実験体MM 作:柳月&独鴉
襲撃は不幸中の幸いとも言えたのかもしれない。集められたヴィラン達の質はかなり低く、普段ならば路地裏で小さな犯罪行為をする小物達ばかり、ヴィランとしては二流どころか三流未満、分断されていたが各生徒が自力で対応することでけが人は出ておらず無事捕えた数は多い。危うい事もあったが先生たちの救援もあり明確な傷病者は出ていない。緑谷が個性反動の怪我を負っただけで、ヴィランから怪我を負わされたわけではなく、トラウマとなるような事態も発生していなかった。
USJ襲撃事件の後、数日の緊急休校が行われた。授業のカリキュラム情報の流出の捜査や安全対策の実施など、雄英学校側は大変な実務作業があるのだが、たった二日で終わらせ再び授業が始まる。
1Aクラスに生徒達が集まり、腕や顔に包帯を巻いた姿でHRは現れた相澤先生にクラス一同が驚いた。平然と話を進めるのは相澤先生もまたヒーローとして危険な生活を過ごした経験を持つ為、似たような重傷を負った経験がないわけではない。
雄英高校専属であり裏のボスとも言われるリカバリーガールによる治癒力活性化の個性、その治療を受けたのもあることだろう。
しかしリカバリーガールは個性だけで完全に治すよりも、適切な手術と治療を行った後、ある程度は自然治癒に任せた方が体にとっても良いらしく完全には治さない主義らしい。
「大丈夫なんですか!? 複雑骨折しているって警察の方がいっていましたけど!」
「包帯! ギブス!」
「治療が大げさなだけだ。 諸君らもヒーロー活動を長らくしていくのならば、これに近い怪我を負う事だってある。 そんなことより大変なことが迫っている」
クラスメイトが相澤先生の怪我を心配するも当人はどうでもよいことだと言い切り、さらに大変な事があるという言葉にまた何かが起きたのではないかとクラスに緊張が走る。
「雄英体育祭が迫っている」
体育祭、雄英高校の一大イベントであり、3年間の間に立った3回だけ自らを学外へ大きくアピールできる機会、プロヒーロー事務所からスカウトされるきっかけでもある。
何人かがヴィランに襲撃されたことから危険性を考え中止しないのかと聞くも、例年の数倍に警備規模を増やして逆に危機管理体制が万全であると公表になると返答があったり、毎年行われる大規模イベントでありプロからのスカウトの目星を付ける祭典であることから中止するのは難しいとのことだ。
何よりも開催ということにクラスの熱気は上がっていく。
「年に一度合計三回だけのチャンスだ。 ヒーローを志すのなら準備を怠るな! 以上だ」
熱気を維持したまま放課後になれば体育祭に向けてクラスの面々は動き出す。
「活躍すればプロへの道が開かれる!」
「一位をとってモテるっ!」
「自分の有用性を認めて貰う。 その為に実績を上げなくては」
「がんばろうね! 体育祭!!」
みんなそれぞれの理由をもって体育祭で活躍しスカウトを目指している。話を聞きながら舞華は体育祭までに自身を鍛えることを考えていた。正直弱火以外はあまり制御できない個性に関しても、少なとも“対スーパーヴィラン戦闘”レベルではなく“ヴィラン&試合”レベルの制御だけはなんとかしなくてはならない。
雄英高校の練習場を使うため何人かで集まって利用申請書を書く為、一緒に使用するクラスメイトで集まり練習について話していた。一人で練習するよりも連携を取ったり他人が見た方が気付くことも多い。
「切島、ちょっといいか?」
「どうしたんだ?」
舞華は真っ赤な髪をリーゼントに似せて角のように前に固めている硬派を目指す熱い漢の切島、爆轟とも気にせず関わって人の仲を取り持とうとしたりしているクラスメイトに声をかけた。
「特訓に付き合ってくれない? 切島は硬化で丈夫だしオレが本気でぶんなぐっても平気そうだから」
炎熱を除いても舞華はそれなりに強い。個性因子が活性化すると付随して身体能力もある程度向上し、合計8人分の個性因子を持つ魔神はその増大幅も大きい。現状でも弱めの増強系個性に近い段階にある。もちろん純増強系個性である砂藤のシュガードープの5倍にもなる増加割合にはかなりおち、あくまで発動系個性にしてはある程度なのだが。そんな状態で対人戦の訓練が出来る相手は限られ、そして必ず対人戦は経験を積んだ方が良いに違いはない。
「特訓、いいな!」
切島は笑顔で快諾してくれるのはとても助かる。そしてもう一人いると連携も取れる為、帰宅の準備をしていたアスイに舞華は声をかけた。
「梅雨ちゃんもどう?」
「少しの時間なら ケロ」
3人はちょうどよい人数、色々伏せるにしろ誤解を受けないにしろ、訓練は男女二人きりよりもあとでの探り合いなどが起きなくて楽。
「おっ、おいらもいいかな」
峰田はちょっと興奮気味に3人の練習に参加しようと声をかける。ただ、誰が見ても偶然や事故を狙った舞華の胸への接触を狙っていることはわかった。
「ふざけたら即焼き葡萄にされてもいいならどうぞ。 本当に焼くから遺書は書いておけよ」
冷たく言い放つ舞華にすっと峰田は正気に戻り一歩後ろに下がる。
さすがに授業間や昼休みなどならともかく、特訓の最中にスケベ行動で邪魔はされたくない。その為舞華はそれなりの意味を込めて睨んでいた。
「おいら、今日は特訓の準備をすることにする……」
諦める辺りかなりの頻度で舞華にしばかれているのだが、それはそれとしてクラスメイトもほとんど気にしていない。むしろ女子からは峰田が徐々に大人しくなってきているので、もっとやってと思われていた。
「おれはそんなことしねーからさ。 参加していいよな?」
上鳴が峰田の代わりに参加したいと自薦しに来たが、軽蔑するような目をしている魔神に気付いた峰田がそっと上鳴の後ろに回る。
「やめとけって、魔神は本当に焼くぞ。 上鳴は前にもくそ真面目な話の最中に反射的に八百万口説いていたし無理だって。 それに、おいら前に頭のもぎもぎを直接焼かれた事あるんだから、まじで魔神はやんぞ」
なんだかんだいって峰田は色々なお仕置きを体験しているため、本当にやめろというとあっさりと諦めるし、上鳴を止めたりもする。
峰田なりに上鳴が真面目にやると言っても、どこかこびりついた感覚のせいでうっかりとナンパな態度を取るだろうことはこの短い付き合いでも分かっていたし、魔神は本当に上鳴を焼き払うだろうことも理解していた。
「わっ、わかったよ。 参加はやめとく」
渋々と引き下がった上鳴はとぼとぼと自分の席に戻っていった。
「じゃ、おいらは特訓の準備で今日は変えるから」
峰田は今日は大人しく荷物を纏めている。それを見ていたクラスメイトは首をかしげていた。
「峰田の奴あっさり下がったな。 魔神も何かやったのか?」
「実技試験から知ってるというのもあるし、まぁまぁそこそこ面白くて良い奴だと思うよ。 スケベな所を出したら蹴っ飛ばして燃やしてやるけど」
魔神としてもクラスメイトとしてはまじめに勉強している分類なので峰田と話は合う。そこそこ難しい科学を絡めた個性の話題にも着いてこれる峰田は伊達に学業においてクラスの上澄みではない。
上位10名が雄英一年の中でもかなり良い方なので峰田も学力という意味では優れている。それでも15位くらいまでは全国高校レベルで見ても優秀な方なのだ。
舞華は三人で練習場を使用申請書を書き終え、教室を出ようとすると入口が人だかりができていた。
教室を出ようとしていた爆豪は不機嫌に出入口を塞いでいる連中を睨みつける。
「どけモブども」
「爆豪、なんで煽るようなこというんだよ」
峰田が少し青褪めながら爆豪に言うが、気にも留めずに出入り口に集まっている他のクラスの面々をさらに睨んだ。
「どうせくそヴィラン共と戦った俺らを偵察に来たんだろうが、体育祭で力の差を見せつけりゃ関係ねぇ」
爆轟がまた煽るような、しかし明確な実力差という事実を伝え、偵察という投げつけられた挑戦状を叩き返す。しかしその言葉と行動もある程度は仕方ないと舞華は思っていた。
体育祭まであとわずか、偵察や情報も大事であるが相澤先生はまだ小細工を要するだけの力もない学生に、何よりも壁を越えるための個性と基礎力を高めろと言うだろう。
いま偵察に来ているなど無駄な時間をかけている連中をモブと爆豪は評価したのだ。割と雑多なあだ名をつける爆豪だが、丸顔や透明女に醤油顔など言ってもA組の連中をモブとは言わずそれなりに評価している。
「随分と言うけれど、ヒーロー科に居る奴はこんなのばかりなのか?」
他のクラスの面々からブーイング上がる中、周りから一人の生徒が前に出てきた。
「体育祭の成果によっちゃ、学校側がヒーロー科編入も検討してくれるんだ。 もちろん逆もまた然り。 敵情視察というよりも、少なくとも調子に乗ってる奴がいたら、足元ごっそり掬ってやるって、宣戦布告しに来たつもりなんだ」
紫髪の生徒がどこか皮肉というよりも自嘲も含めた笑みを浮かべながらA組の面々に言った。
個性面で言えば身体能力や戦闘能力に影響が低い個性の葉隠も実技試験で合格し、峰田は自らの個性の利点をうまく説明し、緊急マッチアップという方向で臨機応変に頭を使っている。場面に合わせその個性と力と頭で合格をもぎ取れなかった、A組とB組の面々よりも劣るということで普通科に居る人たちに違いはない。
不機嫌そうに睨みつける爆豪がまた良からぬことを言いそうな気配を感じ、舞華は紫髪の学生の前に立った。
「あたし達が追い落とされて普通科に移籍になるなら、その程度ってことでプロヒーローなんてやってられないって。 それに実績を上げてヒーロー科を狙うなんて相当鍛えたってことじゃん。 挑戦状と合わせて期待していい?」
期待していいのかという言葉にびくりとしながらも、心操は目の前に立ち、身長差から見下ろすように見続ける舞華に引かなかった。
「……あぁ、ネタは明かさないが個性がロボ向きじゃなかった」
「ロボ向きじゃなくてもヒーロー科に受かってるクラスメイトもいるけど、そう言うなら良いか」
両腕を大きく開くと舞華は心操を抱きしめ背中をバシバシと叩く。突然の事に顔を真っ赤にしながら声が出ず、口をパクパクと動かすだけの心操に構わず舞華はしっかりと抱きしめたままだ。
「普通科のライバル、決勝トーナメントで待ってるぜ」
峰田の眼には胸が変形するほどを押し付けられ、どう見ても胸に意識が集中しているだろう心操に強烈な嫉妬と哀れみを感じていた。
(うぎぎぎぎぎぎぃ。 これゃあれだ、たぶん歪んだよなぁ)
なんとなく峰田は察しながら、舞華が抱きしめるのを止めて廊下に出ると今度は別の集団が向かってくるのが見えた。
「おれは隣のB組のもんだけどよ! ヴィランと戦ったっつう話を聞こうと思ってきたんだが!」
今度は隣のクラスから灰色の髪をした生徒が代表するように舞華の前に来る。舞華は紫髪から離れ真正面に立ちながら後ろに軽く手を振れば、色々察した切島と峰田が“ほかの生徒が歩く邪魔になるから”と通路の片側に寄るように言って道を開けてもらい、爆豪は1人さっさと練習場使用申請書をもって教員室へと歩いて行った。無駄だと思うことに時間をかけるつもりはないのだろう。
「悪いけれど、事件の事は話さないよう学校側から言われてる。 それよりB組の誰?」
舞華は握手を求めるように手を差し出す。
その間に解放された心操は、そっと前かがみのまま廊下の隅まで行くと体操座りになった。色々察したヒーロー実技での体験者でもあり被害者でもある尾白と障子は付き合いで心操の横にそっと座り、肩に触れてゆっくりと頷き何も言わず共に通路反対側の壁を眺める。
「俺はB組の鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)だ! 個性はスティール!」
粋なのかそれとも切島と同じく男気なのか、鉄哲は勢いよく差し出した手を握り締める。
「あたしは魔神舞華、個性は炎熱系の爆炎。 耐熱に自信があるかい? 新しいライバル」
舞華が力を込めて握り返すと、鉄哲は爆豪とは異なり少し攻撃的な笑みを浮かべ、さらに力を込めて握手を握り返す。
「おうよ! 体育祭でみせてやんぜ!」
数秒ほどお互いに力を込めた握手を終えると、舞華は今度はB組の鉄哲という男を抱きしめ背中を叩く。そしてテンション高めのまま舞華は教室に戻り、切島と緑谷の頭を両脇に抱え引っ張りながら鉄哲の前に戻った。
「こいつらもすげぇやるんだ! 一緒にいい試合をしようぜ!」
大きなモノが横顔に押し付けられ、声も出せずに二人は真っ赤になりながら硬直し、舞華は気にせず二人を離すと先に運動場へと行ってしまった。
鉄哲・切島・緑谷とそろって心操と同じように並んで廊下の隅に体操座りになる。
「「「………」」」
全員がただ無言で通路の反対側を眺めながら、お互い色々収まるまで動けずにいる中で、峰田はそっと反対側に座る。
「良い匂い……だよな」
「「「っ!?」」」
全員が座ったままビクリっとしたのを確認したのち、峰田はにやりと邪悪な笑みを浮かべながら言葉をつづけた。
「でかくて、凄く柔らかかったよなぁ? 眼を閉じれば思い出せるよなぁ?」
しっかりと体操座りの体勢を整えながら全員が両手で顔を覆う。隠そうとしているが顔だけではなく耳まで真っ赤であり肯定を意味していた。
「ようこそ、歪まされた世界へ。 お前らはもう爆乳に魅せられたんだ。 もどれねぇぞぉ」
そっと魔神被害者の会と書かれた手書きの小さなカードを取り出し、全員に渡すと峰田は帰宅していった。
訓練場
先生に許可証を提出し訓練場に来たものの、峰田は初日は不参加。魔神が関わるとかなり激しい運動になる為、念のため覚悟と準備を万全にして明日からと言って帰っていった。
「2週間を切ってるし、基礎を上げていくつもりだけどどう?」
「そうね。 基礎を伸ばすか個性を集中して伸ばすのが良いと思う ケロ」
しっかりと柔軟をしながら3人は訓練方針を話していた。練習場では他にもB組の生徒が訓練をしていたり、訓練場で個性事故が起きないように先生が椅子に座りながら遠巻きに見ている。
「切島は個性の持久力と休ませるタイミングの見極めじゃないかな。 梅雨ちゃんは判断力と眼が良いから動体視力と反射神経あたりを鍛えれば、あたしの攻撃も避けられるんじゃない?」
「魔神の言う通り、個性をガンガン使い続けられるように訓練するつもりだぜ」
「そういう舞華ちゃんはどうするの?」
アスイも柔軟をしっかり行い、体の調子と体温を上げていく。
「あたしはさ、今の手持ちはどれも対災害用ばかりだから対人技の開発と基礎。 というか切島、舞華でいいし梅雨ちゃんは舞華ちゃんのままでいいよ。 じゃ乱戦ではじめようか」
柔軟を終わらせ、立ち上がると皆一定距離離れる。訓練形式は20分で区切る方式、各々が伸ばしたいところを1人ずつ順番に行いそれを残る二人が手伝う。
「よっしゃぁ! こい!!」
まずは切島から、気合を入れて個性を発動させ硬化により体が極めて丈夫に、そして手刀や拳が危険性を孕む凶器へと変化した。
舞華の打撃や梅雨の舌打ちを受けるも、硬化の個性によってほとんど弾き飛ばし足元が少しすべる程度、しかし二人で攻撃を続け休む暇を与えないの為、少し緩むたびに梅雨の舌か舞華の打撃が体に食い込みうめき声をあげる。
「っが、まだまだぁ!」
硬化時間の延長と一瞬の再発動が切島の目標であり、気合を入れ直し硬化を維持し続けることを目指す。それでも硬化更生中は舞華の素手の打撃や梅雨の下での攻撃はほとんど意味ない。
舞華は少し距離を取ると小型の火球を周囲に作り続け、浮遊しながらその数がどんどん増え100を超えた。
「行くぞ切島! 気合入れて耐えろよ!」
「おう!!」
切島は拳同士を眼前に打ち合わせるように構え硬化しながらしっかりと地面を踏みしめる。
「アヴァランチフレア」
舞華によって放たれた小型の火球、連続した小爆発に飲み込まれる切島はふらふらになり両膝をつくが、気合を入れ直して立ち上がる。
「があぁぁぁ! 今のは障子に殴られた時くらい効いたぜ! もういっちょ頼む!」
舞華の炎よりも衝撃に特化した攻撃でも、硬化の個性を使っている切島は耐えられる。20分が過ぎた時には両手を地面に付きながら息を整え、次はアスイの番に替わる。
アスイは速さ重視での訓練を行っていた。切島と舞華は攻撃には個性を使わずに連携を取り、真正面から切島が仕掛け舞華が横から攻撃する。多方向に意識を張りながら優先度を即座に付け攻撃・防御・回避の判断を行う訓練をアスイは選んでいた。
時折判断に誤り殴打されたり投げられたりしながらも、反撃として個性を生かした強力な蹴りを切島へと放ったのだが。
「掴んだぜ! どうする!?」
アスイの蹴りを切島は個性を使わずに受け止めながら足を掴み、舞華は切島を飛び越え踏みつけるように舞華は蹴りを繰り出す。しかしアスイは舌で舞華の脚を巻き掴み、掴まれていないもう片方の足で切島を蹴ることで掴みから逃れ、全身を利用して背後の地面へと舞華を振り下ろす。
背中から地面に叩きつけられかけ、魔神は爆炎の衝撃を利用して防ぎ周囲に炎を熱が広がる。
「あぶなっ。 今のを先読みされて対応されるとは思わなかった」
「大丈夫?」
「叩きつけられてないから大丈夫、まだ時間があるし続けよう」
それぞれ、個性の扱い方や基本的な戦い方を伸ばす。判断力が高いアスイは切島の攻撃も奇襲も次々とパターンを読み、避けながら重い蹴りをカウンターにしつつ舌を利用した牽制など戦い方が変化していく。
舞華の番になり、2人も組手式の訓練をするのかと思えば、タブレットを取り出した。
「あたしの新しい技になりそうなのを一緒に考えて欲しいんだ」
炎に纏わるアニメやゲームのキャラクターをタブレットに表示し2人にみせる。前々から色々集めていたものの、どうしても決めきれない上に相談をしていた引退ヒーローの人達だと古い作品ばかりに偏ってしまっていた。ちゃんと役に立つので問題はなくとも、他のも覚えたいと舞華は考えていた。
「新しい技?」
「舞華ちゃんはいろいろできると思うけれど」
「参考にしてあたしなりに改良してるんだ。 でも、偏りとかが大きくてさ」
それから舞華に合いそうなものを新旧含めて3人で色々探していると、切島とアスイが良さそうなのを見つけた。
「これいいんじゃないか? 性別は違うけど格闘が出来る炎使いだろ」
「この女性も炎使っているから舞華ちゃんならできそう ケロ」
切島がレトロゲームキャラから、アスイが舞華ならできそうなのかを考えながらいくつか選んでくれる。それは主に体術を使いながら戦う同い年位の格闘ゲームのキャラクター、炎以外はわりと現実的な動きだったため参考にできそうだった。
「ちょっとやってみる」
映像を見ながら少しずつ動きを真似、大きく変わるところを2人に指摘してもらいながら演武のように合わせていく。いくつも試していけば向き不向きや、やってみると思ったより有用性が低かったり道具を必要としたり難しいものが多かった。
「色々思いつきそう。 2人ともありがとう」
「気にすんなよ。 つぎ行こうぜ」
「気にしないでちょうだい。 お友達でしょ」
それでも、今まで使っていた技よりも対人向けに出来そうなので舞華は2人に礼を言うと、二人は気にしないでと言い再び切島の個性特訓に移った。