↓福田大輝 ※画像はAIイラストを使用しています。
【挿絵表示】
隆景は一目散に逃げていた。なぜなら自分をつけていた相手が敵国の特級闘士、ショーペン・ハウアーだったからである。その細い目の中に光る鋭い眼、その薄気味悪い笑顔、体が細くて身長が高いその背丈、身につけていた漆黒のマント、シルクハットなど全てが殺気を放っているようだった。
(まずすぎるネ!あのショーペン・ハウアーにあってしまったネ!逃げなきゃ!)
ショーペン・ハウアー。彼はスコトス帝国の特級闘士、生年不明、年齢不明であり、闘士で知らない人はまずいない。スコトス帝国リーダー、カルマ・ヴェニシウスに忠誠を誓っており、カルマ自身も一目置いている。彼と闘って勝ったものは天照の特級闘士、
隆景は暗闇の道路を一目散に駆けた。 、、、しかし
「あなた、何で逃げるのですか?私はただあなたに取引を持ちかけたいだけですよ。」
「イタタタタ、、バケモンだネ!なんで追いつくんだネ!はなせ!」
隆景は一瞬で追いつかれ手を後ろに取られて抑えこまれた。そしてショーペン・ハウアーは息も切らさず微笑みながら
「だから取引をしたいだけです。『戦争を終わらせる方法』があるんですよ」
隆景は動揺する。そもそも敵国の特級闘士に遭遇しただけで混乱していた。その時に自分が生まれる前からずっと続いている戦争、たくさんの人間を殺している戦争、そして先生と自分たちを引き離した戦争、、それが終わると言うのだ。 隆景は抵抗をやめた。
「、、、、、それでその方法はなんだネ、、?」
「その方法はまだ言えません。交換取引をしましょう。あなたは裏切ってください、天照を。そしてスコトス帝国の闘士になってください。」
「、、、?無理に決まってるネ!そんな無茶な条件!」
「早まらないでください。交換取引です。もしその条件を呑んでくれれば学園の生徒には一切危害を加えません。」
「無理だネ!」
するとショーペン・ハウアーはさらに頬をあげながら囁きかけるように、諭すように、、、、いやそれら全てに当てはまらない。洗脳するように問いかけた。
「あなた
「!?」
確かに、隆景はスコトスと天照のハーフであった。母親がスコトス、父親が天照である。それを隆景はいままで誰にも言ってこなかったのである。 そしてさらに動揺する隆景は見てショーペン・ハウアーはさらに語りかけた。
「あなたの父親は闘士でスコトスに捕まり、殺されましたよね?そしてあなたの母親も天照の闘士に
「だまれ、、、うるさい、、、、」
「次はあなたの
混乱に動揺が重なった隆景にはどれが正解でどれが間違いかなんて判断できるわけがなかった。そして、下をうつむきながら結論を出す。
「、、、わかった、僕は
「ほう、それはなんですか?」
「戦争を終わらせる方法とやらを言え」
その目は殺意に溢れていた。その目はあのショーペン・ハウアーでさえも身構えるほどの眼光。今ここでそれを言わなければ道連れにしてでも、呪ってでも殺してやるという強い意志を感じた。
「、、、怖いじゃないですか。………….わかりました。教えます。」
そしてショーペン・ハウアーは『希望』の闘士と『絶望』の闘士が同時に頂突破スキルを同じ目的で発動すれば強大な力が手に入り、文字通り世界を統一できると説明する。
そして隆景の奥義スキルである『
「……….なるほど、そうすれば
「はい、左様です。そうすれば世界統一が成し遂げられて無益な争いを無くせます。無駄な犠牲も。上杉景虎だって
隆景は頭を抱えて考え込んだ。下を向きながら何度も自分を問いた。 ……しかし問うたびに両親が殺された時の自分、そして友達が殺されるところが
「……….わかったネ。」
「取引成立ですね」
ハウアーは今まで以上の笑顔を見せ、隆景をつれて本国に戻った。
そして明天翔学園、寮にて。
「小早川のやろうどこまで行ってるんだ?コンビニにお菓子買いに行くって言ってただけだろ?もう3時間は経ってるぞ」
「モウ24時だし外出禁止時間だから探しに行こうにも行けないデスね。」
「電話にもでないしな、少し心配だな」
みんなが楽観視して明日にでも帰ってくるだろうと話している。……….しかし柾だけは違った。
「いや、これは絶対何かおかしい!今からでもみんなで捜索に行くべきだよ!」
「って言ってもなー、もう外出できねえから今日は行けねえぜ?」
「学園の上っ面だけの規則より大切な仲間の安全の方が大事だ!そう教えてくれたのは金兎だろ?」
柾は以前、校則を破って準戦闘区域に入り、スコトスの闘士に見つかって殺されかけたことがあった。それを助けたのが校則を破って柾のもとに駆けつけた
「くっ、、、わあったよ、みんなで捜索しに行こう」
そしてコンビニまでの道をみんなで走った。運良くその時には学園の監視を欺くことができたためバレることはなかった。 そして隆景とハウアーが取引をしていた場所に到着する。
「おい!あの袋!隆景がコンビニに行く時に持っていった袋じゃねえか?」
「ほんとだ!でも隆景はいない、やっぱりなんかあったんだ」
真っ暗な道路に紫と黒色のお菓子がパンパンに詰まったエコバッグが落ちていた。それは間違いなく隆景本人のものである。 そして