浅葱の影   作:CATARINA

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毎日投稿が終わったと思わせたところにもう一度投稿して読者を怖がらせましょう!
日間載せて貰ったから……俺、二日ちょいで急いで仕上げて……

あ、高評価ブクマ感想ありがとうございます。
感想返信がめちゃくちゃ滞っておりますが必ず目は通しております。
返信は遅々としておりますがそちらもするつもりなのでご容赦ください……


忠義は誰が為に

 

 一月一日。

 恐らくは数日中に控えた念願の大戦、それを前にして新撰組の隊士たちは屯所にて集結する。

 正月早々から組織だった動きを必要とされつつ、その大半は決死の覚悟を以て決起。

 旧幕府方に与し、失われた秩序を取り戻すべく互いに檄を飛ばす。

 

 幹部から新人まで、ほぼ全ての隊士が一同に会する場にて、彼らを取り纏める組長の姿はなく。

 古参どもは珍しい事もあるものだ……と考えた後、中澤が来ていないことに納得する。

 あの生来のお人好しが一人で来るハズもない、何かしら面倒をみてしまっているのだろう。

 

 近藤だけ一人、自らと彼と共有する秘密から……その答えに心当たりを持ち、得心する。

 新撰組の旗頭、ただ一人は何も知らず。

 傍らの土方もまた、何を言うでもなく瞑目しているのだった。

 

 大晦日に突如深手を負った齋藤と土方に、或いは。

 楽観主義の長が先んじて何かの違和感さえ感じていたなら……

 

 

 

 

 だから、その場にいないもう一人の男の事など。

 誰も気にやしないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 西本願寺から僅かに離れた路地。

 秋無宅と屯所を結ぶ最短経路、その道中にて男は一人標的を待っていた。

 腰に携えた刀を再度確認し、一度ぶるりと震えた身体を宥める。

 ____死ぬだろうな。

 

 

 

 まぁ良い。これはケジメだ。

 最後まであの人に着いていけなかった惨めな俺の、俺なりのケジメなのだから。

 

 

 

 

 

 遠方から小さく、狙い通りの人影が見えてくる。

 他の監察組に見張ってて貰ったとはいえ、良かった____

 二人の行動パターンは完全に把握している。

 今日も必ずここを通ると踏んでいたが……違ったらどうしようかと。

 

 ずっと遠くに見えるようで、ふらつく足取りにゆるぎはなく。

 異様な体躯がその距離感を誤らせる。

 デカい、元から八尺はあったハズだが……

 見立ては既に十尺を超えている、小柄な者なら優に二人分。

 

 背に大剣、悍ましい程の血と命を啜ってきた魔剣。

 切るというより、叩き割る。その剛力に見合った不壊の得物。

 そして見慣れた黒の隊服。

 元の持ち主の恰幅の良さからか、その体躯でも姿に違和感はない。

 夥しい血に塗れ、知らなければ黒かった事すら気付かぬほど……

 

 ぶるりと再度、身体が震える。

 武者震い……などと、言い訳をするつもりはない。

 俺はただ、恐れているのだ。

 最早目の前に迫った生命体が、一撫でで此方を縊り殺せる化け物を恐れていた。

 ……それでも。

 

「ちわっす、姐さん。今日もまた寝坊っすか? 遅刻っすよ」

「……ん、山崎くんか。悪いな、琴の奴が中々出てこねぇモンでよ……」

 

 あの人に報いれないのは、もっと恐怖(こわ)い。

 決死の覚悟を自らに定め、死地に足を踏み入れる。

 

「というか何でここに居るの? 皆集まってなかった?」

「いやぁ、お二人が中々こないんで迎えに行こうかと……」

「そりゃ悪かった……だったらちゃきちゃき行こうか」

 

 ……これは、何だ。

 これは、誰だ?

 

 見た目は確かに見慣れた姐御のそれ……やや大きいが。

 一方で、その言動から感じ取れるのは……

 

「そういや組長は何処に? お一人なんて珍しい」

「何処ってお前……目の前にいるだろ、そんなに俺のツラがアレ? 泣いて良い?」

「…………ああ、なるほど」

 

 男は一人、戦慄した。

 この人は、既に。

 既に致命的な程壊れてしまったのだ。

 

 愛した男の死を受け入れられず、自らとソレの区別すら付かなくなって……

 後に残された狂おしい程の復讐心だけをアテに、ここまで殺りにきたのだ。

 

「……止めて下さい」

「何が? お前まで俺に辞めて欲しいとか言う感じかよ」

「…………チッ……止めろって言ってんだよッ!!! 組長は死んだんだ! あの人がどんな気持ちで死んでったか……アンタがそんなんじゃ、浮かばれねぇだろうがよ……!!!」

「…………だったら、私は、どうしたら良いんだよ」

 

 此方が抜刀するのを見て、ゆっくりと琴もまた大剣を担ぐ。

 敵意を向けられて、改めて分かる。

 これは、勝てない。

 単純な強さ、剣技とかそういったモノではなく。

 生き物として……生物としての、格が違う。

 巨象が、路上の虫ケラを気にも止めないように……

 彼女の瞳は俺でなく、違う何かを見つめていた。

 それでもやる。俺はやるしかない。

 

「……出雲はアンタを気に入ってた。今なら、見逃せるけど」

「生憎と……こっちゃ後退のネジが壊れてるもんで」

「そっか、残念」

 

 だらりと脱力、体落下を踵の踏み込みで正面への加速に置換。

 神速の二刀にて琴をバツ字に切り付ける、が。

 

 ____硬ってえ……

 何で出来てんだ、この人。

 刀で切り付けておいて、傷一つない。

 それどころか刃の方がへし折れそうだ。

 

「__速いね、アンタやれる方だったのか」

「局長と組長以外にゃ教えてませんから、ねっ!」

 

 飛び下がりながら短刀を投げ……うわ、やっぱり刺さらねぇ。

 予想通りというかなんというか、人とは違う別のナニカだなこりゃ……

 

「時間をかけてる余裕はないからさ」

「!? 消えっ」

 

 瞬間真横から殴り飛ばされる。

 水平に十間も飛ばされ壁に突き刺さって漸く止まる。

 一発で骨が逝った、内臓も……だが。

 

「効かねぇよ、組長の拳の方がもっと痛ぇ」

「……ふむ、加減しすぎたか」

 

 この後に及んで手加減する気かよ?

 全く、舐められてるなぁ俺……

 そりゃそうか、元々非戦闘員面してたし。

 

 でもまだだ、まだ終われねぇよ……!

 

「俺の命に換えてでも、アンタを屯所にいかせるワケにはいかねぇ」

「そうかい、そんなに組が大事かよ……だったら、アンタも敵だ」

 

 __纏う覇気が変わる。

 今までのはまだ、軽くじゃれつくようなその程度の圧でしかなかった。

 明確な殺意、瞬きの度に自らの死のビジョンが脳裏に浮かんでは、消える。 

 

「新撰組監察、山崎丞。いざ参る……」

「…………」

 

 ……こりゃやっぱ、死ぬな。

 

 

 勝負は一瞬でつく。

 殺意を漲らせた怪物と、足止めだけを誓う人間。

 両者の思惑はあまりに違い……そしてその能力にも致命的な差があった。

 

 再度踏み込みからの両抜刀、容易く見切られ振り下ろされる剣……

 そこまでは予想通り。

 琴の眼前に二刀を投擲、手傷こそなくとも僅かに時を弛める。

 その間に更に低く、深く、剣すら振れぬ至近距離へ。

 俺にやれるとしたら、多分この程度。

 これが精一杯、全身全霊。

 

「! この匂い、火薬__」

「すいませんね姐さん、アンタは多分無事でしょうから……」

 

 刹那、身体中に仕掛けた爆薬が連鎖的に起動。

 辺り一帯を焼き払う程の熱量を持って、閃光が煌めいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ッ______

 

 

 喉が焼ける、身体が引き裂けそうだ。

 ただの人間、ただの内勤。

 至近距離の爆発に、身体が耐え得る筈もない。

 神の寵愛を受けたワケでもあるまいに……

 

 火傷と裂傷、先の傷と合わせて優に致命傷。

 一撃の代償はあまりに重く__

 少し離れたところに、倒れ伏す琴の姿が見える。

 

 ああ、不味い。

 どうにか意識を奪って、運ぶつもりが……それどころではない。

 今にも死んでしまいそうだ。こんな策しか思いつかぬ自らが嫌になる。

 だが足止めくらいは、何とか……

 

「ふぅ…………」

「…………ダメか」

「……いや、少し驚いたよ。まさかそこまで覚悟を決めてるとは」

 

 琴が無事であり__自らは瀕死。

 作戦の失敗を悟り最期の力を振り絞って琴に飛びつき、その太い頸を絞め付ける。

 敬愛する上司直伝の、なんの華も技術もない得意技。

 数多の新撰組隊士たちを絞め落としてきたそれを、必死に模倣する。

 

 彼のような剛力はこの身になく。

 また、相手は人智を超越した化け物。

 意味がないと分かっている。分かっていても……

 

「行かせっかよ……!」

「……全く、諦めの悪いとこは良く似てるね」

 

 ぶちゅり。

 

 締め上げる右の腕。

 起き上がる琴が無造作に掴めばまるで紙細工のように引き千切れ。

 片腕を失った激痛、喪失感に呆然としている間に放り投げられ、再度壁まで。

 

「____」

 

 声すら、出ない。

 片腕を失った事を軽々しく言ってきたが、やはりおかしい。

 痛みと呼称する事すら馬鹿馬鹿しい、異様なほどのダメージ。

 

「……馬鹿だなぁ、お前は。逃げちまえば良かったのによ」

「!」

 

 声色はそのまま、しかし言葉使いの裏から確かに感じるその面影。

 __やっぱり、勝てなかったか。

 

「__ハハハ、流石に、手厳しい。それが出来たら苦労はしないっすよ……」

「何でわざわざここに来た? お前が死ぬ気で守る理由もなかろうに」

「………………ああ、良かった。やっぱしアンタ、偽物だ」

「何?」

 

 

 

 

 

 

『俺さ、そろそろ死ぬかもしんねぇからそん時は後頼むわ』

『縁起でもないこと言わないで下さいよ……』

『万一の事を常に考えとく、それが商いの基本だぜ』

 

 本当に急に縁起でもない事を言い出すな……

 だが、そうだな。そういう人だった。

 

『何か、あったんですか』

『いやぁ……今まで散々、俺って良いとこで死にかけてるじゃん? 保険だよ保険』

『保険ですか……しかし……』

『あくまでカンでしかねぇけどな。頼んで良い?』

『…………可能な範囲なら』

『あんがとよ。そうだな、まず____』

 

 組長の遺言は三つ。

 一つ目。自分の死を利用する事。

 新撰組の要石である自らの死は大なり小なり、混乱を招く。

 それに乗じて脱走者たちを可能な限り逃がしてやるように。

 言われた通り、今日この日。何かあったら即座に逃げるよう伝えてある。

 

 ……逃げ遅れたなら、それは自己責任だ。

 そこまでは流石に面倒は見切れない。

 

 二つ目。出来る限り組に残る者を手助けしてやる事。

 大戦の前後に、多数の人員を損なってしまった負い目もあるから……

 例え()()あっても、可能な範囲で近藤や土方らを手伝ってやって欲しい。

 

 あの人は、分かっていたのだ。

 自らが最後まで付き添えない可能性を。

 変え難い性分が破滅を呼び寄せる可能性を。

 そしてそれすら利用する算段を、初めから立てていた。

 最早人の善性などとは比較も出来ない、狂気。

 断る事は、出来なかった。

 

 ……………そして、三つ目。

『ハハハ……多分アイツ、トチ狂って暴れっからさ……止めてやってくんない?』

『そもそも、僕が姐さんを止められるワケないでしょうに……ウチ総出になりますよ』

『……悪かった、忘れてくれ。確かに今言う事じゃねぇやな……』

『そもそも死なないでくれれば、全部無駄で済むんですがね……』

『そりゃそうだ……まぁ、出来る範囲で良いさ。無理なら逃げちまえ、いのちだいじに』

 

 

 

 すいません組長。最後の頼み、果たせそうにないです。

 アンタが逃げなかったのに、俺ァ逃げられませんよ。

 ボヤける視界の中、懐を探る。

 血と衝撃でくしゃくしゃになった紙箱から、それを取り出して咥える。

 

「……吸うのか、お前」

「……真似っ子ですよ、仕事ん時、何かあった時、吹かすのが格好良く見えて……ハハ、偽物だけど、やっぱり組長だ。初めて見られた時も同じ事言われましたよ」

 

『お前なぁ、煙草なんて万害あって一利なしだぞ』

『自分は吸ってるじゃないですか……』

 

 

 

 着火具を探し……しまった、落としたかな……

 僅かに手間取っていると、眼前に火を差し出される。

 舶来のライター。組長が気に入ってた……

 

「……感謝します」

「……ん」

「…………はぁ〜……」

 

 まっじい。

 ここ一年くらい、頑張ってみたが未だに好きになれそうにない。

 組長や姐さんは良くこんなのを美味そうに吸うモンだ……

 

「要りますか?」

「生憎、禁煙し始めたんだ」

「そっすか、そりゃあ偉い」

 

 二人とも相当な愛煙家のハズ、少なくとも見栄で吸う自分の比じゃない本数を消費するだろうに。

 一種の決別の儀なのかもしれないから、無理強いなどしない。

 …………あー、死にそうだ。

 ホントにあの人、なんであんなボロボロなのに生還するんだろうな。

 自分ではただの人間なんて言うけど絶対嘘だと思う。

 優しい人だけど、割と抜けてる所あるから……

 他者に自分と同じ働きを期待してるとことかあるんだよなぁ。

 無理だって、俺らじゃアンタの代わりは出来ないっすよ。

 

「……一つ聞いて良い?」

「なるたけ手短に、間もなく逝きそうなんで」

「…………出雲を裏切ったってのは、本当なの?」

 

 ____ハ。

 ハハハ。

 なるほど、なるほどそう来たか。

 いや確かに、ある意味ではそうかもしれない。

 

「……組長が逃がそうとした隊士ん中に、一際若ぇのが居まして。まだ鉄火場なんざ一度も……って小僧だったんですが……まぁ、怖かったんでしょうね……組長が『機を待て』と言ったのも聞かず、逃げちまったんです」

「…………」

 

 そこからは、お決まりの流れ。

 あっさりと捕縛された脱走者はその場で激しい尋問を受け……

 命乞いの為に全てをブチ撒けた。

 あらゆる計画、その全てを。

 

 脱走は計画だったモノである事。

 名前は分からないが、三十以上同じような者がいる事。

 そして全ては秋無出雲の手によるモノである事。

 

 臆病風に吹かれた一人の馬鹿の密告。

 

 許せなかったんだろう。

 自分はともかく、旗印である近藤にすら躊躇いなく反逆し、手を出す凶暴性。

 人を惹き付け、特に若い部下に大きな影響力を持つ人たらし。

 隊士たちを()()()にしてしまったあの人は、最早新撰組の敵でしかなかった。

 

 嗚呼、馬鹿馬鹿しい。

 たった一人、崩れ行く張子の城から皆を逃がそうと。

 一人でもがいていたあの人を、寄って集って殺しちまった。

 馬鹿だ、みーんな馬鹿野郎だ。

 

「ああ、その後の事はご心配なく。ソイツはこっちで始末付けといたんで、お手は煩わせませんよ……自分も、それで知ったんですがね」

「……仕事が早いね」

 

 そういや質問の答えを言ってなかったな。これだけじゃ回答になるまい。

 

 

 

 

 

「____俺が、組長を裏切るわけないでしょう?」

「…………そうだね、そうだと思った」

 

 伝わったようで何より、さてそろそろ頃合か。

 

「姐さん、自分からも最期に一つ良いすか」

「……何?」

「全部ブチ壊しちまって下さい、そんで皆ブチ殺しちまって下さい。本当は、俺もご一緒出来たら最高でしたが……組長の頼みなモンで、勘弁してくれると」

「……言われなくとも」

「ハハ、心強い」

 

 

 

 

 

 振り返る事すらなく、そもそももう俺は何も見えやしない。

 ……ああホント、あの人は凄ぇよなぁ。

 あんな美人が、自分の為に本気でブチ切れてくれる。

 そればっかりはホント羨ましい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハハ。

 

 

 

 

 

 

 

 死ねよ近藤。

 くたばれ土方。

 滅びろ新撰組。

 

 矜持も誠も何もかも、跡形もなく消し飛んじまえ。 

 あの人を裏切った、全部全部が無くなっちまえば良い。 

 組長がそれを望まないとしても、俺たちゃ許せねぇから。

 

 

 

 まぁ、後は姐御に任しとけば平気、か。

 俺はちゃちゃっと、特等席を予約しとくとするかァ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん出雲。私……無理だったよ」

 

 泣き笑いを浮かべながら、狂ウ鬼は門を切り崩した。

 

 

 

 

 

 

 それは語られぬ歴史。

 一人の商人に忠を尽くした男の最期の戦い。

 誰にも知られず、誰にも気付かれず。

 人理に刻まれたのはただ一つの事実のみ。

 

 ____死傷者多数、総数不明なれど、死屍累々。

 

 たった一日。たかが一度の戦闘。

 それだけで隊士の半分を失った彼らに、最早余力はなく。

 開戦を待たずして、新撰組は壊滅する。

 そこに一切の区別は存在しなかった。

 

 幹部の井上源三郎。上半身を叩き潰されて死亡。

 かつての自らの部下も、脱隊を望んだ者すら、視界に映れば全てを殺し尽くし。

 生き残った隊士が丁度半分になった途端、姿を消したという。

 

 辛くも生き残った土方らは少なくなった仲間たちを束ね参戦を果たすも、既に皆の心は折れ。

 相次ぐ離反者を抑えることすら叶わず、敗走。 

 

 敗北した新撰組残党に最早行き場はなかった。

 秋無出雲は、地元で知らぬ者無き大商人。

 それを自ら処断した彼らはすべからく支援者を喪い。

 京を追われ、東へ、そして北へ……

 敗北と逃走を重ねる旧幕府残党と運命を共にする事となる。

 

 虐殺の後、元隊士の中澤琴は半年後再び姿を現し__

 逃げ行く新撰組を余すことなく鏖殺していった。

 かつての仲間同士が殺し合い、お互いの血に塗れる地獄絵図。

 それはとある男が何よりも望まなかった未来、その死を引鉄に招かれた崩壊。

 

 僅かな生き残りは名前と人生を変え、明治の世を生きる事を許されたが……

 北方にて土方を討った後、再度姿を消した中澤の存在は彼らの死そのものであり。

 やがて彼女の人生、人格、そういった些事は遠く歴史の中に呑み込まれ。

 狂気的な闘いの跡と恐怖だけが、今なお語り継がれている。

 

 

 

 

 

 狂オシキ鬼、浅葱喰ラヒテ屍山血河ヲ拓ク

 憤怒空ヲ割リ、悲嘆地ヲ砕ク

 槍モ刀モ通ジヌゾ、タダ鎮マルヲ願エ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当の本当に毎日投稿おしまい。マジでストックがない……

どこまで山崎くんが裏切り者のテイで引っ張れるかと思った。
最後まで引っ張れてしまった……



組長の事を思えば踏み止まるべきだった。べきだったけれど。
そうならなかった、出来なかった。
だからこの話はおしまいなんだ。
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