「おお、よくぞ参られた勇者諸君!」
よくある異世界の玉座の間のような場所で〇×高校一年一組は異世界に召喚させられた!
当然のようにあるチート能力! これは己もチートでちやほやされるのでは?!」
「塩を出すだけのチート? 使えないから追放で」
ふぁっくゆー! 世界は厳しかったぜ!
「はぁ……」
俺一人、王城から追い出されため息を吐いた。
そのままで追い出されたので一銭も持ってない。餓死しろというのか。
「そっちが召喚したくせにな……」
俺は手のひらから塩を出す。
これが俺のチートである。
塩をいつでもいくらでも出せるチートだ。
だがこの世界には同じことが魔法で出来る。
魔法を唱えれば塩どころか新香料そのものをいくらでも出せるのである。
そのため塩しか出せない俺は役立たず判定を食らった。ファッキュー
歩いていると王都の市場に出る。
市場で俺はやけに目立つ。学生服というこの世界ではないだろう格好をしているので当然だ。
さて、この力でどうしたものか、と悩む。
一応塩とかを出すバイトはあるらしいのでそれで食つなぐことは出来るだろうがまずはそこに至るまでの信用がいる。
戸籍なし住所なしマイナンバーなし社歴なし学歴なしの人間がどうやってまともな職に憑けというのか。
「……よし」
ちょっと思いついたことがあるので試してみる。
俺のチートに塩を出せる制限はない。
そして場所だっていつでもどこでも出せるのだ。
試しに王都の街並みの上空に塩を五億トンほど出してみる。
瞬間空から落ちてくる大質量。
家々がつぶれ人はミンチよりひどいことになる。
己の位置には来ないように調整して出したため俺に被害はないが街は壊滅した。
「ひゅー! やってやったぜ!」
俺は歓喜した。
やはりこの力はチートだったのだ。
塩をいくらでも出せるのが俺のチートだ。その重量に制限なんてものはない。
だからこそこれが出来ると転移した時から確信していた。
城に戻ってこれをやったのは俺だと言って城に戻させてもらおうか、なんてことを考える。
これで俺は確信を持てた。子のチートはまさしくチートだ。世界だって滅ぼせる。
「いや……まて」
元の世界に戻れるかすら不明。戦いなんてしたくない。
俺の塩で人は大勢死んだが実感はない。何せ俺が直接手を下したわけじゃないからだ。
どうせこの世界で生きていくなら派手にやってやろうと思った。
なので生成するは──ー9999無量大数トンの塩である。
地球はAIに聞いたところ十咳トン程度なのでその何十倍の塩である。
瞬間世界は塩に飲まれた。
そして圧倒的重量により重力崩壊を引き起こす。
ブラックホールが生成されすべては闇に飲み込まれたのだった。
神「草生える」