後最近ハーメルンに作者の理想系みたいなプロムンクロス作品が溢れていて楽し過ぎる!
『作戦開始時間になりました、皆さん準備はよろしいですか?』
九龍城跡地は、中華魔術連によって築かれた巨大な魔術工房である。
ある一定の技量を持つ魔術師数十人規模によって張られた何重もの対魔術結界、八卦や風水に基づいた魔力炉の配置。
聖堂教会や魔術協会も出歯ってきたことを察知したことにより急遽異界化された全通路。
それらは本来であれば無類の強さを誇り、ネズミ一匹通さぬ鉄壁の防御となったであろう。
だが、此度は少し勝手が違う。
誰が魔術だけを使って攻撃すると言ったのかね?
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三大機構により、九龍城跡地周辺を中心に敷かれた包囲網。
施設から繋がる街道、路地、果ては下水道に至るまで全ての脱出路を塞ぎ、霞すら通さぬという気概で構えるは聖堂教会異端審問局第一部隊である。
今回の作戦をおさらいしよう。
まず最初に、地下壕潰しとアンジェルの恐ろしき力の一つたる『蒼白の雨』使い、上空からの範囲攻撃によって中華魔術連の頭数を減らす。
その後、堪らず飛び出してきた中華魔術連の者を1人残らずサーチ&デストロイするというのが今回の作戦である。
なおこの作戦実行に際して、ニムロッド率いる聖堂教会異端審問局第一部隊は全員装備のメンテナンス及びオーバーホールを行い、そのうえで肩慣らしにワープ列車ブートキャンプを行って戦意を高めている。
本人たち曰く『戦いの前の景気づけ、或いは激励会』らしい。
『よろしい!それでは諸君...作戦開始だ!!!』
『『『Yes.Sir!!!』』』
開幕の一発と言わんばかりに地下壕潰しが〝投げ込まれる〝そう、投げ込まれたのだ。
その重さ14トンにも達する地中貫通爆弾(バンカーバスター)それを数㎞離れたビルの屋上から投げ槍の如くぶん投げたのは、聖堂教会異端審問局の局長アルカ・セントリウスである。
「日頃の鬱憤、晴らさせていただきます」
良い笑顔で馬鹿みたいにでかいミサイルをぶん投げる彼女を見て、諸君らはこう思ったことだろう。
『こいつどっかの二世みたいな胃痛持ちの超苦労人じゃなかったん?』
残念ながら、それは完全なる誤りであり間違った認識であるとここに私が宣言しよう。
そもそも聖堂教会異端審問局とは、余りにも過激に過ぎるが故に聖堂教会上位陣の手に余ったアルカ・セントリウスを何とか封じ込める為に、アルカを部下を持つ立場に無理矢理押し込むことで造られた部署なのだ。
その中でも第一部隊は彼女が選んだ選りすぐりのキチガイどもの集まり、はっきり言って聖堂教会にとっての胃痛の元を煮詰めて濃縮し、粉状にしたような連中である。
聖堂教会の中で『異端審問局に所属する最も危険で恐ろしく手に余る化け物は誰か』という質問をすれば真っ先に上がるのは彼女の名前だ。
異端審問局の外付け理性等と呼ばれる事もあるアルカ・セントリウスだが、その実最も恐ろしいのは彼女なのである。
その危険性を『都市』と『冬木』それぞれの世界を知る者たちに解りやすく説明するとするならば...
都市の知る者にはシンクレアの代わりに戦いを愛したクローマー。
Fateを知る者にはジャンヌではなく、ジャンヌが起こす戦いに傾倒したジル・ド・レェのような異常者であると私は告げよう。
そのうえで、何処ぞのカレー大好き代行者の手解きを受けたクソ強フィジカルが加わるのだから質が悪い。
「最近はずっとずっと我慢していたのですよ?戦いたくて戦いたくて戦いたくて戦いたくて!ずっと上層部にも掛け合って何とか休みも取れそうだったのに、なのに貴方がた中華魔術連のクソみたいな暗躍でその休みも潰されました。
故に、貴方がたを潰すことでこの鬱憤は晴らさせて貰いますよ...ねぇ?アンジェル様」
「程々にしてよぉ?君を引っ張り出すのに聖堂教会の上層部から色々と条件突きつけられたんだからさぁ」
「えぇ、わかっています、わかっておりますとも!私は神の忠実なる信徒、この身はこの世に蠢くあまねく全ての異端を撃滅せんとする者なれば!故に此度の機会、全力で活かさせていただきます!!!」
「はぁ、僕は何だかニムロッドに同情してきたよ〝戦いの匂いを感じると我々以上に危険だ〝なんて言ってたのは本当だったんだね」
なお、裏側の世界でアンジェルの事を知る者であれば『お前が言うな』『汝も大概成』と言い出すこと間違いなしである。
...今エアプイサンみてぇなやついたな。
さて、今一度状況を整理しよう。
アルカ・セントリウス局長により投げ込まれたバンカーバスターは、それはもう盛大に炸裂した。
14トンと言ったのは訂正しよう、実際には火力増強の為に火薬の量を増やしてるからそれ以上だ。
なんでこんなもん許可した聖堂教会。
...これにより九龍城跡地の外郭は完全に粉砕、最早瓦礫の山と化した。
そして、それにより中華魔術連が居城とする真の魔術工房が露となる。
「ようやくお出ましだね、地下区域『逆さ摩天楼』」
そう、結界の張り巡らされた地上の九龍城跡地はあくまでも本命を隠すための餌であり、真の工房は地下深く伸びた逆さ摩天楼と呼ばれる大規模施設である。
「本当、無駄に頑丈なんだから...そんなんだから余計に苦しめられることになるんだよ、例えば僕みたいなのに」
アンジェルの力、その一端は既にご存知だろう。
他者を脚注に貶める、魂の調音、詳細の解らぬ不可思議な他者から触れることが出来ない干渉の拒絶。
今から諸君が目にするものは、そのどれにも該当しない更なる一端。
『私は命を愛し命を育む者、私は慈愛を持って死を告げる者、汝掻き鳴らされし運命のラッパの音にまみえるべし、告げる死の形は青...色褪せる死の嘶きである』
都市の概念が一つ、死を纏う青き属性の顕現である。
「ちょっと入れ過ぎちゃった...でも範囲は絞ったからきっと大丈夫」
降り注ぐは約束されし蒼白の死...
...瞬間、全てが静寂に満ちた。
『貴方を裁く第四ラッパの青い死がやってくる』
そういえば、イラストの方も投稿の合間に少しずつ描いているので章末の纏めコーナーをやる時に完成してたら公開しますね。
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