種付け奴隷剣闘士として売られた僕が貞操逆転世界で地位を得るには   作:恋狸

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初試合

 えー、はい。

 チートはありませんでした。

 

 お疲れ様でした、解散……解散。

 と言いたいところですが、チートが無かった代わりに多少体が頑強になったのと、魔法を使える土壌のようなものが備わっていました。

 

 ……うーん、ってことは異世界転移じゃなくてもしかしたら転生してる……? もしくは異世界に行った時に体が作り変えられた的な?

 

 異世界転移前の記憶が曖昧なんだよなぁ……。

 高校の登校途中だった気がするような違うような……朝からシコってた記憶は結構明確なんだけども……。

 

「ふんぬっ!! 《ライト》!!!」

 

 僕の手がピカッと光り輝いた。

 スマホのライトくらいの光量である。

 

 最初の試合までの一週間の間で、僕は【初級魔術】と呼ばれる簡単な魔法を使うことに成功していた。

 種類としては、今僕が使った光を灯す魔法である《ライト》。

 指先に小さな火を灯す《ファイア》。

 夏祭りのくじ引きで貰えそうな水鉄砲レベルの水を指先から出す《ウォーター》。

 スカート捲りくらいはできるかな? ってレベルの風を巻き起こす《ウィンド》。

 

「はー、つっかえー」

 

 どういう感じで試合するとか全く聞いてないけど、剣闘士と言うほどなんだし剣とか拳とかでリアルガチファイトする感じなのだろう。

 

 ただし、男が負けるとエロいことをされるということは──エロいことをしても支障がない程度の傷しか負わないということでもある。

 

 うん、命には別状なさそうというのは助かることだね。あまり楽観視もしてられないけど。

 

 ……はぁ、でもこんなクソみたいな魔術しか使えない現状で異世界人に勝てるかというと微妙オブ微妙である。

 

 

 おっぱい揉みたいなぁ……。

 負けてエロいことされてる最中に揉めるだろうか。

 

 でも僕って基本的に受け身なの性癖じゃないんだよねぇ……かつての友達には「どう考えても受けの顔だろ」とか非常に不名誉なことを言われたりなどしたが、僕は腰を振られたいわけじゃなく振りたいのだ。

 振ったことないけど。

 

 いや、でもエロいことをされたい……って欲望もあるんだよね……こればっかりは童貞というか男の性というか、性癖にそぐわなくてもエロいこと自体はしたいしされたい、的な??

 

「まあ、剣闘士相手にはノー。割と死人出てるっぽいし」

 

 色々と情報を集めた結果、種付け奴隷剣闘士の死因第一位が、エロい行為の最中に興奮した女剣闘士にべきべきに骨折られて死ぬことらしい。

 

 勿論殺すのはダメらしいので、それをしてしまった剣闘士は犯罪奴隷に堕ちてしまうとのことだが、僕としてはそんなことで殺されたらたまったもんじゃない。

 

 絶対に負けることができない。

 負けたら死、()()()に身請けされても死。

 僕はとにかく勝ち続けて自分を買うしか道がない。

 

 やってやる……!!!

 さすがに第一回戦目から強そうなやつは来ないだろ!!!

 

 

☆☆☆

 

『さぁ!! 今回の種目は()()()()()()()です!! どちらが勝つのでしょうか!!!』

 

 めちゃくちゃ強そうなヤツが相手な上に種目が謎いんですけどこれは一体どういうことですか?

 ……ン? え? 戦うんじゃないの?

 

「よォ、どうやらここは初めてらしいな」

「あ、はい。どうも。ユウタです」

「……ンッフ、オレ好みだ……」

 

 ジュルリと舌なめずりして僕の体を隅々まで見るお姉さんの目が捕食者のようで、ぶるりと体が震え上がる。

 あの体で押し潰されるようにエロいことをされたら……僕は……!!

 

 くっ……死なないなら正直悪くはない!!!

 

 ……危ない、危ない。

 思わず勃ってしまうところだった。

 

 そんなことより話が通じる間にここでのルールとか……それこそローション相撲がなんなのか聞いておかないと。

 

「あの、てっきり剣とか拳で戦うのかと思ったんですけどローション相撲ってなんですか……?」

 

 おずおずと聞く僕に、亜人のお姉さんは訝しげに眉をひそめた。

 

「あん? 知らねェのか? ……あー、まあ黒髪黒目ってことは外国から来たのか。そりゃヌルシアムのシステムを知らなくても不思議じゃねぇ」

 

 僕の体を舐め回すように見たお姉さんは、情欲の籠った瞳を少しばかり抑え、理知的な表情で納得したように頷いた。

 

「……にしても! このオレを見てビビらずに話しかけてくるなんて随分と肝が据わったオスじゃねーか。その気概を買って、このオレ様がここでのルールを教えてやろう」

 

 しかし、再び目にハートが宿っていてもおかしくないギラギラした視線で僕を見ると、乱雑に僕の頭を撫で回しながらそんなことを言った。

 

 あ、ちゃんと教えてくれはするんだ……。

 意外と話し通じるし優しいな……。

 僕の二倍くらい身長あるし腹筋はバキバキだけど、巨乳だし優しいし(当社比)カワイイから好きになってきたかもしれない……。

 

 とりあえず僕はルールをご教示してくれるとのことなので、頭を下げて礼を伝えることにした。

 

「ありがとうございます! えっと……フィルナさん? えへへ……」

「……ッ、な、なんだ……? 女で亜人のオレに礼……だと……? 余程世間を知らねェ箱入り息子が何かか……? いやでも本能的に男は女を嫌うって言うしな……いやいやンなことどうでも良くて笑顔がエロいなコイツ……ぶち犯してぇ」

 

 ブツブツと呟き始めるフィルナさん。

 何だかその表情が徐々に怪しいものになっているような気がしないでもないけれど、貞操逆転世界ってそういうもんだよね、という謎の理解がある。

 

「ふぅ〜〜〜、良いか? ここヌルシアムは男娼闘技場だ。普通の血なまぐさい闘技場は別でちゃんとある。だからこそ、男娼であるお前らに強さは別に求めちゃいねぇのさ」

「あ、僕って男娼だったんだ……。確かに種付け奴隷剣闘士とかあのおじさん言ってたし」

「知らなかったのかよ! ……まあ良い。──ヌルシアムには色々な競技があってな。それで勝ち負けを付けてるのさ。男娼側にも勝ち目があるようにしてな。ローション相撲もその一種だぜ」

 

 ほーん、なるほどなるほど。

 確かにフィルナさんに素の実力で勝てる気なんてしないしね。フィジカルが違いすぎる。

 つまりは、別の競技に置き換えて勝敗を付けているのは男娼である僕たちに対する救済措置のようなもの……ってことか。

 

「じゃあ男娼って結構勝ったりしてるんですか?」

 

 僕はふと気になって聞いた。

 すると、フィルナさんは犬歯をむき出しにしてニヤリと笑うと大仰に首を横に振った。

 

「ははっ、幾ら実力勝負じゃないって言ったってビビリ貧弱な男に負けるほどオレたちは弱くない。アイツら、オレたちの前に立ったら何もできないんだぜ?」

 

 ま、お前もそうなるだろうけどな、とブルンっ! と大きな胸を揺らしながら笑うフィルナさん。

 僕はついついその巨乳に視線が引き寄せられてしまう。

 ……おっと危ない危ない。

 

「でもそれって観客はつまらないんじゃないんですか? 勝ちの見えてる試合って見る価値が無いんじゃ……」

「ははは! お前は面白いな! ──ここは曲がりなりにも娼館だぜ? 試合はあくまでも前座。観客が求めてるのは、女側が試合に勝った後に繰り広げられる娼技(しょうぎ)だけだ!」

 

 ……あ〜〜、そっか。

 逆に勝敗が見えてるからこそ、可愛い男の子にえっちなイタズラをしてる瞬間しか観客は求めてないのか。

 

 ……そっか、男娼は勝つことを想定されてないんだ。……なんかムカつくな。

 

 ……どのみち僕は勝ち続けないといけない運命にあるんだ。

 オモチャのように壊されるのも、ご婦人に身請けされて一生飼い殺しにされるのも嫌だ。

 

 自由の身になってハーレムをつくる。

 腰を振られるんじゃなくて振る。

 

 そのためには、試合に勝って自由の身にならなければいけない。どんな相手が来ても勝つしかないんだ。

 

『──それではァ! 初めての方のためにルール説明をしていきたいと思います!』

 

「おっと、そろそろだなァ。んっふ、楽しみにしてるぜ。試合に勝った後にお前の肢体を味わうのをな♡」

 

 まるで僕に勝つことを信じて疑わず、勝ち誇った瞳をしているフィルナさんに僕はブツッと頭の血管が()()()のを感じ取っていた。

 

 

 ──ぜったいに勝ってやる。

 

 そしてあわよくば試合中にエロいことしてやる。

 

 

 

 そう僕は決意した。

 微かに震え、持ち上がるムスコを宥めながら。

 

 

 

 

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