結局、だめだった。どれだけ努力しても、もがいても。
「追放だってさ、恐ろしい」
「空の裂け目から落ちてきた人間だろう?今までがおかしかったのさ」
そう陰口を叩かれる。もう睨む気も起きないので無視することにした。みんなが、私が助けてきた人たちが私を見ている。不安そうな目で、訝しむような目で。
シマボシさんが何か言っていたけど、私には聞こえなかった。ただ励ましてくれていたような、気がする。
黒曜の原野に放り出された。あーあ。何やっても無駄だったってことかな。いっそ考えたんだよ、全部壊してやろうかなって。でも虚しいだけだろうからやめた。
ああ、結局こんなものか。どれだけ努力しても、必死に生きても。セキさんもカイさんも、怒ってはくれたけど庇ってはくれなかった。仕方ないよね、余所者だもの。そうだ、余所者。ずうっとそう言われてきた。どうして私だけ。
心がすうっと冷めていくのがわかる。なんというか、怒りとか憎しみとか通り越した感じ。逆にものすごく冷静になった。
「ショウさーん」
ああ、アマネさんの声が聞こえる。とうとう幻聴まで聞こえ始めたか。私って意外と弱かったんだな。
「ショウさーん!どこですかー!?」
……幻聴にしては、やけにはっきり聞こえるような。上を向くと、ポケモンに乗って飛び回るアマネさんがいた。
「!??! あ、アマネさん!?!」
「あ、ショウさんいた!良かったぁ」
アマネさんはいつも通りの笑顔でこっちに降りてくる。わからない、どうして?私は追放されたはずで、一応アマネさんもムラの人間で。追放された私に近寄ってもいいことなんてないのに。
「いやぁ、セキさんとカイさんと話してたら遅くなっちゃって……」
「いや、なんでここに?」
「え、ショウさんを追いかけて……」
「それは分かります。理由がわかりません。」
「?? ショウさんを助けたいんです。まあどうすればいいかは分かってないですけど……」
「……なんで?私、容疑者なんですよ。赤い空だって、本当に私のせいかもしれないんです。私に関わってもいいことなんて……」
「確かに、そうかもしれませんね。それでも」
アマネさんが、まっすぐに私を見る。
「たとえ間違いでも、僕は僕が見てきたショウさんを信じたいんです」
「………」
なんて、まっすぐな瞳なんだろう。相変わらず、アマネさんには勝てないなぁ。思わず、涙が溢れてくる。
「ふふ、あはは……」
「ショウさん?……うわっ」
アマネさんに抱きつく。私よりも小さいし、体だって華奢なのに。どうしてこんなに、力強く感じるんだろう。
「ありがとう、私を信じてくれて。ありがとう……」
「……当たり前です」
「いやあ、アオハルですねえ!!」
「「ぎゃあ!?」」
突然の大声。振り向くと、ウォロさんが立っていた。
「いやなに、ジブンもショウさんを追いかけてきたんですが……お邪魔でしたかね?」
困り眉でわざとらしく言う。ああ邪魔だとも。
「まあとにかく。この異変を解決するにあたり、ジブン少々心当たりがありまして。どうします?ショウさん。」
「……もちろん、行きますよ。解決してやります」
「よろしい!それではレッツゴーです!!」
こうして私とアマネさん、それからウォロさんで赤い空の異変を解決することになった。ウォロさんはマジで邪魔だけど、まあ許してやろう。