都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 どうも、相も変わらず感想欄で指の皆様が荒ぶっておられるのを見ながら困惑している森の翁です。

 最近何故かやたらと薬指の皆様に勧誘されるんですが、何でなのでしょう?私は何か彼らの琴線に触れるようなことをしたのでしょうか。


跳ねたウサギは何処へ消えた?

 ウサギ部隊、その脅威度の本質は彼女らが持つ神秘を宿した武装などではなく、彼女ら自身の肉体であり魂である。

 

 彼女らが作られた経緯は至極単純、孤独を持て余したアンジェルが、自分だけの友達を作ろうとして偶然〝無から生み出してしまった魂〝それこそがウサギ部隊の根幹。

 

 そんな彼女らは、創造主たるアンジェルの役に経ちたいと願った。

 

 そうしているうちに、彼女らの肉体に変化が起きたのだ。

 

 元々人並外れた筋力はより強靭に、感覚はより鋭敏に研ぎ澄まされ、遂には周囲の生きとし生けるもの全ての気配を完全に察知するまでに至った。

 

 そんな彼女たちは、自分たちを生み出した創造主に願った『貴女の為に戦わせてくれと』

 

 彼女らの創造主たるアンジェルは、彼女らの選択を悲しみながらも尊重しR社の設立を承認した。

 

 それがR社誕生の経緯だ。

 

 そんな経緯で生まれた彼女らは、余りにもその身に神秘を宿し過ぎた。

 

 無理もない、塵一つないただの空間〝無〝から生み出された魂へ付随して形作られたその肉体は最早今を生きる最新の幻想と言っても良い。

 

 その特性こそが、黒獣たちにとっては都合が良過ぎたのだ。

 

 中華魔術連によるR社襲撃時、会社に残っていた動ける戦力は僅か一隊のみ...それも女性だけで構成された隊だったが故にその悲劇は起こった。

 

 胎として使われたのだ。

 

 黒獣丸を宿せる肉体、その頭数を増やすためだけの道具として、そんなことをされた彼女たちは当然ながら廃人となって見つかった。

 

 彼女らの救援を聞き、己に課せられ『自分の会社から出られない』という誓約を『己の作った技術がある場所を自分の会社として認識する』ことで何とか回避し、慌てて彼女らの所へ駆けつけたアンジェルの眼前に広がるのは、心を壊しただただ呻くだけになった彼女たちの残骸だけであった。

 

 アンジェルは嘆いた。

 

 何故このような事が許されるのかと、何故これをやった者たちは五体満足でのうのうと生きているのか、それではこの子たちの苦しみに釣り合わないと...そう叫んだ。

 

 故に裁決は下されたのだ。

 

 ...他でもないアンジェル自身の手によって。

 

 彼女の手より放たれた審判の光は、きっと...青い死を帯びていた。

 

 だが其処には、何か〝違う光〝も混じっていたのだ。

 

 それをまだ誰も知らない、その光から響くこの世ならざる歌声のことを...

 

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「おいおい、強すぎねえかこいつら!?」

 

「雁夜殿!これはまた危機的な状況ですな!!!」

 

 散々凄惨なるR社の軌跡を語って来たが、それはあくまでも過去の話。

 

 現在ではまた状況が違ってくる。

 

「アハハハハッ!母様に喜んで貰う為にお前らは死ねぇ!!!」

 

「おわっ!?こいつらの身体能力どうなってんだ?一撃で床が爆散しやがったぞ!?」

 

「それだけではございません!此方の攻撃がまるで通っていない!?」

 

 それはそうだろう。

 

「あ~らら、はしゃぎ過ぎだよウサギ部隊の皆、ただでさえ活性化した肉体の神秘に耐えきれなくて訓練用の装備を全部ぶっ壊したのに、感情の昂りによる強化状態まで発動しちゃったらもう誰も試験を通れなくなっちゃう」

 

「確かリミッターを解除したと仰っておりましたな?」

 

「うん、普段は必要以上の被害を出さない為に、あの子たちの体にはある程度の制限がかけてあるんだけど、今回だけの特例措置としてその枷を外してあげたの。

 そしたら思った以上に強くなりすぎちゃって、今までの訓練用装備じゃあの子たちの力に耐えきれなくなっちゃった」

 

「あのアンジェル女史、聞いておきたいことがあるのですが、もしや黒獣に襲撃された時はその制限を掛けた状態だったのですか?」

 

「うん、あの時は大規模作戦と言っても市街地が作戦区域だったから制限を解除出来なかった。

 皆戦いの直後で疲弊してたし、何より会社に残っていた動ける戦力が警備の為に残した一隊だけだったからね、そのうえ連中が送りつけて来たのは白兵戦特化の丑と酉、そして寅までいた。

 

 疲れきったあの子たちじゃどうしようもなかったんだ...」

 

 語り終えるなり悲しそうに顔を伏せたアンジェルの姿が、その場に居た者たちの目には何処か弱々しく写った。

 

 アンジェルのそんな姿を傍らで見てしまったアルカ・セントリウスは、中華魔術連討伐への決意をより強く固めた。

 

 このアルカ・セントリウス、服装こそ神父服だが...実際にはレディである。

 

 もう一度言おう、めっちゃレディである。

 

 故にアンジェル以外で中華魔術連に対しての怒りが最も強いのは、実の所このアルカ・セントリウスなのである。

 

 実は、今回の連合討伐隊には絶対に女性隊員を入れないことになっている。

 

 これはアンジェルCEOとアルカ・セントリウスの両名による進言であり、R社の悲劇を二度と繰り返さない為のものである。

 

 故に、レディであるアルカ局長もまた討伐隊出禁になってしまったのだ。

 

「アンジェル様、流石にそろそろ止めた方が良いのでは...いや、なんか大丈夫そうですね」

 

 そう呟いたアルカの視線の先には、ファランクス陣形を組みながらウサギ部隊に突貫するニムロッドたちの姿があった。

 

「もうやだあいつら...!」

 

「僕もどうか~ん、何で脳筋戦法で攻略出来ちゃってるのさ、しれっと雁夜も参加させられてるし」

 

『ふははははっ!雁夜殿も中々やるではないですか!!!』

 

『くそったれ、こうなりゃヤケだ!普段の理不尽に対するストレスも込めて撃ちまくってやるよ!!!』

 

「...後でまた甘やかしてあげよっと」

 

 雁夜、気をつけたまえ。

 

 アンジェルCEOがまた面白い玩具を見つけた時の顔をしながらお前を見つめているぞ。




 まぁ確かに指に入るなら一番適性ありそうなのは薬指なのですが、わたくし芸術性の違いで仲違いしてしまうと少々過激になってしまいますので、やはりどの指にも向いていないかと。

 ですので、どうか感想欄でわたくしを勧誘しまくるのはとうかご容赦いただきたく...

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  • 黒蟲
  • 虫籠
  • 昆虫学者
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