死徒ファンの皆様には先に謝っておきますね、この作品一部例外を除いて死徒はろくな目に合いません。
間もなく部門記録の閲覧権限が取り消されます。
これ以降の記録は侵■の進行度を最後まで進めてください。
『記録08ーAー001R.A』
みんなをおはかにうめました。
だいじにだいじにうめました。
おとうさんとべんじゃみんさんはみつかりました。
ふたりともいきていました。
でもふたりともいいあらそっています。
おとうさんはわたしをまもりたいみたい、でもべんじゃみんさんはとてもかなしいかおをしていたけれど、わたしをゆびさしていいました。
このこはここでころしておくべきだって、そういってへやをでていきました。
わたしはなんだかこころがぎゅっとしてしまいます。
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初めてとなるお友だちとのお出かけ、僕ってば上機嫌になりすぎてちょっとだけ浮かれてたかも?
だって、街中がこんなにも違和感だらけなのに、それをまぁいっかって見ないふりなんかしちゃってさ、本当にバカみたい。
さて、丁度よく単独行動の機会が与えられたことだし、今回の黒幕さんと...その被害者へ会いに行こうか。
「さてさて~?君が僕を此処に呼んだ子?」
舞台裏に行ってみれば、不適な笑みを浮かべる気色の悪い男が私を出迎えた。
「お初にお目にかかりますLLLコーポレーションCEO殿、どうぞ今後ともよろしく」
その澱み歪んだ魂を一目見れば、それが何であるか嫌でもわかってしまう。
「お生憎さま、私は死徒が嫌いなの」
「ふふっ、それはそうでしょう!むしろ死徒を好むものなど同胞以外そうはおりますまい!」
このやたら芝居がかった口調に人を舐め腐ったような目、成る程?つまりそういうことなんだね?
「この前物凄く嫌なやつと取引したんだけど、君...あいつが言ってたジェスターっていうのは、もしかしなくても君のことだね?」
「そう!私はジェスター、ジェスターカルトゥーレ!私の名をお覚えとは恐悦至極...それで、取引相手というのはどなたかな?私の名をばらまくような者など早々いないが」
「フランチェスカって名前に聞き覚えはない?それでわかると思うけど」
「はははっ、あの女か!成る程?我々は数奇な運命の糸に絡め捕られているようだ!」
あぁ気持ち悪い、この気持ち悪さはなんだかヴァン・フェムを思い出すよ。
あのバカも私に会うなり初対面にも関わらずとても不愉快な言葉を吐いたわね。
だから四肢を切り飛ばしてモナコに送り返してあげたのだけど。
「おやおや酷いお顔をしておられる、そういえば聞いたことがあるぞ?LLLコーポレーションのCEOが〝私〝という一人称を使った時、それは不快感!拒絶!つまるところ負の感情を示すものであるとな!」
「もう良い?私はこの後まだ用事があるの、だから...今からここで起こる事は手早く済ませたいんだよね」
「〝起こる事〝とは不思議な言い回しだが、その様子だと余程恐ろしい事が起こるのだろう、あぁ恐ろしい!恐ろしくて震えてしまいそうだよ...だから、君の血でこの震える体を暖めるとしよう!」
あぁ、やっぱり死徒は嫌い。
澱んでて、甘ったるくて、図々しくて、そしてとっても不愉快。
自分たちが絶対的に人類に対し優位な存在であることを信じて疑わない傲慢さも嫌い。
良い人だっているのも知ってはいるのよ?それはそれとして嫌いなのは変わらないわ。
「だから殺すの、例外を除いて片っ端からね」
「何を言っているのかはわからんが!君はこれで詰みだ!」
己が私を殺せることを決して疑わず、そして自信ありげに飛び掛かってくるこの変態みたいなタイプには心底呆れるわ。
自分が殺されるわけがない、人間にそんなことが出来るわけがないと信じきっているのだもの。
だから私のようなものに出くわした時、どうしようもなくなるのよ?
「おかしいな?私の手は確かに君の心の臓を貫いたはずだが?」
「私、虫は嫌いではないのよ...蜂や蝶々は花粉や種を運んでくれるし、蟷螂やてんとう虫は花を蝕む悪いものを食べてくれる。
...でもね、害虫は別よ?油虫や蝗みたいな花を食い荒らす害虫は大っ嫌いなの、だからね...私の大好きな綺麗なものを汚く食べ散らかす貴方たちのような子はね...いらないのよ」
「わけがわからないが!何か種はあるのだろう?それが割れればどうとでもなる!」
「自分の巣に逃げ帰る時間は与えたわよ、それでもなお向かって来るというのなら、それはどうしようもない愚かしさね」
魔術も使えるのでしょうに、それすらろくに使わず飛び掛かってくるのだから、余程私のことを舐めきっているのね。
「良いわ、特別に使ってあげる、この世界において私だけに許された...私だけが使える原理の一つを」
瞬間、ジェスター・カルトゥーレという死徒は理解した。
この目の前の存在を止めなければ、自分という存在は此処で完全に消失する。
『私は皆を等しく愛し、私は皆を等しく護りましょう』
「洗礼詠唱の亜種か?そんなもので原理を語るなど!...いや違う、これはまさか?」
どれだけを腕を振るえども、目の前の存在には掠りもしない。
まるで、そこには何も存在しないかのように。
『悪しき者には罰を、おぞましき者には贖罪を、私は剣であり、私は矢であり、私は翼でありましょう』
「ばかな...あり得ない、それは人間が振るえるような力ではない」
理解した...ジェスターは目の前の事象を理解した。
だが、それでもなお目の前の真実は認めがたい、何故それをアラヤの子たる人類が持っている。
『故に、冒涜者には暗き眠りを、その行いに相応しき末路を与える』
「ふははは!理解した!理解したぞ!お前の何処が人間なものか!貴様、我々死徒などより余程人類にとって致命的ではないか!」
『貴方を殺し、貴方を裂き、貴方を潰し、貴方を焚べる』
「何故許されている、何故貴様のような存在がこの時代、この世界に許されているのだ!」
最後の悪足掻き、どれほど振るってもその爪や牙が届くことがないのだとしても、己という存在を世界に刻み付けるため、ジェスター・カルトゥーレという死徒は〝その時〝が来るまでその爪牙を振るい続ける。
『破られた禁に憐れみを、破りし者には終幕を、そして私が貴方を燃やす』
「フランチェスカ!お前が目をつけた者はとんでもない怪物であったぞ!貴様のゆく先に精々愉快な旅路があらんことを!」
詠唱は完成し、後は彼女が最後の言葉を告げるのみ。
『告げる、私が下す結末の名は...ディエス・イレ』
「愉快!実に愉快!お前のような存在がまだこの世界にいたとはな!次にもし目覚めることがあれば、世界がどうなっているか実に楽しみだ!ふはははははっ...」
「脚注の中でゆっくり反省なさい、もし気が向いたら出してあげることもあるかもね...気が向くことがあればだけれども」
アンジェルの持つ原理、それはこの世全てを物語として捉え、その中の登場人物たる者たちを脚注に貶めるもの。
「これを使ったのはいつぶりかしら?まぁ私は10年くらいしか生きていないのだけれど」
アンジェル・狭間、2つの世界を知るがゆえにそのどちらにも属せない異端者である。
・今回の登場人物
『ジェスター・カルトゥーレ』
・現在アニメで絶賛活躍中の変態ストーカー系吸血種さん、アンジェルの機嫌を損ね過ぎて脚注にされた(こいつ周りの情報ネタバレの塊だから詳細は避けます)
アンジェルは穏健派なので、何もせずさっさとその場から去ってたら多分何もされなかったが、攻撃しちゃったのでギルティになった。
ちなみにアンジェルの機嫌を損ねた原因はせっかくの楽しいお出かけを台無しにしたせい。
どれが好き?
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黒蟲
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虫籠
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昆虫学者