魔法科高校の劣等生 達也の相棒   作:コウカワ

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入学編10話

俺たちは生徒会役員に任命されたが深雪は浮かない顔をしている。やはり兄の達也と一緒にやりたかったのだろう。「真由美、ちょっといいか?」と渡辺先輩が会長に話しかけた。

「どうしたの摩利?」

「確かに生徒会には一科の生徒でないと入れないが私の風紀委員会は一科の生徒だけしか入れないという規則はない。そして、ちょうど生徒会選任枠はまだ決まっていない。」

「ナイスよ摩利!生徒会は司波達也くんを風紀委員に指名します!」と七草会長は宣言する。その光景に達也は呆然とし、深雪は浮かない顔から一気に目を輝かせる。

「待ってください。俺の意思はどうなるんですか、それにその風紀委員会が何をする委員なのかも聞いていません。」

「学内の風紀を守るのが風紀委員会の仕事よ。」いや、そういうことではないだろうと俺は思った。達也も同じだろう。会長はどこの説明が足りないの?という顔。達也は辺りを見渡すも渡辺先輩は完全に面白がっており、市原先輩は完全に静観している。そこで達也は残りの一人中条先輩に視線を向けた。いや、これは完全に睨みつけている。絵面だけ見れば大問題だ。

「中条先輩、風紀委員会は具体的にどんなお仕事をなされているのですか?」

「え、あっ、ハイ。風紀委員会は主に校則違反者を取り締まる委員会です。」俺は中条先輩に助け舟を出し答えてもらう。すると達也も睨みつけるのをやめ渡辺先輩のほうを向く。中条先輩もホッと息をつく。

「今の説明ですと、風紀委員会は学内で喧嘩などに遭遇した場合に力ずくで止めなければならないということですか?」

「ああできれば騒動が起こる前に止めて欲しい。」

「あの、俺は実技の成績が悪くて二科生なのですが?」達也は呆れたように言うが渡辺先輩は、「別にかまわんよ。腕試しなら私がいる。」と軽く返す。すごい、まさに豪傑という言葉が似合いそうな人だと俺は思った。さらに達也は反論をしようとするが、チャイムがなる。午後の授業前の合図だ。「続きはまた放課後に、どうかな?」

「ハァ、分かりました。」とうとう達也も観念したようだ。まあ、深雪があんなに目を輝かせているし多分断らないだろうな。

その後俺たちは生徒会室を後にしそれぞれの教室に戻っていった。

 

Side 市原鈴音

 

「それにしても会長、深雪さんを生徒会に入れるのは恒例の事として、なぜ御坂くんを生徒会に加えたのですか?」「あら、リンちゃんは御坂くんが入るのは不満?」

「いえ、会長のことですからなにかお考えがあるのではないかと思いまして。」会長は何の理由もなく生徒会に人を入れたりするような人ではない。御坂と聞いても十師族でもなければピンと引っかかるような有名な魔法師の名前もない。御坂くんを入れたのは何かワケがあるんじゃないか?私はそう考えていた。

「う~ん、そうねえ。リンちゃんには昨日の起きたいざこざについて話してたっけ?」

「一科生と二科生との騒動のことですか。」確か両者がCADを取り出すまでに発展したとも聞いている。

「その中で御坂くんは一科の生徒でなく二科の生徒たちの方に味方していたの。入学してそうそう幾ら自分の友達がいるからって一科生が二科生の味方をするなんてそうそうできることでもないわ。」確かに私たち生徒会は一科でも二科でも平等に接していかなくてはならない。そうゆう面で見れば確かに彼は適任だ。

「本当にそれだけが理由なのですか?」

「深雪さんと絡ませると面白そうだったから。」あっ、たぶんこっちが本音だ。それなりに長い付き合いだから私には分かる。(深雪さんご愁傷様。)と私は心の中で思った。

 

Side 市原鈴音 out

 

「しかし深雪だけでなく達也にまで目を付けるとは会長なかなか目効きがいいひとだったな。」

「そうですね、それにお兄様にもちゃんと接してくれましたし。でも・・」やはり生徒会に達也を入れたかったのだろう。少し落ち込んだ顔をしている。

「なぁ深雪。」

「はい。」

「生徒たちの意見を取り入れていくのが生徒会の仕事だよな。」

「ええ、そうですね。」

「俺たちが生徒会で生徒たちみんなの意識を変えていければ一科生だけが生徒会に入れるなんて規則もなくせるかも知れないな。」俺はそう深雪に言ってみる。

「それもそうですね。そうすればお兄さまも一緒に来年出来るかもしれませんね。」パアッと深雪は笑顔になった。やはりこの子には笑顔がよく似合う。

「真琴さん、ありがとうございます。」

「別に礼を言ってもらうようなことはしていないが?」「私が浮かない顔をしていたから励ましてくれたんですよね。」深雪にはお見通しのようだ。

俺は少し気恥ずかしくなり頬をかく。

「ほら、早く行かないと授業に遅刻してしまう。早く行こう深雪。」俺は廊下を早歩きし始める。

「え、あ、待ってくださいよ真琴さん。」深雪の声を聞きスピードを緩めつつ二人でA組の教室に向かった。

 

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