都市だと思ったら冬木だった(現在凍結中)   作:森の翁

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 これからも頑張りますね。


金属頭は後ろを狙え

 ■...■の進行...度■■%、閲覧許可...承認。

 

 ■■部門記録番号02ーAー001R.Aを解放します。

 

『記録02-A-001R.A』

 

 きょうはおかあさんとやくそくをしました。

 

 このまえおかあさんがおそとからもってきてくれたえほんみたいに、ぼくをおそとにつれていってくれるおうじさまがもしあらわれたら、そのときはおそとにでてもいいといってくれました。

 

 でも、おそとからやってくるひとはこわいひとたちばかりです。

 

 このまえもくろいふくをきたこわいひとたちがたくさんはいってきました。

 

 おかあさんは、おとうさんみたいなすてきなひともいるからだいじょうぶだよっていってくれました

 

 おうじさま、きてくれるかな?

 

 記録番号02-A-001R.A終了、進行度をさらに進めてください。

 

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「ぬぉぉぉぉぉ!!!」

 

 雁夜は施設内を走っていた。

 

 前回アンジェルの質問にちゃんと答える前に気絶してしまったばっかりに、EGO取り扱い訓練へぶちこまれてしまったのである。

 

 それだけなら良かったのだが、アンジェルはとある思いつきをした。

 

『あんまり甘やかすと雁夜のためにならないから、たまには厳しくしないとね?ということで、雁夜には今からとある幻想体の収容室に入って貰い、幻想体作業体験をして貰います!

 でも、死亡リスクはない子だから安心してね、とっても優しい子だから...ね?』

 

「これのどこが優しい子だよ!思いっきり殺しにきてるじゃないか!!!」

 

『頭が...重い、まるで...鉄のようです』

 

 捨てられた殺人者、或いは捨てられた殺人鬼。

 

 元はただの死刑囚であり、実験の果てに廃棄された哀れなる者。

 

 その出自故か、幻想体としてはあまりにも脆くオフィサーにすら打ち負けることもある、

 

 それ故に、彼のことを一般人と呼ぶ管理人も多い。

 

 だが、それはあくまで都市基準による視点での話、雁夜は魔術師の家系なれどその魔術を嫌い家を離れた者。

 

 故にこの捨てられた殺人者であっても、脅威であることには変わりないのだ。

 

 端的に言おう、アンジェルは感覚がずれている。

 

 雁夜に期待しているが故に必要以上の地獄に放り込もうとする可能性もあるだろう。

 

 無論、今回はある程度自制したうえで幻想体を選択しているが、今後雁夜が育って来た場合はまた別なのかもしれない。

 

「くそっ、いい加減腹がたってきた!かかってこい寸胴頭!どのみちお前を収容室に叩き戻さないとCEOがOKくれないんだよ!!!」

 

 ふむ、普通に鬼である。

 

「もしかしてこいつ、動きはそこまで早くないのか?だったら後ろに回れば!」

 

 そう、捨てられた殺人者は動きがあまり早くはないほうなのだ。

 

 そして後ろに回ればほぼ無力になる。

 

 故に、それに気づいたならばやることは一つである。

 

「ここ数日爆弾みたいな情報ぶちこまれてまくって溜まったストレスの恨みを食らえぇぇぇー!!!」

 

『...どうか...あの人と仲良く』

 

 捨てられた殺人者の言葉、それは認知フィルターによって遮られ雁夜には届いていない。

 

 だが、それをモニター越しに見つめるアンジェルの耳にはしっかりと届いていた。

 

「あの子はやっぱり優しいね、でも職員とかオフィサーにはもう少し殺意を高めて欲しいかな」

 

 職員とオフィサーは、僕の可愛い子たちじゃないもん。

 

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「戻ったぞCEO」

 

「お疲れ様~、結構頑張ったみたいだね」

 

「あれの何処が死亡リスクなしの無害なのかわからんがその辺説明して貰ってもよろしいでしょうか!?」

 

 雁夜の言葉にアンジェルはキョトンとした様子で答えた。

 

「だってあの子、そんなに強くなかったでしょ?この施設だとあのレベルは実質死亡リスク0だよ?」

 

 やはり感覚がずれているのである。

 

「あのなぁ!俺ちょっと前まで一般人!アーユーオーケー?」

 

「でも君、ウサギ部隊と出くわして生き残ってるじゃん、あの子たちは僕が念入りに調整した専用武装で固めててめちゃくちゃ強いから、実質リスクレベルHEかWAW相当なのに」

 

「初耳なんだが?」

 

「あっ、そういえばリスクレベルについても説明してなかったね、良い機会だから教えてあげる!」

 

 また誤魔化したな!?

 

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 ...お気づきになられただろうか?このCEO、ここに至るまで一度たりともリスクレベルに言及していないのである(精々雁夜が貰った劇物EGO本くらいである)

 

 この状況、おそらくどこぞの経歴詐称系9級フィクサーなら物凄い哀れみの視線を向けながら労ってくれるたろう。

 

 多分その後例の台詞を言われて雁夜が絶望するまでがセットだが...

 

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「えっとね、まず幻想体には抽出できるエネルギー量や危険度に応じて5つのリスクレベルが設定されているの」

 

「5つのリスクレベル」

 

「一つ目はZAYIN、一番安全だけど完全に無害ってわけじゃないよ、特に医師とか兵隊とか」

 

 この反応、どんなやつなんだそいつら。

 

「二つ目はTETH、このレベルからさっきの殺人者君みたいに脱走する子が出てくるよ」

 

 あいつ下から2番目なのか、先が思いやられる。

 

「三つ目はHE、物凄く厄介かつ面倒な能力を持ってる子たちが多く割り振られてる、主に機械とか案山子とか後木こりとか。

 でも、全員が全員悪い子じゃないよ?ちゃんと良い子たちもいるんだから!」

 

 今少し言い淀んだよな?絶対迷ったよな?

 

「四つ目はWAW、この子たちは一筋縄にはいかないよ、上から二つ目だから相当危険」

 

 上から二つ目、この前俺が手に入れた黒い本はその辺りのランクだと言っていたな。

 

「五つ目はALEPH、この子たちが脱走しちゃうと施設に甚大な被害が生じる可能性があるから、なるべくなら大人しくしていて欲しいかな...でもそれじゃALEPHになんかならないんだよね」

 

「あんたも色々苦労してるんだな」

 

「でも楽しいよ?色んな子たちに会えて、昔に比べて施設も大きくなったし、それに今は...カリヤモイルシ」

 

「今何か言ったか?」

 

「なんでもな~い♪」

 

 アブノーマリティ、可愛いが色々危険で面白いLLLコーポレーションの住人たちである。




 開示情報その2

・アンジェルの感覚は都市基準。

どれが好き?

  • 黒蟲
  • 虫籠
  • 昆虫学者
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