都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 バスは良いですねぇ、とても善きです。

 ネタの宝庫だし、色んなインスピレーションがどんどん浮かんでくる。
 
 素晴らしい!!!


人差し指審判

 プラットホームから唐突に響く爆発音、それだけでニムロッド隊長に何があったのかは察することが出来た。

 

 だが慌てることはない。

 

 こうなることは、彼自身によって事前に聞かされていたのだから。

 

『良いですか雁夜殿、私が別行動をする旨を伝えた場合躊躇うことなく先に行ってください。

 オルフェウスめの性格は私が一番わかっておりますが故に、あの者は必ずや私を真っ先に狙って来るでしょうから』

 

 あのオルフェウスという男に下された指令は【三大機構と中華魔術連の抗争に介入しアンジェルCEOを動かせ、その後捕縛されてから脱獄せよ】だったか、つまり脱獄してくることは確実かつわかりきったこと。

 

 何せアンジェルの技術をパチっていった連中のことだから、その為の手段くらい無数に持っているのだろうし、何よりそんな奴らが俺たちがわかりやすく移動している情報を知って何かしてこないわけがない。

 

 そんなこんなでニムロッド隊長とは先に示し合わせておいたというわけだ。

 

 それに、あの人ならどれだけ瀕死になってもアンジェルが労いの声一つでもかけてやれば即座に復活するだろうし、同類である俺も散々それで絶望的状況からの打開を可能としてきたのだから、それだからこそよく理解できる。

 

 ニムロッド隊長は負けても絶対に死なない、必ずアンジェルに褒めて貰うためだけに復活して来る筈だ。

 

 それに納得してしまっている自分が恐ろしいが、なんとまぁ順応とは怖いものである。

 

 すなわち慣れだ。

 

 俺は、この程度の事じゃもはや動じなくなってしまったよ。

 

「さぁアンジェルとの合流を急ごう、この先のエントランスで待っている筈だ」

 

『あぁ、貴方が間桐雁夜様ですね?』

 

 なるほど、ニムロッド隊長だけじゃなく俺もまた奴らの対象となったか。

 

「あぁそうだとも、俺がLLLコーポレーションCEO専属秘書にして共同管理人の間桐雁夜だ。

 それで、お前たちは俺に何の用かな?まさか遊びの誘いってわけじゃないんだろ?」

 

『えぇ指令は貴方を指し示しました...故に我々人差し指代行者が貴方を指令の名の元に処断します』

 

「そうか...残念だよ」

 

 話し合いで解決出来ないならばやるべき事は何か?

 

 それは簡単だ。

 

「お前たちは俺の肩慣らしに付き合って貰おう、当然地獄への片道キップつきでな?」

 

 相手を全て殺してしまえば良い。

 

 面倒な事もしがらみも、全て悉く塵に変えてしまえば、きっとどうということはないのだから。

 

『皆さん、今こそ指令を果たす時!我ら皆獣になりましょう!!!』

 

「『灼喰みの大顎』よ、腕に宿りて流転する刃となれ」

 

『はっ?』

 

 人差し指代行者たちが動き出そうとした時にはもう、全兵装を起動し終わり臨戦態勢に入った雁夜がその武装を振りかぶっていた。

 

 熱突針槍、それが雁夜に義手として与えられた新たなる武装。

 

 それは凄まじい高熱を放ちながら射出される鋼の針である。

 

 そこに雁夜が改良し、熱に強くなるどころか適応して燃え盛るようになった蝕みの大顎を巻き付け巨大な流転する刃として運用する。

 

 それを他の世界ではこう呼ぶ『グラインドブレード』と。

 

「はははっ、凄まじいな...これが俺の新しい力か、溺れてしまわないように気をつけないとな」

 

 死屍累々といったところか、その一撃をまともに食らって立っていられる者などそうはいない。

 

 威力にして凡そ戦術兵器クラス、まさに怪物的兵器だ。

 

「さぁ、今度こそアンジェルと合流しよう、また無理やり膝枕されて一日中撫でられるのはごめんだからな。

 あんなのまたやられたら今度こそ理性が持たん、それに俺がちょっとでも面白い反応を見せればアンジェルときたら、俺に対してどんなからかい方をするかわかったもんじゃないからな...あぁ、胃が痛いよ」

 

『雁夜~聞こえてる?』

 

「アンジェルか...聞こえている、こちらは襲撃者を片付けたところだ」

 

『やっぱりね~、あいつらうちの施設を占拠して色々とやらかしてるみたい。

 指令の中に【LLLコーポレーション『ロンドン支部』にて緑色の太陽を昇らせろ】っていうのがあったけど、あれを達成するためにおかしな儀式をやってるようだね』

 

「そうか...なら連中を見つけ次第全て排除する方向で構わないか?」

 

『うん、今回は右腕の義手と人格の技能までは許可するよ、EGOはまだ不安定だからやめてね?雁夜が巨大昆虫みたいになっちゃったらでっかくなりすぎて撫で辛いんだから』

 

「相変わらず姿が変わることに忌避感や気持ち悪さは感じないんだなアンジェル」

 

『だってどんな姿でも雁夜は雁夜だもん、大事なのは中身がちゃんと雁夜であること、それだけが私の求める全てだから』

 

「悪いがそろそろ通信が切れそうだ...これは、おそらく電波障害か?人差し指の連中は盛大にやらかすつもりらしいな」

 

『気をつけてね雁夜』

 

「あぁ、任せろ」

 

 こうして人差し指殲滅作戦は幕を開けた。




 ちなみに息抜きの方は完結編したらまた別の息抜き用の物語を用意する予定がありますが、既に設定は固まり始めています。
 
 一つは『クローマーの部下になってしまった哀れな男の物語』いま一つの道は『サンチョに求婚しまくる変態血鬼の物語』まぁ書くかは未定ですがね。

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  • 黒蟲
  • 虫籠
  • 昆虫学者
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