第20話 妊娠
1966年10月
ボクは念願だった博士号を取得した
そしてその一月後、オハイオ州にある大きな化学プラントに研究員として就職した
そのためまたしても引っ越しする必要があった
さらにその頃、ジェイスがふたたび妊娠した
(´・ω・`)「ジェフ、君に弟か妹ができることになったよ」
彡(゚)(゚)「ホンマか!?」
(*゚ー゚)「ジェフは弟か妹どっちが欲しいの?」
彡(゚)(゚)「一緒に遊べるさかい弟がいい!」
彡(゚)(゚)「赤ちゃんは今、どこにおるんや?」
(*゚ー゚)「私のお腹の中よ」
彡(゚)(゚)「触ってええか?」
(*゚ー゚)「ええ、優しくね」
彡(゚)(゚)「ワイがお兄ちゃんやで」ポンポン
二人目の子供ができたとはいえボクたち夫婦の関係はよくはならなかった
ジェイスは一回目の妊娠と同じ問題を抱えた
(*゚ー゚)「あああ!!隣の家の物音がうるさくて眠れない!!」
(;´・ω・` )「物音って……ただの生活音じゃないか」
(*゚ー゚)「生活音でもなんで私は眠れないのよ!!アンタどうにかしてきてよ!!」
(;´・ω・` )「ムチャ言うなよ……」
(*゚ー゚)「何よこの役立たずのグズ!!最低の夫よアンタなんて!!!」
(;`・ω・´)「おい、言っていい事と悪い事があるぞ!!」
家庭環境は最悪だった
ボクはあいも変わらず仕事に逃げた
そのしわ寄せを、ボクの知らないところでジェフは一身に背負っていた
彡(゚)(゚)「マッマ、ご飯」
(*゚ー゚)「は?」
彡;(゚)(゚)「え?」
(*゚ー゚)「ママは今つわりで苦しんでるの!」
(*゚ー゚)「棚に缶詰があるから自分で開けて食べなさい!」
彡;(゚)(゚)「でも…………」
(*゚ー゚)「でもじゃないわよおおおお!!!!」
(*゚ー゚)「それくらい自分でやりなさいよおおお!!!」
(*゚ー゚)「アビャビャ!?!?あびゃかあくなめやわふじこ……」
妻は度々、痙攣発作を起こし、意識が消失することがあった
(* ー )ビクビク……
彡;(゚)(゚)「マッマ!? マッマ!?」
彡;(゚)(゚)「パッパ、早く帰ってきて」
彡(;)(;)「パッパ…」
第21話 内気
時が過ぎるのは早いもので
ジェフは小学校に通うことになった
だが………
(;´・ω・` )「ほらジェフ、学校に行かないと…………」
彡;(゚)(゚)「いやや、行きとうない…………」
(;´・ω・` )「ジェフだけでなくみんなが行くんだよ」
彡;(゚)(゚)「こ、怖い…………」
(;´・ω・` )「大丈夫だよ、友達だってすぐできるさ」
彡(;)(;)「いややああああああああああ」
(*゚ー゚)「ジェフ…………」
(;´・ω・` )…………
ジェフの顔には恐怖の色が浮かんでいる
かつての幸せそうで自信に満ちていた面影はもうどこにもなかった
まるでだれかが乗り移って、違う人間になってしまったようだった
そんな様子だったからか
ジェフが入学して1か月ほど経った頃
担任の先生と面談することになった
学校
(,,゚Д゚)「ジェフリーくんについて話したいことがありまして」
(´・ω・`)「はい」
(,,゚Д゚)「ジェフリーくんはとても高い頭脳の持ち主だと思います」
(,,゚Д゚)「ですが彼は…………」
先生曰く、
ジェフは極端に内気で引っ込み思案とのことだ
ジェフはほかの子供たちと交わろうとしない
与えられた課題はきちんとこなすけど
ちっとも興味を持とうとせず、たんなる義務としてしかやろうとしない
校庭ではひとりぼっちでいることが多く
“なにもしないで” ただなんとなくぶらぶらしているとのことだ
(´・ω・`) .。oO(なにもしてないなんてことはないと思うけどな…………)
ジェフはきっと自然や生き物を観察していたはずだ
(´・ω・`) .。oO(それに先生は少し心配しすぎじゃないかな)
たしかにジェフはとても内気な子になった
でもそれは、ボクの仕事の都合による
ちがった家に、ちがった地域に、ちがった環境に
移されたことにすべてが起因していると思われた
だからジェフの変化は正常な反応だと思えたし
それがなにか致命的な欠点だとも思えなかった
それでもなにか対策をすることは悪いことではないだろう
(´・ω・`)「わかりました、では今後どうすれば?」
(,,゚Д゚)「学校ではジェフリーくんがもっと学校に溶け込めるよう努力します」
(,,゚Д゚)「ご家庭でもジェフリーくんに気をつかってあげてください」
(´・ω・`)「はい、ありがとうございます」
帰り道の車の中
(´・ω・`)「ジェフの内気についてか…………」
(´・ω・`)「でもそれってそんなに変なことなのかな?」
ボクも幼少の頃は今のジェフのように内気な少年だった
変化や不規則はボクにとって恐怖でしかなかった
だから人付き合いも苦手だった
どうすれば人と上手く付き合えるのか……………分からなかった
なぜ自分が好かれたのか………………分からなかった
なぜ自分が嫌われたのか………………分からなかった
(´・ω・`)「わざわざ人に好かれたいとも思わなかった」
他人にどう思われるかなんてどうでもよかった
少年のボクは自信がないことに自信を持つというような矛盾した状態で
おそるおそる世の中と接していた
正直、ジェフが学校を怖がっているのも
態度がぎこちないのも、友達がいないのも
ボクの特性を息子のジェフが引き継いだだけのように感じる
だからジェフの気持ちも理解できるし、共感もできた
むしろ父親として息子が自分と似ていることに
うれしさと、ちょっぴりの誇らしさを感じていた
(´・ω・`)「それに、そんな内気だったボクも…………」
(´・ω・`)「なんだかんだ年を重ねるごとに社会に適応することができた」
学業も修めたし、家族も持ったし、仕事も手に入れた
だからと言って、ボクの性格が変わったということではない
世の中にたいする恐怖や劣等感、人見知りなどの特性は
少年のころも大人になった今もたいして変わらない
それでも対処法を身に着けてやってきた
(´・ω・`)「ボクが生きていく困難さを克服できたんだから」
(´・ω・`)「息子のジェフもきっと克服できるはず」
(´・ω・`)「まあ、なんとかなるさ」