主にローランとかローランとかローランとか。
「ほらほら、頑張って~!」
「あだだだっ!つつくはやめてくれ!!!」
ここはLLLコーポレーション冬木本社のCEO執務室、アンジェルと契約を結んだ間桐雁夜は...何故か白くて可愛らしい小鳥におもいっきりつつかれていた。
「なんなんだよこいつ!」
「その子は罰鳥ちゃんだよ、定期的に構って欲しくて脱走しては職員をつつくんだけど反撃したら参考用に見せた記録映像みたいになるから気をつけてね」
「何で地下の収容施設内じゃなくてこっちに来てるんだよ!」
そう、脱走後に職員1人をずっとつつく性質を持つ罰鳥だが、本来なら収容施設内をうろつくだけなのである。
では何故罰鳥は今回に限ってCEO執務室までやってきたのか。
答えは雁夜がいたからである。
「その子僕に懐いちゃってるみたいで、自分以外の生命体が僕の隣に1日以上いるとつつきに来ちゃうんだよね、でも仕事相手との対談とかでは反応しないからほんとに不思議」
「そんなこと言ってないで助けてくれ!」
※この間も雁夜はつつかれています。
「大丈夫だよ、その子暫くしたら飽きて勝手に収容室へ帰るから」
「いや結構痛いんだが!?」
※罰鳥のつっつきは普通にダメージ判定が存在するので一般人ならこの時点でボロボロになっています、雁夜は特別な訓練を受けているので普通の人は真似しないようにしましょう!
「さっきからそのテロップは誰に向けて出してるんだ!」
「えっ?ちょっと俯瞰する視線を感じたから」
「意味が わ か ら な い ! ! !」
『キュッ!キュッ!』
※罰鳥はまだつついている、やめる気がないようだ。
「頼む、ほんとにこいつなんとかしてくれ」
「う~ん確かに今回は長いね?どしたの罰鳥ちゃん?」
『キュッ!(意訳:こいつから管理人に寄りつくダメ男の気配がする!)』
「あははっ、可愛いなぁもう~♪大丈夫だよ罰鳥ちゃん、雁夜にそんな度胸はないから」
「物凄く酷いことを言われた気がする」
なおこの後1時間以上つつかれていた。
ちなみに罰鳥は途中から楽しそうにしていたので、おそらく懐いてくれたのか?
頼むからもう二度とつつかないでくれよ(それは無理じゃないかな?)
「んで、今日は何をするんだ?」
「さっき君が罰鳥ちゃんにつつかれてたみたいにこの会社では職員を攻撃してくる幻想体ちょくちょくがいるんだよね、そんな子たちの攻撃は生身で受けるには余りにも凶悪だ」
「あの小鳥のつっつきはめちゃくちゃ痛かったからな」
「話を進めるけど、あの子たちの攻撃からある程度身を守れる手段があるんだよね、それが我が社の最重要機密事項の一つである〝EGO〝幻想体各々からその〝精神性〝や〝在り方〝を抽出し、武器や防護衣として形にしたものだよ。
ただし、それらはあくまで借り物であり他人の下駄を履かせて貰っているだけ、もし更にその先を見たいのならEGOの性能を完全に引き出すか、或いは〝自己開花〝する必要がある」
LLLコーポレーションで抽出されるEGOは都市におけるL社の物と基本変わらないが、アンジェルCEOによってEGO技術は異なる発展を得た。
通常のEGO抽出技術に、とある技術の応用を組み込むことで派生した〝自己開花技術〝。
自身の自我の殻を解放し、それを抽出することで己だけのEGOを得るEGO技術の革新。
それは、都市におけるとある異常存在の囁きによって発露するものとはまた別の形で生まれたものである。
「まぁそれは追々試すとして、今回は雁夜のクソザコボディと魔術技能を補うためにちょっと私室の奥にある装置を使うよ」
「私室って、確か危険だから入っちゃ駄目なんじゃ」
「今回は特別に入れてあげる、でも部屋の中を漁ったりしちゃ駄目だよ?最悪死ぬから」
「死ぬのか」
だってここ、都市の技術を型月ナイズしたくっそヤバい施設なんだもん、そのトップが所有する私室なんて危ないに決まってるじゃん。
「さてと、今回雁夜にお試しいただく品はこちら!僕謹製の〝鏡〝でございます!」
部屋の奥に鎮座していたのは一つの大きな鏡、それは合わせ鏡になっており、まるでカレイドスコープのようだ。
「これは父さんが行った最初の研究を元に作った技術が結実したものでね、他世界の自分の人格を自分に被せることができるんだ」
「それ、広義のうえでは魔法に定義されるやつなんじゃないか?」
「...それはさておき、雁夜には今からこれを使って魔術師としての道を歩んだ自分の人格を被って貰います。そうすることで君の中に眠っている魔術師としての素養を叩き起こす。
それが終わったら今度はEGOの取り扱いを学んで貰うよ、ハードスケジュールにはなるけど後々絶対必要になるから、今のうちにやっておいて損はない」
また誤魔化したな?絶対に今誤魔化したよな?
「取り敢えずヤバい技術であることは理解した...それはそれとして、その危険極まりない技術をどうやって確立したんだ?幾ら親の研究を引き継いだとしても、それを完全な形で確立されるのは極めて難しいはずだが」
「それ以上は〝めっ!〝だよ雁夜」
なんとなく理解した。
CEOはこの話の深奥に、これ以上踏み込んで欲しくないのだ。
きっと、CEOにとってこの技術はCEO自身の根幹を成すものでもある大切なもの、故に他者がそこへ踏み込むことが許せないのであろう。
「わかった、それじゃ頼むよ」
この技術によって、俺自身がどう変わるのかははっきり言ってわからない。
だが、きっと現状よりはましになるはずだ。
今の俺よりはきっと...
さて、聖杯戦争が始まってからが楽しみですね。
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