ブルアカ転生記譚 作:背教者
600:名無しの転生先生★
そんなわけで顔合わせは無事終了!
今日はご飯食べてお風呂入って寝るだけだね
601:名無しの転生生徒
明日は百夜堂に行って依頼の内容を確認して動くって感じか
604:名無しの転生生徒
いやーまさかアヤメの偽物が出るとかいう新展開が起きるとは
606:名無しの転生生徒
イズナが変装してるとかじゃないよな?
609:名無しの転生生徒
>>606
俺も考えたけど尻尾あるから無理じゃないかな
武器種も違うし
611:名無しの転生生徒
原作を考えると怪異の可能性もあるんだけど
魑魅一座と行動してるってのがノイズなんだよな
612:名無しの転生生徒
ナグサの失踪事件が起きてないって事は『友達と思った事なんてない』と言ってないわけで、つまり『ナグサの恐怖から生まれたアヤメの怪異』の線は無いんよな
だからあるとすればアヤメが倒せなかったアヤメのドッペル怪異なんだろうけども
これ裏で花鳥風月部関わってたりしねぇ?
615:名無しの転生生徒
>>612
十分あり得る
原作と違ってアヤメを引き込めてないから、コクリコが裏で動いてる可能性はある
618:名無しの転生生徒
アヤメを孤立させようって企てならまああるかもしれん
ドッペル怪異の時点でコクリコがなんか動いてたっぽいし、それの延長って事で今も動いてるかも
619:名無しの転生生徒
今まで散々頼まれごとを引き受けて解決してきたのに疑い一つで掌返されたとすれば、原作以上に失望度合い高くなりそうよな
620:名無しの転生生徒
こう言っては何だが、原作アヤメは自分の心境を素直に吐き出してれば何とかなってて、住民はそこまで悪くはなかった。もうちょっと自助努力しろよとは思う
でも今の状況だと失望度合いは原作より高くなっててもおかしくない
621:名無しの転生生徒
そう考えるとレイトが居るからか踏みとどまれてるのは不幸中の幸いか?
623:名無しの転生生徒
かもしれんなぁ
桜花祭で百花繚乱二章をやる可能性も捨てきれないが
624:名無しの転生生徒
花鳥風月部と結託してないと怪異ヒトツメ化はしないだろうから大丈夫じゃないかね
問題は敵対したアヤメに勝てる奴いるのかって話だが
625:名無しの転生生徒
本音ぶちまけたらまず間違いなくナグサや百花繚乱メンバーは戦闘不能になりそうではある
628:名無しの転生先生★
初対面の私には力になれそうもない……
素直にレイトを頼るとしよう
630:名無しの転生生徒
それが良いと思う
多分だけど先生が口を挟んだらアヤメさんガチギレすると思う
633:名無しの転生生徒
何も知らないクセにぃ! とキレられる未来は見える
634:名無しの転生生徒
実際原作先生ってアヤメとそんなに喋ってないんよね
636:名無しの転生生徒
むしろアヤメを前にした面子の方を気に掛けてた印象
639:名無しの転生生徒
百花繚乱編自体がアヤメの爆発で起きたところあるからな
それに生徒が主体的に解決していくことを原作先生は望んでいたし
642:名無しの転生生徒
先生が出来る事はその解決できるだけの環境や手札を整える事だからな
SRT廃校撤回が正にそれ
644:名無しの転生生徒
レイトが署名や信任状を集めたけど、それも先生がSRTの責任を負う事を表明したからこそだし
責任を負う者が居なかったらどれだけ集めたところで意味無かったからな
646:名無しの転生先生★
まあ下手に口出し出来る事じゃないからね……
それはそれとしてお夕飯です
豪勢なご飯出てきた。賓客対応ってすごい
【大量の懐石料理の数々】
647:名無しの転生生徒
いきなり飯テロはやめてくんね???
648:名無しの転生生徒
人が真面目に話してるって時に暢気だのぉ……
650:名無しの転生生徒
これくらい図太くないと先生やれねぇのかもしれねぇな
651:名無しの転生生徒
これは先生の資質に関係ないような気も……
652:名無しの転生生徒
シンプルに先生が畜生過ぎる
原作も割と畜生なとこあったわ
654:名無しの転生先生★
酷い言われようだ……
655:名無しの転生生徒
>>654
あまりにも残当
658:名無しの転生生徒
>>654
飯テロは許されざるですよ
659:名無しの転生生徒
>>654
高級懐石料理をそんだけの量食べられるって滅多にないのもあって憎さマシマシよ
662:名無しの転生生徒
材料費の関係で作りたくても作れねぇ
663:名無しの転生生徒
>>662
いや材料あれば作れるんかい
666:名無しの転生生徒
>>663
俺もともとは陰陽部お抱えの料理人だったもん
生まれも育ちも百鬼夜行だったからそれなりに修行積んでたぞ。ニヤからの評判も良かった
669:名無しの転生生徒
日本人メンタルがあると戦闘から遠ざかろうと手に職求めるよな
俺もソーナノ(ゲヘナ給食部)
672:名無しの転生生徒
自ら戦場に乗り込んだ
674:名無しの転生生徒
ミレニアムだと機械で高級料理を調理できるようにするプログラミングの試行錯誤で予算嵩んでた思ひ出……
あと太ってダイエットに苦しんだ思ひ出……
676:名無しの転生生徒
この世界のルミ会長元気にしてっかなー
679:名無しの転生生徒
先生が関わったらシャーレでも会えるさ
もしかしたらレイトの縁で会うかもしれんし
680:名無しの転生生徒
そういえば山海経って署名に協力してたんだろうか
あそこ排斥思考強いが
683:名無しの転生先生★
山海経?
署名にはあったね。ただ信任状は貰えてない
686:名無しの転生生徒
署名にはあったのか。それだけでも凄いな
688:名無しの転生生徒
今の時期の山海経って外部からの接触を凄い嫌ってる筈だが、レイトそこにも伝手はあるんだな
689:名無しの転生生徒
玄武商会じゃね? あそこは外と交流を持とうとする動きあるし
691:名無しの転生先生★
>>689
あーそうそう、その名前の商会の会長さんが署名を集めてくれたって聞いた
ただ生徒会長相当の人には面会できなかったから署名も信任状ももらえてないって
692:名無しの転生生徒
なるほどな
ルミとは知り合ってるが
695:名無しの転生生徒
まあ予想通りだな
697:名無しの転生生徒
むしろキサキからも協力取り付けれてたらそっちの方が恐ろしいわ
699:名無しの転生生徒
原作でも山海経トップと会えるのは結構後だからしゃーなしや
702:名無しの転生生徒
山海経の伝統を守るためってお題目で干渉を嫌ってるからなあそこは
政治的に見るとシャーレに対して大きく出遅れた事になるからよくないんだが、現状の影響力からそうは考えられんだろうし
703:名無しの転生生徒
まあ最終編そのものにはさして関係ないから気にしなくてヨシ
704:名無しの転生生徒
俺らはな
先生は話が来たら行かないとだ
707:名無しの転生先生★
色々難しいんだねぇ……
とりあえずご飯食べ終わったからお風呂行ってくるー!
温泉だー!!!
710:名無しの転生生徒
行ってらー
713:名無しの転生生徒
温泉かぁ
……温泉かぁ(頭を過った連中をぶっ飛ばす)
716:名無しの転生生徒
正直あいつらのせいで『温泉』って単語が嫌いになりそうなところはある(元風紀委員)
719:名無しの転生生徒
ゲヘナ以外の自治区でも暴れる奴らだから始末に負えないんだよな
722:名無しの転生生徒
しかも部活として承認されてるという
724:名無しの転生生徒
なお掘ろうとするところは軒並み無許可な模様
727:名無しの転生生徒
そのせいでヒナちゃんにボコられてトラウマになってるしわしわカスミは可愛いね♡
オラ、反省しろ!
730:名無しの転生生徒
ヒナ委員長が出張らないとカスミが行動不能に中々ならないのがな……
731:名無しの転生生徒
しかもどこからかヒナの勤務形態とか時間を把握しているとかいう
あれ絶対マコトが嫌がらせで情報流してただろ
733:名無しの転生生徒
真実は定かではない
だがマコトならやりかねないという負の信頼がある
735:名無しの転生生徒
ついでに出来上がった温泉旅館も壊されるんだよな
なのになんで作ろうとするんだろう
737:名無しの転生生徒
温泉が出てくるって謎の導きがあるかららしい
740:名無しの転生生徒
はた迷惑すぎる
741:名無しの転生生徒
ジュリに対するクソデカ感情の理由結局分からずじまいなんだよな
なんか闇があるとは思うんだが
742:名無しの転生生徒
俺らに被害が来なければどうでもいいわ
流石にシャーレ爆破まではあいつらもせんだろ
743:名無しの転生生徒
……どうだろう?
744:名無しの転生生徒
あの温泉開発キチがシャーレだからって手を緩めるとは思えんが
746:名無しの転生生徒
この世界のシャーレには俺らとSRTが詰めてるから温泉開発部数百人に対抗は出来るだろう
その間にヒナに通報して来てもらえば大丈夫だ
問題は爆弾をひそかに仕掛けられて発破された場合かな
まず先生は死ぬ(確信)
749:名無しの転生生徒
そんな事でプレ先ルートに入ったらカスミを許せそうにないぞ俺……
750:名無しの転生生徒
許せる奴の方が少ない定期
752:名無しの転生生徒
カスミ嫌いではないから嫌いになりたくないよ俺
755:名無しの転生生徒
ゲームの時は好きだった子がリアルに接するとヤバ過ぎて好きになれない現象が辛い
ハルナお前の事だよ頭美食がよぉ
757:名無しの転生生徒
転生者特有の苦しみよな
760:名無しの転生生徒
転生者特有という意味では推しがそもそも存在してないっぽいのがつらい
ワカモどこだよ……
761:名無しの転生生徒
ホシノどこ……どこ……???
763:名無しの転生生徒
推しのセリカの実在を知れたワイ、低みの見物
764:名無しの転生生徒
アヤネも居るらしい事を知ったウチ、高みの見物
766:名無しの転生生徒
未だにアビドス勢がどれくらい存在出来てるのか謎なのが怖いんよ
767:名無しの転生生徒
他のネームドも存在しているか分からんから気を抜けないんだよな
770:名無しの転生生徒
怖いなぁ
870:名無しの転生先生★
桜花祭前日だけど既に観光客が多い!
百夜堂まででもかなりの人込みだよこれ!
【人、人、人の図】
871:名無しの転生生徒
人酔いしそうなくらいいるなぁ
873:名無しの転生生徒
ゲームだと分かり辛いけどそりゃ人込みばかりだよね、目玉の祭りだし
そりゃ人とぶつかるわ
875:名無しの転生先生★
言ってたら狐っ子とぶつかった! ごめんねぇ!
【転倒したイズナに手を差し出す図】
878:名無しの転生生徒
イズナか
原作通りぶつかったな
881:名無しの転生生徒
その子がイベントで登場した子やで先生
884:名無しの転生生徒
狐だけどわんこ属性で可愛いぞ
885:名無しの転生先生★
一人称イズナなんだ、かわいい
元気いっぱいでかわいい
忍者が夢で頑張ってるのかわいい
やだこの子甘やかしたい
888:名無しの転生生徒
先生の好みにドストライクだったかw
891:名無しの転生生徒
ドストレートな好意を向けてくれる子だから好きになるよな
俺もそーなの
892:名無しの転生生徒
イズナが嫌いなやつは基本捻くれてるやつと考えていいからな
893:名無しの転生生徒
あと共感性羞恥
目の前で印を切らないでくれ、目を背けたくなる
895:名無しの転生生徒
なお身体能力で忍術を成功させる模様
無法が過ぎる
898:名無しの転生生徒
修行自体はガチなのすごいよな
899:名無しの転生先生★
やる事があるからって急いでどこかに行っちゃった
イベントキャラとの事だしまた会えるかな?
900:名無しの転生生徒
まあ割とすぐに会えるよ
901:名無しの転生生徒
とりま百夜堂行くべ
原作となんか違うっぽいそっちの方を気にした方が良い
902:名無しの転生生徒
魑魅アヤメが果たしてどんな感じなのか知っておかないとだからな
花鳥風月部が関わってたら桜花祭どころじゃなくなる可能性もある
904:名無しの転生先生★
それは嫌だなぁ
じゃあ頑張りますか
「いらっしゃいませ、先生! 百夜堂へようこそ! にゃんにゃん!」
古くから続く喫茶店『百夜堂』の店主を務める河和シズコが元気な顔で接客してくれた。
今は開店前とのことで、店内にいる客は私、セリカ、レイト、アヤメの4人を除いて居ない。これなら部外者も居ない相談も出来るだろう。
”こちらこそお招きありがとう。桜花祭ってすごいね、人が多くてびっくりした”
「そりゃあ百鬼夜行が誇る四大周季祭ですから! 夏、秋、冬にもそれぞれありますからその際は是非お越しください! 勿論、百夜堂にも是非! 季節限定商品もお出ししますからね♪」
”あはは、営業が上手いなぁ”
看板娘らしいシズコの営業トークに笑みが零れる。
柔らかい対応でキッチリと売り込んでくる、しかし不快感はないその絶妙な塩梅はなるほど、陰陽部部長が認知するほどだと思った。
それだけ頑張ってるんだなと思うと微笑ましくなる。
”それで、さっそくだけど仕事の話をしようか。相談したい事があるって電話で言ってたけど……昨日陰陽部の人と顔合わせをした時に聞いたけど、桜花祭を邪魔しようとする人たちがいる話と関係する事かな?”
それはともかく、時間は有限だ。仕事の話もしなければならないので私の方から話を切り出した。
それにシズコも笑顔を引っ込めて真剣な表情になる。
「ご存知であれば話は早いです。そうなんです。あと、その……」
そこで言葉を詰まらせながら、ちら、と目を逸らす。
視線の先にはレイトの隣に立つ少女――アヤメの姿が。
なるほど、と頷く。
”魑魅一座にアヤメがいる、という話も聞いてるよ”
「それもご存知でしたか。いや、まあ、ご一緒してるならそうかもと思ってましたが……」
”彼女は私達が百鬼夜行に居る間の案内役兼護衛として陰陽部の部長から任命されてるよ。だから魑魅一座が暴れてる時に出てきたら、それはアヤメ本人じゃないって事になる。とりあえず今は彼女を信じてあげてほしいかな”
「私はそもそも疑ってませんよ。私自身が魑魅一座とアヤメさんが一緒に暴れてるところを見た訳じゃありませんしね。大方魑魅一座を鎮圧してるところを、アヤメさんを恨めしく思ってる人達が虚偽を混ぜて吹聴してるだけでしょう」
むぅ、と怒ったように言うシズコ。どうやら彼女はアヤメが暴れているのでは、という話を信じるに値しないと考えている様子だった。
「だいたい信じられる話じゃないですよ、アヤメさんが悪事に加担してるなんて。私が入学する前から百花繚乱でバリバリ動き回って治安維持に貢献して、2年生の時点で当時の委員長に継承戦を挑むのも許された方ですよ? この目で現場を見ない事にはちょっと信じられないですね」
”そんなに動き回ってたの?”
「はい。当時の委員長よりも見かける頻度が高かったくらいです。委員長になった時も反対意見は出なかったと聞きますし、住民の皆さんからも不満は聞きません」
”へぇ……凄いね、アヤメ”
素直に感心してアヤメを見ると、彼女は頬を染めながら顔を背けていた。恥ずかしがっているらしい。
「あの……せめて、本人が居ないところで言ってほしいかな、そういう事は……」
「恥ずかしがらなくていいと思いますよ? 誰からも認められてるって、本当にすごい事なんですから」
「あーあはは……ありがとうね、シズコさん」
屈託ない称賛に、アヤメは諦めたのか苦笑を浮かべる。
「それで……その魑魅一座、だっけ? そいつらの目的って何か分からないの?」
空気を入れ替えるためか、セリカがそう問いかけた。
その意図を察したかシズコも応じるように顔を向ける。
「これと言って分かってないです。伝統がーとか言って、桜花祭を邪魔しようとしてるだけしか。今日まで何度も準備を邪魔してきた時にそう言ってましたけど具体的には……」
「伝統か……河和、今回の桜花祭に例年と違う要素はあるか?」
取っ掛かりと見てか、レイトが問いかける。
シズコはその問いに、桜花祭の紹介パンフレットを取り出してぶつぶつ呟き始めた。演目等を見てこれまでの準備してきたものを振り返っているらしい。
「屋台は、場所くらいだし……歌唱も歌い手が違うだけで場所は同じ……提供する品も大きくは変わらないし…………うーん……?」
うんうん唸るシズコ。お祭り運営委員会の委員長としてあらゆる準備に携わってきたからか、候補が多過ぎるらしい。
「ねえ先輩。先輩って今まで桜花祭に来た事無いの?」
しびれを切らしたか、それとも助け舟のつもりか、セリカが疑問を呈した。多分これまで参加したことがある人なら違いに気付くかもと思ったのだろう。
「いや、生憎だが無い」
「そっか。じゃあアヤメさんは? 地元民だから分かりそうなものだけど」
「むしろ地元民だから『この祭りはこれやる』ってくらいしか認識しないんだよね。警備も場所と時間の確認が主だから毎年の内容の違いまでは気にしないし」
”うーん地元民の感覚だ”
そういえば私も地元の祭りは目玉をおぼろげに覚えてるくらいで細かくは見てなかったな、と思い出した。観光に来てる人ならよく調べるのだろうけど地元だと馴れたものだから気にしないのだ。
つまり地元の人だと気付きにくいという何かを目的にして動いているという事だろうか。
「―――例年との違いといえば、花火だな」
そこで、私達のものではない声が店内に上がった。
男性のそれは、しかしレイトのものとも違う若干しゃがれた、年齢を感じさせるものだった。誰だろうと思って声がした方を見れば、袴を来た猫の獣人が店の入り口から入ってきていた。
今って開店準備中の札が掛かっているはずなのだが……
「あ、ニャン天丸会長!」
”ニャン、なんて?”
シズコの呼びかけに、うん? と首を傾げる。
ビジュアル相当ではあるけど声を聴くとちょっとイメージとかけ離れた名前で、一瞬脳の理解が追い付かなかった。
「商店街の会長さんデス! おはようございマース!」
「ああ、おはようフィーナちゃん。シズコちゃんも開店前に悪いね」
「いえ、お気になさらず」
店の奥で準備をしていた金髪和服の少女・朝比奈フィーナの挨拶で、彼が商店街会長にいる人であると知る。
「それで……会長。花火ですか?」
「昔からこの『百夜ノ春ノ桜花祭』の最後には、伝統的に花火が打ち上げられていた。でも今回はちょっと違うんだろう?」
「はい。今回のお祭りのフィナーレのために、ミレニアムにお願いした特別な装置を使います」
「ホログラムで花火を再現する、天気も煙も関係ない、specialでniceな機械だと聞きマシタ!」
シズコとフィーナが言いながら店の奥を見やる。彼女達の視線を辿れば、大がかりな機械が鎮座しているのが見えた。
喫茶店に似つかわしくないそれが、件のホログラム花火の投影装置なのだろう。
同じくそれを見たらしいニャン天丸は、ふん、と鼻を鳴らした。
「お金のかかってそうな機械だな……まあ何にせよ、何かが変わるということを、誰しもが簡単に受け入れられるわけじゃない」
「それはそうですけど……それが理由で、桜花祭を邪魔するなんて。私はただ『百夜ノ春ノ桜花祭』を、今まで以上に素敵なものにしたくって──―」
「あくまで推測だ。それに儂だって今さら、このことを蒸し返したいわけじゃあない。ただ、気に食わんと思うやつらもいるだろうなって話だよ。学生がこんなに金を使って……ってな」
「ですが、私たちも趣味や道楽だけでやってるわけじゃありません! 全てはお祭り運営委員会の委員長として、桜花祭を素敵なものにするために! それだけは自信を持って言えます!」
「ハイ! お祭りというのは、毎年どんどん楽しくなっていくべきデス!」
そのやり取りは、保守と革新、老人と若人の争いのようだった。
どちらも言わんとする事は分かる。
伝統を守る。それはただ変わりたくないという意思だけでなく、その伝統を技術を以てなしてきた人たちの食い扶持を守るためという事情もあるのだ。そういう事は外の世界でも往々にして存在してきた。
今回であれば、花火師の職が失われる危惧がある。そういう想いも背負っている商店街の会長として背負っているのではないだろうか。
だが反面として、天気に左右されず、また花火を打ち上げる際に考えられる被害やリスクを度外視できるホログラム花火にも利点があるのも事実。
予測し切れない天候に左右されず実施できるという点で言えば、お祭りを取り仕切る側からすれば願ってもないものであるのも確か。それを楽しみにしてお祭りに来ている観光客としても無事に実施されるとなれば喜ばしい事だろう。
だからこそどちらの意見も分かる事で、とても難しい話だとも思った。
……ただ、気になる事はあるが。
―――学生がこんなに金を使って、か……
「……ふん、そうかい。じゃあそうなるように頑張りな」
二人の熱意、そして明日が当日でもう変えられないと分かっているからか、ニャン天丸会長は引き下がるようだった。
皮肉げに笑いながらのその言葉に、しかし当の二人は気分を害した様子もなく、むしろ屈託なく笑った。
「そうやってぶっきらぼうですが、会長はいつも手伝ってくれますし。今回の桜花祭でも、色々と心配してくれてますもんね」
「フィーナ知ってます! 『ツンデレ』ってやつデスね!」
「違うわい!」
くわっ、と怒るニャン天丸会長。それにさらに笑顔を浮かべるシズコとフィーナ。
意見の対立こそあれ、なんだかんだ仲が良さそうだった。
「……それで、実際どうするつもりなんだい? そろそろあいつらを止めないと、このままじゃ桜花祭がめちゃくちゃになっちまう」
こほん、と咳払いしてからニャン天丸会長は仕切り直すようにそう切り出す。
それで直面している問題を思い出して、うむむ、とシズコが悩む顔になった。
「お頭、なにか良い案はありまセンか?」
”フィーナ、その呼び方はやめてね。私は真っ当な職の人間だから”
任侠好きが高じて百鬼夜行に転校したという彼女は、どうしてか私の事をお頭と呼んでいる。訂正しても中々直してくれない。
そりゃまあ、女だてらにかなり背は高いし、体格も良い方ではあるけど。
任侠映画に出てくるような物騒な雰囲気は無いと自分では思ってる身としてはちょっとショックである。
「……そういえば気になってたが、そちらさんは誰だ?」
”挨拶が遅れました。私、シャーレの顧問を務めている先生です”
「シャーレ……ああ、半月くらい前にニュースになってたキヴォトスの外から来たとかいう。あんたがそうなのか」
”はい。今後ともよろしくお願いします”
「ああ、よろしく」
ひとまず挨拶を済ませてから、シズコとフィーナの期待の視線を感じながらうーんと悩む。
”良い案と言ってもねぇ……”
「……とりあえず魑魅一座を捕まえて聞き出すのはどうだ? もう桜花祭の前日だ。そこらに散らばっているだろうから歩けば当たるだろう」
”まあそれしかないよね、現状だと。情報が無いし”
レイトの案に乗っかるように頷く。
するとセリカが首を傾げた。
「ニャン天丸会長が言ってた花火ってのが問題なら機械を守っておけばいいんじゃないの?」
”あくまで予想の一つだからねぇ”
「機械に警備を付けていたとして、そこから引き剥がすための陽動作戦をしないとも限らない。他に目的がある可能性も否定できない。魑魅一座と共にいるアヤメ、という話も気になるしな」
「そうだね。私としても、その事は魑魅一座に直接問い質したいところだよ」
ガシャ、とライフルをコッキングして弾を装填し直すアヤメ。
威嚇するようなそれは内心の鬱屈とした感情を表しているようだった。
――その直後。
―――ドカンッ!!! と。
爆発音が店の外から響いてきた。
マルクト姉様のレイドタノシイ! タノシイ!