転生したらまた愛馬だった…って、今度は女の子ぉ?!   作:ミヤセ

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2話目投稿です。
好物がたっぷりあればそうなりますよね。(グラスワンダー談


転生前の馬生~帰国~

香港のラストランを無事に終えた後、そのまま飛行機で母国へ凱旋する事になった。

空港に到着して、コンテナから降ろされ、そのまままっすぐ検疫牧場に移動。

 

 そのまま放牧され、1週間経過観察を受け、異常なしという事で無事に空港近くのイズミファームの通常放牧地へ移動。

そこでのんびり牧草を食みながら次の移動に備える。という予定だ。

しかし、ここは静かでいいな…。

飛行機の発する轟音は一番空港に近い放牧地の柵側でもしっかり管理された防音林で妨げられ、お馬さんイヤーに殆ど入らない。

 

 更に放牧地内に水場や砂場が完備されていて、のんびり出来る。俺の好物のアルファルファが群生してるポイントがいくつかあったので貪るごとく食みまくり、トコトコ水場に移動して、水を飲み、再びトコトコ次の群生地に行っ貪る。このルーチンが発する圧倒的多福感よ!

そして、そのまま集牧されて、馬房へ戻りたっぷりと飼葉を与えられる。

それをも貪るように喰らう!引退したんだ!次は繁殖だ!エネルギー大事!

などとデブ街道を邁進していた俺をスタッフさんたちは見逃してくれなかった。

 

 ファームに到着して数日がたったある日、見覚えのある車が3台、牧場の駐車場に入ってきた。

 

あれは的場さんや大窪調教師に助手の笹本さんじゃないか!お〜い!俺はここだよ~!

…って、スッゴイ渋面…。あ、デブとか牛とか小声で言われた…。

 

「あーー、…仁よ、こりゃやべえな…。」

「…そうですね。デブり過ぎです。引退式までに絞れますか、これ?笹本さん、何とかなりそうですかね?」

「いやー、きついっしょ…って言いたいんですが、やるしかないんですよね、叔父さん」

「…ああ、それでも絞るんだよ。併設されているプールとかフルで使うか…。プールでひと泳ぎさせて、坂路を5本。…んで追いプールだな。」

「それくらいやらないとだめですか。」

「叔父さん、最後のプールの後にウォーキングマシンでクールダウンさせましょう。」

「それしかねえか…。まあ、月坊も覚悟してただろうし、問題ないだろ。」

というわけで、鬼スパルタで体を強引に絞ることになりました…。トホホ…。

「あ!仁さん、角砂糖とか与えちゃだめですよ!全部、私が管理しますから!」

「わかりました。あとはなるべく斤量増やして乗れでしたよね。とりあえず、61から行きますか」

 

…え、斤量61で坂路5本とか…マジっすか…。

 

閑話休題

……そんなこんなで今は併設されているプールに居ます。

 

くそう…坂路5本やった後だから上手く水かきが出来ん!ああ!引っ張らないで!あんよが棒なの!疲れてるの!痩せるどころか溺れちゃうかも!だめ、引き綱強く引っ張らないで!泳がざるを得なくなるから!休ませて!!ああ、だめ!ウォーキングマシンはやめて!後ろから壁が来るから必死に歩いちゃう!疲れてるのに歩かされちゃう!

 

……そうして無事に最低限、体を絞れたので俺は許された。

 

さて、明日は引退式だ…。




というわけで、放牧地で好き放題した報いを受けました。
強かろうが弱かろうが、適性体重に近づけておかないと苦しむのは馬自身ですから…。
仕方ないね、うん!
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