浅葱の影   作:CATARINA

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自分で書いてて怖くなってきた。
人が良すぎるだろコイツ……


無明照らす燈

 

 八方塞がりって感じ。

 明確に取れる手がない……

 相も変わらず姿が掴めねえ夜叉……いや、取り繕う理由ももうねえか。

 あの沖田の動向は未だに読めねぇ。

 

 時折遠征中のちびノブや民が襲われるって報告こそあれ……

 その動線に凡その規則性すらがない。

 理性のねえ化け物って厄介だな……生き物誰しも無意識下のクセってのはある。

 

 そう言った情報を継ぎ接ぎして正体を丸裸にしてくのが新撰組監察式なんだが……

 

『駄目だ、お手上げです』

「そう言うなって……頼むぜ、お前らしか頼れねえんだ」

 

 相も変わらずマスターちゃんらにはドサ回りをお願いしている。

 本願寺襲撃で皆の間に不安が広がってやがるからな……

 俺たちの体制は万全だというアピールの為にも流通を止める訳にゃいかん。

 停滞に見えたとしても、人々の暮らしを支えるのが商いの本懐。

 どちらも捨てる気はねえが……

 

「すまない、少し良いだろうか」

「ん……ああ、()()()か」

 

 そこに居たのは一体のちびノブ。

 他の個体と異なり外つ国風の軍服は纏わず、見慣れた日本式の礼服を着こなしたお洒落さん。

 そんでもって、俺からしたら一応は昔の上司に当たる方でもあるんだが……

 

「その図式、私にも見せてくれないか。城に入った事もない私だが……」

「そりゃそうだ。しっかし、漸く立ち直って来れたか?」

「……正直、まだその勇気はない。だけど、腐っているのにはもう飽きてしまってね……君たちが死力を尽くしている中で、一人だけぬくぬくと土木作業に没頭してるワケにもいかないだろう?」

「その気概がありゃ十二分だよ……珍妙な見た目じゃなきゃ尚良かったのになぁ」

「……戦いを止められなかった無能の私は悔いた。これが祖、家康公……或いは信長公なら……そう嘆いた結果が、この姿なのだろう。君たちも、巻き込んでしまった事を心苦しく思う」

 

 そんなに謝られてもなぁ……

 土方を始めそれなりの人数が戦いには乗り気だったワケで。

 恐らくは日ノ本最後の大戦、これを逃せばもう二度と……

 二度と剣で身を立てるなど不可能、その事実が奴らの目を狂わせた。

 悪いのは幕府じゃあない、時流を読めなかった馬鹿が悪いのさ。

 

「ん……? この動き……」

「何だ、何か思い当たる事があるかい」

「……遥か昔、荒涼としていた江戸を拓くに辺り、祖は地の霊脈に詣でたと聞く」

「ああ、奴らは霊脈から魔力を供給し、雨の魔力で蘇ってるからな……しかし、主要な霊脈とやらの大半は既に調べたつもりだ。何せ幕府の陰陽サマから直接教えて貰ったんだからな……」

「確かに霊脈というのは大切な要素だ、しかし……」

「なんだ、もったいぶって」

 

 珍妙な生き物から聞こえるイヤに渋い声が面白くなっている。

 わざわざ溜めてまで言う内容だと良いんだがな。

 

「獄卒……化け物となった土方殿は、本願寺に現れたのだろう?」

「ああ、そうだ」

「……見てくれ、今までの遭遇地点がここ。そしてその動線は……」

「デカい霊地を必ず通るようになってる事か? そんくらいは俺らだって……」

「その霊脈に、気を取られすぎていたという考えはどうだろうか?」

 

 ふむ?

 

「本願寺……そして近藤殿が板橋……恐らくは処刑場、彼はここで打首となったはずだ。そしてこれが齋藤殿と永倉殿の動線……見てくれ、特に市谷などほぼ全員だ」

「市谷ねぇ……何処だよ、無意識下に縁のある地を目指すと?」

「仮定だがね」

 

 ……いや、確かに、悪くない考えなんじゃあないか?

 本願寺に全員集まったのが仮にそういう事だとしたら。

 死後も生前の未練に縛られた俺たちの末路だってんなら、有り得る話だ。

 

『……組長、市谷といえばアレですよ』

「アレ?」

()()()……近藤家の根城があったのも、確かここでしたよね』

「……ああ、そうか。そういやそんな話、島田のヤツから聞いたな……」

「魁さんですか……あの……」

「そうだよあの汁粉デブ、永倉とは江戸からの付き合いだったから」

 

 激甘特製ドロドロ汁粉を鍋いっぱいに平らげるバカ舌の男である。

 あの鬼のように甘い汁を肴に酒を飲む狂人だからよく覚えてるぞ。

 

「つまりアレか? 試衛館跡地で張り込んでりゃ近藤以外は始末出来ると」

「可能性は高いだろう。少なくともやってみる価値はある」

「承知……一先ず、強行偵察の経験を持つ精鋭に張りこませる。仮説を確かなモノと確認出来たなら一帯に戦力を投じて殲滅……後に板橋で近藤を仕留める、これで良いか?」

 

 どの道手塞がりなのだ、やれるだけの事はしておいた方がずっと良い。

 ちびノブから数体……過去に何度か斥候の歴があるものを選別。

 観測、尾行、連絡と役割を割り振って設置したところ、高頻度で各員が周辺を通過している事が判明した。

 

 カルデアのマスターらと浅草寺残党から龍馬と以蔵……奇しくも過半数が攘夷志士で埋まったパーティが即座に派遣され、数回の空振りの後に羅刹(永倉)宿儺(齋藤)を始末する事に成功した、が。

 沖田のやつが来ねえんだよな……

 再び雨で再起される前に、どうにかしてその所在を掴まねばならないのだが。

 

「うーん……」

「手詰まりかよ……最近は被害が尋常じゃない、延焼で二つ小拠点が焼けたしな……」

「もしかしたら、彼女の未練は『試衛館』にはないのかもしれないね」

「ふむ?」

「後悔や未練に縛られてるのだとすれば、その解を持つのは……」

「……沖田しか居ねえって事か」

 

 未だに目覚めねえ沖田に、再び現実を突き付けろと。

 それ以外の方法がないと俺だって分かっている。

 分かっちゃいるんだが……

 

『……甘過ぎなんですよ、殺された自覚あります?』

「……辛いかもしれないが、必要な事だと思うがね」

 

 分かってるよ、分かってんだよ……

 俺のどうしようもない甘さが、特に心を締め付けるんだ。

 新撰組の末路。

 皆が皆、クソみてぇな死に様を晒してクソみてぇに死んだ。

 ……それでも、楽しかった日々があったから。

 道半ばでも、進み続けた果ての挫折ならまだ良くて。

 

 アイツは、それですらないから。

 ああ、クソ……

 

 考えが纏まらねぇまま、気が付けば沖田が寝てる部屋の前に。

 

「沖田ァ、起きてっか?」

 

 返事は、ない。

 だからまた今度……そう出来たら良かったんだが。

 俺たちにそんな余裕はない、恐らく今回が最初で最後、千載一遇の機会だから。

 断りなく勝手に襖を開け、室内に入る。

 

 真っ白な布団に寝かされている沖田の姿を見ると、かつての日々が焼き付いちまう。

 ずっと苦しそうにしていたのに、強がりばっかり言いやがって。

 病的な程に白い肌まで、あの時のまんま____

 

 

 

 無表情の沖田と、目が合う。

 

 

「うおおおおおぉ!? んだよ、起きてんなら言えって……!」

「……」

「とりあえず、向こうの半分は始末したぜ。計画は首尾よく進んでる」

「…………そうですか」

 

 __気まずい。

 どうしよう、マジで言葉に困っちまうんだが……

 

「あー……そうだな、何か食いたいモンとか……」

「秋無さん」

「…………なんだ」

「……皆、知ってたんですかね」

「……まぁ、そうだろうな」

 

 多分俺と同じなんだろうよ。

 分かっていて、その上で教えずにいた。

 沖田のココロが、それに耐えられないだろう事は容易に想像がつくから。

 少なくとも俺と直接対面するまではそれで……そうやって先送りに出来てたんだろう。

 

「……馬鹿みたいですよね、私。皆が同じ痛みを共有してたのに、当事者の私一人だけが何も知らず、何も覚えてないようなフリして……ホント、馬鹿だなぁ……」

「……沖田、もう良いだろ。過ぎた事なんだ、俺は……」

「俺は? 俺は、何ですか? 過ぎた事? だからどうでも良いと?」

「…………」

 

 ああホント、どうしようもねえや俺。

 こういう時に気の利いた言葉の一つも出てきやしない。

 口先だけで生きてくのが商人、なら。

 今俺が何を言ったとしてもそれが沖田に届かねぇと分かっちまうんだ。

 

「どうでも良い訳無いでしょう……!? 私、殺したんですよ、貴方を! もうマトモに動く事すら出来ない、出来損ないの折れた剣を、最期まで人として見てくれてた人を殺したんです!!!」

「…………沖田、俺は」

「寄って集って切り刻んで、その死体を捨てて……自分の子供にも、会えずに死んだのに。それなのに、貴方はどうしてそうなんですか、どうしてそんなに人に優しく出来るんですか!?」

「…………」

 

 傍から見れば奇妙な絵面だろうな、加害者が被害者を責めている。

 殺した者が、殺された者に激情をぶつけている。

 否、悪いのは俺たちだから。

 ギリギリのところで、人の世に縋り付いていた沖田の心を砕いたのは俺たちだ。

 恨まねぇと言ったがありゃ嘘だった。

 土方、齋藤……それに、近藤も。

 恨むぜ、何でこの子を放っておいたんだよ。

 お前らにとっては最期まで、仲間だったんだろうが。

 

「嫌になるんですよ……! 貴方の善性が! その清らかさが! 自分の浅ましさを直視しなきゃいけなくなるようで……優しくされる事で、人が救えるとでも……!?」

「ッ…………」

「そういう所が嫌いです、嫌い……! 誰も信じられない、誰も信じたくない……」

「……すまない」

「謝るくらいなら、何であの時……あの時、あんな事言ったんですか! 私は、アレが、そうだから」

「…………」

「あの時、殺してくれたらそれで良かったのに! 私を否定してくれたなら、それが!!!」

 

 項垂れる俺の胸ぐらを掴んで叫ぶ。

 縋り付くような格好の慟哭が、偽らざる沖田の本音なのだろう。

 

 優しさで人は救えない。

 世界は綺麗事で回っていない。

 そんな当たり前、不変の事実。

 

「……責任取って下さいよ、あの時出来なかった事、して下さい」

「沖田……」

「殺して下さい……終わらせて、下さいよ……私もう無理です……」

 

 俺の手を取り、自らの首に強く押し付ける。

 白魚の腹のように澄み切った白に、儚い草花のように細い頸。

 僅かでも力を入れたらぽっきりと折れてしまいそうな程に脆く。

 

『あーホンット見てらんないっすわ……』

「へ?」

 

 ドガッッ!!!

 

 快音と共に剛拳一閃。

 縋り付く沖田が真横に殴り飛ばされる。

 

「お前……また勝手に……」

『すんません、組長。流石に見過ごせないモンで……いやぁ、酷え有り様っすね沖田隊長ォ?』

「ッ……貴方は……」

『あーっ、良いです良いですやめてください。アンタに呼ばれたくない』

「…………」

 

 敵意を剥き出しにしている。

 当然だろう、仮にアイツがサーヴァントなら復讐者。

 俺への忠誠が翻り、浅葱を憎むようになった亡霊。

 名と貌を失って尚、その怨恨は癒えることなく。

 

『なァにが責任、何が殺せだよバ〜カ! テメェらが勝手にトチ狂って勝手に早合点してこの人を殺したんだろうが!? それもこれも全部お前らの罪だろうが! お前らの咎だろうが!』

「…………!」

『組長の優しさに甘えんじゃねえよガキが!!! 怒らないこの人に、一人で抱え込んじまうこの人に余計な重荷を背負わせんな!』

「ッ…………!」

 

『そんなに死にてぇならテメェで……いや、無理なら俺がやってやるよ……』

「……私は……」

『片腕でもよ、今のアンタくれぇは……!』

 

 隻腕の大振り、振るわれた凶刃に割って入る。

 幻霊程度の攻撃では半ば神霊となった今の俺には通用せず……

 影で形取られた刃を叩き折られ、不服そうに此方を睨む。

 無論その貌は虚ろな孔に飲み込まれ、表情を推し量る事は出来ないが……

 

「……そりゃ駄目だ」

『……どうしてもですか』

「ああ、どうしてもだ。これ以上続けんなら俺はお前でもブチ殺すぜ」

『……ハァ……甘ぇんですから。だったらちゃんと躾けて下さい、アンタの裁量でね』

「……任された、お前は休め」

 

 どろりと影が溶け、その姿を失っていく。

 ……甘えのはどっちだよ、馬鹿が。

 俺が踏ん切りつかないからやったんだろ?

 お前の考えが読めない程耄碌してねえさ。

 

 

 

「はァ…………なぁ、沖田よ」

「…………!」

 

 殴られた格好のまま呆然としている沖田を正面から抱き締める。

 残念ながら、俺にこういう時の気が利いた対応の知識はない……ない、が。

 俺のメンタルが本当に死んでた時、こうされたという記憶がある。

 秋無出雲という男の根幹に、強く刻まれた経験が……

 

「……俺は漸くお前の気持ちが分かったよ、許せなかったんだよな?」

「…………」

「滅びを理解せず、お前の気持ちを無視し続けた土方たち、ロクな抵抗もせずに殺された挙句、お前に呪いを残した俺……何よりも全てを成してしまった自分自身が、許せなかったんだろうよ」

 

 多分誰も理解してないだろうけど。

 沖田総司は凄く綺麗で優しい心の持ち主だって俺は知ってるつもりだ。

 だから自分を責めたんだろ? だから自分が許せなかったんだろ?

 

「……その怒りは多分、真っ当なモノだ。そうだな……つまりお前は人でなしなんかじゃないって事だよ。楽しい時に笑って、辛い時に涙を流して、自分の過ちを悔いる事が出来る奴が人じゃない筈ないだろ?」

「秋無、さん……」

「だから俺はその怒りを否定しない……しないけど、一つお願いして良いか?」

 

 上っ面の言葉だけじゃ、優しさじゃ人は救えない。

 全く言う通りだ。

 全て都合の良い理想論でしかない。

 

 それでも俺は、前を向いていたい。

 誰もが気付かないフリをする、見て見ぬフリをするとしても。

 その痛みが少しでも和らぐように。

 

「俺たちの事は許さなくて良い、だけど自分の事くらい許してやってくれ。『沖田総司』を、憎まないでくれ」

「!」

「憎いよな、許せないよな……でも、もう良いだろ? 苦しいよりも楽しい方が、笑える方が良いに決まってんだから……だからもう、自分自身を許してやれよ」

「……うぅ…………ッ……」

「頼むぜ。何せ俺の…………大事な大事な妹分なんでな」

「ッッあ…………うあぁああああっ…………!!!」

 

 服がじっとりと濡れちまうほど大粒の涙を流して沖田が泣き始める。

 それで良い。良いんだぜ沖田。

 こんなに暖けぇ涙を流せる奴ァ人間に決まってるから。

 

「ごめんなざい……! ごめ"んなざい……! あんなに優しくされたのに、仇で返して……貴方を待つ人が居るのに、切り刻んで棄てたんです……! 私、恩知らずでずっと……」

「気にすんなって……見ての通り気にしてねえよ」

 

 抱き締めるのには心理的な効果があり……そん中に、心音を聞かせるというのがある。

 親の胎内で聞くように、一定のリズムで鳴る脈動は人を落ち着かせる効果があるとか……

 俺の心臓は俺んじゃなくなっちまったが……頼むぜカミサマ、不整脈とかは勘弁な。

 

「殺したくなかったんです! 殺したくないのに、殺したくて仕方なくて……!」

「……なるほどなぁ。感情ってのは複雑なモンだなホント……」

「……ごめんなさい、秋無さん」

「良いぜ、お前が楽になれたならそれが何よりだ」

「私……わだじ…………」

 

 あん時と違って今度は血で汚さずに撫でてやれるからな。

 気の済むまで泣きゃ良い、それくらい付き合うさ。

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

「はい……でももう少しだけこのままで良いですか」

「……まぁ、構わねえが……本題に入って良いか。化け物に貶められたお前さんの屍……奴がどうやっても見つからねぇワケだが。お前の方で何か心当たりはねえか?」

「…………未練というなら、一つ」

「お、話が早いな……急かす気はないが、教えてくれると助かる」

「待ってください、その前に……」

 

 んなんだ急に力を強めて。

 落ち着いたならそろそろ離してくれると有難いんだけど。

 

「……ごめんなさい、秋無さん」

「おいおい、あんま謝ってばっかしいると……」

「いえ、謝ったのはこれからする事にです」

「ん? 一体何ふぁ……!?」

「んっ…………」

 

 顔を押し付けられて唇を奪われる。

 ……なんか、すっげぇデジャヴ。

 そのまま身体を掬うように押し倒され、強かに背中を打ち付けた。

 受身も取れないと結構痛え……

 

「好きです」

「…………」

「誰にでも優しいところ、人の良いところだけ見ようとするところ、誰に対しても尊厳を持って……人として、接してくれるところ。全部、全部大好きです」

「……気の迷いじゃないのか」

「流石に冗談じゃ、ここまでやりませんよ」

「………………そりゃ、そうか」

 

 ……まぁ、そうだよな。

 俺はたまに……変なとこで鈍い自覚はあるんだが……

 流石にな、それくらいは分かる。

 

「秋無さんはずっと私の事を人間だって言ってくれましたけど、やっぱり私は人でなしなんです」

「どういう意味だ?」

()()()()()()()、好きで好きで……愛する程に殺意が止まらなくなる」

「ああ……なるほどな」

 

 不思議な感覚というか、奇妙な縁というか。

 似たような奴を俺は知ってるよ。

 どうも俺の周りにはそういうのばっかり集まるらしい……

 

「殺したくないのに、殺したくて、だから貴方を手に掛けました。琴さんに敵いっこないと分かっていたから、せめて貴方の命だけは私のモノにしたかったんです」

「…………重ぇな、お前」

「あ、女の子に体重の話は良くないですよ」

「そういう意味じゃねえよ……」

 

 ハ、そもそも琴に比べたら羽根みてーなモンだろお前は。

 ……はァ。

 俺の責任、だよなぁ。

 

 心という器は一度ヒビが入ればもう二度とは……

 俺と関わった時点で入った亀裂は、俺を刺し殺したあの時に沖田の心を砕いちまった。

 どうしようも無い程の化け物に、人の心だけを覚えた怪物として。

 

「……秋無さんにはきっとまだやる事があると思うので、殺したりしません」

「そりゃ有難い」

「代わりに、ちゃんと責任取って下さい。あの時出来なかった事、して下さい」

「………………分かった、良いぜ。その代わり一つ」

「……何ですか」

「……琴に会った時は一緒に土下座してくれよ、マジで。お前も道連れだ」

「ハハ……それくらいこっちは最初から覚悟してるんですよ」

 

 わぉ男らしい……

 

 

 

 沖田、琴、信長公……あとは初対面ん時の彦斎も。

 不思議だよなぁ。

 俺の周りの女って、揃いも揃って俺の事殺そうとするんだけど。

 

 服を剥ぎ取られながらそんな事をぼんやりと思う、夕暮れ時であった。

 

 

 




俺が知り合う女がさ!皆俺ん事殺そうとしてくるんだけど!

人外にキくフェロモンとか出てるんだと思う。

齋藤と永倉がナレ死したのは尺の都合です、前と同じような内容になるから……
ほんへ基準ならちゃんと戦闘有りのストーリーが多分あった。
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