都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 正月早々何ぶちこんどんねんみたいなものを書きたくて衝動的に書きました。

 皆さんの言いたいことはわかります『スタれの二次消しといて今度はプロムンかよ節操ねぇな』ですよね。

 こればかりはしかたないのです、私の非常に面倒な性格と強いショック、そして自分の文章に対する致命的な解釈違いによってあの物語は消滅してしまったのです。

 えぇわかりますとも、私はとてもエタり易いのです!


序章【取り戻すことの出来ない】
月は月でもムーン違い


 この世界に生まれてから今に至るまで、僕は家の外をあまり見たことがない。

 

 小学生から高校生までの教育課程はいつの間にか終わったことにされていたし、気づけば大学も修士課程まで終えたことになっていた。

 

 何故自分は外に出られないのかと疑問に思って、一度だけ母に聞いたことがある。

 

 その答えはあまり納得のいくものではなかったが理解はできた。

 

 曰く、狙われるから。

 

 一度だけ、外から訪れた来客を見たことがある。

 

 彼らは黒いスーツに身を包み、何処か物々しい空気を醸し出していたが、それ故に僕はこの世界を『都市』なのだと思うことにした。

 

 僕のいる施設を良く見れば、其処ら中に画面の中の見知った顔たちが大勢いる。

 

 全員両親の知り合いや友人だったらしいが、あの頃のことは良く覚えていない。

 

 何せ、皆僕の前から居なくなってしまったのだから。

 

 それ故に僕から外の世界に対する認識は〝忌まわしき悪性の坩堝〝以外に他ならず、故に僕は施設に籠り、僕以外の何者も施設に立ち入ることを許さない。

 

 そんなことを続けて両親の研究を引き継ぎ、施設内の研究室へ籠り続けている間に気づけば僕は私となり、施設は数年の間に私を筆頭とする巨大な企業へと変貌を遂げていた。

 

 そうなると面倒なのは外界との関わりだ。

 

 企業になってしまったが為に私は施設の外の人間と関わらざるを得なかったから。

 

 この辺りでようやく違和感を覚えた。

 

 訪ねてくる顔がどれもこれも記憶の中の都市のものと一致しない。

 

 むしろ、全く違う創作物が頭の中で浮上した。

 

「これ都市じゃなくて冬木じゃん、ムーン違いじゃん」

 

 そんな久しぶりに〝僕〝に戻った私の呟きは、社内に響く喧騒と職員たちの悲鳴で書き消されていった。

 

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「状況を整理しよう、まず僕は前提を間違えた」

 

 自分以外誰も居ない研究室で、独り言を呟きながらホワイトボードに整理した内容を記入する。

 

『一つ、ここはムーンはムーンでも都市ではなく型月の冬木』

 

『二つ、かつてこの施設に居たのは旧研究所のメンバーではなく、おそらくその平行同位体』

 

『三つ、施設を訪ねてきていたのはフィクサーではなく魔術協会から派遣された魔術師である』

 

「そして、ここからが現状を把握し整理したうえの行動方針」

 

『一つ、研究はやめず別名義で取引していた外界へに対する一部商品の供給は一旦停止』

 

『二つ、外界の危険に対する懸念により、優先事項をエネルギーから【EGO】の抽出実験へ変更』

 

『三つ、EGOの安定運用のため実戦データを収集し解析を進める』

 

「こんなところか」

 

 ここが都市ではないとわかった以上、今度は別の脅威に対抗する必要がある。

 

「ここが冬木である以上、何らかの形で僕たちが巻き込まれる可能性が非常に高い、それこそ悪名高き聖杯戦争に首を突っ込むことにだってなりかねない」

 

 そう、冬木とは聖杯戦争と呼ばれるあまりにも物騒な催しが行われる極めて危険な町。

 

 その催しを開催中この町の治安は、はっきり言って風都や沢芽市とどっこいどっこい、故に正直今からでもこの会社を別の地域に移転したいくらいである。

 

「しかし、このタイミングで急に施設を移転すれば何らかの疑いをかけられ、それこそ彼の都市における旧研究所のようになる可能性が高い」

 

 年代を調べたところ、次の戦争戦争つまるところ第四次聖杯戦争が開催されるまで後3年というところまで来ている。

 

「既にかなりの勢力が動き出している、この施設にも訪問者が幾人か来た後、おそらくこちらへの牽制か或いは不確定要素に対する警戒なのか...何れにせよこの施設が目をつけられているのは事実、やはり移転は現実的ではないと考えたほうが良い」

 

 そうなるとまずは...

 

「魔術世界にある程度詳しくそれでいてあちら側に染まりきっていない協力者が必要か」

 

 該当者は1名いる、だが彼は僕と直接の関係性がない。

 

 ならばとる手段は一つ。

 

「少々強引な手段にはなるけど彼をうちの会社に呼び込もう、理由は『海外に向かう場合のアドバイザーとして必要だったから』こんなところかな?」

 

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 間桐家、蟲を操る悍ましい魔術を使い何百年も生けている妖怪爺の牛耳る家

 

 そんな家と魔術が嫌いで、僕は実家から逃げ出しフリーのルポライターになった。

 

 家を出てからは世界中を見て回ったよ、でも僕は結局何も変われなかった。

 

 好きだった人のことも諦めきれず、今はただかつての未練のままに帰国する度彼女の娘たちにお土産を渡すだけの日々。

 

 あの子たちは今元気にしているのだろうか?

 

 そんな思考を遮るように、僕の持つ携帯電話に着信を知らせるアラームが鳴った。

 

「もしもし」

 

『やぁ、君が間桐雁夜だね?』

 

「貴方は?」

 

『僕はLLLコーポレーションCEOのアンジェル・鏡、君にお願いがあって連絡させて貰った』

 

 LLLコーポレーション、ここ数年で瞬く間に急成長し遂には日本屈指の大企業に上り詰めた会社じゃないか。

 

「貴方のような大企業のCEOがただのフリールポライターの僕にいったい何の用が?」

 

『実は貴方のご実家とその知り合い方が少々面倒な催しを開こうとしていましてね、その対策の為に貴方を僕の会社で雇わせて欲しいんだ』

 

 まさか、聖杯戦争のことを言っているのか?だがLLLコーポレーションは一般企業のはず、魔術師のいざこざに巻き込まれることはまずないと思うが。

 

「一つ聞かせて欲しい、貴方はあちら側のことを知っているのか?」

 

『神秘の秘匿の観点から身を案じているのなら安心して欲しい、僕の会社は魔術師とも取引しているからね、たとえ君が魔術に関することを僕に話したとしても君や僕が協会に消されることはないと保証しよう』

 

「何故僕なんだ?LLLコーポレーションの本社がある冬木なら他にも候補はあったはずだ」

 

 それこそ認めたくないが遠坂家とか。

 

『簡単な話だよ、あちら側についてある程度知っていてそれでいてあちら側に染まりきっていないことが僕にとっての最低ライン、それを満たせて冬木に詳しい人間となると君以外あり得なかった。

 どうだろう受けてくれるかい?適正な報酬は用意するし必要な物資もこちらで提供させて貰うけど、もし君がもう魔術世界に関わりたくないというのなら断ってくれても構わないよ、僕は君の意思を最大限尊重しよう』

 

 僕以外あり得ないと来たか、弱ったな...僕に対する最強の殺し文句じゃないか。

 

「それで、いつからだ?」

 

『もう迎えを送った、断られても口止め料として渡すための金品を持たせていたから無駄にはならないようになってたけど、そうならなくて嬉しいよ』

 

 どこまでも用意周到で少し不気味だな。

 

『これからよろしくね、雁夜』

 

 流石に名前呼びは早くないだろうか?




 Q:プロムン式技術を型月ナイズすると何が起こる?

 A:厄ネタ祭りになる。

どれが好き?

  • 黒蟲
  • 虫籠
  • 昆虫学者
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