都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 前話があっさり過ぎた理由は、箸休めもあるけど大体今回のせい。


気分が悪くなりました

...録...■■部門記録番号06ーBー001R.Aを解放、閲覧制限がかかるまで後...分4秒

 

『記録06ーBー001R.A』

 

 みしぇるがいなくなりました。

 

 きょうはえりやおねえちゃんといっしょにおそとのえほんをよんでくれるはずだったのに、どこをさがしてもみしぇるはみつかりません。

 

 えりやもどこかへいってしまいました。

 

 がぶりえるはいつもからだをかきむしっています。

 

 だめだっていったのに、ちがでているのにかくのをやめないのです。

 

 じょばんにはだんだんかおいろがわるくなってきました。

 

 おとうさんとべんじゃみんさんが慌てています。

 

 かーりーさんはすごくかりかりしていて、なんだがとてもこわくなりました。

 

 えのくはこわがるりさをはげましています、はなしたことはないけれど、ふたりはいつもいっしょです。

 

 だにえるは、なんだかとてもつらそうです。

 

 いつもなにかをのんでいます、あれはきっとよくないものです。

 

 みんなおかしくなってしまいました。

 

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「あっ!ついたみたいだよ」

 

「ここが劇場前大通りか、凄い人混みだな」

 

 劇場前大通り、悪目立ちする巨大な門と芸術で有名なこの町の中心部にして町一番の商業区である。

 

「初めて来たがここまでとはな、はぐれるとまずいからあんまり離れないでくれよCEO...CEO?」

 

 なんということだろう、言ったそばからはぐれてしまっている。

 

「いったい何処へ行ったんだ?」

 

 辺りを見渡すが、CEOのトレードマークである蒼白色の髪は何処にも見当たらない。

 

 もしや何処かの店にでも入ったのか?

 

 そう納得し、どの店に入ったのだろうかと思案しているうちに、何やら覚えのある冷たい空気を背後から感じた。

 

「まさか、誰かがCEOを怒らせたのか?」

 

 その空気は、前に自分が不用意な発現でCEOの触れられたくない部分に踏みいってしまった時と似たものを纏っている。

 

「早く見つけないとまずい!あの路地裏からか?」

 

 目線の先にある路地裏から、おそらくCEOの発するものであろう肌を刺すような空気がひしひしと伝わってきた。

 

 これは、相当お怒りらしい。

 

「CEO!」

 

「あっ、雁夜!」

 

「なんだぁ?連れがいんのかよ」

 

 若い男が2名、軟派か?なんとまぁ恐ろしいことをしてくれる。

 

「ごめんね雁夜、面白いもの見つけて気を取られたらこの人たちに引っ張られちゃってさ」

 

 持ってる鞄に学生証を確認、時間帯的におそらく近辺の学園から抜け出してきた不良学生ってところか?だったら。

 

「あ~、君たち!取り敢えず見なかったにしてあげるからさっさと帰りなさい!」

 

「んだよてめぇ!サツか何かか?」

 

 頼むからさっさと帰ってくれ、これ以上は俺も責任を持てん。

 

「ねぇ雁夜、やっちゃってもいい?」

 

「頼むから勘弁してやってくれ、事後処理が凄くきつい」

 

「おい、いい加減に!」

 

「えいっ!」

 

 あっ、やっちまった。

 

「ぎゃぁぁぁ!?俺の指ぃ!!!」

 

 一瞬である、仮に今回の相手を不良学生A君としよう、彼が苛立ちながらCEOに組かかろうとしたほんの僅かな間に、彼の人差し指が1本ネジ切れたのだ。

 

 鬼である。

 

「行こう雁夜、コンサートが始まっちゃう」

 

 すまん哀れな学生君、多分その指もう治んないけど、恨むならこの人に軟派なんか仕掛けちゃった過去の自分を恨んでくれ。

 

「ところで、あんなに大きな声出しちゃってどうしたの?」

 

「いや、はぐれてしまったみたいだったから心配で...」

 

「なーに?心配してくれたんだ~」

 

 あぁ...後からからかわれるよなこれ。

 

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・とある事件の記録

 

 路地裏で悪態をつく2人組の男がいた。

 

「くっそぉ、あのクソアマ俺の指に何をしやがった!ぜってぇ許さねぇぞ、必ず見つけだしてけじめつけさせてやる!」

 

「その辺にしときなよぉ、俺らただでさえこの前の件で停学処分になってるんだからさぁ」

 

 先ほどアンジェルに絡んでいた2人組の男である。

 

 彼らは地元で有名な札付きの悪童であり、そして人間の屑だ。

 

「はっ!女1人トバしたくらいなんだってんだ!」

 

「しぃっ!声がでかいよ、あの件あくまで関与した疑いがあるって程度に収めて貰ってるんだからバレるとまずい!」

 

 この2人、以前から先程のように強引な軟派で女性を捕まえてはとある男に売り飛ばしているどうしようもない屑である。

 

 では何故バレないのか。

 

 それは、2人のうちもう片方を宥めようとしているほうが市議会議員の息子であり、今まで起こした事件の全てを隠蔽してきたから。

 

「はははっ、いくら調べても俺らが関与したなんて証拠は何処にも見つかりやしないのさ!何せ相手は雨竜さんだぜ?」

 

「けどさ、あの人めちゃくちゃ目立つ殺し方するじゃん?そのうちバレたらどうするのさ?」

 

 とはいえ、今回はやらかしたことの代償は必要以上に高くつくことだろう。

 

 何せ、彼らが今いる場所は〝裏路地〝なのだから。

 

 感の良い方ならばもうお気づきだろう、彼らはもう〝指〝のテリトリーに入っている。

 

『もし、そこのお二方』

 

「んだぁ?気味の悪い青瓢箪が出てきやがったぞ」

 

「やめなよ、さっきも酷い目にあったばかりだろう?」

 

『あぁ...やはりあっているようですね、指令の対象は』

 

 さぁさぁ、よりにもよって指の中でも最も出会いたくない一番たちの悪い奴らがご登場だ。

 

『10時13分に劇場前大通りで軟派を行った男の鼻と人差し指を切り落とし、その連れにその2つを食べさせろ...指令を遂行致します』

 

「おっ、おい!なんなんだそのでけぇ鋸はよぉ?」

 

『執行...執行』

 

 こうして、2人の悪人は裏路地の暗がりに消えた。

 

「がいしゃの状態は?」

 

「ひっどいもんですよ、片方は指が2本と鼻がなくなったうえで全身ギッタギタ、もう片方は多分相方のなくなってる部位を無理やり食わされたんんじゃないですかね?口の中から指の欠片が検出されてますし、酷く吐いた形跡がありますから」

 

 親の庇護も届かぬ暗闇の中で、少しは反省すると良いだろう。

 

 今まで奪ってきた命の分も。

 

「1つ、いや2つか」

 

「どうしたんだCEO?」

 

「ふふっ、ちょっと考え事をしてただけだよ♪」

 

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 誰もいなくなった路地裏を一枚のパンフレットが舞う。

 


 

 美しくてロマンチックなコンサートをお求めの貴方、どうぞラ・マンチャ大劇場へお越しください。

 

 素敵な1日をお約束しましょう!

 





 はい、出てくる連中がモブ含めてとにかく濃いんです今回。

・今回登場した組織『人差し指』

 お待たせしました凄いやつ!都市の組織の中でもファンどころか公式作品の登場人物からすら関わりたくない組織トップに名を挙げられるイカれた連中、その名も人差し指!

 フィクサー出して欲しいって要望あったんだけどごめんね、多分キャラカロリー高くてあんま出せないの!かわりに名有り出さなくても組織としてだけでヤバさが成立しそうな組織持ってきたから許して!!!

 

どれが好き?

  • 黒蟲
  • 虫籠
  • 昆虫学者
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