浅葱の影   作:CATARINA

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エピローグのエピローグ。
高難易度クエストってどういう設定なのかいつも気になるのよね。


新撰組裏切り四天王(欠員有)

「Weeeeeelcome!!! マスターちゃん、そしてオマケ共!!!」

「誰がオマケだ! お前が呼んだんだろうが……!」

「そうだっけ、覚えてないんだけど……まぁ良いか」

 

 一先ず無事に終わったアホ特異点。

 特異点の楔たるイレギュラーは消え、聖杯も無事回収……

 後は放っておいてもこの不安定な世界は勝手に自壊するだろう。

 

 だけどさぁ、()()()()()()

 折角こんな遊べる場所があるんだから最後にもう一花火……

 そう思っちまうのは俺がちとふざけ過ぎだからか。

 

 マスターちゃんに、揃いも揃ったりカルデアの新撰組一同。

 うーん壮観、美樹ちゃんとか源さんも居たら尚更凄まじかったろうに。

 

「はてさて、右から左までツラの良い野郎ばかり、本当に嫌になるな! もげろ!」

「言うほど酷くもないと思うけどね秋無くん」

「事実として子供にゃ泣かれる! 俺は辛い、耐えられない……」

「自分で言って自分で拗ねないで下さいよ」

「あ、あんまり虐めない方が良いですよ。恥も外聞もかなぐり捨てて泣き出すんで」

「最悪だ!」

 

 ワアッ……!

 冗談はともかく、何で俺ばっかり……!!!

 強面度合いなら良い勝負の鴨さんは子供には好かれてたしぃ!? 

 アーチクショームカツクナァ! イケメンとイケ女ばっかりで腹立つなァ!!!

 

「という事でお前らには俺の八つ当たりに付き合って貰おうかと思ってさ」

「本当に最悪じゃないすか」

「仕方ないだろ、高難易度クエストを作らないとラ〇ングルが煩いんだよ」

「理由が酷すぎる……」

「はいはいはいはい、ごちゃごちゃ言わねえ。アレコレソレドレ言いたい事は有るだろうが真面目にやれよ?」

 

 ____じゃなきゃ、死ぬぜ?

 

 秋無の呟きを認識し……同時に全員がその場から飛び退く。

 反応が遅れ、身体能力でも劣るマスターを拾った近藤の額をナニカが掠める。

 

「うーん、取ったと思ったニュブが、浅かったニュブね」

「ノブギョーの完璧な計算に従わないからノブ! これだからノブ撰組のメンツは……」

「ちびノブ隊長はニュー新撰組の隊長ニュブ!!!」

 

 ポコポコと白煙を上げながら乱闘を繰り広げるのは二人(?)のちびノブ達。

 その姿にはマスターらも見覚えがあり……浅葱の羽織を纏うちびノブ隊長。

 そして今は春夏冬亭の番頭を務める黒いちびノブこと勘定ノブギョー。

 言わずと知れた新撰組と縁の深いナマモノ達であった。

 

「何で二人がこんなところに?」

「組長に頼まれたニュブよ! 『アイツら最近腑抜けてるからさ、一回シメとこうぜ』って」

「ノブギョーは付き添いノブよ、コイツほっとくと信じられない被害出すノブ」

「他人の気がしねぇ〜、嫌な事ばっかり思い出しちまうぜ……」

 

 懐かしいね、地獄と呼称するのも憚られるあの悍ましい書類地獄。

 賠償賠償賠償、一つ飛ばして不良経費に事後報告の帳簿。

 

「ハハハ、思い出したら腹立ってきた。全員殺す」

「理不尽過ぎる!」「極一部の話でしょうが!?」「……すまない」

「分かった、前科ゼロ。俺に怒られる余地の無いやつだけ帰って良いぞ」

「「「………………」」」

 

 どうしたよ、別に遠慮はいらないぞ。

 そこまで言うんだからさぞ清廉潔白に働いてくれてたんだろうなぁ?

 

 誰とも言わず、黙り込んだままお互いに顔を見合せ。

 一斉にクソデカい、本当にデカいため息を吐いて一斉に抜刀する。

 

「素直で宜しい、因みに帰ろうとした奴はもれなく疾風迅雷落としだった」

「ドライバーの方は絶対ヤバいですからね組長、せめてバスターの方にして下さい」

「安心しろ、俺がやれば全部致命だ」

 

 さて、トラッシュトークはこの辺で良いか?

 ちびノブ隊長に勘定ノブギョー、見た目はちんちくりんだが実力は十分。

 本当に奴らが腑抜けてるならここも抜けられねえだろうよ。

 

「さて頑張れよお前ら、俺は後ろから応援してっから……」

「自分でやらないんです? 意外……」

「いきなり王手なんて面白くねえだろ、一先ず攻防を楽しめよ」

「ニュー新撰組、ちびノブ隊長! 推して参るニュブ!」 

「勘定ノブギョー! 頑張るノブ!」

「…………」

「マスター、確かに微妙にゆるい展開ですが実力は本物です。指示を!」

「__分かってる、行くよ皆!」

「ああ! 新撰組、出るぞ!!!」

「「「「「応!!!」」」」」

 

 おお、やる気だねえ。 

 さぁて俺ァ後ろからのんびりバフでも撒いてようかな……

 んー状況は、既読スルー二人、即レス一人。真面目な奴だなホント。

 後は……未読スルーだなこれ、野郎……たまにゃ集まりに顔くらい出せっての……

 

 

 


 

「ニュブ〜!?!?!?」

「やられたノブ…………」

「ん、やられちまったか。お疲れさん、よくやったぜ二人とも」

 

 満身創痍の二人を労って声を掛ける。

 返答はなく、グッとサインを出して両方気絶……

 いやホントによくやったと思う、近藤が宝具出してるもん。

 そんだけ削ってくれたら万々歳よ、後でボーナス出しちゃう。

 

「さて次!」

「まぁまぁ、落ち着けっての……まだお前らとやりたい奴は居るのさ」

「何? ……だが、これ以上何を出してくる気だ?」

「さぁ? 当ててみな、ハワイに招待してやるぜ」

 

 まぁお前らにゃ分からんだろうけどな。

 3、2、1……はい時間切れ、答えは自分の目で確かめてみてね。

 

「さてと、ちゃんと来るんだろうなアイツら……」

「! 旗を!?」

「お前らが使うんだから俺だって使うよ、そもそもそっちのが多いし」

 

 フェアじゃないだろ……しかも近藤の旗だから最大倍率よ?

 沖田とか病弱が吹っ飛んでるから過去イチ調子良さそうだし。

 

「秋無さん!」

「ん、なんだ?」

「なんか今なら産める気がするんで今晩とかどうですか!!!」

「帰って寝てろ……局長でも流石に頭の出来までは直せねぇか」

 

 どんだけハイになってんのよ君、正直ちょっとビックリした。

 後で自覚したら転げ回るヤツじゃあない?

 録音したから後で聞かせよーっと……

 

 直らないってのは確かにそりゃそうなんだけどね。

 イカレまで近藤のカリスマで直るようならこんな事にゃなってねえだろうし。

 

 そもそもそんな賢く立ち回れたら()()()死んでねえよな。

 要約すると身内殺しばかりが得意なアホ組織。

 本当に嫌すぎる、滅んだ方が良い……あ、とっくに崩壊してたわ。

 

 

「ハァ〜……ここまで救いようがないといっそ清々しいね」

「ハハハ、しかし今日ばかりはその面思う存分殴れる、釣られて来たのは我々の方ならば」

「見たくもないツラが雁首揃えてとはなぁ……」

「自分ここに居て良いんですかね?」

「何、最期まで彼に忠を尽くしたんだろう? それは誇って然るべきだ」

「新撰組裏切り四天王を連れてきたよ」

「新撰組裏切り四天王!?」

「誰が裏切り者だ……ったく、俺ん時はコイツらが裏切った方だろうが」

 

 呼ばれて来るはかつての同志。

 一度は誠の志に燃え、そして浅葱に散った壬生狼の仇敵共。

 アレよね、終盤で過去のボスラッシュとかあるとアツいよね。

 

「芹沢、伊東、服部……それから山崎まで」

「どうも皆さん。少しばかり場違いですが終ぞアンタらを殴れなかったモンで」

「軽々しく呼ぶなとは言ったが、こういう余興は悪かねえ。良くやったぜ秋無」

「サーヴァントとしての現界、それも正規のそれではなく彼の力による一炊の夢……なら遠慮しないさ」

「頼もし〜、是非楽しんでってくれ。俺はちょっと皆の維持で動けそうにねえ」

「おや、やらないのですか秋無殿」

「今回は皆の為の召集だからさ、ホストとして満足するまでは見物に回るよ……さて」

 

 秋無が翻した旗をがあんと一度打ち鳴らせば、全員の風貌が一変する。

 着古したような着物、血染めの戦装束、鎧甲冑……思い思いの装備に身を包んでいた一同、瞬く間にその衣を浅葱へと変えていく。

 

「……着付けまで頼んだ覚えはねえぞ?」

「この姿は……最早懐かしいとすら思えますな」

「カッコつかないでしょ、それとお前のあのクワガタ鎧はズルっこだから没収な」

 

 お前がアレで暴れ回るとキリがないから……

 マルチバース(レイドバトル)の色んなマスターちゃん達を集めても駄目そう、そんな雰囲気。

 あくまで今回は気分の良く喧嘩したいだけなのよ、やってやられてスッキリやりきらねえと。

 

 同時に全員の身体に力が満ち満ちている事に立香は気付く。

 先程までのちびノブ達とは比較にならない強力な恩寵…… 

 それ即ち、ここからが本番であるということに他ならない。

 

「皆、大丈夫?」

「無論だ、誰が相手であろうとやることは変わらない……!」

「……じゃ、誰が誰を殴りましょうかね?」

「近藤、土方。テメェらは俺だ、その青臭い性根叩き直してやらァ!!!」

「喧しい! やってみろ!!!」

 

「さて、知らぬ仲でもない。やろうか藤堂くん、齋藤くん?」

「……是非とも。一つ胸をお借りしますか」

「生憎と加減出来るほど器用でもないんで、全力でやらせてもらいますよっと……」

 

「となれば私は当然お二人と。全く愉快愉快、まさかこんな日が再び訪れるとは」

「お前らは楽しいかもしれないけどよ……ったく……」

「そう言いつつ随分と良い顔じゃあないすか?」

 

 マッチングが次々と成立していく。

 良いね、ごちゃごちゃした因縁とかこの際全部忘れて争ってくれ。

 俺ん中の建御名方も喜んでるよ、『アラソエ……アラソエ……』ってな。

 

「……秋無さん、もしかして____」

「おっと、そいつを口に出すのは野暮ってモンだぜマスター。俺たちゃ悪名高い新撰組の仇敵、浅葱の裏切り者。マスターちゃんが何を思ったとしても、決してそれ以上でもそれ以下でもないのさ」

「……そっか……そうだね」

 

 分かってくれて嬉しいよ。

 はてさて最後のマッチアップ、山南さんと沖田vs山崎くん……

 ちょっと不利過ぎねえ? 俺のバフが乗っかってるとはいえ向こうも旗バフ乗ってるし。

 流石に加勢しようかな……

 そんな風にぼんやり思っていた俺を、振り返った奴の視線が射抜く。

 

 わーったよ、そんな目で見んなって……邪魔して悪い、好きにやんな。

 お前にゃその権利が大アリだぜ。

 

 

 

 残された沖田は山南と肩を並べながら……その後ろで戦う仲間たちを思う。

 山崎烝、新撰組監察__その代表たる男。

 生前の彼は秋無の部下、つまり内勤組と呼ばれる隊士。

 かつて秋無の腹心であった勘定方の二人を始め、内勤の者は大抵腕っ節はそこそこ。

 頭である秋無の方がおかしいのだ、明らかに一介の商人の暴ではない。

 

「っつーワケで宜しくお願いします、沖田隊長に山南総長」

「……随分と丁寧ですね?」

「あん時の事ァ、忘れて下さい。組長が望まねえってなら俺の事なんざどうでも良い、気にするだけ無駄って話なんで……しかし、俺一人で隊長二人じゃ流石に荷が重いッスね? 誰かもう一人くらいどうです?」

 

 それ自体は間違いないだろう。

 この場で警戒するべきはやはり芹沢鴨。

 自分、齋藤、土方の全力を叩き込んでも立ち続けた屈強な肉体と精神。

 心根さえ揃っていればさぞ立派な武士たらんとしたろうに……

 そんな天性の化け物が近藤と土方と対峙している。

 可及的速やかに彼を排除、無力化して加勢に____

 

「総司! 油断するな!!!」

「よそ見とは随分な余裕だなぁ! ああ!?」

「ぐぅっ!?」

 

 何処か上の空、冷静さを欠いた沖田を近藤が現実に引き戻す。

 芹沢と競り合いながら周りをも俯瞰するその視野の広さは才に他ならない。

 しかしその警句が確かに意味を持つかは結局、本人次第なのだ。

 

「…………」

「沖田くん! ッ……!」

 

 飛ばされた暗器、新撰組総長の激でようやく正気を取り戻した。

 素早く袈裟懸けに一刀、山南が短刀を弾く。

 しかし防いだハズの攻撃は何故か守りをすり抜けその肩に深々と突き刺さる。

 

 一投目はブラフ、僅かな時間差で二本目を投げ、その死角に隠した。

 そう判断した瞬間には既に影は迫っている。

 背後から首元に添えられた凶刃、引き切る刹那。

 柔軟な身体を捻りながら鞘で後ろを殴打、一発を受けた山崎は下がる。

 

「惜っしい……アンタらの強さは百も承知なんで、ホントならさっきので決めたかったんですが」

「これが()()ですか……ホント、擬態も良いとこですよ」

「ソイツが俺の仕事でさァ、実んとこ組長と局長にしか見せちゃいないんスよねえ」

 

 仕事は主として諜報や潜入。

 内外の敵、須らくに悟られず使命を為す。

 拷問、粛清、暗殺……日の当たらぬ汚れ仕事。

 

 それを是と笑う男が居た。

 卑しき業を善きと褒めやし、彼らを労いさえした。

 その瞬間から、彼らは長たるをたった一人の男と定めた。

 

 かつて喪い、そして今再び与えられた右腕は忠義の証。

 即ち新撰組組長、内勤取締の左腕。

 

「あ、安心して下さい。毒とかは塗ってないんで……今日は」

「その、ようだね……!」

 

 迂闊だった。油断、満身、散漫……全て自らの過ちならば。

 あの男が、新撰組組長たる男が最後まで傍に居ることを許した同胞なのだ。

 

 

 

「ああ、面倒っスね。正面からじゃ厳しいなぁ……ま、やるだけやりますよ」

 

 短めの二刀をだらりと抜き、脱力した独特の構え。

 沖田も、山南も優に皆伝足る実力者、それ故に。

 その構えに真っ当な武が宿っておらぬ事を理解し、それでも伝わる殺気に身構える。

 

 実用の型。

 切り結ぶ勇猛な剣に在らず、ただ殺すばかりの____

 或いはこの場に齋藤が居れば、その本質にも気付いただろうか。

 

 

 

 




カドケシを得るにはそれなりな覚悟が必要。

編成条件は『新撰組』属性持ちだけ。
毎ターン組長が違うバフを付けてくるので注意。
wave2から『新撰組特攻』と『新撰組特防』も付与してくるぞ。

wave3は……まぁ予想通りだと思う。
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