都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 はい、今回でこの章は一応終わりですね。

 いやぁ、初期プロットだと今頃とっくに聖杯戦争編開幕してた筈なんですけど。

 それだと何か足りないなぁって感じちゃったのが運の尽きというやつで、とうとうこの作品も40話へ届きそうになって参りました。

 まぁ聖杯戦争の3年前の時系列にしたのがそもそも駄目だったのでは?って言われたら無言で悶えるしかなくなるんですけどね私。


貴方は貴方の在るべきように

 姿なき声を振り切りねじれを解消した間桐雁夜と、彼を迎えに来たアンジェル。

  

 ねじれから元に戻った雁夜に抱えられながら、アンジェルは口を開く。

 

「雁夜~ちょっと体が動かないからそのまま運んでくれないかなぁ?」

 

「...右腕がないんだが、担いでも構わないか?」

 

「傷の事なら気にしなくて良いよ、雁夜が僕を食べないでいてくれたから治せるし、それにあれは意地悪なクソリプ女のせいだから」

 

「...そうか」

 

 雁夜は気まずそうに黙り込んでしまった。

 

 だがまぁ、そんなからかい甲斐のある状態の雁夜をアンジェルが見逃す筈もなく。

 

 予定調和の如くアンジェルは悪戯っ子のような笑顔を浮かべながら雁夜に話しかける。

 

「いい加減CEOじゃなくて、もう少し親しみのある呼び方で呼んで欲しいなぁ」

 

 その言葉を聞いて、色々とやらかした手前あまり強気な態度を取れない雁夜は、ハイライトの消えた死んだ魚のような目をしながら口を開いた。

 

「...アンジェル、俺に語りかけてきたあの声はなんだ?」

 

「むぅ~、折角名前呼びしてくれたと思ったら他の女の事を聞くんだね雁夜は...まぁ良っか、女の子に対する喋り方としては0点だけど、そろそろ更に踏み込んだ情報開示をしなきゃいけない頃合いだったしね」

 

「あんた、性別とかないんじゃなかったか?」

 

「そこはほら!よくあるでしょ『僕の手を取った責任取って貰うんだから!』みたいな?」

 

「なんだよそれ、あんた結構面白い人だったんだな」

 

 アンジェルを担ぎながら歩き続けていると、やがて2人は自我心洞の終端に達した。

 

「ここから外に出られるよ」

 

「...多分ニムロッド隊長に死ぬ程質問責めされるか、或いはぼこぼこにされるんだろうな。

 あの番外さん?って人にも迷惑をかけてしまったから、ちゃんと謝らないとな」

 

「大丈夫!保護責任?で僕も一緒に謝ってあげるから!」

 

「...そうか、じゃあ行こう」

 

 2人が自我心洞の外に出ようとした時、それは再び現れた。

 

『あら、もう帰ってしまうの?もう少しゆっくりしていったら良いのに』

 

「この声、ずっと俺に語りかけてきたのと同じ!」

 

「やっぱり来たね、ねじれの元凶さん」

 

 アンジェルを担いだ雁夜が振り返ると、そこにはやはりと言うべきか。

 

 ねじれの元凶たる者、■■■■がそこには立っていた。

 

「いったい何の用?僕たちは早く外に出たいんだけど」

 

『あら?随分と冷たいのね、そんな怒った猫みたいに警戒しなくても良いのに、昔みたいに〝お母さん〝って呼んでくれたって良いのよ?』

 

「...はっ?」

 

 瞬間、周囲の空気と次元が著しく歪んだ。

 

「誰がお前なんかお母さんって呼ぶもんか、僕からお母さんを奪ったのはお前の癖に!!!」

 

『ふふふ、怖い怖い...確かに貴女のお母さんが狂ったのは私という可能性を直視したからだけれど、直接の原因は私ではなく貴女がお母さんに〝その眼を見せてしまった〝からではないかしら』

 

「っ...!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、アンジェルの表情が何処か弱々しく、そして苦しそうなものに変わったのを見て、間桐雁夜は我慢の限界に達した。

 

「いい加減にしろよお前」

 

『あら?何故貴方が怒るのかしら?私はただ事実を告げただけ、それに私は貴方に在るべき在り方を教えてあげたと思うのだけれど』

 

「人の記憶の中を好き勝手覗いてほじくり返した挙げ句、あんなものへ人を導くのが本当に在るべき在り方だと?ふざけるのも大概にしろ...!!!」

 

『そう、貴方はその子の...まぁ良いわ、今回は大人しく帰るとしましょう。

 

 また会いましょうね?可愛いくて愛おしい私の娘、アンジェル』

 

「帰れ!!!」

 

 少しずつその姿を薄れさせ消えてゆくねじれの元凶に、何とも言えぬ後味の悪さと不吉な予感を感じながらも、雁夜とアンジェルは自我心洞を後にした。

 

 なお、この後血まみれになったアンジェルを見て凄まじい勢いでニムロッドが突っ込んで来たのはまた別のお話。

 

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 此処ではない何処かにて...

 

『クケケケッ、言わんこっちゃねぇな!だからクソリプには注意しろってメッセージに書いておいたんだけどなァ?』

 

『君の書いたメモが少々抽象的過ぎたのが悪いんじゃないかな?』

 

『お前だって含みある喋り方しかしないだろぅ?なぁ白いの』

 

『自分の体を芸術作品にしちゃった君にだけは言われたくないなぁ、漆黒』

 

『今は極彩色だけどな!クケケケッ』

 

 白い肩掛けジャケットを身に纏い紳士帽子を深々とかぶった長身の男と、常に出目が変わり続けるサイコロの頭を持った奇人が笑いながら話し込んでいる。

 

 この2人が今居る場所は彼らだけが知り、彼らだけが出入り出来る特別な空間である。

 

『行くのかい?』

 

『いや、そうするには此方側からの干渉力が足りないからそれはまだ無理だな、どういうわけかアルテミット・ワン、或いはアーキタイプに存在する存在が俺たちの干渉を拒んでやがる。

 もし此方から干渉したければ、最低でもあちら側で起こる聖杯戦争に便乗するしかあるまいよ。

 まぁだからこそあのクソリプ女の異常性が際立つんだがな、あいつ今回の件も合わせて三回もあちら側に干渉してるからな?いくら救世主になる筈だった女の成れの果てとはいっても限度があるだろうに』   

 

『彼女はあちら側で言えばそれこそメサイアにでもなれた人物だ。

 そんな彼女だからこそ成れ果てた現在でも尚猛威を震えるわけだが、彼女があちら側に干渉出来ているのはそれだけが原因ではないだろう。

 間違いなく彼女の存在証明を担うアンカーとなる何かがあちら側にある筈なのだよ』

  

 クソリプ女、或いは■■■■、ある実験によって世界に降り注ぐ光となった女性、その末路にしておそらく都市においても最悪の現象の一つ、ねじれを引き起こしている元凶。

 

『それより緑はどんな様子だ?あいつも色々と方法を探していたと思うが...』

 

『彼の行動は把握している、緑は現在薬指と接触中だ』

 

『げぇ...俺の古巣かよ』

 

『あちら側に薬指の概念がまだ定着していないことだけがまだ救いと言うべきかな、今の所は人差し指の概念が定着しているのは把握しているが、他の指も時間の問題だろうね』

 

『それより掃除屋どもの概念が定着しねぇことを祈るぜ。

 俺らは慣れてるから良いが、あっちの世界の住人にはちと荷が重いだろうからな

 とはいえ、翼の概念が定着していながら頭とその直下組織どもの概念が定着していねぇのはどういうこった?』

 

『おそらく都市の概念を定着させている者がその役割も担っているのだろうね、そういうのはあの子の得意分野だ』

 

『そうだな、次に〝四人〝全員の揃う時が待ち遠しいねぇ、そん時は盛大に友人たちを連れていこうぜ白いの』

 

 2人の姿は時と次元の果てへと消えた。




 はい!今回の情報開示やっていこう!!!

『ねじねじ囁きお姉さん』

・本名はネタバレすんじゃねぇ!○すぞ!されそうなので■で隠されている(なんかどっかで言及しちゃってないか怖いな)アンジェルを娘として認識しているらしい、お前の娘枠他にいるじゃん。
・実際には此方側の世界、Fate世界側のこの人枠の人がアンジェルのお母さん。
 こいつがお母さんならお父さんはいったい誰なんだろうか?(すっとぼけ)

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  • 虫籠
  • 昆虫学者
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