ブルアカ転生記譚 作:背教者
あとタグにあるように本作は原作死亡者も生存予定です。出るのすっげー後になりそうですが
350:名無しの転生先生★
そんなわけで私はドローンで戦場を見渡しながら適宜注意を出して支援する役になりました
そして暴れてた子達を撃退しました
351:名無しの転生生徒
展開が早い!!!
353:名無しの転生生徒
そんなアッサリ終わる事ある???
355:名無しの転生先生★
いやなんかユウカ達が『いつもより動きやすい、調子がいい』って言ってて
レイトが乱入してきた戦車の一台を即座にぶち壊した途端不良の子達が蜘蛛の子を散らすように逃げて行ったんだよね
正直戦闘らしい戦闘そんなにしてないと思う……
358:名無しの転生生徒
あーやっぱり先生の指揮バフあるんだ
いやそれにしても強すぎでは
361:名無しの転生生徒
前世キヴォトスの先生もう少し時間をかけてた気がする……
364:名無しの転生先生★
私は戦闘のこと全然分からないけど、そんな素人から見てもレイトが飛び抜けて強かったと思う
あと圧が凄い
俯瞰視点で見ててもズンッ! ズンッ! って踏み込みながら突き進んでて私も圧を感じたし、対峙してた不良の子達も凄く怖がってた
365:名無しの転生生徒
威圧かぁ……
なんか恐怖*1の状態異常っぽいな
366:名無しの転生生徒
圧だけで逃走させるとか相当強いんだろうなぁレイトってやつ
原作に居なかったけど戦闘力Tierどの辺だろうな?
367:名無しの転生生徒
まあかなり強いのは確かだろうな
368:名無しの転生生徒
とりあえず先生が無事で良かったよ
370:名無しの転生生徒
んだんだ、良かったべ
373:名無しの転生先生★
レイトがドローンとか装甲車とか持ってたから何とかなったとこあるよ
これ無かったら私はお荷物でしかなかった
376:名無しの転生生徒
前世キヴォトスの先生はその二つ無しでやってたんだよね……
378:名無しの転生生徒
ゲームのご都合フル無視のリアルであれが出来た前世先生本当に頭おかC
381:名無しの転生生徒
それはともかく、シャーレビルを守れたならこの後は中に入ってシッテムの箱回収やね
384:名無しの転生先生★
あ、それはさっき終わったよ~
アロナって子可愛いねぇ
386:名無しの転生生徒
あら早い
387:名無しの転生生徒
もうイベント終わってたか
てことはサンクトゥムタワーの制御権も返却済み?
388:名無しの転生先生★
うん、返したよ
復旧も確認できたってリンさん言ってた
390:名無しの転生生徒
じゃあとりあえずこれでチュートリアルは終わりか
393:名無しの転生生徒
一先ずメインの第一関門は突破出来たね……
394:名無しの転生生徒
問題は俺らなんだよなぁ……
学籍、金、家、人脈すべてが無い!!!!!!
飢えて死ぬしかなくないかこれ!?
395:名無しの転生生徒
学籍無いとまともなバイトにもありつけないからなぁ……
398:名無しの転生先生★
そういえばその問題もあったね……
シャーレで雇う事って出来ないのかな?
401:名無しの転生生徒
難しいんじゃないかな
まず人数が多過ぎる。軽く100人超えてるもの
403:名無しの転生生徒
シャーレはキヴォトスのあらゆる学校の生徒を無制限に所属させられるけど
俺ら学籍無いからその対象外なのよね……(´・ω・`)
405:名無しの転生生徒
多分中学以前の経歴も無いガチの不審者状態だからなー
407:名無しの転生生徒
シャーレの信用問題的にも子供だからって不審者ばかり起用するのは外聞がよろしくない
先生の評判が悪いと下手するとメインのフラグ折れちゃう
409:名無しの転生生徒
当座はヘルメット団なり強盗なりで飢えを凌ぐしかねぇ……!
410:名無しの転生先生★
は、犯罪はダメだよ!?
412:名無しの転生生徒
それは分かってるんだけど……
413:名無しの転生生徒
先生やシャーレに頼るには、今はまだシャーレに対する周囲の信頼が無さ過ぎて……
414:名無しの転生生徒
俺らのせいでシャーレが反社組織みたいに思われかねないのは流石に無理
417:名無しの転生生徒
転生者組で組織を作るにしても生活基盤が整わない事には身動き取れねぇ
418:名無しの転生生徒
貧すれば鈍するとはこの事か……
421:名無しの転生先生★
リンさんに聞いてみたけど、退学・停学した子達の勉強や生活指導とか支援も一応シャーレの業務の範疇みたい
この制度を使ったら生活保護みたいな感じで皆を助けられそうかも
422:名無しの転生生徒
あーそういえばそんな業務ありましたね
423:名無しの転生生徒
前世先生や原作先生が全然それっぽいことしてなかったら忘れてた
426:名無しの転生先生★
原作でもそうなんだ
429:名無しの転生生徒
普通にスケバンやヘルメット団といった不良はいましたね
そういった子達は学籍を持たないから恐喝とかするし、ブラックマーケットで傭兵稼業やって日銭を稼いでる
430:名無しの転生先生★
ブラックマーケットね
そういえばレイトも口にしてた気がする。セーフティネットの構築を後回しにしたから今の状況があるって。その時にブラックマーケットも挙げてたかな
432:名無しの転生生徒
ド正論で草
434:名無しの転生生徒
え、それリンちゃんに言ったの? マジで?
435:名無しの転生生徒
レイトってやつブチギレてるやんw
437:名無しの転生生徒
まあ実際『超人』って言われてる連邦生徒会長だけど、彼女が在任してる間も不良はいたしブラマは存在したままだったんよな
治安という意味では全然解決できてない
438:名無しの転生生徒
まあ全部解決出来てたらそもそも『先生』は招聘されないから……
441:名無しの転生先生★
何か色々とあるんだねぇ
とりあえずリンさんにさっき言った制度の利用申請書を出すから順次シャーレに来てほしいかな
442:名無しの転生生徒
助かる!!!
445:名無しの転生生徒
マジで神……
447:名無しの転生生徒
あの……お金使えないからシャーレまで行けない……
448:名無しの転生生徒
今いる場所からシャーレまでの距離があり過ぎる……!
451:名無しの転生生徒
流石に数百キロを飲まず食わず徒歩で行くのは厳し過ぎる!
454:名無しの転生先生★
と、とりあえず近場にいる子達は急いで来て!
申請署に名前を書いた子にお金を出すから、それを使ってそれぞれの子達を迎えに行こう!
それ用の連絡スレ立てたからそっちで場所とか駅とか書いてね!
【htpps:……】
457:名無しの転生生徒
先生、あんたそれ自腹では? 生活費大丈夫なんか?
459:名無しの転生先生★
飢え死にしそうな子が心配できる状況じゃないよね???
461:名無しの転生生徒
アッ、ハイ
462:名無しの転生生徒
(思ったより身銭切る人だこの先生)
463:名無しの転生生徒
(原作とは違う理由で財布管理されそう)
464:名無しの転生先生★
え、元の先生って他人に財布管理されるくらい散財癖ある人だったの?
466:名無しの転生生徒
まあ割と
467:名無しの転生生徒
ソシャゲ課金とかプラモとか趣味に走る描写はされてたッス
469:名無しの転生生徒
なんなら前世キヴォトスの先生も同様でした
470:名無しの転生生徒
趣味に金を使い過ぎてお昼ごはんパンだけなのをセミナー会計のユウカに見咎められて、それから彼女に家計簿管理されてましたね
471:名無しの転生先生★
えぇ……
大人としてどうなのそれは……
473:名無しの転生生徒
草
それはそう
475:名無しの転生生徒
反論出来ねぇ
478:名無しの転生生徒
まあとりあえず先生のは経費として落とせるだろうから申請しときな?
480:名無しの転生生徒
……いや経費で落とすの無理じゃね?
俺らの生活費は制度で経費になるとしても、今からの交通費に関しては発端が説明できないでしょ
知り合った子達を迎えに! をするにしても先生来たばかりだから何時会った? になるし……
482:名無しの転生先生★
そうだね~
だから今回は完全な自腹になるね
でも気にしないで頼ってね。こういう時に面倒見るのが大人の役目だから
483:名無しの転生生徒
先生だ……マジモンの先生がいる……
486:名無しの転生生徒
感動した
ウソでしょなんでリアルに先生メンタルの人居るの?
487:名無しの転生生徒
ぶっちゃけ『先生が転生者って大丈夫か?』って思ってた
いやこれ大丈夫だわ
490:名無しの転生生徒
連邦生徒会長の審美眼が光ってますなぁ……
491:名無しの転生生徒
(なお連邦生徒会人事)
492:名無しの転生生徒
それはまあハイ
495:名無しの転生先生★
とりあえず誉め言葉として受け取っておくね
それはそうとこの後ってどうなるのかな
496:名無しの転生生徒
どう、というとメインストーリー的な話?
498:名無しの転生先生★
そうそう
500:名無しの転生生徒
とりあえず暫くはシャーレで書類業務とか近所から舞い込む問題の解決とかかな?
少ししたらアビドスから救援要請の手紙が届くと思う
501:名無しの転生先生★
アビドスっていうとレイトが所属してる学校だったっけ
救援要請って、不良に襲われてるって話だったからそれかな
504:名無しの転生生徒
あれ、レイトってアビドスなん?
505:名無しの転生先生★
アビドスの3年生だって
さっきシャーレに入部してもらった時のプロフ載せるね
507:名無しの転生生徒
背ぇたっか! 184cmって現状最高では?
509:名無しの転生生徒
伝説のスケバンのアケミとどっちがより高いんだろうか……
512:名無しの転生生徒
待った、19歳? 2回留年してるんか
513:名無しの転生先生★
そうみたい
事情があって自主的に留年したって言ってた
514:名無しの転生生徒
なんやその『事情』って……
515:名無しの転生生徒
よりにもよってアビドスでそれかぁ……
516:名無しの転生生徒
この世界のアビドスいったいどうなってるんや
519:名無しの転生生徒
そういえばレイトの武器って何なんです?
520:名無しの転生先生★
複数の武器を合体させたみたいなのが多分メイン武器かな?
教えてもらった限りだとマシンガン、グレードランチャー、炸薬式杭打機、折り畳みブレードを組み合わせた武器なんだって
サブ武器はショットガンと折り畳みの盾だね
521:名無しの転生生徒
ロマン武器で草
スパロボに似たようなのあったなぁ
523:名無しの転生生徒
……ショットガンと折り畳みの盾?
526:名無しの転生生徒
なんか嫌な予感してきた
529:名無しの転生生徒
先生、つかぬ事を聞くけど
その盾、表面に何か文字書いてなかった?
あとショットガンって何色だった?
531:名無しの転生先生★
>>529
掠れてたけど『Iron Horus』って盾に書いてるのは見えたね
ショットガンは白色で、かなり掠れてたけどピンクの挿し色が入ってたかな?
532:名無しの転生生徒
あー……あー!!!
確定ですねぇこれは!!!
533:名無しの転生生徒
終わりだ(画像略)
534:名無しの転生生徒
嘘だろぉ……マジで……?
537:名無しの転生先生★
え、なに? 何が分かったの?
540:名無しの転生生徒
先生が知ってた数少ないブルアカ情報の一つ『一人称がおじさんの少女』
レイトが持ってるショットガンと盾はこの子が持ってたものなんだよね
しかも盾はさらに別の人の遺品(推定だけどほぼ確定)
541:名無しの転生生徒
しかも原作メインキャラにしてキーマンなの
居ないと詰むレベル
542:名無しの転生生徒
アビドスの最強格な上に要所要所で重要な役割負ってる子なのよね……
543:名無しの転生生徒
この子居ないとアビドスの問題が解決しないまであり得る
544:名無しの転生生徒
まあ根本的な解決はしないけど、対症療法すら出来ない可能性が高い
547:名無しの転生先生★
……つまり私が知ってた子はこの世界だと亡くなってる……?
548:名無しの転生生徒
おそらく
550:名無しの転生生徒
ほぼ確で亡くなってるかと
551:名無しの転生生徒
盾持ってた人に凄い懐いてた子なんだけど、原作ではその盾持ってた人が亡くなった後、亡骸を見つけたのがショットガンの子もとい『一人称がおじさんの少女』なんだよね
その遺品の盾で学校と後輩達を守ってたのが原作
554:名無しの転生先生★
えぇ……
ブルアカってそんなに子供が死ぬ世界観なの?
557:名無しの転生生徒
原作先生が来てから直接的に描写されてはなかった
ただ来る前は上の件以外にもあったっぽいし、先生が居てもバッドエンドで死亡√に入る事は示唆されてた
558:名無しの転生生徒
実際今の俺らみたく学籍を持たない子は毎日飢えと戦ってるしね
どうしようもなくなって強盗とか犯罪集団作ったりするけど、それすら出来ないとまあ悲惨
560:名無しの転生生徒
強くないと食い物にされるんだ
562:名無しの転生生徒
なお強くても食い物にされる模様
565:名無しの転生生徒
その筆頭がブラックマーケットやね
567:名無しの転生生徒
アビドスも砂漠がヤバくてな
盾の子は砂嵐で遭難して亡くなったとされてる
多分この世界のショットガンの子も同様か、盾の子の亡骸を見て後追いした可能性が高い
568:名無しの転生生徒
キヴォトスって信用ならん大人が多いんよね
まあ日本に生きてた頃も詐欺とか犯罪とかあったし総数で言えば変わらないかもだけど集中し過ぎてるのよ
569:名無しの転生生徒
ちょっと脇道に逸れたらすぐ襲われるところもあるからね
572:名無しの転生先生★
えぇ、やばぁ……
本当に皆を保護しないとじゃん
というか何で連邦生徒会はこれをどうにかしてないの? 把握してない感じではなさげだったけど
573:名無しの転生生徒
我々にも分からん(=_=)
576:名無しの転生生徒
連邦つっても権威が失墜してるからなー
577:名無しの転生生徒
今の連邦生徒会は失踪した連邦生徒会長の捜索にマンパワー割いてるから余計対処できないしな
多分レイトと先生のダブルパンチ食らってもリンちゃん動かんよ
多忙過ぎて動けないってのもありそうだけど
580:名無しの転生先生★
まあ……多忙なのはそうなんだろうね(シャーレに積まれた書類の束を見ながら)
583:名無しの転生生徒
頑張って……(´・ω・`)
余裕があったら手伝うから……
584:名無しの転生先生★
いやあなた達はまず学籍取得の方を頑張ってほしいかな?
気持ちだけもらっておくね
587:名無しの転生生徒
無理すんなよ先生
シャーレって権限的に何をしても問題ないからって何でもさせようとしてくるぞ
590:名無しの転生生徒
書類浸けになって徹夜連続する世界線もあったから程々でいいぞ
593:名無しの転生生徒
当番として手伝った事あるから分かるけど、ぶっちゃけシャーレに任せるより各自治区の組織に回した方が良いものまで回ってきてるからな
連邦生徒会に届いた陳情がそっくりそのまま回ってくることもある
595:名無しの転生先生★
当番って、当番制度のことで合ってる?
596:名無しの転生生徒
そうそう
599:名無しの転生生徒
シャーレ部員として活動するにあたってのメインやね
ちなみに当番として動いてる間は結構な額のお給料出るとかなんとか
601:名無しの転生生徒
せやね。日当がまあまあ高いらしい
とはいえ当番の競争率が高かった理由ってそこじゃないんだけどね
604:名無しの転生生徒
どの世界線も先生が人気だからなー
かなりの重労働だとしても先生と一緒に仕事出来るやりがいで当番をしたがる子は後を絶たない
初期組4人とかその筆頭よ
606:名無しの転生生徒
そういやレイト以外の4人もシャーレに応募したんかな
608:名無しの転生先生★
ユウカ達も所属してくれたよ
自分達も忙しいのに手伝ってくれるなんて良い子達だよね
610:名無しの転生生徒
まあ四人とも善性秩序側の子やからね
611:名無しの転生生徒
あと多分だけど先生に庇護欲掻き立てられてるんだと思う
掲示板越しでも「あ、この人支えたい」って俺なってるもん
612:名無しの転生生徒
守らねばならぬ……
613:名無しの転生生徒
メイン的な都合を除いても人当たり良すぎてな
614:名無しの転生生徒
今回の事で恩が出来たのもあるからか守ろう、支えたいってなる
616:名無しの転生生徒
前世の先生は「おもしれー人だ」とか「一緒に遊んでて楽しい人」って感じだったんだけどな
618:名無しの転生生徒
色々やろうとしてくれてる事知ったから好感持ったのは確か
620:名無しの転生生徒
これあれだ……沼だよ
よく知れば知るほど嵌っちゃうやつ
622:名無しの転生生徒
先生はいつか刺される(確信)
625:名無しの転生先生★
>>622
ドウシテ……(´;ω;`)
628:名無しの転生生徒
悲しいなぁ
キヴォトスの外から大人が訪れた日の夜。
限られた者だけが知る場所で、秘密の会合が開かれていた。
「お待ちしていましたよ。早速ですが、かの者は如何でしたか?」
口火を切ったのは黒ずくめ人型の異形。
目と口に当たる部分に入った罅のような部分から青黒い炎を吹くその異形は、デスクに腰掛け、対峙する者に問いを投げていた。
対するは、”先生”と対話した男子生徒―――彼岸レイト。
「端的に言えば、おかしな人だ」
常と変わらず、厳めしい面持ちのままに男は口を開いた。
男の返答に、ふむ、と黒の異形が考え込む素振りを見せる。顎に手を当て、思索に耽った。
「具体的にどうおかしいと感じたか伺っても?」
「キヴォトスの大人と比べて善性が強い。善い人自体はキヴォトスにも居るが、身の危険を顧みないレベルは初めて見た。銃弾一発でも受ければ死ぬ恐れがあるにも関わらず何らかの形で戦闘に関わろうとしていたからな。子供が戦っているのに自分だけ安全な場所で見ているだけなのは、と……妙な部分で後ろめたさを覚えているようだった」
「ほう……件の人物はずいぶんと人柄が良いようで」
淡々と異形は批評を口にした。
打算もなく、ただ善意で己が身を
自分たちの常識では測り切れない。
そんな存在をレイトが『おかしな人』と評した事に、異形は内心で納得を抱いた。正確に測り切れない存在を的確に表現する言葉は見つからないのだから。
「他には何かありますか?」
「人格は善良。子供の味方たらんとする人だ、根っからな。赴任直後に身寄りのない生徒を200人以上も一気に抱え込んだ」
「200人も……向こう見ず、なのでしょうか」
「さてな。そこまで無計画な人には見えなかったが……」
うむむ、と唸る異形。
自身と同じようにキヴォトスの外から来た存在でありながら、こうも在り方、動き方が違うのかと、研究者、探究者にして観測者でもあると自負する者としては”先生”の解釈に困っていた。
「それと、ゴルコンダが言っていた『奇跡の担い手』についてだが。一応それらしき片鱗は確認できた」
「ほう……!」
そこで、異形が強く興味を引かれたように顔を上げ、レイトに青黒い炎を纏った目を向けた。
―――『奇跡の担い手』。
ゴルコンダという異形にとっての同志が、キヴォトスに訪れる変化から読み取り、訳した名称。
『奇跡』がどういったものか、どういう変化をもたらすものか、どういう性質か。そこまでは読み取れなかったという。全てがアンノウンな中で、それでも分かった事が『奇跡を起こす者』という文脈だったと異形は聞かされていた。
文脈、もといテクスト。
人によっては『運命』や『宿命』とも呼ぶそれにおいて、奇跡を冠しているのだ。
その力や在り方に焦点を当てる理由に足ると考えている異形にとって、それを読み解く一助になる情報はとても興味をそそられるものだった。
「その片鱗とは?」
「先生が指揮を執った途端、同伴していた生徒達の戦闘能力が向上した」
「ふむ……具体的には?」
「被弾に関しては定量的な判定を下せないが……攻撃に関してで言えば、羽川が巡航戦車を徹甲弾ではなく通常弾のライフルで壊していた」
「…………なるほど」
少しの間を開け、異形が頷く。
異形は戦う者ではないが、レイトから齎された情報がキヴォトスの常識に照らしても埒外である事は理解していた。
キヴォトスの戦闘は、武器よりも扱う者に比重が重い傾向にある。
同じ銃を使い同じ部位を撃っても同じ結果が出ないのである。
たとえば羽川ハスミのライフルをレイトが使っても、同じように巡航戦車を通常弾で破壊する事は適わない。
また羽川ハスミの一射を生徒が受けても、その結果にはバラつきが生まれる。たとえ同じ部位に受けても一撃で倒れる者や耐える者など様々なのだ。
そういった差異を生む要素を異形は探究しているし、アプローチこそ異なれど同志達も追い求めている。
異形と会話している彼岸レイトもまた同じ。
だからこそ、レイトは気付けた。
ハスミ達が「いつもより戦いやすい」と感じていた部分に先生が関与していて、それが『奇跡の担い手』の文脈に関わっているのだと。
「先生が指揮をしている時としていない時で戦闘結果は大きく変わるだろうな。今日は補助程度だったが、それでも能力の向上が見られた」
「しかしそれは片鱗でしかない、と」
「奇跡と評するには規模が小さい」
レイトの言葉に、たしかに、と異形も頷く。
指揮に携わるだけで能力が向上する。優秀な指揮によって戦闘結果が変わるならいざ知らず、ダイレクトに当人の能力が上がるのは異様の一言。
しかし、ではそれが奇跡かと問われると、不可思議に満ちるキヴォトスで研究する異形としては首を傾げざるを得なかった。それはレイトも同様で、おそらく奇跡の本命は別にあると推測していた。
「正直なところ、敵に回したくはないな。ただでさえ強い者達が余計に強くなると考えると頭が痛い」
「珍しいですね、あなたが弱腰とは」
「茶化すな。真面目な話だ」
「これは失礼しました」
ジロリと睨みつける視線に、くつくつと肩を震わせていた異形が慇懃に謝罪をする。
「……さて」
そうして区切りをつけた異形は、空気を切り替えるように切り出した。
「ではこれが一番大事な部分なのですが。かの者は、
「まず確実になるだろう」
異形の問い。それにレイトは、間髪を入れず答えた。
確信を持っていると分かる返答に、なるほど、と一つ頷いた異形が更に問いを重ねる。
「その心は?」
「連邦生徒会長肝入りで呼ばれただけあって生徒第一の人だ。目的がなんであれ、俺達の手段はあの人と相容れん」
「ああ……たしかに、そうですね。あなたはともかく、私は相容れないでしょう」
理由を聞いて、異形は納得したように頷いた。
同じ武器を使っても結果が異なる、すなわち使い手たる生徒こそが肝要と考える一人である異形は、その事象を解明する事が己の探究するものだろうと考えていた。
レイトも己の強さを磨くにあたり、生徒にある要素に焦点を当て、研究をしている。
それ故に似た思考を持つ二人だが、明確な差異はある。
異形は生徒を実験台として用い、研究する。
レイトは己を実験体として用い、研究する。
それが二人の探究の姿勢の違い。
そしてその差異を生む根底こそ、異形は先生と相容れないだろうと悟った点だった。
「”神秘”の探究のために生徒を使っている身ですからね、私は」
「それを知った上で止めないでいる俺も同類だ。先生はもちろん、キヴォトス全てを敵に回してもおかしくない」
「クックック……」
淡々と全てが敵に回るだろうと過酷な未来を予期するレイトに、異形は笑声を投げた。
異形は知っている、全てを敵に回してでもレイトが成し遂げたい事を。
ゲマトリア―――異形が属する集団に、生徒でありながら属しているレイトの悲願。それはゲマトリアの目的の一つと合致していた。
キヴォトスにいつか到来する災厄―――”色彩”を打ち破る事。
それがゲマトリアの目的の一つであり、レイトの目的でもあった。
だからレイトは異形達と共に在る。
だが、細部は異なっている。
異形達は神秘の探究と色彩の打破、この二つはどちらも等価値である。
神秘があるキヴォトスを喪いたくないから色彩を打破しようという理由が基本だ。神秘の探究は、結果的に色彩の打破に役立つだろうが、探究そのものは異形達がしたい我欲なのだ。
しかしレイトは違う。
神秘の探究も、色彩の打破も、彼の悲願においては手段でしかない。
ゲマトリアの一員でありつつも、その根底は一員ではなく。
キヴォトスの味方でありつつも、その在り方は敵のようで。
そして、己のルーツにすらも牙を剝かんとしていて―――
「その覚悟が成就する事を、十年来の知人として祈っておりますよ。レネゲイド」
いつか全てに背を向けるだろう名を、自らに付けていた。
シャーレ所属生徒にユウカ、ハスミ、スズミ、チナツ、レイトが追加されました
シャーレ所属生徒に
原作アプリだとジャブジャブヘルメット団の河駒風ラブがトリニティ中退枠で実装=シャーレ当番になれてますが、あれはシャーレの信頼が激高だから出来た事なんじゃないかなと解釈してます
なので発足直後では出来ない手段に
学籍無し、過去も無い絶賛不審者転生者達を下手に雇えないので、代わりに指導対象にして救済に動いてます
・彼岸レイト プロフィール