MIDORIYA×HUNTER   作:ティファールは邪道

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1話:修行と系統

「…はぁ、はぁ、はぁ……っ!」

 

海浜公園…

ゴミの山に埋もれた砂浜で、中学一年の出久はボロボロになりながら古タイヤを引いていた

 

夢の中での師匠との約束。それは「現実の肉体を鍛え上げること」…

 

朝昼夕と、学校の合間を縫っての肉体改造を行い、

夜は夢の中で夢仙人の修行を受けていた…

 

「出久よ、まずは『纏(テン)』からじゃ」

 

夢の中で夢仙人は言った

 

「念とは生命エネルギー、つまり『オーラ』の操作。お主の体からは、今もオーラがダダ漏れになっておる。これではバケツの底に穴が開いているようなもの。まずはそのエネルギーを体に留め、己を包む外殻を作るのじゃ」

 

現在、出久の修行は瞑想と体術の型を際限なく行うという地味なものだが、それでも出久本人は充実感を感じていた…

 

そして朝、目が覚めた出久は持ち前の分析力をフル回転させ、夢のなかでの修行を思い出してはノートに筆を走らせる

 

纏(テン): オーラを肉体の周りに留める。若さを保ち、防御力の基礎となる基礎の技

 

絶(ゼツ): オーラを完全に断つ。気配を消し、疲労回復を早める、隠密用の技

 

練(レン): 通常以上のオーラを爆発的に生み出す、全力で事に取り組む技

 

発(ハツ): 念の集大成。個人の性質を形にする技術…いわば理想の個性を作り上げる技

 

「(個性が『生まれつきの機能』なら、念は『生命の運用技術』なんだ……!)」

 

出久は夢の中で、師匠が放つ圧倒的な威圧感(オーラ)を肌で感じ、それを模倣しようと必死に食らいつく…

現実世界での筋トレが、オーラの「器」を広げ、夢の中での瞑想が、オーラの「流れ」を整えていく…そんな二足の草鞋を履く様な鍛練が動きを見せてきた

 

現実での肉体改造で八ヶ月、夢の中での修行開始から数年経ち…

夢の中の道場で、夢仙人が一つのグラスを差し出した

水が満たされ、一枚の葉が浮いている…

 

「さて、出久。現実でも肉体はある程度作られ、オーラの流れも良くなっておるから、そろそろ『系統』を知るとしようか?グラスに手をかざし、『練』を行いなさい」

 

出久は緊張に唾を飲み込み、練を放つ。

彼が「ヒーローになりたい」と願う、純粋で、かつ狂気的なまでの熱量がオーラとなってグラスに注がれる。

すると――

 

「…ほう?『具現化』か…まぁ、あの神経質とも言えるほどの分析癖を見ればなっとくはいくかのう?」

 

「具現化系…!!」

 

水の中に漂う、細やかな繊維のようなものを見て、夢仙人は納得し、出久は自身の水見式の結果から目を離そうとしなかった…

 

「うむ、具現化系とは、いわばオーラを物質化することを得意とする系統じゃな」

 

「えっと、物質化ってことは相手から見えてしまうって事でしょうか?」

 

「うむ、見えてしまうが"隠"という技を使えば見えなくさせることも可能じゃ…それと、何時でも取り出せるため操作系と違って持ち歩く必要もなく、型にはまるととことん強い、っという特徴もある」

 

出久の言葉にそう返す夢仙人は、ある問いかけを行う

 

「出久よ、質問じゃ…具現化系で作られた棒とオーラを込めた棒、ぶつけ合ったらどちらが強いと思う?」

 

-オーラの質と量、そして振るう人の技量や力は同じものとする

 

「へ?」

 

突然の問いかけに、固まる出久だが、少し考えて答えを出す

 

「う~ん…オーラを込めた棒?」

 

「理由は?」

 

「既に形がある分、具現化に使うオーラを込めることが出来るから?」

 

出久の答えに、「正解じゃ」と夢仙人は返す

 

「そう、オーラで造られた棒を振るうくらいなら、頑丈な棒を買ってオーラで強めたほうが良い…まぁ、前者は持ち運びが便利じゃがな」

 

「じゃあ、具現化系って外れなんですか…?」

 

夢仙人の言葉にショックを受ける出久…

しかし、そこで夢仙人は続ける

 

「いや、そうでもないぞ?…具現化系の最大の利点は、具現化したものに特殊な効果を加えることが出来ることにある…じゃからほぼ全ての具現化系能力者は、特殊な効果を持つ武器や道具を造り、操るという発を持つ…じゃから具現化系能力者は、何を具現化するかを吟味し探し出す…失敗は許されないからのぉ…」

 

-何せ具現化するのに相当な集中とイメージ、時間を使うからの

 

それを聴いた出久は出久はふと、思い浮かんだものがあった…

 

それは、幼い頃から何百、何千、何万と見てきた数多の動画…

 

そこに映る、憧れの存在の背中ではためくそれ…

 

「…マントだ」

 

「?マントとな?」

 

出久の言葉に?を浮かべる夢仙人に対して、出久は続ける…

 

「そうだ…マント…ヒーローの証であると同時に、見ている人達皆が安心出来る、そんなマント…!!」

 

瞬間、出久の両手から光が産み出され、それはは徐々に形を成していく…

 

光が収まり、両手にあるのは、薄い、半透明の緑色のマント…

 

「ほう…具現化しやすい夢の中とはいえ、そこまで具現化出来るとはのぉ…」

 

感心する夢仙人の言葉と共に出久の両手のマントが消える…

 

「あ、消えた…」

 

「ほっほっ!!そりゃあそうじゃ!そんないきなり完璧な形で具現化等出来ぬよ…それにしてもマントか…人々からは目印にもなるし、使い方によっては盾や縄のようにも使える、人助けを行うヒーローを目指すお主にはぴったりと言える」

 

その呟きを聴き、笑ってしまいながら、その合理性を褒める夢仙人…

 

「よし!これからはマントの具現化を出来る様に、具現化系を中心とした系統の鍛練も行うとしようかのぉ」

 

「はい!!宜しくお願いします!!師匠!!」

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