浅葱の影   作:CATARINA

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短いです、どう切ってもキリ悪くなりそうだったから……


高杉重工自治区

 

 あー酷い目にあった……沖田のこと笑えねえや……

 二回連続で爆発オチとかマジ? ワンパターン過ぎない?

 

「ねえ儂の活躍とか何もナシ!? 今回結構色々準備してたんじゃが!!!」

「その準備ってのも本能寺諸共吹き飛んじまっただろうが……まだ身体痛えし」

「久しぶりのヴィラン回の予定だったのにー! 納得いかないんじゃが! が!!!」

「未然に防いだって意味なら寧ろ正解だったのでは?」

「つまり私の功績だよな、褒めても良いぞ。末の代まで崇め奉る事も許す」

「全員纏めて殴り飛ばすぞ馬鹿ども、そもそも俺の末代はお前が産んでるだろうが」

 

 それはただの先祖信仰なのよ、日本の古き良き奴なのよ。

 

「…………」

「ん、どうした」

「……いや、たまーにそういうとこあるよね出雲」

「??? 悪い、どういう事だ? さっぱり分からんぞ」

「だァーッ!!! イチャつくのも程々にして下さい、二人だけの世界に入られると不快です!!!」

 

 いや、俺はさっぱり理解出来てないから多分その世界は一人きりだぞ……

 

 結果論で言うなら間違いなく琴の功績になっちまいそうなのが嫌。

 我を忘れて暴れ散らかしてるだけだったし俺とか……

 どうもこの特異点だとタケミナカタが疼くね、厨二的なアレじゃなくて。

 

「という事で何が起きたのか、ダイジェストでどうぞ!!!」

「何言ってるのノッブ」

「あ、マスターちゃんちょっと下がりな、回想挟まるからそこ」

「回想ってそんな物

 

 

 

 

ホワンホワンホワンノブノブ〜

 

『という事でいっちょたまには派手にヴィランとしてやってやろうと思うのじゃ』

『ガハハ! それでわざわざ我々が呼ばれたワケですか!』

『恐悦至極の極み、感謝致します』

『別にまだ協力するとは言ってないンだケド』

『そうは言いつつしっかり爆薬はたっぷり準備してる、その辺の抜かりなさは流石裏切り三銃士じゃの』

 

『しかし讐の儂、策とは何ぞに?』

『まー、奴らはこの燃え盛る本能寺に一目散向かって来るじゃろ。そこを織田家ダヨ!全員集合!で袋叩きにする算段じゃ。弓の儂は沖田を、あのデカブツは儂が相手する……ちょっとウチの構成狂戦士多くない? 相性とか考えて編成してる?』

『任された、久方ぶりにトップサーヴァントたる儂の力を見せつけてやるかの』

『……増えてる事に突っ込んだ方が良い感じ?』

『向こうはいっつも六騎編成なんだし、これくらいがフェアというモノじゃ』

 

『マジでお主ら貴重なアピールチャンスじゃからな? ここで活躍見せてラ〇ングルの悪徳商人にアピールしとかないと本当にサ終まで実装されんぞ。攘夷んとこの赤髪に先越されて恥ずかしくないのかミッチー』

『は、全く以てその通りで……』

『しかし信長様、そればかりは盤上の我らには分からぬ事でしょうよ』

『お主はバトルグラまであるじゃろうが! もっと気張らんか!』

『ははーっ!!!』

 

『ん、これでよしっと』

『何しとるんじゃ?』

『本能寺各所にたっぷりと爆薬をね、負けそうになった時にはいっちょ爆・DAN・ジョー!ってな寸法よ』

『ええー……また裏切っとるのかこやつ』

『そんなワケないでしょ、派手にキメる有終の美よ?』

『しっかし、炎上しとる寺ん中で爆薬とか大丈夫なのか?』

『大丈夫大丈夫、めちゃくちゃ強い衝撃でも加わんなきゃヘーキよ』

『衝撃……具体的には?』

『そうね〜滅茶苦茶デッカい大男……『バキンッ!!!』そうそう、このくらいのが突っ込んで来たら__』

 

 

 

 

CABOOOOOOON!!!!!

 

 

 

理的に差し込まれるモノじゃないってナニコレ!?」

「あーだから言ったのに……」

 

 滑り込んでくる回想には注意しないと……

 地の文とか会話中とかおかまいなしに入ってくるからね。

 

「ともあれ次行こう次、いやに近代化__大正ナイズド?された京都をどうにかしよう」

「どういう状態?」

「知らん……誰か元凶がいるんだろ、俺の予想は攘夷志士」

「決めつけ良くないって秋無さん……」

「マスターちゃんは知らないかもだけどな、攘夷志士ってのはカスばっかりなのよ」

 

 俺はこれでもしっかり頭ん中は新撰組だからね。

 攘夷志士にも立派な志や考えを持ったヤツはそりゃあ居るんだろうが……

 母数としてはゴミもゴミ、基本的に人間性に問題あるやつしかいないんだぞ。

 

 だってどっか頭のネジ外れてねえとお上に逆らったりしないのよ?

 それで奴らなんか大体恫喝やら打ち壊し、民や幕府から強奪した資金やら食いもんでやってんだぞ。

 マトモな組織なワケなくねー?

 

「……ウチの運営費の一部って」

「シッ、結局出雲が半分弱くらい負担してたんだから言わせてあげなって」

「ウチは良いんだよウチは」

 

 ウチのカツアゲは正義のカツアゲだから……

 必要悪って言うのかな、社会を健全に回すための歯車なのさ。

 具体的には俺の商売敵んとこをブラリとね。

 俺、土方、永倉、原田辺りでうろつけば喜んで()()してくれたよ。

 

「やってる事が最悪のヤクザ……!」

「知らなかったんですかマスター、新撰組ってチンピラ集団なんですよ」

「やっぱしコヤツらが歴史に残ったのなんかしらの奇跡じゃろ。反英雄か?」

「まぁ俺と琴はそうだぜ? とまぁ、そんなのは良いとして……」

 

『コノ先高杉重工自治区 許可無ク立チ入ルヲ禁ズ』

 

 ……やっぱりねぇ。そんなとこだとは思ってたのよ。

 そうかいそうかい、つまり君はそういう奴なんだな。

 

「マスターちゃん、ちょっと失礼」

「へ!? 何何何!?」

「あーっ!? 何ですか浮気ですか!?」

「お前が言うのかい沖田」

 

 マスターちゃんの髪を掻き分け、首元をそっと抑える。

 ゆっくり寝ててね……流石に子供には見せられないから。

 

「何しとるんじゃお主は、気でも狂ったか?」

「ちょっとね、おっかない事するからさ……加入早々悪いけれどマスター頼める?」

「……ハー、仕方ないのう。暴力に躊躇いがない辺りはホンット根っからの反英雄じゃの」

「ハハハハ」

 

 仕方ないよね、俺たち人斬りサークルだもん。

 本質としちゃあ人でなししかいないのよ?

 

「くれぐれもやりすぎるなよー……言っても無駄じゃろうが」 

「大丈夫大丈夫、殺しはしねえよ。今はカルデアのお仲間なんだからな?」

 

 さてと、久しぶりになるがやる気はあるかな?

 いつぶりになるか分からねえけど、敵地で一番キく手段と言えばアレよ。

 

 

 

「……ここに、旗を立てる」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「いやぁ、順風満帆。ここまで上手くいくと逆に怖いくらいだね」

「良くもまぁこれだけの設備を整えたモンだ」

「実の所殆どは元から揃ってた品ばかりなんだけれどね……恐らく僕らが居た頃より少し未来の何処か。それが丸ごと召喚されてここに至る、って事なんだろうけれど」

「それでも裸一貫からここまで成り上がるのに実に短時間、そりゃアンタの才覚だろうな」

「いやぁ本心かはともかく、かのアステカの黒き太陽に褒められると悪い気はしないね!」

 

 高杉重工自治区。

 このぐだぐだ特異点において、かつて存在した帝都……

 その地をベースに近代化された一角が京都に上書きされるカタチで召喚された。

 真っ先にそこに目を付けた高杉は瞬く間に現地を掌握、内部日数ふた月足らずで巨大自治区を形成する。

 彼の宝具でもある『奇兵隊』は下準備なしでの武装を可能とする。

 その特性と他エリアと比べて人手に恵まれていたのも項を奏したのだろう。

 何しろここは一応京都、本来ならば攘夷志士である彼は疎まれる存在であるから。

 

「業務提携先として真っ先に俺に声を掛けたのも良い、お前の野望には価値がある」

「OKを貰えれば引き続き、カルデアから商才のある者を引き抜くつもりだけどね」

「この世界を席巻する、一大商業勢力を構築か」

「その通り、先ずは真っ先に貴方の力をお借りしたいと」

 

 高杉晋作とテスカトリポカ。

 カルデアでも()()()の商売人として通る二人が揃っていた。

 

「……良いだろう」

「ありがたい!」

「但し、だ」

「?」

「どうやらお前の試練が向かって来ているようだ。それを超えたら、考えても良い」

「試練、だと?」

「そうだ……恐らくそろそろ……」

 

『ご商談中失礼します!』

 

 二人の対話を遮り、ノックすらなく部屋に駆け込んできたのは奇兵隊の一兵。

 極端に近代化された武装で固めた彼らは、単独でもサーヴァント相手に足止めすら可能な戦力。

 それが百以上エリア内に詰めているから……それこそがこの陣営最大の強みなのだが。

 

「第一から第三工業地区にて火災発生! 動ける者で対応しておりますが人手が不足しています!」

「出火だと!? 火元の特定は!?」

「それが……」

 

 しどろもどろに口を噤む奇兵隊隊士、その声色からも深刻さが見て取れる程に。

 

「……()()()()()! 奴らが手当り次第に火を付けて回っています……!」

「何だと!?」

「おっと、自らの過去が追い付いて来たか? さて、見事に乗り越えて見せろよ」

 

 困惑する高杉と、上機嫌なテスカトリポカ。

 激しい戦いを察知し戦神は残酷に笑う。

 

 彼にとっては何よりも、戦士らの闘争こそが至極。

 故にこそ止めはせず、寧ろ推奨すらがある。

 

 そして襲撃者の、新撰組の矛先はいつだって。

 世を乱す志士どもへと向けられるのだから。

 




新撰組がチンピラであることを定期的に擦りたい作者。
尺の都合で省略され、作者の頭ん中にだけある禁門の変。
組長が攘夷志士を嫌う理由の主人公たるモノなのでちゃんと書いた方が良かったなと。

なので次回はちょっとだけ真面目なお話。
作者がぐだぐだアフターで正気を失いそうだからというのも勿論ある……

オマケ

組長の好物 川魚の塩焼き 鯛の刺身 赤飯

琴ちゃんの好物 鯉のあらい 鯛の天麩羅 出雲
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