転生したらまた愛馬だった…って、今度は女の子ぉ?!   作:ミヤセ

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漸くウマ娘編に入れました。
不定期更新にならないように頑張ります。


ウマ娘編
ウマ娘として生を受けました


真っ黒だった視界が気付けば、白一色の部屋に切り替わった。

ああ、またこの部屋か…。そう思いながら部屋の真ん中に現れたティーテーブルに向かう。

『お疲れ様。馬生の終わりを無事迎えられたようだね。どうだった?』

悪くなかったよ、オーナーにも会えたし、可愛がっていただけた。

『君は和泉兼仁が相変わらず好きなんだね〜。』

そりゃそうさ。孤児だった俺に世界を教えてくれた人だ。あの人の為なら俺は…。

『重い重い。それより、次の生はどうする?希望は…やはり和泉兼仁と一緒かい?』

…そうだな…。出来れば、あの人に感謝を伝えたいから…。意思疎通が出来る存在がいいかな。

『ふうむ…なら、また競走バ生活でも?』

それであの人の夢の一助を担えるなら…。競走馬生では結局、欧州では勝てなかった。だが、今度こそあの人の夢を叶えたいんだ…。

『…お、重いねぇ…。分かった。君が世を去り少しして出たゲームの世界が丁度君が望みそうな世界だから、それを元にしてそこで叶えるといいさ。』

ありがたい。今度こそ…俺は和泉会長の夢を叶えてみせるよ。

『因みに元になるゲームは競走馬としての君も実装されたみたいだね。』

へぇ、俺程度でも選ばれるのか。

『…勘違いしてないか?君、かなりの化け物を超えたレベルの競走馬だったからね?』

…へ?俺が?

『まず日本競馬史上初の2年間完全無敗での日本の牡馬クラシック&ダート三冠達成。並びにジャパンカップと有馬記念制覇を達成。君以降、国内の芝ダートの三冠同時達成した馬は皆無だよ、ローテの都合で…。君のラストクロップのアメノユキカゼが成した無敗での牡牝クラシック制覇(桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・秋華賞・菊花賞・エリザベス女王杯〈秋華賞は厳密には牝馬クラシックではない〉)もやばいけど、芝ダートをやったのは結局、君だけの唯一の偉業だよ。』

…へー…そうなの?

『そうなの!…で、次に4歳時国内無敗だったでしょ?』

ああ、キングジョージ6世&クイーンエリザベス2世ステークスは3着で終わったけどな…。

『…いや、それも偉業なんだよ、当時からすれば!というか、欧州G1なんて君の産駒の89年のエータスアウレアまでいなかったからね、日本内国産・国内調教馬では!掲示板入り(5着)が最上で凱旋門賞に至ってはエータスアウレアまで掲示板すら無理だったんだから!』

…そ、そうなんだ…。

『そりゃ、君は欧州に興味なかったからね、関係者も言わないさ。』

何だよ、俺って凄かったのか…。

『いや、凄かったのか…じゃないよ!ヤバかったよ!豪州・中東・香港・米国の各競馬界は君の参戦を聞いて、闘争心を燃やしつつ、また負けるのかもと半ば諦めていたし、欧州競馬界なんて君が挑戦してくる度に今度は負けるのでは?!とドキドキヒヤヒヤしてたんだから!』

…そ、そうなのか?

『二流馬が欧州競馬特有のクソ馬場で慣らし無しで掲示板上位に食い込んでくるんだぞ、毎回毎回!しかも毎回毎回クビ差とハナ差だからね!お陰で君は東洋のオリオンとか呼ばれてたんだよ!』

…うへぇ、そんな扱い受けてたのかよ。通りで向こうで提供されてた飼料、良いわけだ。

『そりゃ敬意を表するさ。米国の超良血といえど、二流の調教程度でほぼ素質のみですべてが超一流のエリート相手にあと一歩まで迫っているんだ、向こうの感覚では…。十分敬意を払うに値するさ。』

ははは…。光栄なこって…。…んで、俺の次の生は確か競走馬何だよな?生まれは何年だ?

『…そうだね、君の次の生は競走バだね、生まれは1960年になるよ。』

…うぇ?!また遡るのか?!しかも1960年とか誰産駒よ!?

『いや、君はウマ娘として生まれる。そして十五歳で競走バとしてデビューだ。』

…え、ウマ娘?なにそれ?……まさか…。

『そう、さっき伝えた君が世界を去ったあとにリリースした携帯端末用ゲーム、通称ゲームアプリのウマ娘プリティーダービーに出て来る君をウマ娘化した存在になる。』

…え、ウマ娘ってことは俺女の子になるの?!

『大丈夫、その辺はすぐ最適化するから、安心したまえ。』

…それについては安心だな。

あれ?人化するってことは大窪のおやっさんや的場さんや笹本の嬢ちゃんとは?

『ああ、彼らは君のトレーナーとサブトレーナー、コンディショナーと言う関係だね。』

なるほど…。…あれ、オーナーとは?

『君は和泉兼仁と和泉財閥の一族に所属するウマ娘扱いだね。しかも和泉兼仁の孫ウマ娘に当たる。』

…うわぁ…プレッシャー、凄いな…。

『因みにウマ娘の世界では基本的に元になる競走馬がいればそれに引っ張られるけど、100%そうなるかといえばそうでもない。ウマソウル、元になる競走馬の事ね。…よりも成績が悪くなる場合もあるし、逆に良くなることも稀にある。全ては君の努力次第さ。』

なるほど…。全て俺の覚悟次第ってわけか。

『イグザクトリィ〜!もしかしたら、兆が一の確率で欧州でも勝てるかもしれないけど…。兆が一だけどね。』

…ふん。乗せられてやるよ!オーナーの夢を叶える為にも!

『ははは!頑張れよ、彷徨う魂よ!是非とも僕を楽しませてくれ給え!…さあ、時間だ。行って来な、君の脚で!』

その言葉とともに世界が再び暗転していった…。

 

そして……。

「生まれたか?!」

「はい!元気で可愛らしい明るい栗毛のウマ娘です!」

『ホギャー!ホギャー!』

「おお、可愛らしい上に何とも力強い泣き声じゃないか!出来したぞ、ラフィアンさん!」

「いえ、黒鹿毛の私からこんな綺麗な栗毛のウマ娘が生まれるなんて…しかもこの子は走りそうですわね。」

…へぇ、そんな事も分かるんですね。

「…遅れた!ラフィアン、大丈夫か?!って、父さん!先越されたか!?」

「ははは!我が和泉財閥の期待のウマ娘の誕生だぞ?今日の予定、全てキャンセルして午前3時から待ち続けていたわ!」

「ど、どんだけ楽しみにしていたんだよ!」

「そりゃ、お前がラフィアンさんを妻にしたいと連れてきた瞬間にビビッと来たあの瞬間からよ!」

…さすが、オーナー…前世と同じ行動を平然とやってらっしゃる。

「ふふふ…。義父様には良くしていただいていますし、私がもう返せるのはこうして次代へ繋ぐくらいですから…。」

「そんな事無い!君にはいつも助けて貰ってばかりだ!」

「あなた…。そうおっしゃって頂けて、私は幸せですわ。」

「…お前達、夫婦仲がよろしいのは嬉しいが、ここが病室であるのを忘れていないか?」

全くです…。砂糖吐きそうでしたよ。

「「…あ。」」

「とりあえず、ワシはこれから午後の商談と役員会議に出て来る。兼定、ラフィアンさんを労ってやりなさい。そして、生まれてきたばかりの娘を祝福してやりなさい。」

「あ、ああ!もちろんだ!」

「あなた、義父様…この子の名前が降りてきましたわ…。」

「おお…それはなんと!」

「本当かい!何て名前なんだ?」

「カルディナリス、枢機卿を意味するラテン語ですわね。」

「カルディナリスか…、良い響きだ。」

「ふむ…枢機卿か…。これはまた面白い名前だ。」

こうして、私ことカルディナリスはこの世に生を受けたのでした。




因みに作内にもある通り、秋華賞は牝馬クラシックの1冠ではないですが、牝馬三冠には含まれています。
この世界では牝馬三冠は2種類あり、秋華賞を制して牝馬三冠とするか、エリザベス女王杯を制して牝馬クラシック三冠とするかです。
なので、エリザベス女王杯は牝馬クラシックの最後の1冠扱いです。
でも、シニアクラスのウマ娘が平然と参戦してくるので非常に狭き門になっています。

因みにこの世界での初の四冠馬はラモーヌさんです。
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