新年2人きりで過ごすトレタプ見てぇーーー!!

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ハレ渡り

「はーさむさむ…」

 

 元日…初日から足繁く初詣や初売りに外を歩き回り精力的に活動する人もいれば、たまの休日を満喫しようと時間を贅沢に使って寝まくる人もいるだろう。

 去年一昨年を思えば俺もその前者側だが……今年は俺の担当のトゥウィンクルシリーズも一段落。春になるまでは少しお休み期間にしようということで寝正月を決め込む予定だった。

 

「タップ〜…おせち受け取ってきたよ〜」

 

 こたつ争奪ジャンケンに負け渋々受け取ってきたおせちの袋を提げながら自宅のドアを開ける。

 タップダンスシチー…俺の担当バはどうやらこたつで寝ているのだろうか?反応がない。仕方ないなぁと呆れつつ昨年度の頑張りを思えばこうしてゆっくりするのも正当な権利だろうとも思う。

 有馬記念を走り終えたのがつい1週間前、無尽蔵の体力と思っていた彼女も気を張っていたのか、以来テンションがやや緩んでる。まぁ…怒涛の戦績だったからな。

 そんな訳で、休息もかね今年は仲間で正月を祝わず各々家族と過ごそうという話になったが…タップは年末年始という短期間のためにアメリカに帰る訳にもいかない。寮の仲間はだいたい帰ってしまった為、仕方なく俺の家に転がり込んで一緒に年を越した。

 俺?俺は…まぁ…実家に顔なんて滅多に出さないし…いいよ…帰省なんて。

 

「タップ〜…お昼食べる〜?」

 

 声はかけても反応は帰ってこない。寝正月を決め込んでるらしい。ま、ご飯の匂いがありゃのそのそ起きてくるでしょ。

 お祝い気分で重箱3段、予約したおせちをこたつの上に並べお雑煮の準備をする。関西風関東風と本来は棲み分けされてるのだろうが、スーパーで売られてる餅の関係上四角い角餅を使い、昨日の晩の味噌汁を再利用したどこ風かも分からないお雑煮が生まれる。

 再利用前提で多めに作った甲斐もあり、多分これで三が日大丈夫だろうという量のお雑煮が完成した。

 甘く立ち込める味噌の匂いに頬を綻ばせタップの分、そして自分の分をよそいこたつに運ぶ。

 

「タップ〜…そろそろ起きよ〜」

「…ん〜」

 

 トプトプと甘酒をコップに注いでやりながら声をかけると、ようやく夢の世界から微睡みまでお帰りになったようだった。

 こたつと電気カーペットの温もりとお雑煮や熱燗の湯気で頬が上気する。外が寒いから、温かさにこうして心を穏やかにできるのだなぁとしみじみしながらテレビをつける。テレビの中じゃ、芸人らが特番と称して各地の観光地の様子を紹介していた。

 

「あ、テイエムオペラオー」

 

 テレビに移ることも多いトレセン生。特にドリームトロフィーに上がった者はこうしてバラエティに呼ばれることも多々ある。テイエムオペラオーなら…喜んででるだろうな。

 いつものオペラオー節を威勢よく飛ばし温泉地を回る彼女を見ているとなんだか正月らしさを感じない。テレビ、それも正月特番という少し離れた世界の物のはずが見知った顔がいるとその前提が無くなり正月感をも無くしてしまうのか。

 そんなふやけたことを思いながら雑煮をすすっていると、コタツに潜らせていた足に感触が伝わる。

 

「おはよタップ」

「あぁ…今何時だ…?」

「12時半。おせちとお雑煮、どーぞ」

「Thanks」

 

 食欲は衰えてないのか、寝起きにも関わらず早速箸を動している。好きに食って好きに痩せる、そんな彼女らしい食いつきに少し安堵する。

 大きなエビに、殻ごとかぶりつく様子はいつ見ても豪快で気持ちがいい。

 

「おっ!栗きんとんじゃないか!!」

「はいはい、いっぱい食べな〜」

 

 いいおせちだからだろうか、栗がツヤツヤしていい光沢を放っている。さながら宝石のような栗を飲み込む勢いでかっこむタップ。大して俺は黒豆をチマチマ口に運ぶ。市販のよく売られてるやつより甘さが抑えてあって、これが高級の味か〜なんて庶民丸出しな感想が頭に湧き出ながら熱燗をグイッと1口。

 

「はい、お年玉。今年もね」

 

 お雑煮もほとんど啜られた頃合を見てポチ袋を渡す。昨年仲間みなに配った時は犬もかくやと喜ぶタップだったが、今年は何やら違うらしい。複雑そうに頬を膨らませ受け取っている。

 

「…」

「…額少ない?」

「いいや…子ども扱いされてるって言うか…」

「扱いも何もまだ学生なんだし子どもだよ」

「partnerだろ」

 

 可愛らしい怒り方である。元から距離の近い彼女と過ごし相棒として時間を送ってきたが…何やら彼女の中で自身の、そして俺に対しての意識が変わったようだった。もしかしたら…案外それで悩んでたのかもな。

 教え子の、相棒の成長を感じ笑顔が零れる。曲がりなりにも指導者。身体的成長はいつも見ているが精神的な成長を感じるのも大きな喜びだ。

 

「それはそれ、これはこれ。貰えるうちは貰っときな」

「なら…これで一緒に美味いもんでも食いに行かないか?」

「ご馳走は目の前にあるでしょ〜?それに、タップにあげたお金なんだから自分のために使いな」

「元々この金はアタシとアンタで稼いだ金さ。なら、その使い道はアタシらの為にでいいだろ?」

「ん〜…そういうもんかねぇ…」

「なんなら、この後デートでも行くかい?」

「明日なら、ね」

「なら決まりだ」

 

 機嫌を直してくれたのか、こたつの向こうからでもしっぽが忙しなく動くのが見える。今年も1年、楽しくなりそうだな。予感と共に、ぎゅっとタップの手を握る。




ビックカメラの福箱購入待ち中に書きました

本年もよろしくお願いします(喪中につき…ね)

トレタプが付き合ってるかどうかはご想像にお任せしますが、デートをすんなり受け入れる辺りトレーナーはタップの好意にほんのり気がついます。罪な男め

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