海賊王兼天司長 緑谷出久のヒーローアカデミア 作:ジャック・オー・ワンタン
夜・・・夕飯を食べ、お風呂にも入って床についた僕は暫くしてから目を覚ましてしまった。
「ん、んん?・・・えっ?」
そこは何も無い真っ暗なだが既視感のある空間だった。そうだ・・・僕がロジャーとルシフェルに出会った場所。
「はっ!」
目の前に顔を向けるとそこにはロジャーとルシフェル。そして彼らと向かい合う8人の人物の姿があった。
「どういう事だ?9代目の精神の中に何故彼らが?」
「分からない。彼らは一体・・・」
8人の内、7人の人物が2人を見てざわめく。何も喋らない1人は他とは違い、金色に近いシルエットだ。何処となくオールマイトに似ているのは気のせいだろうか?
「なんだ?テメェらは。」
「どうやらこの世界・・・我々の今世の世界からやってきた者達の様ですね。」
2人はそう言うと8人の人物達をじっと見つめる。
「今世?君達は9代目の何なのだ?」
「俗に言う前世と言っておきましょうか?」
「成程、それなら辻褄が合うわな。」
「そうか・・・なら。」
すると8人の人物の内の1人・・・白髪の青年が前に出て2人に手を差し伸べた。
「君達は今日から我々の仲間だ。」
「仲間か。いいぜ!宜しくな。アンタ名前は?」
ロジャーにそう尋ねられ、青年は静かな口調で名乗った。
「死柄木・・・与一。」
◇◇◇
夢はそこで終わり、僕は半身を起こして起床する。気がつくと外は明るくなっており、朝を迎えていた。何なんだ?あの夢は。死柄木与一?あの人は何者なんだ?
「ッ!なんだ?」
刹那、誰かの声が聞こえ耳を澄ませる。
(海賊王と天司長。そして我々ワンフォーオールの継承者が揃えば奴を倒せるかもしれない。)
(オールフォーワンを倒すのが我々の悲願。私達は止まってはいけない。)
(9代目はまだ若いがその使命を背負っている。)
(ワンフォーオールの器に耐えられるのは無個性。だが、彼は無個性でありながら2人の力を得ている。これはそう言うことだろう。)
何の話だ?オールフォーワン?誰なんだ?
「聞こえなくなった?」
声は聞こえなくなり僕は暫く呆然としてからベッドから起きる。今日、学校は休み。オールマイトと朝から特訓をする約束をしている。
「行かなきゃ」
ワンフォーオールの事を詳しく聞く為に僕はオールマイトの元へ向かうのだった。
◇◇◇
海浜公園へ向かう為、家を出た僕の気持ちはもやもやのままだった。あれは一体、何だったんだろうか?今は考えるのはよした方がいいかも知れないけど。うーん
「遅かったじゃないか!少年。」
「あ、オールマイト!」
気がつけば海浜公園に着いており、入口でジャージ姿のオールマイトが立っていた。見ると彼の右手は黒く染まっており、武装色の覇気が様になっている。
「君がワンフォーオールの戦闘スタイルに慣れる為にも私が鍛えないといけないからな!」
「あのオールマイト。そのワンフォーオールなんですけど。」
僕は意を決してオールマイトに夢のことを話した。
「ッ!?何だと!?」
「オールマイト。教えて下さい!彼等は誰なんですか?オールフォーワンって何者なんですか?」
「う、ううむ・・・」
その質問にオールマイトは口を閉ざすが僕に隠し事は通用しないと学習した様で直ぐに話してくれた。
「彼等はワンフォーオールを代々受け継いできた者達だ。」
「ワンフォーオールを?」
「そうだ。ワンフォーオールは前に話した様に長い時間を掛けて受け継がれた個性。そして彼らの悲願はただ一つ。」
オールマイトは拳を握り締めながら言った。
「オールフォーワンを倒すことだ。」
「オールフォーワン?」
「正確な名前は分かっていない。個性の名前で我々は呼んでいる。その個性は相手の個性を奪い、そして付与できる個性。」
オールフォーワンの個性を聞いて背筋が凍った。個性を・・・奪うだって!?
「奴は個性黎明期から生きてきた存在。」
「こ、個性黎明期ってかなり昔ですよ!?」
「だが事実だ。奴は長い時間をかけて生きている。」
オールマイトは辺りを気にしながら僕に忠告した。
「これも他言無用でな。オールフォーワンは世間に知られていない。ヒーローですら存在を知らないくらいだからな。いいね?」
「は、はい。」
僕は恐る恐る頷くと彼はいつもの笑顔を取り戻して言った。
「さあ!この話は終わりだ!今日も特訓するぞ!緑谷少年!」
「は、はい!」
そうだ今は・・・自分の身体を鍛え、ワンフォーオールに慣れていくことに集中しよう。そうすればきっと見えてくる筈だ。
僕の進むべき道が。
◇◇◇
「「SMASH!!」」
僕とオールマイトは互いの拳をぶつけ、武装色を鍛える。彼は武装色の覇気に関して天賦の才脳があったのかたった数日でその練度は僕もといロジャーに迫る勢いだった。
その代わり見聞色に関してはからっきしダメそうだ。本人も「気配を察知するのは難しい」と答えていたくらいだし。
「やるな!少年!」
「オールマイトこそそのお身体で良く・・・」
マッスルではなくトゥルーフォームでも武装色の覇気を纏えるようになったオールマイトを賞賛する。この形態でもある程度戦えるなら大丈夫そうだ。
「ふむ、武装色の覇気の扱いには大分慣れてきたな。」
「それは何よりです。次は見聞色ですね。」
「ううむ」
見聞色の覇気と聞いてオールマイトは少し苦い顔をする。その顔頂きました。
「いや、迷っていても何も解決しない。やるしかないな!」
「その意気ですよ!」
「では、頼むぞ。」
「はい!」
目隠しをしてその場に座ったオールマイトの背中に周るとスポーツチャンバラを手に取って特訓を始める。
雄英高校入試まであと少し。それまでに力に慣れないと!