朱紗丸君とチームZのお話回です。
新たに『鬼滅の刃』タグを追加しました。
何故今までつけなかったのか・・・。
感想・評価ありがとうございます!
朱紗丸君達と楽しんでいただけると嬉しいです!
Zチームルーム
「チームZ2連勝を祝いまして〜乾杯!」
「「「「「「乾杯〜!」」」」」」
「イガグリ、成早、蜂楽、それと朱紗丸!乾杯前に食ってんじゃねえよ!」
「「「「乾杯〜!」」」」
「聞いてんのかバカルテット!」
「キャハハハハ!固いこというな雷市よ!鞠も返してもらったしのう!」
「よく絵心が許したよな、携帯以外の返却」
「渋っていたみたいだがな」
この2試合で朱紗丸は3得点を決めたため、ゴールボーナスポイントを3ポイント払って鞠を返してもらった。さっきまでは鞠を抱きしめたりほおずりしていた朱紗丸だったが、今は食事中のためバックにしまっている。
ちなみに今回チームZはゴールボーナスポイントを各自で使うことにした。全員が1点以上決めたこともあるが、朱紗丸のように持ち物の返却のために使ったり、貯めることを選ぶ者が出たからだ。
ホワイトボードには ズバリッ!
『チームZ連勝でしょう!』の他、『全員得点したでしょう!』『得失点+17でしょう!』『久遠、イガグリ仲直りでしょう!』『鞠、取り返したでしょう!』
等々、思いのままに書き殴っていた。
「おい、誰だホワイトボードに『一次選考突破したでしょう!』なんて書いたのは!まだ、決まってないだろう!」
「あ、それ書いたの俺♪」
「お前か成早!イガグリかと思ったぞ!」
「ひでーな、おい!」
皆が思い思いに祝勝会を楽しんでいると、
「やぁやぁチームZの諸君!底辺での連勝とはいえおめでとう」
「絵心!」
モニターに絵心が写る。絵心はカップ焼きそばを食べていた。
「俺は連日カップ焼きそば。お前らは試合後とはいえ連日サーロインステーキ。俺はカップ焼きそば好きだからいいけどね。別に羨ましくねーし」
(((((((((((めっちゃ気にしてる・・・)))))))))))
チームZの全員がそう思った。口に出してる時点で確定である。
「さて・・・。これまでの成績とプレーに応じた、ブルーロックランキングのチーム内順位変動を行いまーす」
「チーム内の順位変動、のう・・・」
朱紗丸が目を細める。
「お前らは
ぱっとスクリーンにチームZのランキングが表示される。
3得点
265位:朱紗丸
2得点
266位:國神錬介
267位:千切豹馬
268位:久遠渉
269位:蜂楽廻
270位:成早朝日
1得点
271位:我牙丸吟
272位:五十嵐栗夢
273位:伊右衛門送人
274位:雷市陣吾
275位:潔世一
「評価基準はやっぱゴール数か」
「はぁ!?274位だとぉ!?」
「最下位・・・
「なんというかこうしてみるとわかりやすいな」
皆がランキングに対する感想を口にする。
「わしがトップか・・・」
「1試合丸々GKやってた奴が3得点で単独トップ。これで何も思わないようじゃ、2次選考に進んでも結果は見えてるな」
ズルズルとカップ焼きそばをすする絵心。祝勝会中だったチームZ内が重い空気に変わる。
「随分と辛辣なことを言うのじゃな絵心よ。ここにいる者達は皆得点と言う分かりやすい結果を示した。少しは労ってはどうじゃ?」
「伍号棟の底辺同士の試合の労いと言ってもな」
「それでもじゃ。底辺同士の試合であろうと点を決める者こそがストライカー。壱号棟であろうと点を決めていない者位いるじゃろう。そもそもここが・・・」
「・・・・・・」
「いや、何でもない。絵心よ、すまぬ」
「朱紗丸?」
潔が朱紗丸に問いかけるが朱紗丸は黙って首を横に振った。
(老婆心でチームZの皆を擁護しようとしたが、出過ぎた真似じゃったか。慣れぬことはするものではないのう。)
「はぁ・・・。それともう1つ報告がある。第5試合目チームV対チームWは7ー2でチームVが勝利した。これが現在の一次選考の伍号棟の中間結果だ」
スクリーンが再び切り替わる。
1位:チームZ(2試合終了)
勝ち点6 得失点差+17
2位:チームV(2試合終了)
勝ち点6 得失点差+16
3位:チームW(2試合終了)
勝ち点3 得失点差−2
4位:チームX(2試合終了)
勝ち点0 得失点差−11
5位:チームY(2試合終了)
勝ち点0 得失点差−21
(これでチームXに続きチームYも自力での2位以上が厳しくなったのう。逆にわしらは2位以上がかなり現実味を帯びてきた。残り2試合をどのように活かすべきか・・・)
「次の対戦相手がチームVかチームWのどちらになるかは、第6試合を終えてから順次報告する。以上だ」
ぶつんとスクリーンが真っ暗になった。
「・・・なんか今日は今までの絵心とは違ったな。いつもはアドバイスとかくれたりするのに」
「俺達チームZだけに有利なアドバイスをするのは良くないから話す内容を限定してるんじゃね?」
「そうかもな。それよりも祝勝会はここまでにしようか」
「賛成〜。俺もう眠い〜・・・」zzz
「俺も。今日はもう寝よ寝よ。・・・って蜂楽、ここで寝るなよ!?」
食器を片づけたり、歯磨きをしに行ったり、布団を敷きに行ったり。各自自由時間ばらけるチームZ。
「わしはどうするかのう?今午後9時か・・・」
朱紗丸は夜遅くまで起きていることが多い。夜になると逆に目が冴えるくらいだった。
(適当に棟内を散歩するか・・・?あ、そうじゃ♪)
朱紗丸はバックから鞠を取り出すとZチームルームを出ていった。
チームZ
トレーニングフィールド
「さっそく鞠で遊ぶのじゃ〜♪」
朱紗丸はチームZのトレーニングフィールドに来ていた。ここなら思いっきり鞠を使えるからだ。
「朱紗丸、お前も来たのか」
「それ、返してもらった鞠じゃん。サッカーボール以外ここで使ってもいいのかな?」
「どうなんだろうな?一応許可貰っておいたほうがいいんじゃないか?」
トレーニングフィールドには、國神・成早・伊右衛門がいた。
「ダメとは言われてないのじゃ。なら大丈夫じゃろ♪」
ポンポンと裸足でリフティングを始める朱紗丸。
「うまいな。つーか鞠ってサッカーボールよりも硬いんじゃなかったか?」
「そ~じゃぞ♪触ってみるか?」
3人は鞠に触れてみた。
「かてえ!マジこんなの素足で蹴ってるのか!?」
「うむ!物心ついたときから鞠を触っておったからのう。バレーやってた時も鞠でレシーブ・トス・スパイクの練習しておった♪」
「いやいや怪我するだろそれは!」
3人共驚いているが事実である。
「見ておれ〜!そりゃ♪」
鞠を軽く蹴ってゴールに入れる。
「素足で・・・」
「よい子は真似しちゃいかんぞ♪」
「真似したら足ぶっ壊れるわ!」
「キャハハハ!すごいじゃろ〜♪」
鞠を手に戻ってくる朱紗丸。
「ところでお主らは何故ここに?今日は皆疲れておるじゃろう。休むことも練習じゃぞ?」
「まぁそうなんだが・・・。さっきの絵心の話を聞いて落ち着かなくてな」
「俺は2試合で2点取ったけど、このままじゃ良くないって思ってさ。國神から自分にあったトレーニングについて話を聞こうと思ってね」
「俺はいつもの日課だな。まぁ試合の後だから軽くやって、成早達と話をして寝るつもりだ」
どうやら3人とも絵心の話に思うところがあったのかすぐには眠れなかったらしい。
「ふむ・・・。トレーニングと言ってもすぐに効果が出るわけではあるまい。それにトレーニングをしている間にも【本当にこのトレーニングで良かったのか】という不安も付き纏うものじゃろう。だったら【己の武器の使い方を変えてみる】というのはどうじゃろうか」
「使い方を変える?」
朱紗丸は鞠をポンポンと地面に突き始める。
「例えば成早の武器は【裏への抜け出し】じゃったな?だがおぬしより上手い【裏への抜け出し】を武器とする者達が必ずおるじゃろう」
「ならば攻撃の時だけでなく守備の時にもその武器を使ってみてはどうじゃろうか。潔はゴールに結びつけることが出来ず大川を停めることに専念していたが、あやつも似たことをしておったぞ。ディフェンダーとの距離間、死角の突き方、ボールを持っていないの時の走る位置を守備をする時にも意識する。つまり【裏への抜け出し】の武器を守備に使うためのトレーニングをするのじゃ。そうすれば、いざFWをやってみると違った視点でフィールドを疾走ることができるのではないかのう?」
「お、おう・・・」
「伊右衛門は【オールラウンダー】が武器じゃったな?だがおぬしより体力、スピード、フィジカル、テクニック等、よりステータスが高い者達も必ずおるじゃろう。」
「ならば必要なステータスをいざ使う時に他のステータスを犠牲にしてでも最大限発揮できる選手を目指すのはどうじゃろうか?どれだけ全ステータスが高かろうと使いたい時に使えなければただの器用貧乏じゃ。今は何かに突出するためのトレーニングでは無く、いざ突出したいステータスを使いたい時に使うためのトレーニングをしてみるのも悪くないと思うぞ」
「・・・・・・。」
朱紗丸の提案に、成早と伊右衛門、國神も呆気にとられる。
「な、なんじゃ?わし、何か変なこと言ったかのう?」
鞠をつくのを辞めて失言があったか振り返ろうとするが、
「いや、その逆だ。朱紗丸は凄いな・・・。そこまですぐに思いついちまうなんてよ」
「そうかのう?思いついたことを石を海にでも投げる感覚で言ってみただけなんじゃが」
伊右衛門の素直な賞賛に、戸惑う朱紗丸。
「それでもだよ。俺も自分の武器の別の使い方を意識したトレーニング方法を考えてから、改めて國神に聞くことにするよ。國神もそれでいいかな?」
「ああ、かまわないぜ成早。朱紗丸、俺はどうすればいいと思う?」
國神が自分にもと聞いてくる。
「そうじゃのう・・・」
『わしの鞠でも蹴ってみるか♪』と言おうとしてやめた。真剣な表情で聞いてくる真面目な國神には悪いと思ったからだ。
「そういえば、國神には聞きたいことがあったんじゃ」
「俺に聞きたいこと?」
國神が聞き返す。
「わしが入寮テストで全員にボールをぶつけ、反撃とはいえ蜂楽を必要以上に痛めつけたこと。久遠の裏切り未遂。そしてイガグリと成早の武器にわしのパスを加えた退場誘発プレー。・・・おぬしはどう思った?」
「・・・・・・」
露骨に嫌悪感が顔に出る國神。
「お、おい?」
「國神?」
「やはりおぬしは真面目で正直者じゃな。自分の利益・不利益に関係なくそのような悪道を嫌う正義感溢れる漢じゃの」
「・・・それが悪いって言うのか?」
「そんなことはないぞ!」
突然の大声に成早、伊右衛門、話していた國神も驚く。
「入寮テストが始まる前、ロッカーの空いてる場所を教えてくれた時から一目置いていた。
「
英雄は國神が子供の時からずっと意識していたことだった。
「じゃがな國神よ。ここブルーロックではその
「・・・っ!?どういうことだ?」
食い入るように聞き返す國神。
「わしも
「ここブルーロックで敗北の淵に立たされた時、おぬしはそれでも最後までその正義感を貫いて敗北した時、納得出来るのかのう?『俺は最後まで自分を貫いた。また前を向いて歩けばよい』と」
「・・・・・・」
「『勝てば官軍』『負ければ賊軍』と言うじゃろう。歴史とは正しい者ではなく勝者が作ってきたものだとわしは思うておる。まぁ、わしは國神の正義感を否定したいわけではない。成早や伊右衛門に言ったように違う視点で見てみるのはどうかと言ってるのじゃ」
「正義感を違う視点で・・・」
「なんかすまんのう國神よ。不快に思ったのならば謝る。すまぬな」
「いや、俺の方こそ喧嘩腰になりかけた。悪かった」
朱紗丸と國神が握手を交わす。
「びっくりした〜。口喧嘩始まっちゃうかと思ったたよ」
「ああ。でもすぐに収まって良かったな」
その後二言三言話をして朱紗丸はZチームルームに戻っていった。
「ときどき朱紗丸が俺達と同じ高校生かって疑う時があるんだよな」
「あ、わかるそれ。さっきも俺達庇って絵心に反論してたし」
「かと思えば鞠で遊んでる時とか、ゴール決めて喜んてる時とか褒められた時とかは無邪気な子供みたいだしな」
「そうそう!なんていうかそう・・・やっぱり可愛いよな」
「「成早、お前・・・」」
就寝の準備だけでもして置こうと歩き回っていると、潔がどこにもいないことに気づいた。チームルーム、ミーティングルーム、トレーニングルーム、廊下、トイレにもいない。
(どこ行ったんじゃ潔。後探していないのは食堂だけだか・・・)
祝勝会で夕飯は全員で食べた。いつもより皆多めに食べていた上に、既に午後11時を過ぎていた。
伍号棟
食堂
食堂は既に消灯時間なのかいつも食堂でついている電気は消えていた。それでも小さな電気だけがついていた。
(こんな時間に食堂にいるとは思えんが・・・しかも薄暗いのう・・・)
静まり返った食堂に1人、潔世一が椅子に座っていた。
(潔・・・こんな時間に1人で腕組んで座っているとか何をしているのじゃ。ただならぬ雰囲気じゃな・・・)
「・・・・・・・・。」カクン
(こやつまさか・・・!)
朱紗丸が近づくと潔は船を漕いでいた。
「寝とるんかい!起きろ潔、こんなところで寝ると風邪ひくぞ!」
「・・・朱紗丸?やっべ、俺寝てたのか!?」
潔は飛び起きた。朱紗丸が何で食堂にいると聞くと1人で考えたいことがあったらしい。しかしミーティングルームやトレーニングルームにも誰かがいたため、誰もいない食堂で考えてたら疲れて寝落ちしてしまったらしい。
「朝までここで眠っちまうところだったぜ。探しに来てくれたのか?ありがとな朱紗丸!」
「キャハハハ!わしは夜型でな。皆はどうか知らぬが今日は疲れておるのか皆ぐっすり寝ておる。気づかなかったのじゃろう」
「ところで何を悩んでおったんじゃ?わしでよければ相談にのるぞ?」
「いいのか?実は・・・」
聞くところによると、潔は今日の試合でゴールを決められなかったことを気にしているらしい。自分の武器である【空間把握能力】を駆使して敵・味方・自分の位置を確認し、チームYのエース大川を封じた。しかしシュートは、1発目は枠の外に飛び、2発目はDFにブロックされ、3発目はGKに弾かれた。
「3発目のシュートは2発目にトラップして防がれたからダイレクトで狙ったんだ。GKに防がれたがその後のCKを朱紗丸が蹴って・・・」
「我牙丸が決めたということか。なるほどのう。それで潔は具体的にどうしたいのじゃ?」
「・・・″自分のゴールで勝ちたい″!」
朱紗丸はここまで自分の武器を試合中に試行錯誤を行い、明確な目標が既に立てられていることに素直に感嘆した。
「自分の武器を活かし、試行錯誤をしてもシュートが実戦で決まらないから悩んでおるのか」
「ああ、これ以上どうしたらいいか分からなくってな・・・」
「目標まで明確に立てられているなら簡単なことじゃ。【目標から逆算】して考えてみればよい」
「目標から逆算?」
潔が聞き返す。
「まずゴールを決めるにはシュートを打たねばならぬ。しかしボールが自分のところにくることは90分間中そう何度もない。入寮テストで絵心も言っておったな。さらに70〜80分を過ぎる頃には体力も落ちてシュートの精度も落ちるじゃろう。そしたらいくら頭で考え、己の武器を上手く使ってもゴールは奪えぬ」
「であれば、体力トレーニングとシュート練習は外せぬな。それと体力テストで潔は全ステータスが平均以下じゃったから、全てのトレーニング量を増やすのがよいじゃろう。それにチームZには突出した奴が多い。体力は雷市、フィジカルは國神、ドリブルは蜂楽、速さは千切、そしてシュートはわし。話を聞いたり真似してみて自分なりにアレンジしてみるのもよいかものう?」
「・・・・・・・。」
「シュートのバリエーションを増やしてみるのもよいじゃろう。潔は既にダイレクトシュートを実践しておる。防がれてしまったがいいアイデアだったとわしは思うぞ。他にもループシュートやバックヒール、逆足でのシュートや枠内に入れることだけを意識した強引なシュートもじゃ。今日イガグリがPKを蹴るときにやってたようなタイミングをずらしたシュートも面白い。実戦ではシュートに精度ではなく技術が必要な時もある。数少ないチャンスの瞬間に必要なシュートが必ずしも自分の得意なシュートとは限らんじゃろう?ようはボールをゴールに入れればいいんじゃ♪」
『かっこよく決める必要なんてないじゃろう?フィギュアスケートみたいな芸術点等サッカーにはないのじゃから』と潔に思ったことをいつものように言ってみる。シュートに関してはわしも少しうるさい自覚があった。
「・・・・・・すげぇ」
潔から素直に賞賛された。國神達といい潔といい、どうしてこうも褒めてくれるのじゃろうか?もしかしたら凄いことなのかも知れないがわしにはそんな自覚はない。思いついたことを口にしているだけなのだから。
「ありがとな!早速明日からいろいろ試してみる!・・・朱紗丸は何かないのか?困ってることとか俺でよければ話を聞くけど」
「わしか?ふむ、そうじゃな。実は「あなた達いつまで起きてるの!?」むっ?」
「あ、確か入寮テスト前にユニフォームを渡してくれた・・・」
「わしの鞠を奪った女狐じゃな!」
「帝王アンリですっ!誰が女狐よ!」
話を遮ったのは帝王アンリとかいう絵心のサポートをしている娘だった。どうやらわしが携帯以外の返却を許可して貰ったことで、不公平がないように全ての棟内のゴールボーナスポイントの貼り紙を変えていたらしい。
「なんかすまんのう。絵心にも謝っていたと伝えてくれ」
「・・・意外ね。貴方、謝ることが出来るなんて」
「前言撤回じゃ。おぬしなんか疲労でぶっ倒ればいいんじゃ!バーカバーカ!」
「なんですってぇ!」
「お、おい朱紗丸落ち着けよ・・・」
結局朱紗丸と潔はZチームルームに戻ることにした。もう夜も遅く話は明日でもできるからだ。
「潔よ、繰り返し聞くが本当に世界一を目指しておるのか?」
「ああ、そのつもりだけど?」
Zチームルームに戻る途中の廊下で朱紗丸がもう一度尋ねた。
「なら心しておくことじゃな。一番になるということがどれほどの重圧なのかをのう・・・」
「一番の、重圧?」
「ま、明日話すのじゃ。今日はもう寝ようぞ♪」
「・・・そうだな。俺もまさか食堂で寝落ちするとは思わなかった。さっさと寝よう」
Zチームルーム
「・・・・・・。」zzz
「・・・布団を間違えたわけではないじゃろうのう?」
「だろうな。ついに俺の布団にまで転がってきたかイガグリ・・・」
潔の布団の上で五十嵐ことイガグリが寝ていた。よだれが布団に落ちてないだけマシである。
「仕方ないのう。潔、両足を持て。わしは両肩を持つ」
「ほんと助かるよ朱紗丸・・・」
イガグリを彼の布団に運ぶと2人ともすぐに布団に入る。3分もたたないうちに潔も眠ったようだ。
(鞠は取り返した。しかしこれからどうするべきか・・・。)
朱紗丸は日本代表もサッカー選手にもなりたいとは思っていなかった。ましてや世界一など考えもしていなかった。チームZにここまで助言や労力を割いたのも結局は自分のためである。
だが久遠や潔のような本気で世界一のサッカー選手を目指す者達と過ごすうちに、朱紗丸自身にも変化が起き始めていた。
朱紗丸の独り言は誰にも聞こえず、そのまま眠りについた。
?????
冷たい感覚がザワりと
まるでわしら鬼が徘徊するあの時代の夜風に当たっているかのような緊張感。
(・・・・・・?)
さらに目を閉じていても妙に視界が明るい。
だが朱紗丸にはこれが月光だとすぐに分かった。
(・・・・・・なんじゃ?)
いつも感じていたあの頃の感覚に朱紗丸は目をあけた。
(・・・・・・これ、は!?)
目にしたのは前世の町並みだった。
木造の家は高くても2階建ての古い家々が連なる一本道に朱紗丸は立っていた。
(過去夢というやつか?しかもわしはこの景色をはっきり覚えておる。この町並はわしが最後に死んだ・・・むっ?おお!)
遅れて朱紗丸は自分の身体の変化に歓喜しペタペタと触り始めた。
(前世の時のわしの身体じゃ!胸がある!そしてあれもついてないっ!)
「おい、朱紗丸」
「矢琶羽・・・」
振り向くと最後に共に戦った戦友がいた。
「ナニをしているんだ?胸や股を触ってニヤニヤと・・・」
「・・・・・・。」(´・ω・`)
Zチームルーム
「起きろぉぉぉ!!!」
怒鳴り声が部屋中に響く。
「どうだ、起きたか潔?」
「ダメだ、全然起きない!」
「さすがにおかしくねえか?今までこんなことなかっただろう」
潔達は朝起きたら朱紗丸がいつまでも眠ったままであることに気づいた。身体を揺すったり大声で起こそうとしたがそれでも朱紗丸は起きなかった。
「水でもぶっかけてみるか?」
「いや、ここまできたら病気の線を疑うべきだろう。医務室に連れていこう」
「そうだな。心なしか朱紗丸の顔色も悪いし」
伊右衛門に背負われて医務室に連れて行かれる朱紗丸。
(朱紗丸、いったいなんで・・・?)
昨日の夜の話を聞こうとしていた潔は、朱紗丸が心配だった。
「違う・・・誤解なのじゃ・・・」
朱紗丸の寝言は誰にも聞こえなかった。
「おい、潔世一」
「絵心!?」
突然モニターに絵心が映る。
「丁度良かった!朱紗丸が
「知っている。潔世一、お前に残念なお知らせだ」
「え?」
潔の言葉を遮り絵心が淡々と、しかし無情な現実を告げる。
「お前の弟も目が醒めない。今医務室に運ばれたところだ。お前も来い」
朱紗丸君&潔の弟君は原因不明の昏睡状態に。
矢琶羽とは鬼滅の刃の登場人物であり、朱紗丸と一緒に主人公の炭次郎、禰豆子と戦った鬼です。
やっと朱紗丸以外の鬼滅の刃キャラクターを出せます。(; ・`д・´)
次回は第10話ではなく、これまでの現状整理回のつもりです。
細かい矛盾点等は本作設定ということでご了承ください。
誤字脱字や明らかな矛盾点等があれば、感想にてご指摘いただけると幸いです。
感想・評価いただけると嬉しいです。
作者モチベアップに繋がります。