作者の更新ペースは平日休日の平均で日2000〜3000字くらいです、暫くお待ちくだせえ。
捕まりました、悲しいね。
すげぇ絵に描いたような悪いヤツの装置……
めちゃくちゃデカい試験管というか……
俺と沖田以外は既に消されちまったし。
俺は上手く消せなかったらしくて放置されてる。
そりゃアンタらが神の力に頼ってんのと同じくらいこっちもだからなぁ。
それでも俺を残してんのはまぁ、土方を捕えられなかったからだろうな……
ウェーイ藤堂くん見て見て。
「……何してるんです」
「培養液の中で登場した時のバイオ〇ロリーの真似」
藤堂と近藤、更に後方の松永まで全員すっ転ぶ。
実質俺の勝ちで良くないかコレ。
「アンタは本当……本当に少しは恨みとかないんですか」
「無えよ。それだけは断言出来るな、皆が皆自分の心情に従って生きた結果だろ? 仕方ねぇって」
結局オメーら大体琴に皆殺しにされたんだろ。
俺が面白くないとしたらそれくらいだよ……アイツにゃもう戦いなんて忘れて欲しかったのに。
「座から俺たちの存在を消すねえ……俺が思うに無理だと思うよ? 管轄の神様が違うだろうし」
「その為にクソめんどい工程を経て儀式を再構築したワケだし、アタシの努力を褒め讃えてよね」
「俺としちゃお前らがそんなクソ女を信用してる方が不思議だけどなぁ……」
「何?」
「三悪の梟雄、亡八の輩、生涯を裏切りに裏切り続けたクソッタレ、アンタ評判悪いぜ」
お、反応有り。やっぱホントの事言われると腹立つんだな。
煽ったれ煽ったれ、ボロを出したら大儲けだし。
そもそも今回の一件、とどのつまり新撰組の内輪揉めじゃん?
誰だよお前、何でここにいるんだ?
…………おお見事なスルー、流石に海千山千の戦国大名か。
なぁ土方……大名ってのはこんなモンだぞ。近藤さんには向いてないって分かるだろ……
「いや、私が言うのも何ですけど何でそんな緊張感ないんですか?」
「だって今の俺新撰組じゃないもん……通りすがりの異世界商人、目的の為にお前らと居るけどさぁ」
ぶっちゃけ出ようと思えば出れると思うぞ、だって俺近藤の支配下にないし……
このくらいのギヤマンなら普通にカチ割れるだろうしな……
なんか嫌な感じだしこれ、聖杯飲み込んだ量産型ボスみたいになるのは勘弁。
「だから見逃してくんないかね」
「アタシらにその要求を呑むメリットあると思う?」
「楽に殺してやるよ、三人纏めて一思いにな」
俺嘘つかない、優しく殺すよ。
特にそこのTSクソアマは念入りに、頭蓋を擦り潰して殺す。
「さっきから何がしたいのアンタは、命乞いでもしてみる?」
「んにゃ、その必要もなさそうだから良いや。丁度来たみたいだし」
「……来た?」
「独り言だけどさ、扉から離れた方が良いと思うよ俺」
瞬間、鋼鉄の扉が絹のように引き裂かれ、吹っ飛ぶ。
切り開かれた扉の向こうには原田と彦斎、それにマスター。
立て直しが早いな、それに原田まで……ふむ、何か思うとこがあったんだろうか。
とはいえやることもないので状況を静観していたら近藤が日和った。
この土壇場で俺らを始末する事が出来なかったと。
お前ってのはホント……本当に馬鹿だなお前さぁ……
最初からやるなよって話をいつしようか悩んでたら近藤が藤堂に切られた。
あー…………馬鹿しかいねえや、馬鹿の総本山かよホント。
いつまで経っても身内で殺し合うしか出来ねえモンか?
ガラス面に拳銃六発、弾痕に弾丸を突き刺すように貫けば旧式の銃でも流石に割れる。
こういうシロモノってのは完全な状態なら丈夫だが、一度崩れっと脆いモンだよなぁ。
そうして拘束をブチ壊した勢いそのままに、近藤を庇う沖田、その前に飛び出す。
こと復讐者の攻撃は俺に効く、身の丈に不釣り合いな長刀が災いして俺を貫いた刀身は沖田を諸共に……
「秋無……! それに総司まで……」
「ガフッ……すいません、秋無さん。後の事頼んで……良いですか?」
「……寝てろ、無茶しやがってよ」
振り返りはしない。
貫いた刀の感触から沖田の身体が消え失せてくのを感じる。
サーヴァントだからさ、死ぬのとは違うんだろうし。
マスターちゃんらの……カルデア式? はあくまで拠点に戻されるようなモンだと聞くけどさ。
藤堂よぉ。
俺が機嫌悪ぃのってどんな時か分かってるよな?
刀が刺さったままの格好で藤堂の身体を吊り上げ、思いっきり地面に叩き付ける。
復讐者だから……アレだっけ? 半減される感じ?
じゃあ四倍くれぇの威力で殴りゃ良いか。
脚で藤堂の首元を押さえつけながら藤堂を激しく殴打する。
一撃で意識を刈り取り、二発目で血塗れに。まぁ当分起きやしねえだろ……
さてと、後はあのクソ女ぶち転がせば終わりだ。
「次ィ……一応まだ死んじゃいねえが、アンタは別だ。加減はしねえ」
「ちょちょちょっと待って、サーヴァント三騎分の霊基に、禍津日神の力までぶち込んだんですけど!?」
「生憎とこっちも今は普通のサーヴァントじゃなくてな……で、どう死にたい? アンタを始末すりゃご破算だろ」
「展開が急過ぎでしょ……でもね、一つ思い違いがあるみたいだけど」
「何だもったいぶって」
「……もう、来てる」
______
息が詰まる。
確かに、降臨している。
疑似のソレではなく、正しく神と呼べるもの。
大国主と基を同じとするモノ。
災厄を司る禍津日神、そのものが。
ありゃ、ヤバいな……
存在定数、というか存在そのものというか。
あくまで端末に過ぎない俺よりも弩級の神格だ。
そして何よりヤベェのはこの状況を誰一人理解してない事。
「アハハハハ、何? 今更怖気付いた感じ?」
「まぁ心底ビビり散らかしてるよ……テメーらの警戒心の無さっていうか……」
「何何? 負け惜しみ?」
「……あのなぁ、最早新撰組でもない俺が、何でこんな所にわざわざ来たと思うよ。そんでもって、アレが何でこんな所に来たと思う? 一つはまぁ、喰らう為。腹減り虫は神性と力を求め、世界すら超えて遍く全てを蝕む。も一つは新撰組を皆殺しにする為……近藤なんかよりずっとずっと浅葱を恨んでるあの野郎が、これに気付かねえワケが無え……ああ、クソ、やっぱあの時丸ごと吹っ飛ばしときゃ……」
「急に口数増えてどうした? オタク特有のヤツ?」
「…………いんや、もう来ちまった」
空間がヒビ割れ、歪み、ソレが現れる。
巨大なマガツヒノカミよりも更に巨大な、人の姿のみを残した異形の怪物。
その莫大な神力に共鳴してか、前よりも遥かに強力な霊基を纏ってやがる。
ソレは人一人もあろうと言う瞳でこちらを一瞥した後、上空のマガツヒノカミへ再度狙いを定めた。
漸く驚異を感じ取っただろう久秀は青ざめ、天を仰ぐ。
「何何何何何アレ!? どうなってんだよ!?」
「あー、部外者だとそりゃ分からんか……全く、余計なとこに噛み付くからそうなるんだぜ」
巨躯の化け物は一度ぶるりと震えて立ち止まったかと思うと、その頭部を歪に変形させ……
ばくり。
一口でマガツヒノカミを丸呑みにしてしまった。
あまりに唐突であまりに急な展開に、呆然としてか誰一人反応出来ない。
余裕の表情だった久秀すら何もせず立ち尽くすのみ。
全く……あの野郎、拾い食いは大概にしとけって言ってんのに……
「……秋無さん、アレが何か知ってるの……?」
「ああそうか、マスターも知らないんだったか……そうか、それなら説明すんのが筋だよな」
しまった、一応マスターも知らないんだったか。
浅葱の隊服があんまし似合うんで俺ァてっきりウチの身内かと……
そうか、そうだなぁ、なんて言ったら良いのか分からんが……
「あっこに居るのが俺たちの時代、新撰組の悉くを殺し尽くし……最後に土方をぶち殺して完全に終わらせて、それでも
本体じゃないからね。
あれがホンモノなら出てきた時点で鏖殺待ったナシだろうし……
そもそも今の奴に新撰組の見分けがついてるのかすら怪しい。
動くモノ全て悉く殺し、崩し、壊さねばならない狂気に呑まれてる。
「そんでもって世界一おっかないウチの
「……とにかく、どうするっすか。奴さん……神サマを丸呑みにしちまいましたよ」
「一度撤退して……いやでも、逃げ場なんてあるの……?」
「いやいやちょっと待った、逃がすワケないでしょ。よく分からん乱入で苦労して立てた計画は水の泡ダケド、緊急事態だから仲良くしようネ! なんてなると思う?」
「いんや、悪いがして貰う。アンタは邪魔だ」
「へ?」
敵だっていうなら駄目だろ、後ろを取られちゃ。
俺は言ったよな、念入りに頭蓋を擦り潰して殺すって。
……言ってないや、よく考えたら地の文だこれ。まぁ良いか。
身を屈めて久秀の首をがっちりホールド。
如何せん俺のガタイが良過ぎて小柄なTSジジイは逆に極めにくいな……
万力のような腕力で押さえられて流石の久秀も悲鳴をあげて抵抗するが……
無駄無駄、せめて本来の霊基なら多少はやりあえたのかもしれないがね。
膝を伸ばして身体を浮かせ、小柄な女体は宙吊りに。
画も華もねえ、だが最良で最強の技。
魔性のスリーパーってヤツよ、正真正銘必ず殺す必殺技。
悪いけど、アンタはそもそも身内に引き入れたくないからさ……
気が変わって協力する気でもここで始末しとくつもりだったし。
普通に反発してくれて良かったよ、罪悪感なくて良いから。
意識が飛び、だらりと身体が弛緩したところで首をへし折って捨てる。
念には念を……マスターちゃんの事考えりゃ、半殺しにゃ出来ないじゃん?
「俺に策有り……というより、俺はアレを何とかする為に来てるんで……」
「何とかって……どうするつもり?」
「ちょっと難しい話になるが、この世界に本来存在しない異物ってのが二つあるワケよ。具体的には俺と
「! なんでそれを……」
「クソッタレな神サマからの仕込みでね……さて残念ながらお別れらしい。世界線ごと再起動をかけてやり直す、俺とアレ抜きの正しい歴史になるようにな。だから、これから言う事はどうでも良い事だ」
急で悪いね、でも多分放っておくとこの世界諸共何もかも食い荒らし始めるから……
うん、折角会えた懐かしい顔ぶれ。二度と会えねえだろうと思ってたとこだから寂しいぜ。
色々言いたい事が……いや、その気になりゃ全員小一時間くらい説教したいんだが。
全部忘れちまうだろうからさ、俺の自己満足。
「近藤。改めて言うことじゃねえがお前は馬鹿野郎だ、救いようのねえクソボケだ。過去を幾ら悔いたって、現在を生きる誰かに迷惑かけるんじゃねえ。それからお前の後悔を他人に押し付けんな、一人でやってろ」
「…………すまない」
「分かりゃ良い……後はまぁ、助言だ。どうせ覚えてないだろうが……止まるなよ」
「……トシのような事を言うんだな」
「お、悪口か? 冗談はともかく走り続けろ、自らの過ちを、後悔を、絶望を抱えたまま。その壊走の果てに救いはなく、報われる事無きを覚悟して、それでも走れ……俺たちゃ、いつもそうだったろ?」
「………………」
「あーあと、間違っても呼ぶなよ、俺ァ行かねえからな。琴に殺されちまう」
よし、本当なら左之助とか彦斎にも言いたい事はあるんだけどなぁ。時間なさすぎ。
今は一口を飲み込んだ余韻でぼんやりしてるけどいつ動くか分からんからな。
「マスターちゃん」
「はい!?」
「……悪いね、いつもアイツらが迷惑かけてるだろ?」
「……いや、そんな事は……そんな事も……」
「やっぱある感じか……躾が出来てなくて申し訳ねえ」
だよなぁ。
死んだくらいで人が変わるなら苦労しないって。
それなら俺は早々に皆殺しにしてたと思うわ。
今度は泉にでも叩き込んでみようかね。
「……まぁ、何だ。悪い奴らじゃ、ねえんだわ。ロクデナシではあるけどよ」
「大丈夫です、それは分かってますから!」
「そうか……なら余計なお世話だった、んじゃ後の解決頑張って。振り出しに戻っちまうけど」
正面に相対した異形の化け物を捉える。
半ば紛い物とはいえ本物の神格、それを一呑みにしちまうような怪物だ。
これでもまだ本気の欠片でもないんだってから嫌になるぜ……
……とりあえず、やるか。
『主宰神に願う。友の辛苦、其を認めず。歪み捻れた真実、其を拒絶する』
身体中の力をただ一点、今はないソレに集中する。
『主宰神に望む、歴史の編纂、世界の再構成。正しき未来の訪れを』
あらゆる事象の否定、あらゆる現実の拒絶、あらゆる可能性の具現化。
大国主の力の一端、創世の力そのもの。
『……主宰神に捧ぐ。全てを流転し、あるべき姿へ還らんと……!!!』
眩い光が辺りを飲み込み、そして全てを書き換える。
そこに居た男の存在も、かつての志すら焼き尽くして。
歪んだ歴史は修正され、捻れた未来にて彼らは再び出会う。
誠を取り戻した彼らとソレを喪った男、再会はまだ先の話。
新撰組ジ・エンド編、打ち切りみたいだけど完!
愉悦成分が薄いのはホント申し訳ない。
マガツヒノカミ、松永久秀とか云々とか……
新撰組の話をするには今回窮屈過ぎねぇ?という作者の所感。
だから完全独立のオリジナルで書いてるのでまた暫くお待ちを……
感想とかで色々言ってもらえるととても嬉しいです。