朱紗丸君の舐めプをご覧ください。
第伍号棟
センターフィールド
先についたのはチームZだった。朱紗丸を含めストレッチをしていると、チームXがやってきた。
(真ん中の10番、強そうじゃのう。しかしどこかわしらを見下しておる気がする。)
細かなルールのアナウンスが終わると、チームZの潔からのキックオフで試合が始まった。
潔達には試合前に負け越していない限り、チームプレイを心がけるように念を押していた。相手もお団子サッカーをするような感じならチャンスだという朱紗丸の意見を採用したためだ。
しかし最初のシュートチャンスを迎えたのはチームXの10番、馬狼だった。
Left DF 五十嵐
「くそっ!こいつうめえ!」
「てめぇが雑魚なんだよ。」
「あぁ!?」
Center DF 伊右衛門
「挑発に乗るな五十嵐、耐えろ!」
「待ってやるつもりはねえよ!」
伊右衛門に詰められる前にさっさとシュートを放つ馬狼。しかし、
GK 朱紗丸
「なんなんじゃ〜今のは〜?」
「なっ!?」
馬狼のコースを狙ったシュートは、GKの朱紗丸によって
「おお、すげぇ朱紗丸!」
「あれを片手で止めるのか。」
「いや、すげぇけど普通に両手使ってくれよ・・・。」
「つーか朱紗丸のやつ、伝説のスーパーサイヤ人みたいなこと言わなかったか?」
「ノリで『ふおぉ!?』とか言わないかなあいつ♪」
などと、チームZが称賛と安堵の軽口を叩いた。
「わしからゴールを奪いたきゃ殺すつもりでくるんじゃな!」
「なんだと・・・!」
血管が額に浮き出てくる馬狼。
「こんなふうにのう!!」ブンッ!
「っ!?」
朱紗丸が投げたボールはノーバウンドでセンターサークルを越えた。
「嘘だろ!ここまで投げられるのかよ!」
「先に触れ!クリアだ!」
Center FW 潔
(マジここまで飛ばしやがった!くそっ!先に触れねえ!)
相手DFが先にクリアしようとするが、
Left FW 千切
「おせーぞ、潔。」
千切がボールをかっさらい、そのままキーパーを躱してボールを蹴り込む。
チームZ対チームX
1対0
「うおぉ、ナイス千切!」
「なんだよ、1人で決めやがって!」
「やりゃ出来んじゃねーか!」
「・・・うっせぇ。」
朱紗丸の遠投から千切の瞬足でのカウンターが見事に決まる。
(キャハハ!やるのう千切よ!あやつの右足のお悩み相談をしてやったかいがあったのじゃ!)
千切は過去に足を怪我しており、また怪我してサッカーが出来なくなることを恐れていた。朱紗丸はそれを体力テストや毎日足のケアをしていた千切を見て気づいていたのだった。
チームZとチームXの雰囲気はいきなり対照的となった。
しかし雰囲気とは裏腹に、チャンスはチームZが圧倒的に多いものの決めきれない状況が続く。逆に朱紗丸は、
前半8分
「ほい!」パシッ
前半14分
「そりゃ!」パシッ
馬狼の強烈なシュートを全てキャッチしてみせる。
「ほれっ!」ブンッ
Left MF 成早
(足で蹴った見たいな速さで俺んとこに!)
成早に群がる相手選手を無視し、朱紗丸は馬狼をニヤニヤと見ていた。
朱紗丸は確かにGKをやったこともあり、チームZの中で一番適性能力もあった。しかし朱紗丸が馬狼よりも圧倒的に上手いというわけではない。
(あやつ、敗者復活ルールがなかろうとパスは出さんな。)
朱紗丸は馬狼の性格を見抜いていた。独善的であり、誰かに頼ったり譲ったりなどしない。必ずドリブルかシュートの二択となると考えた。
だったらDFにドリブルだけに注意させればより楽に馬狼を止められるのだが、朱紗丸は敢えてそれをしない。
(頭に血がのぼっておるのう!血管が浮き出ておる♪)
味方がボールを持っている時、朱紗丸は暇なのである。それにチームXに連携されるより馬狼1人を相手した方が
潔達が知ったら揃って怒るだろうことも、朱紗丸にとってはどこ吹く風である。退屈よりも刺激が欲しいのである。
(わしだってFWをやりたいのにGKを志願してやったんじゃ。)
前半19分
「とりゃ!」パシッ
(なりよりこうして0点に抑えておるのじゃ。文句も言えまいて。キャハハハハ♪)
「何やってんだよ馬狼!」
「4本目だぞ、決めろよ!」
「ポジション変われ!俺がやる!」
「いや、俺だ!」
馬狼が朱紗丸に何度もシュートを止められ、馬狼だけでなくチームX全体がイライラしていた。
(キャハハハ!やはりチーム全体がイライラし始めたのう!当然じゃ、初めて会った11人で組んだ急造のチーム。得点王の敗者復活ルール。そして人一倍プライドだけ高く、わしに何本もシュートを止められる王様!これだけでもGKを志願した甲斐はあったのじゃ♪)
そして前半25分
Right DF 我牙丸
「うぉ!?」
「どけ!」
我牙丸との競り合いに勝ち、
「我牙丸!?くっ!」
「邪魔だ!」
伊右衛門を股抜きで強行突破してついにGK朱紗丸と1on1!
「抜かれすぎじゃ!」
(どう来る!?いや、考えるのはやめじゃ!)
朱紗丸はゴールを飛び出し、鬼殺隊士を殺しに向かうが如く馬狼に向かって行く。
「!?」
馬狼は突っ込んで来る朱紗丸の左側へ強烈なシュートを放った。反射的に朱紗丸は右肘で触れるが、ボールは後ろに飛んでいき、ポストに当たってゴールラインを割った。
「う、うおおお!すげぇ朱紗丸!」
「今の止めやがった!守護神朱紗丸様!」
「ナイスだ、朱紗丸!」
チームZは歓喜に包まれ
「いい加減にしろ馬狼!」
「もう奴にパス出すのやめようぜ!」
「いや、今のはGKが神懸かってたぞ。」
チームXは怒声と擁護の声が混じる。
「・・・。」
「・・・。」
しかし2人は睨み合うだけでどちらかともなく顔をそらした。
Right MF 蜂楽
「どした〜朱紗丸?」
自陣に戻ってきた蜂楽は声をかけるが、朱紗丸は「何でもない。」と返すだけだった。
(今のは危なかった!わざと右側を開けて突っ込んだかいがあったのう。)
馬狼は朱紗丸が咄嗟に貼った罠にかかったのだった。前世だけでなく、今世のバレーボールでの経験も活きており、今のシュートにも対応出来たのであった。
一方の馬狼は・・・
(やつは本当に最下位チームのFW志望のやつなのか?何故こうも俺のシュートが止められる?)
自分のシュートが決定機を含め5本も止められた馬狼は、朱紗丸への怒りよりも疑問が渦巻き始めていた。
朱紗丸が最後にボールに触ったためコーナーキックで試合が再開される。
國神が馬狼のマークにつこうとするが、
「國神、それと雷市。そやつのマークにはつかんでよい。他の皆もじゃ。」
ボランチ 雷市
「は?こいつをフリーにすんのかよ?」
ボランチ 國神
「大丈夫なのか?」
「キャハハハ♪かまわん、どうせ何も出来ん!」
「てめぇ・・・。」
敢えて馬狼をノーマークにする朱紗丸。
コーナーキックを蹴る選手は馬狼を見限っていたが、フリーな状態ならと馬狼めがけて高いボールを蹴る。
「そう来ると思ったのじゃ!」バシッ
朱紗丸はジャンプして片手を伸ばす。
馬狼がヘディングをしようとする手前に跳んだ朱紗丸は、また片手でボールをキャッチした。
「はぁ!?たっか!?」
「あれを片手でとんのかよ!?」
飛び出した勢いそのまま朱紗丸はポイッとボールを手前に投げる。パントキックで前線に蹴り出した。
Right FW 久遠
「ピンポイントで俺の所に・・・千切!!」
朱紗丸のパントキックを褒めながらヘディングで斜めに走り込んできた千切に落とす。
「させるかよ!」
「さっきのようにはやらせねえ!」
しかし1点目の千切の俊足を警戒し、DFもドリブル・シュートコースを塞ぐ。
「いいディフェンスだな。」ニヤニヤ
「なっ!?こいつボール持ってねえ!」
「どこに・・・」
「っしゃあああ!」
そこには千切からのヒールパスをダイレクトにゴールに蹴り込みガッツポーズを上げる潔がいた。
チームZ対チームX
2対0
「ナイッシュ、潔!」
「あれを外したりしたらDFと交代だ。」
「これで2-0だぁ!」
「くそ、俺もゴール決めてえ・・・。」
歓喜に湧くチームZとは対照的に呆然と立ち竦むチームX。
馬狼がさっきの朱紗丸のプレーを考察していると、チームXの選手達が馬狼のところに集まってきた。
「馬狼、すまなかった。」
「あぁ?」
なんのことだ?と聞き返す馬狼。
「あのGKかなり出来る。あいつからゴールを奪うのはお前1人じゃ無理だ。」
「なんだと!?」
「お前1人じゃな。」
「・・・。」
馬狼は冷静になろうと努める。味方に続きをうながした。
「馬狼にばかり頼ると攻めが単調になって、馬狼へラストパスを送ることも難しくなってくる。攻め方のバリエーションを増やすぞ。チャンスがあったら俺達も狙っていく。馬狼は今まで通りゴールを狙いつつ、あのGKに弱点とかないか探してくれ。」
「・・・俺に指図するな。」
チームXの選手達に背を向け自陣に戻る馬狼。
「まったく、素直じゃねぇんだから。」
チームXの選手達は先程までお互い(特に馬狼)に苛ついたりしていたが、強敵を前に少し団結し始めた。
それでも前半終了間際、直接フリーキックを國神が決めて3対0となる。壁の選手が跳ぶ事に賭け、壁の足元を狙ったことでGKも反応出来なかった。
前半はチームZがチームXを3対0で折り返すこととなった。
朱紗丸君がGKをやる驚きを表現するために敢えて本文中にチームZの登場選手にポジションを表記しました。
分かりづらいためこちらでもチームZのポジションを表記します。
チームZ
フォーメーション:3-4-3
GK:朱紗丸(1アシスト)
Left DF 五十嵐
Center DF 伊右衛門
Right DF 我牙丸
Left MF 成早
ボランチ 雷市
ボランチ 國神(1ゴール)
Right MF 蜂楽
Left FW 千切(1ゴール1アシスト)
Center FW 潔(1ゴール)
Right FW 久遠
細かい矛盾点等は本作設定ということでご了承ください。
誤字脱字や明らかな矛盾点等があれば、感想にてご指摘いただけると幸いです。
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