朱紗丸のブルーロック   作:神代麒麟

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第7話投稿です。
今回は対チームYのハーフタイム終了まで。
全然進んでないように感じるなぁ。

感想・評価ありがとうございます!
朱紗丸君達と楽しんでいただけると嬉しいです!

週1投稿を目標に頑張ってます。
後、読みやすさを今後もう少し改善したいと思ってます。




第7話

伍号棟 センターフィールド

チームZ対チームY

前半5分 1ー0

 

 チームYのキックオフで試合が再開される。試合開始すぐに点を決められてしまったが、チームYにさほど焦りはない。まだ始まったばかりと言うこともあるが、どこかでロングスローからの得点は決められると思っていた。

 

 落ち着いてボールをまわしていたチームYは、ワンタッチプレーのパス交換で五十嵐の場所から中へ切り込むが、

 

「おらぁ!」

「くっ!?」

 

 國神がカバーに入ってクリアする。五十嵐のところが弱点と見て攻めてくることをチームZは見抜いていた。

 

「チャンスじゃ!」

 

 右MFの朱紗丸が、今度は左サイドをドリブルで駆け上がる。2人がかりで寄せて来るチームYのMFを雷市との連携で突破し中へ切り込もうとするが、

 

「むう〜、なかなかシュートまで持っていけんのう」

 

 さらに詰めてきたDFの足にボールが当たり、またサイドラインを割る。

 

(これでまたスローイン。今わざとあてたような・・・)

 

 朱紗丸のドリブルに違和感を持つニ子だったが、すぐに切り替えてマークの指示を出す。今回はすぐに投げ入れるのではないようだ。ゆっくりボールを拾う朱紗丸。

 

 全員にしっかりマークがついており、久遠や伊右衛門には特に警戒するように伝えてあった。だが、ボールを投げ入れる朱紗丸の直前の行動にチームYの全員が驚く。

 

「ハンドスプリングスロー!?」

(しかも速い!)

 

 朱紗丸がしたのは″ハンドスプリングスロー″と言う難易度が高いスローイン。遠くへ飛ばせるが、ファールスローになる確率が高い。そしてもう1つ。ロングスローはボールが山なりのものがほとんどだが、朱紗丸のロングスローは蹴られたかのごとく久遠目がけて飛んでいく。

 

(大丈夫、彼には厳重にマークが・・・)

 

 しかしボールに飛びついていたのは久遠だけだった。

 

「なっ!?」

 

 久遠のヘディングによって叩きつけられたボールは、再度ゴールネットを揺らした。ガッツポーズを決める久遠。

 

チームZ対チームY

2―0

 

「ナイス久遠!」

「すげえジャンプだったぞ!」

「ありがとう、皆のお陰でフリーで打てた!」

「朱紗丸もすごかったぞ、ハンドスプリングスロー!」

「それほどでもあるのじゃ、このヤロー♡」

 

 久遠と朱紗丸が輪の中心でもみくちゃとされる中、朱紗丸はチームZの1人を見る。

 

(ついに笑顔の仮面を外したか。まだ得点がないのは我牙丸を除けばおぬししかおらんからのう()()()()よ。あともう1人、ゴールも決めたのじゃ。今ここで爆発することが如何にチームにとってマイナスか分からぬおぬしではあるまい。せめて耐えてくれ、()()

 

 逆にチームYは流石に平常心ではいられない。早くも2点目、しかもハンドスプリングスローからのスーパーゴールに慌てていた。

 

「なんなんだよ、あいつ!最下位のチームにいるような選手じゃないだろ!」

「と言うか、久遠についてたやつは何やってたんだ!」

「落ち着いて下さい。1点目も2点目もデザインされたゴールです」

「デザインされたゴール?」

 

 チームYの選手達が、ニ子の話に耳を傾ける。

 

「当然あんなロングスローを投げる朱紗丸君も、得点を決めた2人も凄いです。しかし1点目はリスタートで投げられたボールを直前で久遠君がスルーしています。2点目は久遠君へつけたマークが伊右衛門君や成早君らによってブロックされています。チームZは絵心さんが言っていた″個の力″を別の″個の力″と掛け合わせ、1つの戦術として用いています。こちらが警戒し、対策を講じても点を決められるのはこれが原因です」

 

 ニ子は冷静に先の2点を分析していた。そしてその分析結果は正しい。朱紗丸達チームZは″個の力″の使い方だけでなく、活かし方についてまで話し合い、練習をしていた。

 

「どうする?流石にあんなスーパーゴールが何度も起こるとは思わないけど、意識し過ぎるのも・・・」

「それもありますが、気になるのは朱紗丸君のドリブルです。確かにドリブルも上手いことは想定してましたが、わざとDFに当ててスローインを貰ったようにも見えました」

「俺があいつのドリブルをカットしたんじゃなくて、カットさせられたってのか?」

「断言は出来ませんが・・・」

 

『チームY。速やかに試合を再開させて下さい!』

 

 無機質なアナウンスがフィールドに響く。

 

「くっ!?今は対策案まで考えて伝える時間はありません。ただし応急対策として朱紗丸君には1枚多くつけましょう。彼にこれ以上好きにはさせません!」

「「「「おう!」」」」

 

 再びチームYのキックオフで試合再開する。今度は最前線にいる大川へロングボールを送ろうとするが、

 

「させない」

「っ!?高い!」

 

 我牙丸が飛び出しジャンプ。我牙丸がこの試合初めてボールに触った。

 

「フリー!」

「潔!」

 

 攻守が切り替わったと見るや、早い動き出しで我牙丸からボールを受け取る潔。

 

「へい、潔!」

 

 フリーの五十嵐が潔に呼びかけるが、

 

「久遠!」

 

 大きく最前線の久遠へロングフィード。久遠がヘディングで競り勝つと、ボールは朱紗丸のもとへ。

 

「これ以上お前に好き勝手させるか!」

「抜かせねえ!」

 

 朱紗丸に2枚のDFが立ちはだかる。

 

「仕舞いじゃ!」

 

 まだゴールまで30メートル以上あるにも関わらずシュートを放つ朱紗丸。ボールは最前線にいた伊右衛門とGKのファンブルを狙っていた成早、その2人についていたニ子達DFを越えゴールへ向かう。GKも必死にボールに飛びつくが、朱紗丸の放ったシュートはゴール左上すれすれを通り、ゴールネットを揺らす。

 

チームZ対チームY

3―0

 

「すげえぞ朱紗丸!」

「針の穴通すようなゴールだったぞ!」

「さっすが〜♪」

「きゃはははは!楽しいのう!」

 

 理不尽とも言える朱紗丸のスーパーシュートにさらに湧くチームZ。

 

「・・・は?」

「・・・え?」

 

 朱紗丸についていた2人を含めチームYは呆然となった。

 

(やられた!スローインばかりに目を向けて・・・朱紗丸君はシュートもあるんだった!)

 

 ニ子はどうすれば彼等を止められるのか分からなくなってきた。頭を抱えるニ子。

 

(脅威だってわかってるのに!対策を講じているのに!引き出し(戦術)が多くて質も高いからその全てに対応出来ない!こんなの・・・どうすることも・・・。)

 

「ニ子・・・おい、ニ子!」

「うぁ・・・大川君・・・」

 

 いつの間にか目の前に大川がいた。

 

「ごめん大川君、皆・・・。僕、」

「謝るな」

「え?」

 

 ニ子が顔をあげる。

 

「お前はよくやってるよ。チームまとめて分析して対策立てて。だが何もかも1人で根詰め過ぎだ。チームのミスは、チーム全員の責任だ」

 

 いつの間にかチームYの全員が、ニ子の周りにいて大川の言葉を聞いていた。

 

「朱紗丸のスローインの時は、カウンターを狙う俺以外も下がれ。これ以上DFに負担はかけられねえ」

「「OK!」」

「朱紗丸につく2人は、内1人はドリブル、もう1人はシュートを警戒しろ」

「「わかった!」」

「向こうにボールが渡ったら常に近くのやつがプレスしてチームZのカウンターを阻止しろ。特に俺達FWが敵陣で奪い返せればチャンスに繋がる」

「「「おう!」」」

「五十嵐とか言うやつが穴っていうニ子の分析は間違ってねえ。そこから突破してペナルティエリアの外からシュートを打ってみるのもいい。シュートを打たなきゃゴールは奪えねえ。もっと積極的に打っていけ!」

「「「「了解!」」」」

「攻めるぞチームY。まだ試合は始まったばかりだ。勝つぞお前ら!!」

「「「「「「「「おう!」」」」」」」」

 

 キックオフのためそれぞれのポジションに戻るチームY。

 

「ほら、立てよニ子」

「あ、ありがとうございます。大川君」

「かまわねえよ」

 

一方チームZ

 

「潔、何でフリーの俺にパス出さなかったんだ?」

 

 五十嵐が潔に声をかける。そこにいつもの彼の明るさはない。

 

「え?悪いイガグリ。カウンターのチャンスだと思ったし、久遠も朱紗丸も今日はノッてるから・・・」

「別にいいじゃないかイガグリ。決まったんだから」

「そうそう!3━0だよ?上手くいってんだからいいじゃん!」

 

 潔が戸惑いながら返事をし、伊右衛門と成早も続く。

 

「五十嵐。もしかしてまだ自分が点を取れてないからって焦ってるのか?」

「あ、そうか。我牙丸を除けばイガグリだけだな点決めてねえの」

「というかシュートすらまだ打ってなかったか」

 

 久遠の指摘に、雷市と國神が五十嵐のスタッツについて思い出す。

 

「イガグリよ。別に狙ってほぼ皆が点を取っているわけではないぞ。そもそもわしらにそんなことを気にしている余裕はないしのう」

「そうだ。『まだお前点決めてなかったな。じゃあ次はお前にボールを集めよう。』なんて余裕ないしな」

「まだ時間はある。焦るなイガグリ」

 

 朱紗丸の指摘に千切も同意し、伊右衛門が締めくくる。

 

「そ、そうだな。わりぃみんな」

 

 それぞれポジションに戻るチームZ。朱紗丸もポジションにつくが、久遠が五十嵐を睨みつけていることに気づいていた。

 

 

 

 その後の攻防は激しいものとなった。試合開始20分で0ー3となったチームYは士気が落ちるどころかさらに増し、チームZに襲いかかる。潔達DFも大川を中心に攻め立てる攻撃に苦戦を強いられ、今までほとんどボールに触らなかった我牙丸も忙しくシュートを防ぐ。

 

「イガグリの得点どころではなくなったのう。贅沢な悩みというやつか」

 

 強引にボールを奪った朱紗丸は、相手陣内のコーナーポスト目がけて蹴り出す。あそこならGKも飛び出さない。

 

「なるほど・・・さすが御代官様!」

「なんの話だ!」

 

 そのボールを久遠とマークについていたDFが追いかける。なんとかボールに追いついた久遠は相手DFの足にボールを当ててコーナーキックを得る。

 

前半アディショナルタイム

コーナーキック

キッカー 朱紗丸

 

(ここで時間を潰して3━0のままハーフタイムに入っても良いが、それは皆が許さんじゃろう。)

 

 チームZも同じ気持ちなのか4点目を狙いペナルティエリアに入ってくる。

 

「ならば!」

 

 朱紗丸はショートコーナーを選択。近くに寄っていた成早にボールを蹴り出し、オフサイドにならないように自身も動く。成早からワンタッチで返されたボールをゴール目がけて蹴り込む朱紗丸。

 

(シュート、パスどっち!?とにかく触る!)

 

 ボールに飛びついたGKはボールに触れて軌道が変わりゴールバーに当たって敵味方入り乱れる頭上に跳ね返る。その中央にいた久遠は必死にボールに飛ぶ。敵DFも一緒に飛ぶ。しかし結果は・・・

 

「ぐえっ!?」

「なっ!?」

 

 五十嵐が自分のボールとばかりに無理やり飛びついたことで久遠とぶつかりお互いにボールに触れずDFにクリアされる。

 

「カウンター!!」

 

 必死に自陣に戻るチームZだったが、ボールを受け取った大川が國神をダブルシザースで躱してシュート。チームZのゴールを揺らす。

 

チームZ対チームY

3―0

 

 前半終了のホイッスルが鳴り響く。チームZは初めてゴールを許した。

 

「はぁ、恐れていたことがついに起こったか・・・」

 

 五十嵐へ掴みかかる久遠に皆が止めようとするのをため息をついて見る朱紗丸であった。

 

 

 

ハーフタイム

チームY控え室

 

 前半終了間際にカウンターから1点を返してのハーフタイム。本来ならばすぐにこの勢いを後半へ繋ぐ作戦を練るのだが、チームYの選手達は神妙な面持ちで作戦を練ろうとしていた。

 

「チームZの奴ら、荒れてたな」

「ええ、4━0になりかけていたのを味方との連携ミスで3━1になった。まぁあの怒り様はそれだけじゃないのかもしれませんが・・・。それよりも後半の戦い方です」

 

 ニ子が水を一口飲む。

 

「大川君の言ったとおり、攻撃に重点を置きましょう。攻めこそ最大の防御です。朱紗丸君のロングスロー対策の1つとして、クリアは前線へのロングボールにしましょう。ドリブルはこちらから奪いにいくのではなく、抜かれないように2人以上で対処します」

「なるほどな。向こうは高さに強そうな守備陣がGK位だし一石二鳥か」

「いいね、それで行こう!」

 

 チームYの選手達も賛成する。

 

「俺からも1ついいか?」

「大川君?」

 

 大川がニ子の前に立つ。

 

「お前もFWに入れ」

 

 

 

一方チームZ控え室

 

「五十嵐・・・お前、自分が何してるのか分かってるのか!?」

「だから、あれは俺がヘディングで決めるべきだと思ったんだよ!」

「久遠、イガグリ2人とも落ち着け!」

 

 伊右衛門が2人の間に割って入る。

 

「これが落ち着いていられるか!俺達言ったよな!?お前の自己満足にかまってる場合じゃねえんだよ!」

「いや久遠。俺達『余裕がない』とは言ったが、そこまでは言ってないぞ」

「駄目だよ、國神。いつもの冷静な久遠ちゃんじゃないね。完全に頭にきてる」

「なんだ・・・。俺、間違ったこと言ってるか蜂楽」

「おおぅ、クワバラクワバラ♪」

 

 控え室は嫌悪なムードになっていた。いつも冷静に音頭を取っていた久遠が怒っているため収拾がつかない。

 

「朱紗丸御代官様。なんとかなりませんかね」

「いつからわしは御代官になったんじゃ成早よ。せめて″鬼姫″とでも呼んでくれんかのう」

「″鬼姫″?」

「まぁとりあえず・・・」

 

 朱紗丸が久遠と五十嵐の間に入り、

 

「喧嘩両成敗じゃ」

「ぐっ!?」

「ぶへっ!?」

 

 2人をぶん殴った。

 

「お、おい!?朱紗丸!?」

「まぁ聞けおぬしら。ハーフタイムと言っても時間はそこまでない。さっさと本題に入らせてもらう」

 

 誰かがゴクリと唾を飲む。

 

「わしは寧ろ楽観的に考えておる。ハーフタイム直前で問題が露呈したのじゃからな」

「ああ、確かにそれはあるかもな。試合中じゃこうして話し合うことも出来なかったし」

 

 潔が肯定する。チームZにとって前半終了直前で1点取られたのは精神的にも痛かったが、不満をぶつけ合える時間があるだけマシである。

 

「ところで潔、そして千切よ。何故久遠がここまでイガグリに怒っているか。おぬし達なら知っておるはずじゃ。」

「俺と潔?」

 

 千切が聞き返す。

 

「・・・もしかして久遠。お前、イガグリが練習をサボりがちなのに腹を立ててたのか?」

 

 潔が久遠に尋ねる。

 

「え・・・?」

「・・・・・・」

 

 五十嵐が呆けた顔で久遠を見る。逆に久遠は黙って五十嵐を睨みつけていた。

 

「そうなの、久遠?」

「確かにこいつ、『足痛い』とか『腹痛い』とか言ってちょくちょく休んでたな」

 

 全員が五十嵐の怠け癖を思い出す。

 

「・・・ああ、そうだ。チームXに勝った夜、モニター室で3人には話したな。俺はこいつのそういうところが気に入らない。まともに練習して強くなろう、チームに貢献しようとする意志を感じない」

「・・・っ!?」

 

五十嵐が苦い顔で久遠を見る。

 

「・・・俺も人の事は言えない。チームXに負けていたら、敗者復活ルールで1人で2次選考に進むために表面上はチームZの音頭を取りながら、裏で対戦相手にこっちの情報を売ってゴールをもらうつもりだったんだからな」

「はあ!?」

「久遠ちゃん、裏切ろうとしてたんだね」

「そんなふうには見えなかったけど、久遠はそこまで考えてたのか」

「まあ俺達も初戦落としてたら今頃似たようなこと考えてたかもしれないがな」

 

 久遠の独白にチームZの皆が驚く。

 

「ふざけんな久遠!てめぇの方が最低じゃねえか!!」

「俺は本気で世界一目指してんだよ!『寺継ぎたくない』なんてフザケた理由でサッカーやってチームの甘い蜜を啜り、怠けて練習サボろうとするクズとなんて連携も心中もゴメンだ!!」

「はいはい、そこまでじゃ。またわしに殴られたいか″最低なクズども″」

 

「「・・・っ!?」」ビクッ

 

 久遠と五十嵐だけでなく、潔達も震え上がった。ブルーロックに来てから朱紗丸が怒った顔をしているのを初めて見たからかもしれない。

 

「久遠の裏切り未遂の件は、久遠が言った通りチームX戦後に千切と潔と一緒に聞いていた。連携に支障が出かねんから黙っておったがのう」

 

 ゴクゴクと水分を補給する朱紗丸。

 

「ぷはぁ。その件の罪滅ぼしとして久遠には、GKや他のポジションの公平かつ論理的な決め方、対戦相手の分析などをしつつわしと意見を交換しておった」

「そうだったのか。確かにスムーズにポジション決めれたし、練習メニューも意図がちゃんとあって真剣に取り組めたな」

「ポジション決めにミニゲームの結果で決めたのも良かったな。自分でFWのチャンスを掴み取れるってのはな。またやりてぇぜ」

「俺は気にしてないけどね〜。もういいじゃん。未遂だしチームのためにいろいろ考えてくれたんだからさ〜」

 

 國神達も許すような発言が多かった。

 

「今は過去のこと話してる場合じゃねえだろが。だいぶ時間食っちまったがこれからどうすんだ?」

 

 雷市が朱紗丸に尋ねる。

 

『ハーフタイム終了5分前です。両チームともフィールドに戻ってください!』

「やばいな・・・。後半のこと何も話せてないぞ」

「わしに策が1つある。イガグリよ。おぬしの武器を活かし、おぬしの『楽をしたい』という願いを叶え、おぬしが点を決めて、チームに貢献出来る作戦がのう♪」

「本当か朱紗丸!?」

 

 五十嵐が朱紗丸に飛びつく。

 

「ええぃ、ひっつくな!とりあえず久遠とイガグリ!後半だけ遺恨に蓋をして、チームZのために尽くせ!」

「「分かった・・・」」

「それと成早!イガグリにおぬしの武器″裏への抜け出し″方を伝授せよ!」

「え、なんで!?」

「問答無用!」

「はいぃ!」

 

 あわてて五十嵐に″裏への抜け出し″方を教え始める成早とそれをなんとか頭に詰め込む五十嵐。

 

「ほれ、皆も準備じゃ。そろそろ後半が始まるぞ!」

「あ、ああ。そうだな」

 

 各自汗を拭き直したり、最後の水分補給をして控え室を出ていく潔達。

 

「朱紗丸、こいつに何をさせるつもりだ?」

 

 久遠が朱紗丸に聞いてくる。

 

「話してる時間はないぞ。ああそれと裏切り未遂の件はよく話した」

「ああ・・・。それより俺は何か出来ることはあるか?」

「あるぞ♪」

 

「ほれ、もう時間じゃ!行くぞイガグリ、成早!」

「わ、分かった!」

「今行く!」

 

 バタバタと一緒にフィールドに戻る3人。久遠は既に向かっていた。

 

 こんなことになったのは朱紗丸(わし)という異物混入(イレギュラー)が原因なのだろう。わしがブルーロックにいなければチームXに負けて久遠は裏切りどうなっていたかも分からない。

 

「五十嵐栗夢」

 

 ここに前世の記憶を持ち、鬼として人間を殺していた自分がいることに意味があるのだろうか。

 

「素晴らしい提案をしよう」

 

 どちらにせよ、事こうなったのはある意味必然だったのかも知れない。

 

「おぬしも″鬼″にならんか?敵を″殺す″覚悟があればの話じゃがのう♪」

 

 

 




ハーフタイム中に『前日モニタールームでこんなことあったよ』的な回想を入れるつもりでしたがやめました。「はよサッカーやれ」と読んでる方も思うだろうと思いまして。
またどこかで紹介するかもしれません。

細かい矛盾点等は本作設定ということでご了承ください。
誤字脱字や明らかな矛盾点等があれば、感想にてご指摘いただけると幸いです。

感想・評価いただけると嬉しいです。
作者モチベアップに繋がります。
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