「
『アマネ。貴方は、チャンピオン・ヒカリを知っていますね。類稀な才を持つ少女。彼女を模倣して作った人間、それがショウです。いわばドッペルゲンガーのようなものです。ショウは、ヒカリと同じ時間にはいられない。同じ人間が同じ時間に2人存在していると、世界に致命的な
「………」
そ、んな。確かに、ショウさんとヒカリさんは似ていると思ったけれど。親戚とか、それとも先祖とかそういう関係だと思っていた。嘘だと思いたい。でもアルセウスのあまりにも淡白な物言いが、嘘じゃないと突きつけてくる。
『話すつもりはなかったのですがね。アマネを送り込んだことでショウに執着が生まれたことは誤算でした。ですが働きに応じた報酬はちゃんと払います。ショウ、貴方の望みを叶えてあげます』
「……ふざけるな!!」
許せない、許せない。ショウさんを1人にしておいて、あれだけ傷つけておいて真実が“これ”か。ふざけるな、ふざけるな!!
「ショウさんがコピーだって!?確かにお前が作った存在かもしれない、でもショウさんは懸命に生きて来たんだ!!それすらお前はなんとも思わないのか!!」
『ええ。元々そのために作ったので』
「この……!!」
モンスターボールに手をかける。僕の手持ちみんなでアルセウスを激辛でボコボコに……
「……ショウさん?」
ショウさんが、僕の手を掴んでいる。俯いていて、表情は伺えない。
「もう、いいの」
「……え」
「アマネさん。私、もう大丈夫だから。アルセウス、アマネさんを元の時代に返してあげて」
『分かりました』
「ショウさ……!!」
その瞬間、僕の体が光り出す。そして足元からゆっくりと消えていく。まさか、戻されるのか。ショウさんを、1人残したまま?
「そんな、いいわけない!ショウさん、僕の手を……!!」
ショウさんの手を掴もうとすると、僕の手がすり抜けた。
「もうひとつお願い。アマネさんから、私と……この時代に関わる記憶を消して」
『分かりました』
「ショウさん、ショウさん!!」
ショウさんがこちらを振り向く。ショウさんは、笑顔だった。いつも通りの、優しくて明るい笑顔。
「アマネさん、ありがとう。私のことを助けてくれて。私の味方でいてくれて。でももういいの。アマネさん……」
ショウさんの手が触れる。
「ありがとう、大好き」
「あ、あぁ……」
涙が溢れる。どうして何もできないんだ。どうして最後まで、見ているままでいるんだ僕は。
失意と涙の中、僕の意識は途絶えた。
軽い足取りで、コトブキムラに戻る。アルセウスからは
『ショウ。貴方はこの先、何をするにも自由です。どうか、貴方の
そう言った。何をするにも自由だと。ならば、好きにしてやろう。いつだったかウォロに押し付けられた、のろいぎつねの面を被る。世界への恨み辛みが篭っているのだとか。
「……誰かと思えば、ヒスイの英雄様じゃない。何そのお面、変なの」
身の程知らずに声をかけてきた女の首を、鋭い爪が掻き切った。