって貴様をコトブキムラから、いや、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギンガ団から、追放する!!」

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