「テストは終わったのかしら?」
「終わりましたけど……なんですかこれ、強すぎますよ!これ撃ってるだけで勝っちゃいましたよ!相手の鎮守府なんかこの世の終わりみたいな顔してましたよ!」
「そのぐらいやらないと面白くないでしょう?」
「やり過ぎですよ!」
「まぁいい、テストの方はうまく行ったの?」
「…火力、連射速度、装填、いずれも問題はありません。ただ……」
「何?」
「重過ぎです、艦娘でもこの重さは正直きついですよ。速力が早くない私ならまだしも他の人は扱えないと思いますよ」
「そうなの……艦娘の力は想定よりも強いらしいけど限度を超えてしまったようね。しかし……艦娘の詳細な耐久値は分からない……どうすれば…」
「……提督?」
「そうか。」
「キャッ、急に顔上げないでよ!びっくりしたじゃない!」
「ごめんね、だが問題が解決しそうだよ。艦娘の詳細が取れないなら……」
「なら?」
「私が艦娘になればいいのよ」
「えっ?………………はぁぁぁぁぁぁああ?!」
「実に合理的でしょ」
「何言ってるのよ!人間が艦娘になれるわけ無いでしょ?!」
「そこは問題ない、むしろなってからが問題」
「サラッとなろうと思えば艦娘になれるって言ってるわよね……」
「艦娘は艤装を持っている、しかし私にはそれがない。だから作ろうと思うのだけど手伝ってはくれない?」
「…………はぁー、分かりましたよ。手伝えばいいんでしょ?」
「協力感謝するよ」
「協力しないと今度はどんなトンデモ兵器作るか分かったもんじゃないわ」
「では、早速制作にとりかかろう」
私の名前は大和型戦艦一番艦、大和です。先ほど提督から工廠に集まるように放送が入ったのですが何か問題でもあったのでしょうか?
「何かあったのかな?」
「けど、深海棲艦が来たならまず警報がなるはずだ」
一緒に呼ばれた島風ちゃんと木曾さんも今回の呼び出しは予想外みたいですね。本当になんで呼ばれたんでしょう?
「っと、着きましたね。失礼します。島風、木曾、大和ただ今到着致しました」
ドアを開けて入ると中に夕張さんと見たことのない方がいました。
「あっ!来ました!」
夕張さんが何か言っていましたが私は聞くことができませんでした。それくらい目の前の方が綺麗で目を奪われてました。足首まであるんじゃないかと錯覚するぐらい長い銀髪にうつろげな表情の顔、前髪から覗く瞳は深い海のような蒼色をしていてその反面手足は空に浮かぶ雲のように白くて綺麗で……人目を引くような美人がいました。
「はー………綺麗」
「これはまた……凄いです奴が来たな」
隣で島風ちゃんと木曾さんも驚いていますが、それよりも驚いたのが身につけている物。黒い軍帽に黒いドレスのような服、黒い編み上げた革ブーツのような艤足、それにも増して存在感を発揮しているのは彼女の体に取り付けられている艤装でした。左手には小型のチェーンソーの様なものが六枚折り畳んで付けられ、右手には私の主砲の二倍はあるんじゃないかというぐらい長い砲身、背中には所々小さい穴の開いた扇状の物が五枚束で左右に一つずつ、極めつけは彼女の周りを浮遊してる赤と白の巨大な銃でした。一目見てわかりました。この人は規格外な存在だと。
「全員集まったようね」
その人が声を出して私は思考から引き戻されました。いけない、提督に呼ばれたのだからちゃんとしないと!
「て、提督のご命令により島風。木曾、大和集合しました。………それで、あの……提督はどこに?」
「あー、大和さん。信じられないかもしれないけど、その人が提督よ」
…………………はい?
「えぇ?!提督って女だったの?!」
「報告じゃ男みたいなズボラな感じって聞いたから男かと思ったんだけど……」
島風ちゃんと木曾さんも信じられなさそうです。私もすごく驚いていますから。でも、それよりも気になるのは。
「どうして提督が艦娘用の艤装を付けられるんですか?」
これだ、艦娘用の艤装は人間には負荷がかかり過ぎて装備することはできない。はずなんですけど……
「私の科学力はそこらの凡人には負けないわよ?」
「だからって人間が艦娘用の艤装を装着するなんて荒業しないでくださいよ!」
「面白くないでしょう、それじゃあ」
提督が夕張さんと喋っていますが。正直言葉が出ません、人間のまま艦娘の艤装を装着するだなんて……
「それと、貴方たちをここに読んだ理由だけど、私と戦って性能の調査をしてもらうわ」
しかも私達と戦うとか……もはや人じゃありませんね。
「まだ人よ?」
「心読まないでください!」
「雷撃戦で負けた……」
「私より早いなんて……」
「大和型の誇りが……」
正直言葉が出ません、戦うと言ってましたが本当に性能の調査をするだけでした。それくらい私達と提督には差がありました。3人で掛かったのにも関わらず、島風ちゃんより早く動き、木曾さんより多くの雷撃を放ち、あまつさえ私の砲撃をチェーンソーで切り飛ばす離れ業まで見せられては、戦う気なんて起きませんでした。その後も巨大な銃で牽制され、近づけば背中の扇状の物が広がりあたり一面に弾を放ち、離れれば右手の長距離主砲によって狙撃され、なすすべなく負けてしまいました。これでもこの鎮守府の中では古参の私達なのに……
「うん、満足な結果だったよ」
「やり過ぎ感も否めませんけどね……」
私達…これからどうなるんでしょうか?
左手の武装 ACVより グラインドブレード
右手の武装 史実のドイツ兵器より 列車砲ドーラ
背中の武装 ACVより マルチプルパルス
特殊武装 境界線上のホライゾンより アルカブス・クルス
その他の武装 小型四十連熱源探知式酸素魚雷砲、対空砲ファランクス、零一式艦上爆撃機『烈火』(オリジナル)、零二式艦上攻撃機『極星』(オリジナル)
言っておきますが提督の言うとおりまだ序の口です。