「さてと、今回は弥生の改造を行うわよ」
「……今回は?」
「前は夕張の速力を上げたのよ。で、なにか要望はある?」
「……正直、睦月型は駆逐艦の中でも特に弱い」
「いいわ、自分の弱さを知っているのは大事な要素よ」
「……だから、せめて装甲と火力。少しでもいいからこれを伸ばしたい」
「いいわよ、ただし一つ問題点」
「……なに?」
「私の改造を受ける以上、"少し"なんて言葉は意味をなさないから。それでもやる?」
「……やります」
「意思は固いようね。ならこれ以上は何も言わないわ。始めるわよ」
「お疲れ様、ゆっくりでいいから起き上がれるかしら?」
「……大丈夫」
「ならいいわ。とりあえず結果報告よ。火力、装甲ともに重巡洋艦レベルまで上げておいたわ。それと、火力増加に伴って雷装値も軽巡洋艦位に上がっているはずよ」
「………」
「ふふ、驚いたかしら?夕張の時も似たような反応だったわね」
「……とても」
「でも、その力を扱いこなせなかったらなんの意味もないわ。だから、練習しなさい。自分が納得行くまで」
「……分かりました」
「よろしい、それじゃあ妹達のところに戻ってあげなさい。みんな心配してるわ」
「……うん、…………………司令官、ありがとう」
「うん、どうしたしまして」
タッ
「さてと、あの子がどこまで扱いこなせるか」
「て、提督ー………」
「あら夕張。島風との競争は終わったのかしら?」
「はぁ……終わりましたよ…………はぁ」
「だらしないわね、島風と同じタービン積んでるのよ」
「それでもいきなりあの速度で走り続けたら息も切れますよ!」
「ただ単に夕張の体力がないだけじゃないの?」
「……………そ、そんなことないわよ!」
あるのね。
「とにかく!もう走り終わったので私は部屋に戻ってもいいですか?今日の秘書艦の仕事は終わらせたので」
「あら、いつの間に終わらせたのかしら。いいわよ戻っても。」
「失礼しますー…………」
「夕張ちゃん、大丈夫?あっ、提督ー、戻ったよー!」
「おかえり、外から帰ってきたら手を洗って来なさい。おやつ出してあげるから」
「本当にー?!洗ってくる!」
「おやつ用意して待ちますか………」
「それでどうなったの?」
「ジュンチョウニテキテルデスー」
「デモ、シゲンガスコシシンパイダー」
「ソレナラカキアツメレバイイ!」
「セイフク!セイフク!」
「オウボウダー!」
「ハンキヲヒルガエセー!」
「カクメイダー!」
「妖精さん、元気だね」
「さっき起爆剤を投げこんだからね」
「起爆剤?」
「私の新しい武装案」
「まだ作るの……」
「当然よ。やれるところまでやるわ。そうじゃなきゃ、面白くないじゃない?」