情景描写が下手とかFate要素うっすいとか言われて気にしてるとかないったらないのだ!
「本当にどうすればいいんだ?CEOはまだバグってるし、会議はお開きになったうえにめちゃくちゃ...ダメだ!俺の手には負えん!!!」
前回までのあらすじ、アンジェルが切れて暴走したことで会議がお開きになってしまい雁夜は物凄く困っていた!以上あらすじ終わり!!!
「CEO~!頼むから早く正気に戻ってくれえ!!!」
「うにゅ」
駄目だ、完全にバグってやがる。
「まじで俺はどうすりゃいいんだ?...あれ?なんか意識が遠く」
どうしたことだろう、ストレスが限界値に達したのかはたまたスチル条件を満たしてしまったのか、雁夜の意識はだんだんと遠退き始めた。
「あれ?この感覚前にもあったような...」
間桐雁夜、人格本を獲得した時以来の完全な気絶である。
「ここは何処だ?」
目が覚めるとそこは何処かの路地裏で、辺りには自分1人しかいなかった。
辺りは霧で覆われ一歩先すら見えやしない。
だが、不意に霧の向こうから光が見えた。
「あれは、焚火の灯りか?」
どうせ何をすれば良いのかもわからないので、取り敢えず灯りの方へと歩みを進めることにした。
少し懐かしく感じるな、前に気を失った時はもう1人の自分に会ったりしたが...
ちょっと待て、俺は此処に覚えがあるぞ。
もう1人の自分に会った時でもない、CEOに会ってからでもない、ずっとずっと前にもここへ来たことがあるような気がする。
だが、何故か思い出せない。
そえして思案しているうちに、灯りの大元が見えてきた。
辿り着いた灯りの大元、何故か近代的な路地裏のど真ん中だというのに其処へ置かれた薪の山がぱちぱちと音を立てて燃え盛っている。
「よく来たな、まぁ座れよ」
妙な男が炎の向こうに座っていた。
服装は現代風なのに、何処か不思議な古さを感じる。
その古さにも何処か覚えがある、まるでルポライター時代の仕事先で見た神を象った彫像のようなそんな古さだ。
「此処は何処だと言いたげな顔だな?安心しろ、ちゃんと説明してやる。
いいか?まず此処の主は本来俺じゃない、ジャガーの奴が持ち主を器にしちまったもんだから俺が代わりを押し付けられたのさ、ようは部下の尻拭いってやつだ。
そして此処は、元々道場とやらだったらしいが今は俺とお前さんの世界に合わせてこの路地裏になってる、んでこの場所の役目だが...いわばバッドエンドスチルを踏んじまった奴らの溜まり場だな」
バッドエンドスチル?
「俺は死んだのか?」
「いや、お前さんの場合は完全なバッドエンドを迎えると他の連中以上にヤバいことになるからそうなる直前に引っ張りこまれている、だからまだ死んじゃいない。
幸いなことに、お前さんがさっきまでいた場所は時間と空間が不安定だったからな、こっちの世界に無理なく引っ張りこめたってわけだ」
...さっぱり意味がわからん!
「ざっくり言うとゲームオーバー前に直前のセーブデータをロードしたみたいなもんだな、まぁお前さんの場合は世界がまるごと巻き戻っているみたいだが」
「良くわからないが、助けてくれたってことで良いんだよな?」
「その認識で良い、だがまぁこのまま戻ってもすぐにまた出戻りになるのがオチだ、だから...今からやってくる先達の言葉を聞いていけ」
男はゆっくりと周りを囲む霧の向こうを指差す、炎がより一層強く燃え盛ると共に霧の向こうから人影が浮かび上がった。
「2人か、そう珍しいことじゃない」
「お久しぶりです、テスカトリポカ神」
「クケケケッ、また此処に来ちまったかぁ」
片方は眼鏡をかけた少年、何処かの学園のものだろう制服を着ている。
もう片方は...奇抜過ぎるだろ、なんで全身白に青と赤のギンガムチェックの服着てしかも頭がサイコロなんだ!?
「クケケケッ!なんだ新入りかい?随分と初々しいのがいるじゃねぇか?」
「そっちのサイコロ頭は気にしなくて良い、それはバッドエンドの化身みたいな奴だから宛にならん」
「ひっでぇなぁ、俺ぁ常連だぜ旦那ァ?」
「まぁまぁ、貴方はすぐに帰っちゃうじゃないですか」
サイコロ頭のほうは眼鏡の少年に促されるとすぐに消えてしまった。
いったい彼は?
「どうも改めまして、僕は遠野志貴...テスカトリポカ神が言うところによると、メルブラ?とかいう世界出身ということになるらしいです」
「どうもご丁寧に、俺は間桐雁夜っていいます」
「その眼鏡の坊主は痴情のもつれで瀕死になってな、放っておいても運命の修正力で勝手に元の世界へ帰るが今回は偶然近くまて来たから寄ったらしい、どうせ戻る時には記憶を置いてくことになるが」
「ちょっと学校の先生に世話を焼いていたら知り合い3人からぼこぼこにされちゃいまして」
何だろう、何故かこの少年には物凄く親近感がわく。
「その坊主もお前さんと同じで、人知の及ばない絶対的上位者に目をつけられて気に入られちまった哀れなやつだ、お前さんの場合はもっと酷いがな...そら坊主、お前さんそいつに伝えたいことがあってわざわざ寄ったんだろう?」
「それじゃ雁夜さん、僕からのアドバイスですが、僕や貴方が気に入られてしまったような相手は、大体世間一般の常識から遠く離れた所にいます。
だからなのか僕たち人間の常識に疎いことも多いんですよ、だから貴方が一緒にいる相手も、もしかしたら僕たち人間にとっての常識を知らないかもしれない、それが僕からのアドバイスです」
少年が語り終えると、その姿が少しずつ薄れ始めた。
「どうやら時間切れみたいですね」
「坊主、次はあんま早く来るんじゃねぇぞ」
「善処します...あっそうだ、うちの世界の知り合いから貴方に伝言が!」
えっ、なんか凄く嫌な予感がするぞ。
「『そっちの世界に私たちの妹がいるからよろしく』だそうです」
「最後の最後で爆弾残して消えたよあの子」
「まぁ...そのなんだ、そのうち良いことがあるだろうよ、お前さんもそろそろ時間切れだ」
妙な男、テスカトリポカ神と呼ばれていたか...それって南米の主神クラスじゃなかったか?
そんな思考を無視するように、俺の体も少しずつ薄れ始めていた。
「最後にヒントをやろう、バッドエンドの分岐地点は会議室に入る前だ、情報料は気にするな...過去のお前から既に受け取り済みだ」
「おい待ってくれ!過去の俺からってどういうことだよ!」
答えを聞く前に、俺の意識はまた落ちた。
「グッドエンドを目指して頑張れよ、マキリの坊主」
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意識が浮上する、またこの感覚だ...もう1人の自分に会った時も、さっきまでいた変な場所に行った時も、いつだってこの妙な感覚が俺について回る。
この感覚の正体はなんなんだ?
『それはな新入り〝違和感〝ってやつだ』
「あんた、元の世界へ帰ったんじゃなかったのか?」
俺が振り返ると、声の主は俺の前に現れた。
『なぁにリップサービスってやつだよ、初心者歓迎ボーナスとも言うかな?お前中々面白い運命に絡みつかれているからさぁ、なんだか興味がわいてきちまったのさ』
「ただの冷やかしならさっさと消えてくれ、あの神様の態度を見る限り、あんたもきっとろくなもんじゃないんだろう?」
『おぉ酷い酷い、俺ぁわたあめメンタルなんだぜ?そんな風に拒絶されると裂けちまうよ、こんな風に...なっ!』
なんと気色の悪いことだろう、あの神が不快感を示すのもわかる、このサイコロ頭は異常だ。
『おやぁ?あんまり受けなかったかぁ、前に会った奴はすんげぇ喜んでくれたのに』
「いきなり自分の腹を裂いて腸を見せてくるようなやつに不快感なく対応できる奴がいたら教えてほしいね」
『おっと、こりゃ失敬!長く都市に浸かってると感覚や価値観やらがあっち側に寄り過ぎていけねぇや』
まったく、なんなんだこいつは...!?
『クケケケ、お前さんもだいぶ〝ズレてきてる〝なぁ、あの嬢ちゃんの影響かねぇ?まったくツイてねぇやつだぜ』
気づけばサイコロ頭の顔が目の前にあった。
良く見れば、こいつの頭になってるサイコロも普通のものじゃない、形も変だし一つ一つの出目が常に〝変わって〝いる。
『お前さんさんさぁ、魂に紐付けられた本は爺の仕込みだろうが、もうだいぶ間桐雁夜って存在からは逸脱してんだよなぁ、なのに間桐雁夜っていう中身をそのまま保ってる、はっきり言って異常だぜこりゃ』
おいおいなんなんだよそりゃ、それじゃまるで...
『「俺が俺じゃないみたいじゃないか」って思っただろ?実際此処まで来たらそうなってなけりゃおかしいんだが、クケケケ...お前さんの世界もだいぶ面白いことになってるみてぇだなぁ、2つの概念と大いなる意思が絡み合う世界かァ...運命が混じり合ったらまた会おうぜ?間桐雁夜ァ』
サイコロ頭が嗤いながら去っていくのを見ながら、俺の意識は今度こそ完全に浮上した。
今日起こったことは、後から思い返したとしてもきっと人生最悪の体験だったと断言できるだろう。
ギャグだからといって不穏を混ぜないとは言っていない。
【今回の登場キャラ(人数多いぞ)】
『テスカトリポカ』
・皆さんご存知ポカニキ、Fate要素を増やすために投入された作者にとっての救世主、ジャガーマンがタイガー道場の主を依代にしたので連れてこられた可哀想な上司、何故かお前さん呼びするイメージがある。
『遠野志貴』
・作者が月姫やったことない(金欠でリメイク買えなかった)せいでエミュがくっそ未熟、正直これで口調あってんのかすんげぇ不安、○ouTubeで調べたら中々喋ってるところ出てこなくて資料がめちゃくちゃ集め辛かったキャラクター、リスペクトが足らんと怒られそうだから多分もう出さない。
『サイコロ頭のキチガイ』
・都市からやってきたガチのヤバいやつ、ギャグ回にシリアス持ち込むバカ、ポカニキ曰くバッドエンドの化身らしい。
どれが好き?
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黒蟲
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虫籠
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昆虫学者