実験体MM 作:柳月&独鴉
期末試験の結果発表も終わり、赤点が2名出てしまった。芦戸・上鳴なのだが、根津校長相手に手も足も出ず、タイムアウト前に気絶してしまったのがもっともの原因ということだ。
それ以外で危うかったのは瀬路、ミッドナイト先生の眠香で意識を失ってしまい、試験中に峰田に叩き起こされるという失態。瀬路のセロファンと峰田のもぎもぎを合わせ、広範囲に粘着トラップをばらまくことでミッドナイト先生の動きを制限し、なんとか突破したもののやはり大きな減点の為ギリギリの合格という事らしい。
期末試験実技の課題、それは各々が持つ課題とどう向き合い、教師が残している勝ち筋を掴めるかどうかによって判定されるものだったらしい。
「突破すれば合格って話しじゃなかったけどさ。 本当にトラップの仕掛け方考えてといてよかった~」
ギリギリとはいえ合格ということで瀬路は胸をなでおろしてはいるが、不合格となった二人は
「よって、合宿には全員で行きます。 むしろ赤点の奴らこそ合宿で鍛え直すべきだ。 もちろん赤点の奴は補講も追加される。 そのまま学校に残って補講したほうが楽だと思え」
しかし合理的虚偽及び赤点が出た者こそ強化合宿に出るべきであるとして、強化合宿+追加講義という日程になるとの宣告に二人は青褪めていた。午後のホームルームも終わり、皆それぞれ帰宅や鍛錬へと向かう中、魔神や相澤先生に呼び止められていた。
「魔神、お前に書類が届いている」
渡されたファイリングされた書類、表紙はダイナ〇ック・プロとS〇Kと記載されており、舞華は青褪める。
「やっばい。 これやっぱり権利問題ですか?」
「俺も詳しくはないが、技などのオマージュで権利うんぬんを言われる事はまずない。 レトロ作品のフォロワーらしいのが出た事で、新しい広報を考えて一度面会したいのだろう」
舞華はほっと胸をなでおろし、書類を開くも書いている内容はフォロワーとして広告などに出ないかという大まかな概要に、一部契約に関する専門用語もありすぐに理解するのは難しい内容だった。
「1時間後にパワーローダー先生と3人で顔合わせになるが、まぁ硬く構える必要はないだろう。 前もって回答の方向性とフォロワーとしての立ち位置をこれから考えるが、どうしたいかの大枠くらいで済むと考えていい」
それから企業との面談の前に、フォロワーとしての方向性と広告に関してどうしたいかを相澤先生・パワーローダー先生を交えて魔神は考えを纏める。
会議室
その場に居るのは魔神舞華・担任の相澤先生・版権などに詳しいパワーローダー先生、机の向かい側にはスーツ姿の男女3人。本来は一回目の顔合わせでもある程度しっかりとした話になるはずなのだが。
「ですから! ダイ〇ミックプロには遠慮をしていただきたく!」
「いえ、歴史はこちらがありますし、何よりも優勝を決めた技はこちらの有名作品をオマージュしてますから」
「それでしたら準決勝は全てK〇Fのオマージュですし! こちらのほうが親和性が高いと思います!」
微妙に揉めているのは企業同士。あくまでレトロ系とはいえ、目立つ広告塔が居ればブームとまではいかなくても売上げは上がる。少なくとも雄英体育祭で魔神舞華はかなり目立った上に優勝者でネットで比較動画なども広まっている。ダイナ〇ックにせよS〇Kにせよ人気を再燃させるには最良の機会だった。
「あ~申し訳ないんですが、雄英として学生の意思を優先して頂けないのならば、保護者を通さずお断りさせて頂きますが」
「オマージュ程度で合同連絡が来たと思えば学生の前で言い争いとは、もはや呆れた笑い声しかでてこないな キヒヒヒ」
相澤先生は苦言を言えばパワーローダー先生は飽きれていた。サポートアイテムをレトロや少し古いアニメなどを参考に作る生徒もいる為非常に詳しく対応も多い。そのパワーローダー先生から見てもこのチャンスを逃すまいとする必死具合は見た事がなかった。
この状況に理解は出来てもどうしたらいいのかわからず、舞華は何も言えず出来ずただじっと状況を静観している。
室内ということで大型のサポート装置を着用していないが、指で強めにテーブルを突き揉めている企業側の面々を止める。
「まだ一年、学生を優先した行動が出来ないならお帰りを。 何でしたら専門のプロを間に挟んでもいいんですがね」
本来はヒーロー事務所に所属してサイドキックやインターンになってから、各企業の連絡と共に広告に関して取り決めをするのだが、魔神舞華はいまだ学生であってヒーロー事務所には所属していない。その為いまはまだ雄英高校が対応している。
「……失礼しました。 S〇Kとしましてはリメイク作品の広告及びゲストキャラクターとして出演して頂けないかと」
「新作の販売が9月を予定しているのです。 いまからなら広告にも間に合いまし、DLCとしてゲストキャラクターとしても出せます」
S〇KはちょうどKOFのリメイクゲームを出す予定があった為、外観も目立つ上にフォロワーとして広告に出てもらい、人気が出ればそのままDLCコンテンツとして出す予定を立てていた。
「ダイナミックプ◇は博物館がありますので、スタンディパネルと一時的なオフシャルヒーローを計画しています。 宜しければですが」
小さなパンフレットが机の上に開かれる。個性黎明期にかなり破壊と展示物の略奪を受けたものの、少しずつ取り戻し今はなんとかほぼ元通りになったらしい。
しかし今は夢物語が個人の能力に左右されると言っても再現できる時代、個性のなかった時代の作品に興味を持つの者がそれほど多くないのが現状であった。
そんな中でフォロワーとしか思えないほどに、代表作の技を体育祭でど派手に使用した魔神舞華と作品の比較動画、それがネットに回ったあとに博物館の見学者の増加やネット配信サイトでの売り上げが上がるなど今が良いチャンスであった。
一通りの説明を受ける舞華、しっかりと書面に纏められた数パターンの回答を用意しており、その中からもっとも近いものを選べる。さすがにサポート道具類の版権関係で企業とよく話すパワーローダー先生の読みは正しい。
「学業に全く影響を与えず、個人生活に関わる情報に触れない範囲ならお受けします。 あくまで学業と個人情報を広げない事を希望します」
拒否する理由も特になく、ヒーロー活動は広報なども仕事の一つなので受けないという答えは舞華も余りない。広報活動もまたヒーローが居るとの周知と活動によって発言力を強める事にも繋がる。
条件に付いては、アングラとして目立たない事を優先し行動や戦法を見抜かれないようにしているイレイザーヘッドこと相澤先生、次に版権などに詳しいパワーローダー先生に相談し、決めた条件が記載されている書類を渡し確認してもらう。
両企業共に目を通し、かなり渋い顔をS〇K側はして一度持ち帰って再検討し、ダイナミックプ◇はほぼ問題ないとしてその場でほぼ了承。
パネル設置のための撮影用仮コスチュームの製作と写真撮影、博物館内の設置物の紹介映像の作成のみ、前準備を進めたうえでスケジュールをしっかりすれば二日ほど日曜日を使えば終わるように段取りを組めるとのことだった。
呼び出しが終わった翌日。
「ヤオモモもCMに出たし! これは私達にも流れが来るかな!」
「いいな~。 私も広告とか出たい」
「服装しか映らないでしょ。 でもどうして連絡が来たの?」
クラスでは初めてのヒーローとして正式な広告活動ということで、気になるクラスメイトから質問とともに
「体育祭で目立ったし技のオマージュが多かったからその繋がりだけど、やっぱり正式なヒーロー事務所を通さないと大変だよ。 今回は学校がやってくれたけどね」
本来はヒーロー事務所に所属してからすべきこと。今回は少々特別に企業側が大きく配慮や譲歩することを約束をしていたこともあったから雄英高校側が間に立つことで契約をしている。八百万百に関しても、ウワバミ事務所が職場体験ということで仮所属であるが、全て書類や契約などを取りまとめている。本来は高校卒業後にヒーロー事務所に入ってから行う事。
「今週末から日曜日もそう言った活動で出かけなきゃ行けない日も来るし、良いってことだけじゃないと思うよ?」
日曜日もなくなるという言葉に学生生活が大好きな芦戸が、ヒーローとしてCMなどに出たい気持ちとの天秤に微妙ななんとも言えない表情を浮かべている事にクラスの面々が苦笑していた。
本当は企業側の配慮もあり、夏休みに入ってからという形になりつつあるのだが、いまはまだ連絡が来ていなかった。
主要な技
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ダイナミック路線
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KOF路線
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第三の道
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とりあえず峰田を燃やせ