【遊戯王】ドラゴンマスター・サワダ   作:おならむし

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20:アラキVSタカナシ──連撃蘇生の吸血鬼(ヴァンパイア)

◇あらすじ

ドラゴン・オブ・ルインの加護の弱体化に焦りを表すサワダ。

一方、アラキは商店街へ息抜きのための買い出しに出ていた。

そこでカワベのかつての同志……”アンデットシンクロ”タカナシに襲撃され、デュエルが始まる。

タカナシはアラキを餌にカワベを誘き出す策謀を描いていた。

 

──────────

 

!!DUEL!!

アラキ[LP 4000]vs[LP 4000]タカナシ

 

 アラキは強く息を吐き、「俺のターン、ドロー!」と声を張り上げる。

 

TURN 1:アラキ[LP 4000/手札 5→6]

 

 手札6枚から、まずは様子見の布陣を取る形に。

 

シールド・ウォリアーを守備表示で召喚。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

▶召喚(守備)

【シールド・ウォリアー】(DEF 1800/★4)

 

▶▶リバースカードセット×1

 

 木の盾を構えた戦士がアラキのフィールドに現れ、守備態勢を築く。アラキはさらに1枚の伏せカードを置くと、視線だけでタカナシを威圧するように睨む。

 

 だが、タカナシは無表情のまま手札をいじり、「ふん……その守備的な動き、カワベと同じ退屈さだな」と吐き捨てるかのように呟いた。

 

──────

 

 タカナシは歩幅を一歩詰めるようにして、「俺のターン、ドロー」と言い放つ。

 

TURN 2:タカナシ[LP 4000/手札 5→6]

 

 手札6枚に増やしたところで、不敵な笑みを浮かべる。

 

「さて、前菜はさっさと片づけるとするか……カワベを誘き出すためにな」

 

 その言葉にアラキが「前菜だと……!?」と激怒し、握り拳を固めるが、タカナシはどこ吹く風で魔法カードを宣言した。

 

【冥府への供物】を発動する。デッキのアンデット族1体を墓地へ送る……俺はゾンビ・チューナーを墓地へ落とす

 

▶墓地肥やし

【ゾンビチューナー】→デッキから墓地へ

 

 アラキは怪訝そうに首をかしげる。「わざわざデッキから墓地へ送るなんて、何考えんだ?」と少し馬鹿にするように言うが、タカナシの表情は不気味な笑みのままだ。

 

「狙いは簡単さ。俺のアンデット族は墓地こそが真の力を発揮する場所だ。……ネクロ・サーヴァントを攻撃表示で召喚

 

▶召喚

【ネクロ・サーヴァント】(ATK 1800/★4)

 

 鋭い爪を持つアンデット戦士が地上に具現化し、その骸のような体から冷たい瘴気を放っている。さらにタカナシは、素早く手札の速攻魔法カードをかざした。

 

速攻魔法発動。【地獄の蘇生】──効果により、墓地のアンデット族1体を特殊召喚する。ゾンビ・チューナー、蘇れ!

 

▶蘇生

【ゾンビ・チューナー】(ATK 1300/★2)

 

 墓地に落とされていたギアを持つゾンビが蘇る。蘇ったゾンビ・チューナーを見つめながらチューナー、というワードにアラキが疑問を抱く。

 

「チューナー…… 初めて見る種類だが……何だよ、チューナーって?」

 

 タカナシはふっと笑い、「シンクロ召喚専用のモンスターだ。時代についてこれない貴様らには縁のないモンスターだがな。」と殺伐と語り、そのままさらに行動を重ねる。

 

「さあ、見るがいい──レベル4のネクロ・サーヴァントに、レベル2のゾンビ・チューナーをチューニング……!

 

▶チューニング

【ネクロ・サーヴァント】(★4)

+【ゾンビ・チューナー】(★2)

 

 ゾンビ・チューナーの足元からエメラルドのリングが二重に展開し、身体は光の輪へとほどけていく。その二つのリングがネクロ・サーヴァントを“走査”すると、★4の光点が弾けて宙に並び──緑の輪を貫く光柱が立ち上がり、素材が一つの影へ収束した。

 

シンクロ召喚! 現れろ、ヴァンパイア・リヴァイバー!

 

▶シンクロ召喚

=【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300/★6)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 次の瞬間、空間そのものが軋むような圧が走り、近くのガラス窓に蜘蛛の巣状のヒビが一斉に広がった。

 

 裂けた光の奥から現れたのは、灰色の肌に紅い双眸を宿す吸血鬼──黒衣を翻す【ヴァンパイア・リヴァイバー】。指先には血の鎖めいた紅い魔力が絡みつく。

 

「これが……シンクロ召喚……!?」

 

 アラキは思わず息を呑む。チューナーと素材モンスターのレベル合計で上級モンスターを呼び出す。初めて見る召喚法に驚きを隠せない。タカナシは鼻を鳴らし、「驚きはまだ早い」と呟き、攻撃宣言に移る。

 

「ヴァンパイア・リヴァイバーでシールド・ウォリアーを攻撃……<紅鎖裂断(クリムゾン・ウィップ)>!

 

▶攻撃

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300)

→ 【シールド・ウォリアー】(DEF 1800)

──〔撃破!!〕

 

 吸血鬼の操る血の鞭が木の盾を構えた守備モンスターを粉砕する。アラキは溜息をつくが、まだライフにダメージはない。タカナシはしかし満足げに続ける。

 

「ヴァンパイア・リヴァイバーの効果発動。自分のアンデット族がモンスターを戦闘破壊したとき、墓地からアンデット族1体を復活させる──血盟蘇生(ブラッド・リバイブ)》! 蘇れ、ネクロ・サーヴァント!

 

▶蘇生

【ネクロ・サーヴァント】(ATK 1800/★4)

 

 《血盟蘇生(ブラッド・リバイブ)》の宣言と同時に、ヴァンパイア・リヴァイバーの持つ血の鞭が走る。

 

 鞭は地面の影を裂いて地獄の底へ潜り込み、何かを絡め取ると、骨を擦る音とともにネクロ・サーヴァントをずるりと引きずり上げた。

 

 泥と怨嗟を滴らせたまま立ち上がったネクロ・サーヴァントに、タカナシは間髪入れず「直接攻撃」と命を発した。

 

▶攻撃

【ネクロ・サーヴァント】(ATK 1800)

→ アラキへ直接攻撃!

──〔直撃!! LP -1800!〕

 

アラキ[LP 4000→2200]

 

「ぐっ……」

 

 ネクロ・サーヴァントの爪によりアラキのLPが大きく削られ、アラキは膝を落とすように苦しげに眉を歪めた。しかし、このダメージに反応して手札のあるカードが光る。

 

「手札のコイツの効果を使うぜ。自分がダメージを受けたとき、手札から特殊召喚できるんだ……出でよ、ヒーロー・オブ・ホープ!

 

▶特殊召喚

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 2500/★6)

 

 巨大な剣を携えた光の戦士がアラキの前に降臨し、タカナシは目を細めるようにそれを見据える。

 

「いちいち鬱陶しい。カワベと同じく保守的な上級モンスターだな」と小さく嘲るように言った。

 

 アラキは拳を握って言い返す。

 

「あんた何でそんなにカワベさんを目の敵にするんだ!?」

 

 そこへ、タカナシが声を鋭く張り上げる。

 

「俺とカワベはデュエルアカデミーの同期だった。だが、ある日、奴は俺のシンクロ召喚を妬んでアカデミーの上層部に直談判しやがった。”危険すぎる”とな……結果、俺はアカデミーから追放された──あの連中はシンクロを理解できなかったクズ共なんだ!」

 

 その言葉には暗い恨みが混ざり合い、アラキは「禁じられた召喚を勝手に使ったお前が悪いんだろうが!」と食ってかかる。

 

 しかし、タカナシは鼻で笑い、「小僧が……さあ、もっともがいてみせろ」と言い放ち、カードを1枚伏せて「ターンエンドだ」と締めくくった。

 

▶リバースカードセット×1

 

 暗い路地に冷たい風が吹き抜け、二人の険悪な視線が交錯する。アラキのLPは2200にまで下がったが、ヒーロー・オブ・ホープが場に登場し、まだ逆転の余地を残している。

 

 タカナシは不気味な笑みを浮かべつつ、さらなるシンクロを準備しているのか──。

そうして、アラキの次の一手へとデュエルの流れは移っていく。

 

──────

 

 夕刻の裏道には、生暖かい風がわずかに吹き込む。視線を交わしたままの二人のライフは、アラキが2200、タカナシが4000。シンクロモンスター含む2体がタカナシのフィールドを占拠しているが、アラキはヒーロー・オブ・ホープを場に出し、まだ戦意を失っていない。

 

— FIELD STATE —

アラキ[LP 2200/手札 3]

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 2500)

リバースカード×1

--------------------

タカナシ[LP 4000/手札 2]

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300)

【ネクロ・サーヴァント】(ATK 1800)

リバースカード×1

 

「俺のターン、ドロー!

 

TURN 3:アラキ[LP 2200/手札 3→4]

 

 手札4枚になったアラキは、すぐに魔法カードを掲げる。

 

「シンクロ召喚ばかりが強力なわけじゃない。上級モンスターは別の手段でも出せるってところを見せてやる!」

 

 そう告げて発動したのは【ブレイブ・リクルート】という通常魔法。アラキの声が裏路地に響いた。

 

「自分フィールドにいる戦士族と同じレベルの戦士族を、デッキから特殊召喚できる……ヒーロー・オブ・ホープはレベル6、同じ星6のブレイブ・パラディンを特殊召喚!

 

▶特殊召喚

【ブレイブ・パラディン】(ATK 2600/★6)

 

【挿絵表示】

 

 粉塵が舞い上がるように光が集まり、勇壮な鎧をまとう騎士がアラキの側へと現れる。攻撃力2600という頼もしい数値に、アラキは手応えを感じたように表情を引き締める。

 

 さらに、「そして通常召喚……ブレイブ・ナイトを召喚する!」と続ける。

 

▶召喚

【ブレイブ・ナイト】(ATK 1700/★4)

 

 場に下級戦士が追加される。これでフィールドにはヒーロー・オブ・ホープとブレイブ・パラディン、そしてブレイブ・ナイトの3体が並ぶ。タカナシの眸がわずかに揺れ、「ふん……ずいぶん並べやがって」と低く吐き出す。

 

 アラキは拳を握り、「バトルだ!」と力強く宣言する。

 

「ブレイブ・パラディンでヴァンパイア・リヴァイバーを攻撃! さらにヒーロー・オブ・ホープでネクロ・サーヴァントを攻撃だ!」

 

▶二連続攻撃!!

【ブレイブ・パラディン】(ATK 2600)

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 2500)

→【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300)

→【ネクロ・サーヴァント】(ATK 1800)

──〔2体撃破!! LP -1000!!〕

 

タカナシ[LP 4000→3000]

 

 パラディンの剣閃が吸血鬼じみたモンスターを両断し、光の英雄がアンデット兵を叩き砕く。タカナシの盤面は一挙に更地となり、ライフも3000へ削られる。

 

 アラキは畳みかけるように続けてタカナシに向けて指を差し「ブレイブ・ナイトでダイレクトアタック!」と叫ぶ。

 

▶攻撃

【ブレイブ・ナイト】(ATK 1700)

→ タカナシへ直接攻撃!

──〔直撃!! LP -1700!〕

 

タカナシ[LP 3000→1300]

 

 ブレイブ・ナイトの剣劇によりタカナシのLPは1300へ転落。その華麗な三連撃により、形勢が逆転したように思える。アラキは鼻先を拭うようにし、「どうだ、これが俺の実力だ」と言わんばかりの笑みを浮かべるが、タカナシはまるで平然としたまま。

 

「この程度で、俺を止められると思うなよ……」

 

 タカナシの威圧感を感じ取り、アラキはなぜか不安を覚える。

 

「LP1300まで追い詰めたのに、なんで余裕そうなんだ……」

 

 アラキはそれでも意気込みを保ち、「ターンエンド」と告げる。裏道の暗がりからかすかに光が消える中、タカナシの目だけが怪しく光を宿しているかのようだ。

 

──────

 

 タカナシは一歩踏み出し、「俺のターン、ドロー」と言い放つ。

 

TURN 4:タカナシ[LP 1300/手札 2→3]

 

 アラキの場にはモンスターが3体、タカナシは0体。

 

 しかし、アラキは圧倒的な盤面優位を確かめながらも、何か狡猾な策が潜んでいるのではと警戒している。

 

— FIELD STATE —

アラキ[LP 2200 / 手札 2]

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 2500/★6)

【ブレイブ・パラディン】(ATK 2600/★6)

【ブレイブ・ナイト】(ATK1700/★4)

リバースカード×1

--------------------

タカナシ[LP 1300 / 手札 3]

リバースカード×1

 

 

 そこでタカナシは笑みを深めながら、「【レベルドレイン・ドロー】を発動する」と魔法カードをフィールドへ出した。

 

「相手モンスターの合計レベルが、自分モンスターの合計レベルより高いとき、レベルの差5につき1枚ドローできる。今、お前の場にはレベル6が2体とレベル4が1体……合計レベル16。俺の場はレベル0。差は16……3枚ドローだ」

 

▶ドロー

タカナシ[手札 2→5]

 

 アラキは顔をしかめ、「俺のモンスターの多さを逆手に取られた……?」と不本意そうにつぶやく。タカナシは笑い声を低く漏らしながらデッキトップから3枚ドローし、手札を5枚に増やす。

 

「いくら数を並べても、シンクロの前には意味がないって事を教えてやる」

 

 彼はそう言うと、すぐにモンスターを召喚する。

 

シャドウ・ゾンビを召喚だ。召喚時の効果で墓地のレベル4以下アンデット族を1体蘇生する。蘇れ、ゾンビ・チューナー」と続ける。

 

▶召喚

【シャドウ・ゾンビ】(ATK 1500/★4)

▶▶蘇生

【ゾンビ・チューナー】(ATK 1300/★2)

 

 暗黒のオーラを纏うゾンビが登場、呼応するようにチューナーが墓地から蘇り寄り添うように横に並ぶ。アラキは虚を突かれたように目を見開き、「お前、またチューナーを使う気か……?」と警戒する。

 

 タカナシはアラキの反応を無視し、通常魔法【リザレクション・リクレイム】を取り出発動する。

 

「生贄にしたモンスターと同種族のモンスターを墓地から蘇生させる!シャドウ・ゾンビを生贄に、アンデット族を墓地から蘇生する。戻ってこい、ヴァンパイア・リヴァイバー!

 

▶生贄

【シャドウ・ゾンビ】

▶▶蘇生

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300/★6)

 

 再び姿を現すシンクロモンスターにアラキは驚愕を隠せない。

 

「さっき破壊したはずのシンクロモンスターが……こんなあっさり……」

 

 タカナシは嘲笑する。

 

「アンデットは何度でも蘇る!さらに行くぞ……レベル6ヴァンパイア・リヴァイバーに、レベル2ゾンビ・チューナーをチューニング。シンクロ召喚!

 

▶チューニング

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(★6)

+【ゾンビ・チューナー】(★2)

 

 ヴァンパイア・リヴァイバー(星6)とゾンビ・チューナー(星2)が混ざり合うように光の束を形成し、闇のうねりを伴って巨大なシンクロの渦を描く。現れるは新たなるシンクロモンスター。

 

出でよ……レベル8、デス・ファントム・シンクロ!

 

▶▶シンクロ召喚

【デス・ファントム・シンクロ】(ATK 3000/★8)

 

【挿絵表示】

 

 渦の中心から這い出たのは、白骨じみた鱗に覆われた禍々しい飛竜──首は異様に長くうねり、枯れ枝のような角が乱立している。胸には呻く亡者の顔が幾重にも埋め込まれ、口を開くたびにそれらが一斉に歪んで叫んだ。

 

 紫黒の霧をまといながら尾を大きく巻き、朽ちた翼をきしませて、デス・ファントム・シンクロが空を圧するように浮かび上がる。

 

「シンクロモンスターを素材にさらにシンクロ召喚だと……!?」

 

 アラキは呆気に取られたまま、タカナシがにやりと口角を吊り上げる。

 

「これが“シンクロの連携”だ。——デス・ファントム・シンクロの効果、発動。シンクロ召喚時、フィールドの全てのモンスターを破壊する!《死幻爆心》!

 

▶全体破壊

⇒【ヒーロー・オブ・ホープ】

⇒【ブレイブ・パラディン】

⇒【ブレイブ・ナイト】

⇒【デス・ファントム・シンクロ】

 

 アラキは必死に「させるか!」と息巻くが、すでにタカナシの決定打は放たれている。膨大な闇色のエネルギーがアラキの戦士モンスター3体、そしてデス・ファントム・シンクロ自身さえも一挙に飲み込もうとしている。

 

 そこでアラキは、伏せてあった永続罠を発動し声を張る。

 

【勇者の盾】を使う! こいつは戦士族の装備カードとなり、装備モンスターは効果で破壊されず、更に攻撃力が500アップする! 対象は……ヒーロー・オブ・ホープだ!」

 

▶装備強化

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 2500→3000)

──〔さらに効果破壊耐性付与!〕

 

 胸に埋め込まれた亡者の顔が一斉に歪み、呪詛が黒紫の火種となって膨張──《死幻爆心》が爆ぜた。

 

 闇の衝撃波が円環に走り、ブレイブ・ナイトは鎧ごと裂けて影に溶け、ブレイブ・パラディンも身を守る間もなく粉砕される。

 

 発動源のデス・ファントム・シンクロさえも、怨嗟の逆流に骨から崩れ、霧へと還った。

 

 だがヒーロー・オブ・ホープだけは【勇者の盾】の結界が爆圧を弾き、火花を浴びながらも踏みとどまっていた。

 

▶全体破壊

⇒【ブレイブ・パラディン】

⇒【ブレイブ・ナイト】

⇒【デス・ファントム・シンクロ】

──〔効果破壊!!〕

 

⇒【ヒーロー・オブ・ホープ】

──〔勇者の盾により生存!!〕

 

 アラキは歯を噛みしめながら耐える。唯一生存したエースモンスター、ヒーロー・オブ・ホープに信頼の視線を移し、言葉を紡ぐ。

 

「ヒーロー・オブ・ホープの効果──味方が破壊されるたび、攻撃力が500上がるんだ。今破壊されたのは二体……+1000!《勇志継承(ブレイヴ・リレイ) 》!

 

勇志継承(ブレイヴ・リレイ)

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 3000→4000)

 

 ヒーロー・オブ・ホープに攻撃力は4000の大台へ。一瞬、アラキが「これで勝てる……!」と叫ぼうとした矢先、タカナシは伏せカードを表に向け、「速攻魔法【死者の呪文再現】を発動する」と宣言する。

 

「手札を1枚捨て、墓地の速攻魔法の効果を適用する。俺が選ぶのは【地獄の蘇生】。アンデット族モンスター1体を墓地より蘇生する! ……蘇れ、ヴァンパイア・リヴァイバー!

 

▶手札コスト

タカナシ[手札 3→2]

▶▶蘇生

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300/★6)

 

 何度もしつこく姿を見せる吸血鬼の再登場にアラキは嘆息する。

 

「いい加減にしろって……それでも俺のヒーロー・オブ・ホープには勝てないぞ!」と啖呵を切るが、タカナシは冷静に通常魔法を掲げる。

 

「さあ、授業の時間だ……攻撃力でかなわない相手にはどうすればいいのか?——【ソード・インバース】を発動。フィールドのモンスター全ての攻撃力と守備力を入れ替える

 

▶攻守入替

【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 4000→1800)

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2300→2500)

 

 その手札の切り返しは、どこか見覚えがあった。カワベと同門──つまりタカナシもまた、かつて同じ教えのもとで“戦い方”を叩き込まれている。

 

 力を失っていくヒーロー・オブ・ホープを呆然と見つめ、アラキは蒼ざめる。

 

「カワベさんと同じ戦法!しまった……!」

 

 タカナシは静かに手を振り、「ヴァンパイア・リヴァイバーでヒーロー・オブ・ホープを攻撃……紅鎖裂断(クリムゾン・ウィップ) 」と続ける。

 

▶攻撃

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2500)

→ 【ヒーロー・オブ・ホープ】(ATK 1800)

──〔撃破!! LP -700!〕

 

アラキ[LP 2200→1500]

 

 ヒーロー・オブ・ホープはヴァンパイア・リヴァイバーの血の鞭によりあっけなく消滅。そしてここからヴァンパイア・リヴァイバーの真価が再び顕現する。

 

「リヴァイバーの効果で、アンデット族が相手モンスターを破壊したとき、墓地からアンデット族を蘇生する。——デス・ファントム・シンクロ、蘇れ!

 

▶蘇生

【デス・ファントム・シンクロ】(ATK 3000/★8)

 

「またシンクロモンスターが……!?」

 

 再び現れる白骨の飛竜に、アラキは呆然と声を上げる。

 

 タカナシは愉快そうに残酷な笑みを浮かべ、「さあ、終わりだ……デス・ファントム・シンクロでダイレクトアタック!<黄泉裂断(よみれつだん)>!」と狂気じみた口調で叫ぶ。

 

▶攻撃

【デス・ファントム・シンクロ】(ATK 3000)

→ アラキへ直接攻撃!

──〔直撃!! LP -3000!〕

 

アラキ[LP 1500→0]

 

 <黄泉裂断>──その叫びと同時に、デス・ファントム・シンクロの長い首が鞭のようにしなり、影の刃が一直線に走った。

 

 逃げ場はない。闇の裂け目がアラキの胸元を貫いた瞬間、デュエルディスクが悲鳴のような警告音を上げ、赤い表示が一気に崩れ落ちていく。

 

 数字は止まらず──LPは0へ。アラキは息を詰まらせ、その場に膝をついた。

 

— FINISH —

LOSE─アラキ[LP 0/手札 2]

カードなし

--------------------

WIN─タカナシ[LP 1300/手札 1]

【ヴァンパイア・リヴァイバー】(ATK 2500)

【デス・ファントム・シンクロ】(ATK 3000)

 

──────

 

 アラキは地面に伏し、強力なシンクロ召喚による圧倒的連携を目の当たりにして、何もできず完敗を喫した。衝撃で痛む肩を押さえながら顔を上げると、タカナシのまなざしにはまだ冷徹な光が宿っている。

 

 その立ち回りは、力任せの暴走ではない。盤面と手札の推移を読み切り、最短の手順で勝ち筋へ収束させる──カワベと同等の高度な戦術が、タカナシにも備わっている。

 

 カワベへの執念と怨嗟、その狂気はまるで収まる気配がないと感じられ、アラキは思わず唇を噛む。こんな相手を止めるには、サワダやカワベの助力が絶対に必要だと痛感しながら、意識が遠のきかけていた。

 

──────────

 

◆次回予告

タカナシのシンクロモンスターに叩き伏せられたアラキは重傷を負い、救急搬送されてしまう。

知らせを受けたサワダは病院へ駆けつけ、カワベと共にタカナシとの決戦を決意する。

そしてカワベは語り始める──タカナシが禁断のシンクロへ踏み込んだ理由、そして二人の間に刻まれた因縁の真相を……。

 

次回「デュエルアカデミーの因縁」デュエル、スタンバイ!

星4/光属性/戦士族/ATK1500/DEF1800

効果なし(通常モンスター)

通常魔法

デッキのアンデット族1体を墓地へ送る。

星2/闇属性/アンデット族/ATK1300/DEF1100

効果なし・チューナー(通常モンスター)

星4/闇属性/アンデット族/ATK1800/DEF800

効果なし(通常モンスター)

速攻魔法

自分の墓地のアンデット族1体を特殊召喚する。

星6/闇属性/アンデット族/ATK2300/DEF2500

アンデット族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

血盟蘇生(ブラッド・リバイブ)》 自分のアンデット族が戦闘で相手モンスターを破

壊した時、墓地からアンデット族1体を特殊召喚する。

星6/光属性/戦士族/ATK2500/DEF1800

自分がダメージを受けた場合、手札から特殊召喚可能。

勇志継承(ブレイヴ・リレイ) 》味方モンスターが1体破壊されるたびに攻撃力+500。

通常魔法

自分の場の戦士族と同じレベルの戦士族1体をデッキから特殊召喚できる

星6/光属性/戦士族/ATK2600/DEF1900

効果なし(通常モンスター)

星4/地属性/戦士族/ATK1700/DEF1400

効果なし(通常モンスター)

通常魔法

相手フィールドのモンスターの合計レベルが、自分フィールドのモンスターの合計レベルより

高い場合に発動できる。レベルの差5につき1枚ドローする。

星4/闇属性/アンデット族/ATK1500/DEF1000

召喚時、墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。

通常魔法

モンスター1体を生贄にして発動する。生贄にしたモンスターと同じ種族のモンスター1体を自

分または相手の墓地から選び、自分フィールドに特殊召喚する。

星8/闇属性/アンデット族/ATK3000/DEF2200

アンデット族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

死幻爆心(しげんばくしん)》シンクロ召喚時、場のすべてのモンスターを破壊する。

永続罠

戦士族の装備カード扱いとして装備。装備モンスターは、攻撃力が500上がり、効果では破壊されなくなる

速攻魔法

手札を1枚捨てて発動する。自分または相手の墓地の速攻魔法カード1枚を選び、その効果を適用する。

通常魔法

フィールド上のすべてのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える。

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