その後、お茶会は終了しそれぞれの帰途に着く、マンションの自室に帰り夕食を軽く済ませある人と通信を取ることにした。
「牛山さんお久しぶりです。仕事中でしたか?」
「いや、もう上がったところだぜ、愛弟子よ。」とアフロの男性が答える。この人は牛山さん俺のあのフォア・リーブス・テクノロジー(通称FLT)の技術者であり俺のCADの整備技術の師匠なのだ。
「しかし、愛弟子も御曹司も、もう高校生か。出会った頃は中坊だったのにな。」
「ええ、そうですね。」と話す。ついでに御曹司とは達也のことである。その後今日学校であったことを話すと
「御曹司に銃口向けるたぁ、肝がすがってやがるぜ。」と驚いていた。その後も少し話をし、
「それじゃあまたなんかあったら連絡くれよ。」
「はい分かりました。」と通信を切り、明日の学校の準備をして眠りについた。
次の日の朝もほのかと雫と一緒に登校し、A組の自分の席についた。1限は移動教室なので準備をしていると一人の男子がこちらに来た。あれ?なんて名前だっけ?
「おい、お前。なんで昨日二科生の味方をしたんだ。」「えーと誰だっけ?あっ、森本だ。」
「森本じゃない僕の名前は森崎だ。そんなことより僕の質問に答えろよ。」
そうして怒りながら訂正してくる。どうやらコイツは森崎というらしい。
「先にCADを取り出したのはお前らだろ。目の前にCAD突きつけられて行動しないほど俺は図太くはないよ。これでいい?」
「いや、僕らは一科生なんだぞ。雑草(ウィード)の味方なんかして。それに司波さんも僕らといるべきなんだ。」「はあ。言いたいことはそれだけか?1限は移動教室だし早く行きたいんだけど?」
「あ、ちょっとまて。みさ「お前はなんで魔法師になろうとするんだ?森崎?」かってなんだ?」」
「質問を変えよう。お前はこの高校に何をしに来たんだ?誰かに威張り散らすためか?なにか?お前は心もない兵器にでもなりたいのか?」
「そんなことは・・」
「あの魔法がもしも俺の友達の誰かにあたっていたらどうなっていただろうな?当たり所が悪ければ、もし目や心臓なんかの急所にあたってでもいたらどうなってたろうな。」
「アイツ等は所詮スペアだから「ほう、ならそのせいでそいつが目が見えなくなっても、死んだとしても気にしないというわけか?責任も取らないってことか?魔法師としてで無く人として最悪だな。テメェ。」」俺がそう言うと森崎は黙って俯く。
ハア、と一息呼吸を整え俺はことばを続けた。
「さっきの質問に答えてやろう。単純にくだらねぇからだ森崎。」と俺は森崎に言った。
「俺はお前のようにいいとこの生まれじゃない。別に誇示するもんも無けりゃプライドもない。だがまあな、今こうして魔法師の俺はここにいる。ただそれだけ。そんな俺が魔法師として信じられるものは自分の心だけだ。俺は自分の心に従って友達のピンチに力を貸したんだ。」
同時に頭の中に俺のよく知っている兄弟、一科や二科のみんなが浮かんでくる。
「俺は魔法を俺が守りたい人たちのために使いたい。ただそれだけなんだ。」
「そう、なのか。」
すると森崎も納得した様な表情を浮かべる。
それと同時に始業5分前のチャイムが鳴った。
「ああ、やばいこのままだと1限遅れちまう。お前も早く来いよ森崎。それじゃ。」と俺は教室を出て行く。
森崎だけが教室には残された。
Side 森崎
「僕は魔法をどんなことに使いたいのか。」か、
言ってくれるよまったく。
夢なんて今まではあまり考えたことはなかった。
ただ森崎の家に生まれて当然のように魔法と接してきて、クイックドロウと魔法を磨いたり家のボディーガード業の手伝いばかりでまあ、将来もそういう方向に進んでいくのだろうと勝手に決めつけていたのかもしれない。
多分俺はイラついていたんだ。
夢も持たず、目標もなくただ誰かに当たり散らして自分と少し違うと言うだけの生徒に平気で魔法を打とうとするなんて情けない。本当に情けない。
それに比べて御坂は俺なんかよりもずっと眩しい。
明確な心があってそれに向かってひたすらに走っている。
それなのに俺はこんなことでいいのか?
言いわけないじゃないか。
『俺も自分なりの答えがあれば御坂みたいになれるのかな?』
そんな風に考えているとチャイムの音が聞こえる。
まずいこのままだと遅刻する。
そうして森崎は教材を持ち教室を出た。
その表情は心なしか晴れ晴れとしていた。
Side 森崎 out
その後、1限を終え休み時間になる。
深雪と共に教室を出ると出口の付近に森崎がいた。
少々深雪が嫌そうな顔をする。
まあ、昨日友達にCADを向けられてるし仕方ないか。
と俺が考えていると森崎が話を切り出す。
「司波さん昨日はあなたやあなたの友人たちに魔法を使おうとして本当にすみませんでした。森崎の本家に連なる一人としても一人の男としても謝罪させて頂きます。」
「は、はい?」
予想外のことを言われ少し深雪は動揺する。
「昨日は自分が軽率な真似をしました。どうかこの謝罪受け取ってもらえないでしょうか?」
しかし森崎はあくまで真剣に深雪に謝罪する。
「はい。確かに受け取りました。森崎君、もういいですから顔を上げてください。」と状況を理解し深雪は森崎の謝罪を快く笑顔で受け取る。森崎は顔を上げ
「それじゃ司波さん、御坂、また教室で。」
と教室に戻っていった。
「真琴さん?人って変われるものなんですね。」
「ああ、そうだな。」と俺は深雪の質問に笑顔で答えた。
森崎君は一つ成長しました。