紫陽花は天使である。異論は認めない。   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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アニメ12話を一気見した反動で書いてしまった。
もちろん13話から17話も見ます。みんなも見よう!


高校入学と新たなお友達

私には幼馴染がいる。名前は瀬名紫陽花、多分現世に降り立った天使だ。

 

今はそんな天使を私の部屋に連れ込んでいる状態。明日から高校生活が始まるからその記念に、みたいな。記念とは言ってもちょっと駄弁ってお菓子食べてっていう普通の集まりだけど。

 

紫陽花の家だとチビたちがいるしね。親の許可?親同士が仲いいし、というか家隣だし別にいらない。事後報告でも大丈夫なくらい。まあ、紫陽花はいい子だからちゃんと事前に報告してるだろうけど。

 

私のベッドで隣り合って腰掛けていた紫陽花は何か話すことがあるらしい。

 

「ねぇ、凛ちゃん」

 

あー、やっぱいい声してる。顔面偏差値トップクラスだし美声だしスタイルいいしお姉ちゃん属性だし頭もいいし優しいし髪の毛ふわふわしてるし、こんなふわふわ癒やし系天使ちゃんと幼馴染とかもう人生の9割以上の運を使い果たしているのでは?私の日頃の運が悪いのはそのせいなのでは?

 

「その、明日から私達、高校生でしょ?」

 

「そうだね」

 

だからお祝いに集まってるわけだし。祝い品?あるわけないじゃん。お菓子をお食べ。ついこの間まで中学生だったやつに色々求めないでおくれ。

 

「それでね、その……少し、不安なの。凛ちゃんがいてくれるけど、でも、初めての場所だから……」

 

ぐっ、なんだその上目遣いは。こ、これが大天使アジサエルの萌えパワー?イチ人間のしょうもない生命活動なんて容易に停止させることができるとでもいうのか?

 

「紫陽花なら大丈夫、友達くらい沢山できるよ」

 

「そ、そうかな……」

 

何を心配してるんだか。中学でも人気者だったし、紫陽花の人の良さで友達ができなかったら私はぼっち確定だ。新手の煽りか?こちとら愛嬌の無さは自覚してるんだわ。

 

「紫陽花レベルでかわいくて優しい人は見たこと無いし、心配することなんて無いでしょ」

 

「ふぇっ!?そ、そんなことないよ!か、かわいくなんて……」

 

「は?」

 

「え?」

 

ヤベッ、声出た。

 

「ん、んんっ……紫陽花のその自己評価の低さはなんとかしないとね。むしろ変な虫が寄ってこないか心配。私から見ても紫陽花メッチャかわいいし」

 

「えぇっ!?」

 

「……そんなに驚くこと?」

 

おおう、ボンッて感じで顔が真っ赤になったぞ。褒められ慣れてないところとか、純粋で素直な天使って感じする。やはり紫陽花は天使だったか!

 

「あ、あは、あはは……ち、ちょっと驚いちゃって……」

 

あー、顔を手でパタパタしてるのも絵になるねぇ。眼福眼福。幼馴染で良かった。

 

紫陽花の幼馴染という肩書だけで学校のやつにもマウント取れるんだ。紫陽花さんって優しいしかわいいよね、みたいな会話に後方腕組み幼馴染ポジで頷いたり口出したりしてる。

 

あの紫陽花と幼馴染なんだぜって顔したり言葉を漏らすと大体の人が「いいなー」って反応になるし、紫陽花がどれだけ人気かは推して知るべし。

 

そんな紫陽花に纏わりつく私はさながら金魚のフン。泣ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで次の日。私達は仲良く一緒に登校するのだ。幼稚園は親と一緒に行くものだったからあまり一緒に行けなかったが、小学校と中学校は毎日一緒に登校していた。

 

約束していた時間より少し早くに家を出て待っていると、紫陽花の家の扉がガチャリと開いた。

 

「おはよう」

 

「うん、おはよう凛ちゃん」

 

朝から紫陽花成分を摂取できる幸せ。大学も同じところ行きたい。紫陽花成分無しではもう生きていけない。

 

「お〜、凛ちゃん制服似合ってるね。ピシッとしたブレザー似合ってるよ」

 

「ありがとう。紫陽花も制服似合ってるよ」

 

「ふふ、そうかな?変なところとかない?」

 

「もちろん」

 

あー、少し左右に体を捩って見せてくれるのかわいい。紫陽花に変なところなんてあるわけないじゃん。なにかあってもそれはかわいいポイントになるから変じゃないし。完璧美少女かな?

 

強いて言えばその高校一年とは思えない胸部装甲なんだが……なんで?発育がいいとかのレベルじゃない。こちとらBだぞ。仲良く一緒に過ごしてたのにいったいどこで差がついたのやら。

 

「じゃあ行こうか」

 

「うん!」

 

テクテクと二人で最寄り駅に向かう。道行く人がチラチラとこちらを見てくるが……やはり分かるか、この紫陽花の天使さを!くくっ、歩くだけで人の視線を集めてしまう程の天使、流石だね。

 

「凛ちゃん」

 

「ん?」

 

「あのね、本当かは分からないんだけど、私達の学校にあの王塚真唯ちゃんが入学するかもしれないんだって」

 

「王塚真唯……?どっかで聞いたことあるかも」

 

「モデルさんでね、すっごい綺麗な人なんだよ。そんな人と同じ学校かもしれないなんてすごいよね」

 

「うん、そうだね、すごいね」

 

誰だ?王塚真唯、王塚真唯……分からん。モデルとか言われてもファッション誌なんて見ないし、テレビ見るより部活だったしなぁ。でも紫陽花が楽しそうだからヨシ!ありがとう王塚真唯、未だ見たこともない君への好感度は上がったよ。

 

「ま、今日は入学式だし、そんな有名人がいたら目立って分かりやすいんじゃない?」

 

「それもそうだね。遠くからでも見えるかも」

 

「あれ、今日は入学式だけだっけ?」

 

「うん。体育館で入学式やって、その後はクラスで少し説明とかあるのかな?それが終わったら解散だと思うよ」

 

ふむ、つまり今日はさっさと帰れるわけか、最高。学校の中で好きな日は午前だけとかで早く帰れる日だ。特別感あるじゃん?我ながらガキっぽいなとは思うけど。

 

「それにしても、クラスか。本当に王塚真唯がいるんだとしたら一緒になれるなれないで騒ぎになりそうだね」

 

「ふふ、たしかにそうかも。私は凛ちゃんとクラス一緒だといいなぁ」

 

「そうだね。私も紫陽花と同じだと嬉しいよ」

 

「えへへ、楽しみだね」

 

くっ、眩しい……!満面の笑みが至近距離で……!アカン、好きになってしまう。もっと紫陽花を好きになってしまう。大天使アジサエルは今日も素晴らしいな。

 

 

 

 

紫陽花の眩しい光に照らされながら学校へ着くと、何やらガヤガヤと騒がしい。

 

「あれ?みんなどうしたのかな?」

 

「さぁ?でも、さっき話してた王塚真唯の話で盛り上がってるみたいだよ」

 

王塚真唯が王塚真唯がーって、普通にうるせぇ。でも、これは本当に王塚真唯が来る可能性あるかもね。噂程度ならまだしも、ここまで楽しみにしてるやつが多いのはおかしい。

 

「ま、私達はさっさと体育館の方に行こうか」

 

「そうだね。時間ギリギリだと入るときに混んじゃうかもしれないよね」

 

入学式の会場となっている体育館へ向かい、入口にいた先生らしき案内の人の指示に従って中へ入る。既に何人か席についており、前から詰めていく感じらしい。

 

ふむ、見たところ私達の前に来た人が座っている列はあと2席だけ空いているな。ラッキー、これなら紫陽花と隣り合って座れる。

 

「わあ、よかったね凛ちゃん。離れ離れじゃないよ」

 

「そうだね、取り敢えず座って待とうか」

 

もちろん紫陽花を通路側にするべく私から列に入る。外では王塚真唯がーって騒いでるやつらが多いからか、前から何列目かの席。結構前の方だなこれ、どれだけ王塚真唯を見たい人多いんだよ。

 

紫陽花じゃない方の隣の人を見ると、ピンク髪の女子がいた。入学式の席でスマホいじってるのは如何なものかと思うけど、ちゃんと早めに来て大人しく座ってるあたり真面目なのかもしれない。

 

まあ、一応挨拶しとくか。

 

「おはよう」

 

「えっ!?あ、おはよう!」

 

あ、ごめん。急に話しかけたせいかビクッて肩が跳ねたけど、挨拶は返してくれた。チャラチャラしてる系とかじゃなさそう。顔もかわいいし。

 

すると、私が声をかけたことで興味を惹かれたのか、紫陽花も私越しに声をかけた。

 

「おはよう、私は瀬名紫陽花だよ。よろしくね」

 

「私は新谷凛」

 

「わ、私は甘織れな子!よろしくね!」

 

元気だな。声デカいし、ギャルってやつがこういうものなのかもしれない。紫陽花の周りはそういう感じの子が集まるわけではないからよく分からないけど。

 

「じゃあれな子でいい?」

 

「ゔぇっ!?い、いいよ!もちろん!よろこんで!」

 

おおっと、過剰反応すぎない?前のめりすぎる。ははーん、分かった。

 

「あれか、この学校に友達いない感じ?」

 

「あ、あはは、実はそうなんだよねー。同じ中学の子がいなくてさ」

 

それは辛い。知り合いがいない所に飛び込むのって勇気いるよね、分かる。……ごめん嘘。私は紫陽花のいるところにしか行かないから分からない。

 

「本当?じゃあれなちゃん、私達とお友達になろうよ。ね、凛ちゃん」

 

「い、いいの!?」

 

うむ、流石大天使アジサエル。心が広いどころの話じゃないな。聖書に載ってそう。あとれな子は期待を込めた眼差しでこっち見てくるのやめて。なんか拒否してみたくなるっていうかさ。

 

そんなことしたら紫陽花から嫌われちゃいそうだしやらないけどね。

 

「いいよいいよ。じゃ、これからよろしくれな子」

 

「よろしく!紫陽花さん!凛さん!」

 

「よろしくね、れなちゃん」

 

「……れ、れなちゃん?」

 

「うん、れな子ちゃんだかられなちゃん。あ、嫌だった?」

 

「いえいえ!嫌なんてとんでもない!むしろウェルカムです!」

 

うん、ここの顔面偏差値高いね。れな子は普通に美少女だし紫陽花も言わずもがな。流石に自分は分からん。悪いとは思ってないけども。

 

「ところで、二人は仲良さそうだけど同じ中学なの?」

 

「そうだよ、私達幼馴染なの。幼稚園からずっと一緒なんだ」

 

「幼馴染!いいな〜、幼馴染と一緒の学校とかそういうの憧れる〜」

 

……くっ、よく見たらコイツも胸部装甲がすごいことに!な、なぜだ!本当に高校一年なのか!?こ、これが格差社会!胸部装甲カースト上位に挟まれている!

 

これがオセロならよかったのに。

 

 

 

そうしてれな子と知り合い、適当に世間話をしてたら入学式が始まった。そして終わった。

 

式?ほぼ寝てた。知らん。起きたら終わってたし。でも王塚真唯が新入生代表やってたみたい。私を起こしてくれた紫陽花が興奮しながら言ってた。かわいいね。

 

 

 

てなわけで教室へ。クラス分けの紙を確認したら紫陽花もれな子も同じクラスらしい。やったね。

 

今はクラスの左後ろ、紫陽花とれな子の席に集まっている。窓際いいなぁ、私だけ席が遠いの悲しい。

 

「もう、せっかくの入学式なんだから寝たら駄目だよ?」

 

「だってつまんないし。それに、私が寝る前はれな子も船漕いでたじゃん」

 

「あ、あははー、昨日ちょっと夜更かししちゃって……」

 

「お?入学式前日から夜更かしとは余裕綽々って感じ?」

 

「い、いやいやいや!そういうわけじゃなくて!た、楽しみすぎて寝れなかったんだよ!うん!」

 

「あ、それ分かるかも。私も明日入学式なんだ〜って考えたらドキドキして眠れなくて」

 

「そう!そんな感じ!」

 

遠足前日の小学生かな?案外れな子も紫陽花と近い感じの生態してるのかもしれない。

 

「キャーー!!」

 

「おぅあっ!?」

 

「凛さん!?」

 

「凛ちゃん大丈夫!?」

 

な、なんだ!?悲鳴!?敵襲か!?犯罪者でも乱入してきたのか!?めっちゃ騒がしいんだけど!?

 

「「「キャー!!真唯さーん!!」」」

 

……は?

 

後ろを振り向くと、教室の入口に人だかりが出来ていた。その中心にはべらぼうに美人な金髪美少女が……金髪美少女?少女か?あれが?

 

「そういえば凛ちゃんは寝てたから見てないよね。あの子が王塚真唯ちゃんだよ。同じクラスなの」

 

「うわ~、やっぱすごい美人」

 

いやまあ、美人だよ?美人だけどさ、なんか子供の中に紛れ込んだ大人というかさ、場違い感がさ。

 

「……?どうしたの凛ちゃん?」

 

……いや、この圧倒的包容力を持つ紫陽花も似たようなものか。すまない王塚真唯、私は偏見でモノを話していたらしい。大天使アジサエルの包容力を前にしてみれば、君の持つ魅力は少女レベルに過ぎなかったな。

 

「なんでもない。それにしてもすごい人気だね」

 

「……よし」

 

「ん?れな子?」

 

「わたし、王塚さんとお友達になる!」

 

え、マジ?アレに?すごいな。

 

「れなちゃん、お友達になるにしてもどうするの?すごい人だかりだよ?」

 

「これから先生が来てこれからの話とかしてくれるでしょ?だからそれが終わったら話しかけに行こうかなって!」

 

「いや、無理でしょ。みんな同じ考えだと思うけど」

 

絶対また人だかりが出来るじゃん。そう思って伝えると、れな子は目をパチクリした後でハッとした表情になった。気付いてなかったのか。

 

「たしかに!席も正反対だし絶対間に合わない!ど、どうしよう!?」

 

「うーん、急ぎじゃないなら明日にした方がいいんじゃないかな?」

 

「ま、あの人だかりに突っ込んで友達になれるって自信があるなら別だろうけど」

 

すると、れな子は再度王塚真唯を取り巻く大量の人を見て、項垂れた。

 

「うぅ、流石にムリ……明日も、というかしばらくムリかなぁ」

 

「そっかぁ。ねえねえ凛ちゃん、私もお話してみたいし私達も明日一緒に行かない?」

 

「紫陽花が行きたいのなら別にいいよ」

 

ふむ、紫陽花はやはり優しいな。慈愛の女神だ。こうやって周りの人をみーんな助けていく紫陽花の美しい心に私は感銘を受けている。行きたいけどどうしようって悩んでる・困ってる相手に「自分が行きたいから一緒に行く」と自然に言えるとか、人間力のレベル高すぎ。もはやイケメン。

 

「えっ!?いいの!?ホントに!?」

 

「うん。ね、凛ちゃん」

 

「もちろん」

 

「やったあ!ありがとう二人とも〜!」

 

なんて二人と会話していると、先生がやって来た。私はそれを見て席に戻り、王塚真唯の周りにいた生徒達も先生に促されて自席へ向かう。

 

「はーい、皆さんおはようございます。私が担任の――

 

そして、担任の女教師が話し始めたのを確認した私は静かに目を閉じた。ふっ、私の特技は座ったまま寝れること。しかも姿勢を崩さずにね。これで入学式は乗り切ったし、今回もそれでいこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ」

 

「ちょっと、プリントが貴方の所で滞っているのだけれど」

 

「貴方、聞いているの?」

 

「まさか……起きなさい!」

 

「っ!?」

 

イデっ!!な、なんだ!?今首に鋭い痛みが!!蜂か!?

 

辺りをキョロキョロと見回しても蜂は見当たらない。ならばと思って犯人っぽい人を探しても見つからないし、担任は今も説明を続けている。わけも分からずに後ろを振り返ると、そこには冷たい眼差しでこちらを見つめる黒髪の美人さんがいた。

 

私何かした?

 

「貴方が寝ていたせいで私のところまでプリントが届かないのだけれど」

 

「ん?プリント?」

 

……あっ、ある!机に二枚のプリントが!多分私の分と後ろの人の分だなこれ。やべ、配布物のことを考えてなかったな。ちゃんと渡してあげますとも。

 

「ごめん、寝てた」

 

「はぁ、入学早々よく寝れるわね」

 

「だってつまんないし」

 

「……そう」

 

うわ、なんか残念な物を見る目で見られてるんだけど。真面目ちゃんだったか、これは対応間違えたかなー。まあ、まだまだ仲良くなるタイミングはあるでしょ。

 

さあ、帰ったら何しようかな〜。

 

 

 

 


 

 

 

 

うへ、うへへへへ……!!わたし、高校デビュー大成功!!初登校にして新しい友達が二人もできちゃったよ!?こんなの大成功以外の何物でもないじゃん!!

 

おっとりふわふわ癒やし系の瀬名紫陽花さんと、少しアッサリめで落ち着いた様子の新谷凛さん!!二人ともかわいかったし優しかったな〜!!思い出しただけで笑みがこぼれちゃうよ!!

 

「……ふへ、へへへ」

 

「うわ、キモッ」

 

「ちょっ」

 

「何か良いことでもあったの?」

 

心無い言葉でわたしを傷付けるのはわたしの妹である甘織遥奈。生粋の陽キャである。わたしと違って。

 

「聞いてよ遥奈!わたし友達ができたんだよ!それも二人!」

 

「えっ、良かったじゃん」

 

「でしょ〜!!」

 

「まあ、人間関係はこれからだからね。頑張ってねお姉ちゃん」

 

そっか、たしかに人間関係ってこれから築き上げていくものだよね。そういえば二人は幼馴染だって言ってたっけ。

 

……あれ?もしかしてわたし、あの二人と一緒にいても空気になる可能性高い?いや、紫陽花さんも凛さんも優しかったから、そんなことしないよね。しない、よね……?

 

…………。

 

……。

 

「……あっ、あばっ、あばばばばばばば」

 

「お姉ちゃん!?」

 

だ、大丈夫だよね!?わたしの高校デビュー、大丈夫なんだよね!?ね!?

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