白河さんのお嬢さんがガンプラバトルを始めたんですって   作:星龜

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プロローグ


 

西暦2012年―。

 

人類と深海棲艦との戦争は、和平によって終結した。

 

役目を終えた艦娘は退役し、普通の少女に戻って平和になった世界で暮らしていた。

 

そして、陸上へと移った深海棲艦達がもたらした、プラスチックに反応する新粒子

プラフスキー粒子

と、ガンダムのプラモデル…通称「ガンプラ」を用いた対戦を行う

ガンプラバトル

が大きな反響を呼び、艦娘や深海棲艦達も、このガンプラバトルを楽しんでいた―。

 

 

西暦2030年―。

 

関東地方の某所にある都市

縦須賀(たてすか)

にあるガンプラバトルアリーナにおいて、アリーナ主催のガンプラバトル大会の決勝戦が行われていた―。

 

 

宇宙空間のステージで、緑色に塗られた軍警ザクが自作の槍を持って突進してくる。

 

その軍警ザクの後方から、水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)がハクジのビーム砲で支援射撃をする。

 

突進してくる軍警ザクを見据えるのは、全身真っ白の機体に赤の差し色が入ったガンダムルブリスの改造機

斬空(ザンクウ)ルブリス―。

 

そんな斬空ルブリスを扱うのは

白河(しらかわ) 祥華(さちか)

という、中学1年生の少女。

 

斬空([祥華])ルブリスの左腰には、ビルダーズパーツHD MSランチャー01に付属している刀を携えている。

 

祥華は正面モニターに映る緑色の軍警ザクを見据える。

 

そして…

 

室町(ムロマチ)流奥義!!

義詮二段(ギセンニダン)!!

と叫んで操縦桿を動かす。

 

すると、斬空([祥華])ルブリスは左腰に携えている刀を抜き、袈裟斬りの動きで刀を振り下ろす。

 

すると、振り下ろされた刀から

青白い光波が放たれた

 

斬空([祥華])ルブリスが振り下ろした刀から放たれた青白い光波が、緑色の軍警ザクに当たるや

緑色の軍警ザクは真っ二つになった―!!

 

 

残った水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)が、ハクジのビーム砲を撃ってくる。

 

ギャン(GQ)のハクジは、本来、白兵戦用の武器だが、水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)のファイターは接近戦が苦手なのか、ハクジを射撃武器として使用している。

 

《祥華!!

アイツはあたしにまかせて!!〉

と、早潮からの通信が入った。

 

「わかりました。

お願いします、早潮先輩。」

と、水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)の相手を早潮にまかせる祥華―。

 

 

祥華とコンビを組んでいる早潮は

元陽炎型駆逐艦娘

である。

 

使用する機体(ガンプラ)は、黒と赤に塗り分けたリック・ドム(GQ)だ。

 

はい

あたしが元陽炎型駆逐艦娘、早潮

浦賀生まれ

よろしくね☆」

と口上を述べながら水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)に立ち向かっていくリッ([早潮])ク・ドム(GQ)。

 

水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)は、向かってくるリッ([早潮])ク・ドム(GQ)に向けてハクジのビーム砲を撃つが、リッ([早潮])ク・ドム(GQ)は右に左に回避する。

 

やるしか、ないよ!!

と、ジャイアントバズを撃つリッ([早潮])ク・ドム(GQ)だったが、リッ([早潮])ク・ドム(GQ)の攻撃は、水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)が左手に持つ盾で防がれた。

 

しかし、リッ([早潮])ク・ドム(GQ)のジャイアントバズの砲弾の爆発により発生した爆煙で水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)の視界が遮られた。

 

その隙をついて、リッ([早潮])ク・ドム(GQ)は水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)との距離を一気に詰めた。

 

そして、ヒートサーベルで水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)のハクジを斬り裂いた。

 

水色と青のツートンカラーのギャン(GQ)のファイターは、本当に接近戦が苦手だったようだ。

 

ビームサーベルを使うこともなく、ハクジを失って右往左往しているところを、リッ([早潮])ク・ドム(GQ)のヒートサーベルで叩き斬られた…。

 

 

『BATTLE ENDED.』

というアナウンスが流れ、バトルシステムがシャットダウンする。

 

『優勝は縦須賀中学校ガンプラバトル部!!』

というアナウンスが流れると、観客席から怒涛のような歓声があがった―。

 

 

 

 

 

 

白河 祥華は西暦2017年

元海軍提督の白河 洋一

と、洋一の秘書艦であった

元祥鳳型軽空母娘の祥鳳

の娘として生まれた―。

 

 

小学校を卒業した祥華は洋一と一緒に、提督適性のテストを受けるため、海軍本部に来た。

 

2012年に人類と深海棲艦との戦争が終わったといっても

終戦を知らない深海棲艦

新たに誕生する新種の深海棲艦

の出現により

実質、人類と深海棲艦の戦争は終わっていない

というのが実情だ。

 

そのため、終戦から20年近く経った2030年の現在でも、艦娘と、艦娘を指揮する提督は必要だ―。

 

 

提督に必要な能力は、艦娘の指揮能力だけではない。

 

妖精

と呼ばれる小人との絆も必要だ。

 

しかし

普通の人間には、妖精の姿を見ることができない

のだ。

 

それゆえ、提督適性のテストの内容は至極単純だ。

 

妖精が見えるか、見えないか…

 

それだけだ…。

 

 

試験会場に入ると、事務机に座った、軍の制服を着た中年女性の試験官が

「机の上にいる妖精が見えますか?」

と訊いてきたので、祥華は

「見えません。」

と答えると

「わかりました。

これで、提督適性試験は終了です。

お疲れ様でした。」

と試験官に言われたので、祥華は

「ありがとうございました。」

と礼をして試験会場から出た…。

 

 

部屋の外で待っていた洋一は、祥華がすぐに出てきたことで、全てを察した。

 

「残念だったな…。」

と洋一は祥華を慰めたが…

 

しかし、祥華は何も思わなかった。

 

提督になる気など、毛頭無かったからだ。

 

だから、提督の適性が無くても、何とも思わなかった。

 

ただし、祥華は提督になる気が無かったからといって、妖精が見えなかったと嘘を言ったのではない。

 

本当に見えなかったのだ―。

 

 

一般的に『提督の子は提督』と言われる。

 

一般論からすれば、祥華は妖精を見ることができたはずだ。

 

だが、実際、祥華の目には妖精は見えなかったのだ…。

 

 

提督の適性が無かったことで、祥華は春から軍の提督養成学校に通わなくてすんだ。

 

普通の中学校に行き、普通の中学生生活を送れるのだ。

 

むしろ、祥華はそういう学生生活を送りたかったのだ―。

 

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