謎多キ者ノ魔女裁判   作:メルルちゃん親衛隊

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 唐突に現れた、本編とは関係ないほのぼの時空を喰らえっ!
 まのさば関連のものを色々漁っていたら、気がついたら出来上がっていました。突貫工事で作ったので、キャラがおかしいところがあるかもしれません・・・。許して・・・。



番外編
休廷 子犬のエマちゃん小冒険!


 

〜とある日の牢屋敷にて……〜

 

「今日はゆっくり過ごそうかな……」

 

 そう言いながら牢屋敷の中を歩き回るエマ。ヒマを持て余し、あちこち彷徨い最終的に中庭にたどり着いた。のんびり中庭で過ごしていたが、中庭の茂みの中に何か光る物を見つけた。

 

「あれ、何かな?」

 

 落ちているものに近づき手に取ってみると、それは小型犬につけるような首輪だった。

 

「なんでペット用の首輪がここにあるんだろう……?」

「ちょっと調べてみようかな」

 

 首輪を調べることにしたエマは、引っ張ったり、指で回したりしたが、特に反応を示すことはなかった。

 エマは特になんの変哲もないただの首輪だったのかなと、少し落胆し始めたが、首輪の金具を外した時にそれは起こった。首輪が突如として光出したのだ。

 

「わっ!眩しい……!」

(うぅ……、なんだか……意識が……)

 

バタッ

 

──────────────────────────

 

(うーん……、あれっ、ボクなんで倒れてるんだろう……)

 

 目が覚めたエマは、自分が倒れている状況に困惑したが、直ぐに気を失う前の状況を思い出す。

 

(えっと、たしかボクは中庭に来た後、首輪を見つけて、それで……)

(そうだ、すごく眩しい光が見えた後、気を失っちゃったんだ……)

 

 状況を思い出したエマは立ち上がるが、その視点が異様に低いことに気づく。

 

(あれ?ボクの身長こんなに低かったかな……?)

 

 そう思う思ったエマが思わず声に出そうとした時だった。

 

「きゃん……、……!?!?」

 

 口から出たのは明らかに犬の声だった。思っても見ない自分の声が出たことで、困惑を隠せないエマは自分の手を見ようとしたがそこには()()()()()()()()()()が見えるだけだった。

 

(そ、そんな……。み、見間違い……だよね……?)

 

 最後の希望に縋り付くように、エマは近くにある水たまりに駆け寄る、昨日は雨が降ったのだ。

 そして、水たまりに駆け寄ったエマが見たものは────。

 

「きゃ、きゃーん!?(ぼ、ボク、犬になっちゃった!?)」

 

 可愛らしい小動物、犬となったエマだった。その姿はエマにそっくりで、毛並みはふわふわ、毛色は薄っすらピンク色。体長は、小型犬と同じで、とても小さい。

 

 桜羽エマは犬になった!

 

「きゃんきゃん……(まさか犬になっちゃうなんて……)」

「きゃう〜ん……。(うぅ……。これ、どうしよう……)」

 

 エマがこれからの人生……、および犬生をどうするか。そもそもこんな姿ではみんなに気づいてもらえず、心配をかけさせてしまうのではと、頭を悩ませるが、その場に1人の人物が現れた。

 

「あれ、なんでこんなところに犬が……」

「きゃ、きゃんきゃん!(あっ、セルクくん!!)」

「おーおー、よしよし。可愛いなぁ」

「きゅ〜ん……、きゃ、きゃんきゃん!(なでなで気持ちいいなぁ……、って、違う違う!)」

「きゃんきゃん!きゃんきゃん!(ボクだよ、セルクくん!桜羽エマだよ!)」

「なんだか、必死そうにしてるなぁ……なんだろうか……」

「きゅ〜ん……(うぅ、気づいてくれない……)」

 

 エマは必死に、セルクに自分がエマであることを伝えようとするが、実は可愛い物が好きで、気分が上がっているセルクにはどうしても伝わらず、なでなでされるばかりである。

 しばらくなでなでタイムが続いたが、ここでセルクがあることに気づく。

 

「そういえば……、なんだかエマに似てるような……」

「きゃ、きゃう〜ん!(お、お願い!気づいて〜!)」

「エマは犬みたいだけど……、でも犬では無いしなぁ」

「きゅ〜ん……。きゃ、きゃうきゃう……(そ、そんなぁ……。ボ、ボクどうしたら……)」

「うーん、そうだ」

 

 結局セルクは気づかなかったのでエマが落ち込んでいると、セルクが何かを思いついたように立ち上がり、エマを抱き抱えた。

 

「きゅう!?きゃう〜!(わあ!?持ち上げられちゃった!)」

「みんなにも見せてみよう。さあ、一緒に行こうか、君の名前はエマにそっくりだから、チビエマにしようか」

「きゃんきゃ〜ん!?(ええ!?ボクこれからどうなっちゃうの〜!?)」

 

──────────────────────────

 

 可愛い犬を見つけ、ご機嫌のセルクと、セルクに抱えられ、もはやどうすることもできなくなったチビエマ。気分の対照的な2人が、最初にたどり着いたのは娯楽室だった。中に入るとナノカとアリサが手を組んでマーゴにチェスを挑んでいた。

 

「こ、ここはこうすんのか……?」

「いいえ違うわ、ここはこうじゃないかしら」

「それだとキングを取られちまうだろ……、あー、こうか……?」

「ウフフ♡、それならこのクイーンは貰うわね」

「「あっ!?」」

「油断大敵ね、もっと精進なさい?」

 

 どうやら2人がかりでも手玉に取られており、ボコボコにされているようだった。2人がマーゴに勝てる日は、一体いつになるのだろうか。

 

「お、ナノカにアリサ、それにマーゴ」

「ええ、おはよう。……あなた、一体何を抱えているのかしら、ずいぶんともふもふしているようだけれど」

「あ?ああ、氷室か……、何抱えてんだおめえ」

「あら?セルクくん。それと……、あらあら♡可愛いわんちゃんね」

「さっき中庭にいたんだよ、気になったから拾ってきた」

 

 そう言いながら、チビエマを地面に降ろし、4人で四方を取り囲む。ようやく地に足をつけたチビエマは、なんとか気づいてもらうために必死に鳴く。

 

「きゃん、きゃう、きゃんきゃん!(アリサちゃん!マーゴちゃん!ナノカちゃん!ボクだよ!)」

「ずいぶん元気みたいね。あなた、どこからきたの?」

「それも気になるところだけど、どこかエマちゃんに似ていないかしら?」

「言われてみたらそうにしか見えねえな……、ピンクの色合いが桜羽にそっくりじゃねえか?」

「やっぱりそう思うか?俺もそう思って、チビエマって名前にしたんだよ」

「「「チビエマ……」」」

「きゃう〜ん……きゃん……(ダメだ……全然気づいてくれない……)」

 

 チビエマのSOSには気づくわけもなく、4人はチビエマが可愛く鳴いているようにしか見えないし聞こえない。

 

「あら、撫でて欲しいのかしら?」なでなで

「ほらっ、いっぱい撫でてあげるぞ!」もふもふ

「……そうね、よしよしするべき」よしよし

「ウ、ウチは別に……」

「恥ずかしがることはないのよ、アリサちゃん」もふもふ

「そうよ、かわいいものは愛でるべきだわ」なでなで

「そ、それなら……ウチも……」よしよし

「きゃ、きゃ〜〜ん!!(み、みんなもうやめてよ〜〜!!)」

 

 チビエマは少女たちに大人気であった。身体中のあちこちを撫で回され、恥ずかしい思いをしたが、今は犬なのでそれを伝える術はなく、ただ撫でられることしかできなかった。

 

──────────────────────────

 

 娯楽室を後にしたセルクとチビエマが、次に辿り着いたのは最近存在が発覚したアトリエであった。扉を開くとそこにはノアとアンアン、そしてヒロがいる。ノアは、ヒロとアンアンをモデルにして絵を描いていた。

 

「ノア、これならどうだ。わがはい、そろそろ疲れてきたぞ」

「う〜ん、やっぱり何か違うんだぁ、何が違うのかなぁ」

「……2人とも疲れが見えてきている、一度休憩して体を休めようか」

 

 あまり進捗はよろしくないようで、ノアは頭を悩ませ、四苦八苦していた。この有様では、ヒロとアンアンは当分は解放されることはなさそうだ。

 

「うん、わかった……。あっ、セルクくん!」

「ノアは絵を描いてるのか、何を書こうとしているんだ?」

「え〜と、『かわいい』かな。のあね、かわいいを描きたいの」

「かわいいか……、それならこの子はどうだ?」

 

 そう言いながらセルクは、チビエマを3人に見せた。すると、ノアとアンアンの視線が釘付けになる。チビエマを地面に下ろすと、直ぐにノアとアンアンに捕縛された。

 

「わぁ、わんちゃん!もふもふ〜」

「きゃん!(顔を埋められちゃった!)」

「か、かわいい……。わ、わがはいも、もふもふしたい……」

「はい、アンアンちゃん!とっても、もふもふだよ」

「おぉ……、もふもふ。気持ちいい……いい匂い」すんすん

「きゃん!?きゃぁん……(わあ!?匂いを嗅がれちゃった……)」

 

 ノアとアンアンにもみくちゃにされて、意味をなさない抵抗をするチビエマを横目にしながら、ヒロはセルクに質問をぶつけた。

 

「セルク、あの犬(?)はなんなんだ?どこか……エマに似ているんだが」

「さあ……、俺も中庭で鳴いていたのを見つけただけだから、どこからきたのかはわからない」

「そうか……、いったいどこから?元々この島には犬などいなかったはずだが……」

「きゅーん!きゅーん!(ヒロちゃーん!助けてー!)」

「ふっ、なかなか可愛らしい犬じゃないか」

「ちなみに、チビエマという名前をつけたぞ」

「チビエマ……、そうかチビエマか。ふっ、よく似合っているじゃないか」

「きゃん……きゃーん!(そ、そんなぁ……ヒロちゃん!)」

 

 チビエマが何かを抗議するように鳴くのを聞き流しつつ、セルクとヒロが他愛ない話をしていると、不意にノアがチビエマを持ち上げ、声をだした。

 

「うん、やっぱりのあの絵に足りないのは、あなたみたい」

「ヒロちゃん、アンアンちゃん、わんちゃんを挟んでハグしてみて」

 

 いつになく真剣なノアの声に、ヒロとアンアンは従いキャンバスの前に立つと少し戸惑いながらチビエマを挟み込むように、優しく互いを抱きしめあう。アンアンは少し恥ずかしそうにしていた。

 

「こ、こうか?す、少し恥ずかしいな……」

「どうだノア、描きたいものは描けるだろうか」

「きゃうん……(挟まれちゃった……)」

「う〜ん……、やっぱり。これなら、すっごいのが描けるよ!」

 

 そういうとノアは素早い手つきでキャンバスに絵を描いて行く。ヒロとアンアンはもちろんのこと、何かと酷い目にあっているチビエマも今は大人しくしている。

 セルクはノアの書いた絵を鑑賞しながら時間を潰していると、ノアが筆を置いた音がしたために振り返ると、そこには満足げなノアと、書き終えられた絵があった。

 

「できた!ほら!」

 

 ノアが見せた絵にはしっかりとヒロとアンアン、そしてチビエマが描かれていた。その絵は確かにノア自身の手で描かれたものだ。

 

「うむ、さすがだなノア」

「さっすがノア、これは家宝にするべきだ」

「はぁ……まったく。君はいつもノアのことになると、歯止めが効かなくなるな。それはそうとノア、この絵は国宝にすべきだ」

「お前たちは親バカか何かか……?」

「きゃんきゃん!(セルクくんとヒロちゃんが壊れちゃった!)」

「えへへ〜♪うれしいなぁ」

 

 口々に褒められ喜ぶノアは、顔を少し赤く染めて微笑むのだった。

 

──────────────────────────

 

 ノアの絵を見て大満足なセルクと、もはや犬であることを受け入れ始めているチビエマが次に辿り着いたのは、図書室だった。顔を覗かせてみると、そこには何かを議論しているココとレイア、そしてそれに巻き込まれたミリアがいた。

 

「だからさぁ、あてぃしはやっぱり、たけのこの里の方がいいと思うんだわ」

「いやいや、やはりきのこの山だよ。こればかりは譲れないね」

「じゃあさー、おっさんはどう思ってんの?」

「ミリアくんはどう思うんだい?」

「お、おじさんはどっちでもいいと思うよ……?あはは……」

 

 結構意見が分かれることで議論しているうえに、なぜそのような議論が始まったのかは定かではないが、ミリアが追い詰められているので、チビエマを投入し、助けることにした。

 

「いけ!チビエマ!ココにでんこうせっか!」

「きゃん!?きゃ、きゃん!(えぇ!?ぼ、ボクはポ◯モンじゃないよ!)」

「ほら、はやくはやく!」

「きゃ、きゃーん!(も、もうっ、どうにでもなっちゃえー!)」

 

 まさしく稲妻の如きでんこうせっかで飛び出したチビエマの頭突きは、ものの見事にココにクリーンヒットした。体格は小さいとはいえ結構な勢いだったので、まあまあ痛そうにしていた。

 

「へぶぅ!?な、何すんだよこの犬!マジ痛いんですけど!……って、い、犬!?」

「わあっ!びっくりした!なんでこんなところに……」

「いったいどこから……。おや、セルクくんじゃないか!」

「よっ、この子は中庭にいたのを見つけたんだ、名前はチビエマ」

「えぇ……チビエマって……、確かに見た目はエマっちと似てるけどさー」

「ふむ……、毛並みの触り心地が、エマくんの頭を撫でた時とそっくり……、かもしれないね!」

「本当にエマちゃんそっくり……、おじさんびっくりしちゃった」

「きゃ、きゃん……(ま、また撫で回されちゃった……)」

 

 ミリア、ココ、レイアにもはや恒例の如くたっぷりと撫でられるチビエマだが、撫で回されることに慣れ始めたのか、おとなしく身を預けている。

 

「そういやセルっち、このチビエマさあ、エマっちに見せたん?」

「いや……、そういえばまだ見せていないな」

「ここまでエマくんに似ているんだ、何か関係があるかもしれないね」

「も、もしかしてエマちゃん本人だったり……?」

 

 ここでミリアがふと思いついたように、顔を少し青くし、チビエマにとって千載一遇のチャンスとなることを発言する。

 

「……なるほど?その可能性は考えたことなかったな」

「きゅん……!きゃん!きゃん!(今なら……!ボクだよ!気づいて!)」

「んなわけないって、エマっちが犬な訳ないっしょ」

「ココくんの言うとうりだ、流石にエマくん本人ではないと思うな」

「うーん、まあ流石に違うよなぁ」

「さ、流石に違うよね……、人間が犬になるわけないか……」

「きゃん……きゃーん!(そんなぁ……あとちょっとだったのに!)」

「きゅぅん……(どうすれば気づいてくれるんだろう……)」

 

 しかしココとレイアにより、チビエマ=エマ説は否定されたのであった。せっかくの気づいてもらえるチャンスを無くされてしまったチビエマは、落ち込んでしまった。

 

「なんか落ち込んでるな……」

「ど、どうしたのかな、体調が悪くなったとか?」

「犬なんだし、走り回りたいんじゃね?外に出してやったら?」

「散歩が好きな犬は多いと聞くからね、チビエマくんもあまり散歩ができなくて落ち込んでいるんじゃないかな?」

「なるほど……、じゃあ外に連れて行ってみようか。おーい、チビエマ散歩に行こう」

「きゃーん!……きゃん!(やったぁ散歩だ!……ボクは犬じゃないよ!)」

「それじゃあ、花畑にでも行くか。それじゃあまた」

 

 またしても何かを抗議するように鳴く、チビエマを抱き上げつつ、3人に別れの挨拶をしたセルクは、チビエマと共に図書室を後にするのだった。

 

──────────────────────────

 

 チビエマを持ち上げ、図書室を後にしたセルクとチビエマは、しばらく歩き続け、花畑へと辿り着いた。

 

「そういえば、ここに来るのは久しぶりかもな」

「きゃん、きゃんきゃん(うん、こうやって2人で歩くのも久しぶりだね)」

「おっ、今返事したのか?思ったよりも賢いな」

「きゃんきゃん!(それ、どういうことなのかな!)」

「おお、どうした急に騒がしくして」

 

 チビエマにかまいつつ、ゆっくりと花畑を歩きながら風景を眺めていると、ちょうど歩いている方向に、シェリーとハンナ、そしてメルルとユキがいることに気づく。どうやら4人でピクニックをしていたようで、地面に敷かれたシートの上にはボックスに入れられたサンドイッチと、水筒が置かれていた。

 

「いやー、美味しいですね〜、メルルさんが作ったサンドイッチ!シェリーちゃん大満足です!」

「そうですわね、特にこのソースが具材と相性バッチリですわ……、よく作れますわね?」

「そ、そんなことは……、元々はセルクさんに、作り方を教わっただけですから……」

「それでも、ですよ。よくできましたね、メルル」

「え、えへぇ……」

「おーい、みんな〜」

「あっ、セルクさん……!」

 

 メルルが、セルクとチビエマに気づき駆け寄よる。そしてセルクの手を取りピクニックの会場へと向かう。シートのある場所に辿り着くと、ユキがさっと場所をあけ、セルクに微笑む。

 

「セルクよくきましたね。さあ、早く私の隣に来てください……。おや、その犬は……ああ、なるほど」

「セルクさん!その犬どうしたんですか!?」

「中庭で見つけたんだよ。チビエマって名前にした」

「チビエマさんですか!確かにエマさんにそっくりですね!」

「そっくりですわね〜、ネーミングセンスはどうかと思いますけど……」

「か、かわいいですね……、か、噛みませんか……?撫でてもいいでしょうか……?」

「ここに来るまで、みんなに散々撫でられてたけど、噛んだりはしなかったよ」

「そっ、それでは……、よ、よしよ〜し」

「では私も……、よしよし」

「きゃんきゃん……(撫でられるのにも慣れちゃった……)」

 

 セルクの膝の上に乗せられたチビエマをメルルとユキが撫でていると、シェリーがどこからか木の枝を持ってくる。そして、その棒をハンナに渡した。

 

「さあ、ハンナさん!やっちゃってください!」

「この棒は……、そういうことですのね!そら、チビエマさん!取りに行きやがれですわ〜!」

 

 おもいっきり振りかぶり、棒を遠くにぶん投げたハンナは、チビエマに棒を取りに行くように伝え、チビエマは棒を取りに行くためにぜんりょくしっそうした。

 

「きゃ〜ん!?(か、体が勝手に〜!?)」

「が、頑張ってください!チビエマさん!」

「セルク、少しいいですか?」

「うん?どうしたんだユキ?」

「あの犬、エマです。つけている首輪の呪いで、あの姿になってしまったようですね」

「えぇ!?そうなのか!?気づかなかった……」

「ふふ、あの首輪を外せばもとに戻りますよ」

 

 ちょうどチビエマが帰ってきたので、ユキがチビエマをセルクの足に乗せて首輪を外すと、とても眩しく光り、あまりの眩しさに全員が目を瞑った。光が収まり目を開けると、その姿はチビエマからエマにもどっていた。

 

「はい、これで元通りです」

「エ、エマさん、大丈夫ですか?」

「ぼ、ボク、犬から戻れたんだ……。よ、よかった〜」

「エマさん!エマさん!犬になった感想はどうでしたか!」

「みんなに撫で回されて大変だったよ……」

 

 エマがシェリーの質問に答えると、立て続けにハンナがエマに疑問をぶつける。

 

「それにしてもあなた、どうして犬になっていたんですの?」

「そ、それが……、中庭にあった首輪をつけたらこうなっちゃって……」

 

 それを聞いたセルクは、呆れた顔をしながら、エマに事情を聞き出す。

 

「なんでそんな怪しいものを拾って、あまつさえ自分につけたんだ?」

「ヒロが言っていたように、エマはバカ犬だったのか?」

「きゃん!」

「はぁ……」

 

 やはりヒロの言うとおり、エマはバカ犬だったか……、と1人で納得するセルクだが、まだ謎が残っていることに気づいたシェリーの言葉を聞いて、現実に意識を戻す。

 

「それにしても、なぜこのような首輪が中庭に転がっていたんでしょうか?」

「ふふ……、なぜでしょうか……、ふふ……」

「……ユキ、知っているなら正直に教えてくれ」

「……さあ、なんのことでしょう」 

「はぁ……」

 

 明らかに何かを知っているユキを問い詰める為、セルクは最終手段を取ることを決めた。

 

「本当のことを言わなかったら、1週間おやつ抜きするぞ」

「私が昔作った、人を犬にする首輪です。結構本気で作ったものですから、まだ力が残っていました」

「なので、『エマにつけたらかわいいかな〜』と思い、エマを先回りして置いておきました」

「反省していますが、後悔はしていません」

「はぁ……、何やってるんだ……」

 

 全く悪びれていない様子のユキに反省を促すべきだと判断したセルクはユキに判決を言い渡した。

 

「……2週間おやつ抜き」

「そ、そんな殺生な……!め、メルルからも何か言ってください……!」

「も、申し訳ありません……、今回ばかりは……」

「ユキちゃん、ボクほんとに焦ったんだからね!」

「まあ、反省してくださいまし、ユキさん」

「これで事件解決ですね!」

「ああ……、私のおやつが……」

 




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