結末は色々、悩みましたが本編はアニメをみればいいのだと思いっきりやりました。
「相棒が逮捕されたのに、ここにいていいの?おじさん」
一が手配した拠点の一室。
そこで新聞を見ている次元大介をみて星野アクアは尋ねる。
「ハッ、アイツが捕まるのは日常茶飯事みたいなもんなんだよ。それより、一とお前の母ちゃんは?」
「ママはパパとお出かけだって~、ラッキーセブンとかのせいで満足に出かけられないからって」
「シークレットセブンだよ。父さんがいれば最強の護衛だ」
「確かに、アイツに勝てる奴はいねぇだろうな」
「おじさんは父さんより強いの?弱いの?」
気になっていたことをアクアは尋ねる。
次元大介は裏世界じゃ名の知れたガンマン。
そう、一から聞いていたアクアは興味があった。
ちなみに面識のあったルビーにきいたところ、擬音だらけでよくわからなかったのである。
「やりあったらお互い只じゃ済まないだろうな。だが、俺が勝つ」
「え~?パパが勝つんじゃないの?」
ルビーの咎めるような言葉に次元は答えない。
「あの、次元大介さん」
「なんだ?改まって気持ち悪い」
「俺に銃の撃ち方を教えてくれませんか?」
「え!?」
「……いきなりなんだ?」
驚くルビーを他所に次元が静かに尋ねる。
「まだ、色々と悩んでいますけど、俺はスイーパーの道を考えている。だから、教えられる機会があれば、教わりたくて」
「カーッ、堅苦しい奴だな。お前、銃は持っているのか?持つにしても何にするつもりだ?」
「マグナム……を」
「なぜ?」
「………………」
「正直に言わねぇならナシだ」
「か、カッコイイから!」
顔を少し赤くしながらアクアは答える。
色々と考えてはいた。
父親が同じものを使っているから。
威力があるから。
そういうことを色々と考えていたものの、次元大介に真っすぐにみられた時にしまい込んでいた筈の気持ちがでてしまう。
カッコイイ。
リボルバーがカッコイイ。
あの音が良い。
色々と考えていたが一番はカッコイイからだ。
父親が使っているコルト・パイソンマグナム。
そして、次元大介が使っているコンバットマグナム。
あれに男なら憧れる。
思考や精神が子供の体によせられているのだろうか?
気付いたらアクアは叫んでいた。
ルビーは呆気にとられ。
「ハーハッハッハッ!」
次元は大爆笑していた。
「いや、笑った笑った」
「むっ」
「むくれるな、そうだな。良い話を聞かせてくれたお礼だ。色々と基礎を教えてやるよ。ガンマンの基礎、をなぁ」
◆
「いやぁ、助かりましたわぁ」
「同じ日本人ですし、困った時はお互い様ですよ」
アルカトラズ島へ向かう道中。
どうして、こうなった?と一に手を引かれながらアクアは隣にいる男性を見る。
銭形幸一。
サンフランシスコの街中で出会った日本人は警察官らしい。
なぜ日本の警察官がここにいるのかという疑問に彼は曖昧で答えないがアクアは知っている。
この男、ルパン三世専任捜査官だ。
何度かルパンを逮捕しているものの、あと一歩のところで逃していることの方が多い。
そんな彼と星野家はどういうわけかアルカトラズ島へ向かっている。
アクア達は観光だ。
名高いアルカトラズ島のチケットが偶然にも手に入った。
ならば、いこうとアイとルビーに押し切られてしまう。
あそこはシークレットセブンのアジトがある(多分)。
そんなところへ向かって無事に済むはずがない。
「この人、頼りになるの?」
「さぁ?」
これから向かう所で大丈夫なのか?という疑問に一は首を傾げる。
「ねね、はじめ!はじめ!楽しみだね!」
「あー、まぁ、うん。俺としては監獄とあまり関わり合いたくはないかなぁ?良い思い出ないし」
「おや、堀江君は過去に何かあったのかな?」
「あ~」
銭形に尋ねられて一は少し間を置いて。
「過去に冤罪で監獄に放り込まれたんですよ。それが最悪の場所で……」
「ほう、それはいかんですな。冤罪とは」
「無事に無実が証明されたんですけどね」
苦笑する一に銭形は許せんと憤っている。
どうやら警察官だけあって悪い人ではないらしい。
サンフランシスコ市警の頼りなさをみていたアクアにとってやはり日本の警官は頼りになるのかもしれない。
「(日本の警官で真っ先に野上さんが浮かんで次に銭形さんだから……個性強いのか?日本の刑事って)」
そんなどうでもいいことを考えている間にアルカトラズ島に到着する。
銭形はあるヘリを見つけると「では、本官は失礼します!」と敬礼して去って行ってしまう。
「………………で、アンタはなんでここにいるの?」
一は咎めるように隣にいる金髪爽やか青年へ尋ねる。
「え?父さん?」
「パパ?」
「はじめ~、その人、知り合い?」
「ヌフフフフ、流石はシティーハンターの片割れ、さっすがぁ」
「変装は外さないように。騒ぎになる上に銭形さんがいるから」
「あらぁ~とっつぁんもいるの?」
一が指で三の文字をつくる。
それだけでアクアは察した。
「ルパンのおじさんか」
「え!?」
「わぁ~、本当に別人だ。すっごい、あれ?でも、声が」
「ここにボイスチェンジャー貼っているんだが、どーも、調子が悪くて、ケフケフ」
せき込むポーズをとるルパンに一は呆れながら話す。
「逮捕された翌日に脱走って、捕まる意味はあるのか?」
「モチノロンよ~。おかげでシークレットセブンのボスが誰かわかったしな」
「あっそ」
「あらら、興味ない感じ?」
「ルパン三世に喧嘩売った連中だし、終わりはみえているんじゃないか?この前の騒動で大方のメンバーもつきとめていそうだし」
「そこまでわかっていてここにやってくるって、はじめちゃんはシークレットセブンとやり合う感じかな?」
「できれば、そういう事態にいってほしくはないんだが……」
一がある方向を見てルパンは「なるほど」という顔をする。
わいのわいの話をしている間に観光は監獄エリアへ辿り着く。
「こんなところで生活は嫌だね~」
「しっかりした設備だと脱獄不可能なんていわれるのかな?」
「お兄ちゃん、真面目~」
「じゃあ、そこのお嬢さん」
ルビーに案内役の人が質問を飛ばす。
「1963年は何の年かなぁ?」
「え、あ、その」
「ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された年だねぇ~」
戸惑う横でルパンが変装した青年が答える。
驚いた顔をしているルビーにルパンがウィンクした。
むむむという顔をしながらルビーは小さく「ありがとう」と告げる。
そんな彼女にアイが嬉しそうに頭を撫でた。
直後、ルパンは変装を見破った銭形との鬼ごっこで別れてしまう。
◆
「どうして、ここに小僧が来ているんだ?」
「ついてくるって聞かないんだよ。終いにはアイも連れて行けっていうからな」
アルカトラズの地下。
裏アルカトラズ。
その道をルパン三世、次元大介、石川五エ門、堀江一、そして星野亜久亜海が歩いている。
アイとルビーは次元たちが乗ってきた船で海上に待機している。
本当ならアクアも待っている予定だったのだが、ついてくると聞かず今の状況となった。
勿論、一も安全を考慮してアクアに防弾ジョッキなどを装着させていた。
「父さん、ごめん。でも、俺も関わっちゃったし、最後まで知るべきかと思って」
「謝るならはじめからついてくるっていわないように……でもまぁ」
ポンとアクアの頭を撫でる。
「男としては及第点じゃないか」
「確かになぁ~。もしかしたら泥棒向いてんじゃないの?」
「え?そうなの?」
「お、気になる?俺様が変装のテクを教えてやろうかぁ?」
「こらこら、アクアは乗り気にならない。ルパンも変な事を教えない!」
「え、俺……」
焦る一を他所にシークレットセブンの施設内に潜入。
幹部らしき男の意識を刈り取り潜水艇に乗り込んでいる峰不二子と連絡。
その後に起こった爆発で動き出したシークレットセブンのリーダー、テリー達と遭遇。
「ボス、あぶねぇ!」
狙われたテリーを守るようにしてアンディが纏っていたコートを脱ぎ捨てマシンガンを構える。
「これがケリー仕込みだ!」
「させるかよ」
アンディが二丁のトミーガンで仕掛けるより早く、一が鞄の中に持ち込んでいたウィンチェスター1887を発砲。
くるくるとウィンチェスターを回転させながら走り出したルパンを追いかける。
「父さん、その銃、どうしたの!?」
「爺が必要だと言ったらくれた。古い在庫の一斉放棄とかいっていたけど、爺の奴、丁寧に整備してやがるな」
握りしめたウィンチェスターの感触に一は自然と笑みを浮かべた。
年季の入っている銃。
撃った瞬間にわかる。
この銃はしっかりと手入れされている。
思考している一の横でルパンは説明する。
ケネディ暗殺の謎。
公開された証拠は偽物、それらの真実を沈没した船の中の一つの金塊へ紛れ込ませたという事。
その公開を恐れてCIAや軍は暗躍し、シークレットセブンは幹部のマックスを大統領へ担ぎ上げる為に求めている。
「だが、わからないのはアンタがなんで詳しいのかってところだ」
木箱の上に腰掛けて待ち構えるルパンの問いに葉巻を吸ってテリーが答える。
彼の父がアルカトラズの看守であり秘密を知っていたという事。
そして、ルパンへ交渉を持ちかける。
金塊をやるから暗殺の証拠を寄越せという提案。
「悪いんだけどよぉ、俺も、その証拠って奴がみたいのよ」
その一言で交渉は決裂。
シークレットセブンと決戦となる。
「お前の相手はこの俺だぁ!」
部下を持ってきていた様々な銃で蹴散らしていた一の前に現れるアンディ。
二丁のトミーガンを連射する。
「これがケリー叔父貴に仕込まれた!お前は必ず殺す!」
叫びと共に次々と迫る弾丸を一は躱す。
「父さん。なんか目の敵にされていない?」
「そのようだな……まったく覚えがないんだけどな」
「出てこい!シルバーアイ!貴様をハチの巣にして女を手に入れてやる!」
「「あー」」
アンディの叫びに一とアクアは同時に納得した。
一を目の敵にして、そして、あの女。
欠けていたピースが嵌った。
「アイの奴、どこで遭遇したんだ?てか、どうしてあの男は執着してんの?魔性の女と疑いたくなるわ」
「……母さんはそんな人じゃないでしょ」
「だよなぁ……さて」
ひょこ、と顔を出した瞬間。ハチの巣にしようとする弾丸の雨。
「アクアはここから動くなよ?」
「どうするの?」
「超古典的な手を使う」
着ていた上着を脱いで傍に転がっている酒瓶を包み込む。
「そこか!」
アンディは飛来する影に向かってトミーガンを撃つ。
あっという間に粉々になる衣服と砕け散る酒瓶。
「悪いけどさ」
飛び出す一。
その手に握られているコルト・パイソンマグナム。
「アイは俺の大事な女だ。お前に渡すことはない」
「うぐっ!?」
一の撃った弾丸がアンディを貫いた。
トミーガンを持ったまま地面に倒れるアンディ。
「アクア、出ていいぞ」
ホルスターへコルト・パイソンマグナムを仕舞う一。
おそるおそる顔を出すアクア。
「死んだの?」
「いや、致命傷は外した。すぐに起き上がることはないだろうな。さて、ここは危険だし俺達は脱出するぞ」
「え、でも、ルパン達は?」
「奴らの脱出手段確保も含めて、ま、事前打ち合わせありだ」
そういってアクアを抱きかかえると一は走り出す。
◆
「いやぁ、助かったぜ~はじめちゃん~」
「ケッ、途中で姿を見せないと思ったら、一人安全な場所かよ」
「いや、二人」
次元達がザ・ロックへ向かう際に使用した船で一はすべてを終わらせたルパン達を救助する。尚、追跡していた銭形に一は救命具を投げている。
後は自力で脱出してくれという意図。
「はじめ~~~、助けてぇ」
船の扉が開いてアイが助けを求めるも。
「だーめ、もう!もう少し肌の手入れをしないと良い女が台無しよ~」
「あ~~~れ~~~~」
「なんだ?ありゃ?」
「目当てのものが手に入らず、美女である母さんでストレス発散するんだって」
ポカンとしている次元に同じく辟易したアクアが説明する。
尚、不二子の事が苦手なルビーは一にしがみついて離れない。
「それで?お主達はこれからどうするのだ?」
「最後の片づけをしたら日本へ帰るつもり。とんだ家族旅行になったよ」
「でも、私、パパやママ達と一緒に色々見れて楽しかった!ね~、今度もどこか旅行したい!海外旅行!」
「ルビー……もしかしたら、また、こういうのに巻き込まれるかもよ」
「うーん、でも、パパが守ってくれるし、お兄ちゃんもなんとかしてくれるんでしょ?」
「え、あ、まぁ」
ルビーからの眼差しになんともいえない表情を浮かべるアクア。
「でも、海外旅行は金がかかるし、父さん?」
「うーん。もし余裕があれば地中海あたりとか良いかもな。知り合いのトレジャーハンターがいるし」
「えぇー」
何やら乗り気の一の言葉に戸惑うアクア。
「とれじゃーはんたー?」
「遺跡からお宝を見つけ出す人の事」
「なにそれ、かっこいい~!?」
目を輝かせるルビー。
何やら乗り気の妹に危機感をアクアが覚えていた直後。
一と次元が同時に愛銃を抜いて同じ方向に発砲した。
「たーまーや~、お見事~」
「え、なに?」
「気にすることはない。よからぬ奴が成敗されただけだ」
戸惑うアクアに五エ門が説明する。
少し遅れて響いた爆発と悲鳴はアクアに届くことはなかった。
こうして、星野家とルパン一味による邂逅は終わりを告げた。
陸地に着いた後、彼らはそれぞれの帰路につく。
余談だが、遠方から狙撃を試みたアウトローのスターモはこの出来事を逆恨みして日本へ一を狙ってやってくるのだが、これは別の話。
ルビーの希望で地中海へ家族旅行をしてルパン一味と再会するのは更に別の話。
ルパンからアクアが変装技術を学び、アイとルビーが不二子から女の魅力などを教わり修羅場を招くことになるのは本当に別の話。
星野家とルパン一味の邂逅はこうして、終わった。
余談だが、日本へ戻ったアクアの下にグランからある荷物が送られるのだった。
次回は一とアイの結婚式か、出会いの話にするか……アクアの修羅場パート2でもしようかしら?
アンケート二段目の結果。
まさかの世紀末の魔術師に決まりました。
皆、シティーハンター絡む話視たいって事ですな。
頑張ります!
もし、高校生になったアクアが名探偵コナンのメンバーと関わるなら、どれがいい?
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迷宮の十字路
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ベイカー街の亡霊
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十四番目の標的
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世紀末の魔術師
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紺青の拳