それはまさに相性最悪の闘い。
「湊!!大丈夫か!!」
今湊は敵の召喚したゴーストのうちの一体、ケルベロスにひっかかれて背中に重傷を負ってしまった.....!! そしてずっと逃げ続けていたためかかなり疲弊しており動きが明らかに鈍くなっている。......ゴーストには体力という概念がないためこのままだと確実に湊は負けてしまう。
(さて........どうしようかな....。勝ちの目が見えなさすぎるよ。しんどいなー。)
「ケケケケケケッッ!!逃げてても意味ないぞ!!赤坂湊ぉ!!!」
「うるさいな。そんな顔色でそんな大声出せるんだね」
「ケケケッッ!そうやって言ってられるのも今のうちだよw」
(おそらく
湊の考えは「ロンタンが弾を防ぐためのゴーストをあと一体持っておりそれで今までの攻撃を防いでいた」というものだ。.....そう考えている間でもロンタンが召喚したジャックオランタン、ケルベロス、ゴブリンの三体のゴーストの攻撃は止まらない。
「グハッ!!!チッッッ.....!!!!」
(
ゴブリンが木々を薙ぎ倒しに薙ぎ倒した結果、あたりはほぼ一面平原となった。そうするとジャックオランタンが投げるかぼちゃが当たりやすくなる....。湊は避けきれずあたってしまった。
ヒューーーーン..........グチャッッ.....!!!
「ぐあっっ....!!!!クソ!!」
湊の左腕は見るも無惨な姿になる。さらに避けようとして体制が崩れたがためにケルベロスの爪による攻撃も右目当たりにくらってしまった。まさに満身創痍である。
「ハァ...ハァ........ハァ......」
「痛そうだねw左手完全に潰れちゃってるじゃん。顔も血まみれで表情がわからないな〜」
湊のまずの「おそらくもう一体いる相手のゴーストを召喚させる」という第一目標を達成させるためには無理矢理にでも本体に突っ込んで、召喚せざるを得ない状況にしなければならなかった。それを達成するには体制が崩れてでも三体のゴーストを掻い潜り無理に突撃し、本体に銃を向ける必要がある。........湊は心を決めた。
(もう行くしかない....!!!)
次の瞬間、湊は方向を90度変えロンタンに突撃する。投げられ続けるカボチャをよけながら。そしてなんとかロンタンの目の前に辿り着き銃を構え、引き金を引く。
「さあ!召喚しろよ!もう一体!!」
バーン...!!!
しかしロンタンは
「ケケケ...
「.....!?!?!?なに......!!!」
(今弾は当たった.....!!確実に....!!!でもこいつは間に肉壁としてゴーストを召喚してないのに傷ひとつない......!!!弾が通り抜けたのか!?)
そして湊は気づく。自分自身の思い込みに。........ロンタンは引き裂けるような気色の悪い笑顔で湊を嘲笑う。
「.........今目の前にいる君がゴーストだったんだね。4体目の。」
「ケケケ!!!そうだよ!!だから最初から君の弾なんて当たらなかったんだよ!!!いつ今の僕が本体だと言ったのかな!!!!」
初めから表に姿を現していたロンタンは本体ではなく本体が召喚したゴーストであった。本体のロンタンは森林に身を隠し湊をずっと監視していたのだ。..........そして体勢が崩れた湊。湊の眼前に迫ったジャックオランタン、ケルベロス、ゴブリンの三体のゴースト。......その次の光景は誰が見ても明らかであった。
「..........やられたな」
「ケケケッッ!!バイバイ!」
バゴーンッッ....!!!!!ドサッ.....
ゴブリンの棍棒による強烈な一撃。......湊は木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされ、岩に衝突した。..........誰もが見ても勝敗は明らかであった。
「湊っっっ!!!!」
「あれは....もう......」
「はやく治療しないと!!!
「...........」
.........しかし試合が終わらないということは担任の
「ケケケッッ!!!もう終わりか。」
(.........痛い、苦しい、視界がぼやける....。負ける時ってこんなに苦しいのか......。僕はいつもそうだ.....。自信過剰で調子に乗る。それで今回も自分が正しいと思い込んで相手にやられちゃった。......あーあ、先生とか直正に向ける顔がないや。....そもそももう助からないかもしれない....。)
「ケケケ!!調子に乗ってるからだよ!だっさ!!」
湊の姿はいまだに土煙で見えず、その間にもロンタンの煽りは止まらない。.........俺はいてもたってもいられなくなり飛び出しそうになったが義継がそれを止めてくれた。
そして思いの丈を全て言葉にした。
「湊っっ!!お前はダサくなんかない!!誰よりも仲間思いで敵の闘士に嫌味を言われた時も誰よりも先に前に立ってくれた!!!!自分を誇れ!!!!お前が一番かっけえから!!!!」
「降参しろ」とは言えなかった。それは湊に対する侮辱になると感じたからだ。
(.......誰かの声が聞こえる。あー、直正か。ごめんよ直正。必ず勝つって約束したのに、、。。何してんだろ僕。)
湊は自分自身の鼓動が弱まっていくのを感じていた。しかしなぜだろうか、意識はどんどんはっきりしてきていた。........そして湊は立ち上がる。
「ケケケケケケッッ!!まだ立ち上がるのね。苦しいでしょ?もういいよ」
湊は下を向きながら
「.......調子に乗って、上からで、自分が強いと思い込んで.........。はたから見たらほんと嫌なやつだね。僕って。...........でもそんな自分を応援してくれてるみんなに僕は応えたい!!!そう考えたら傷なんて全然痛くないね!!!!」
「へ〜。.........かっけえじゃん。」
立ち上がった湊......!!!.........そしてついに第3試合の決着がつく。