HERO×HERO   作:ティファールは邪道

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6話:進路と会敵

念能力者となり、個性として登録した緑谷出久は、あれから鍛練やボランティア等を学業の間でやっていく内に、中学三年生に進級していた……

 

「みんな進路希望のアンケート出したか? まあみんな大体ヒーロー科だよね」

 

ーはぁーい!!

 

そんなある日、担任がそういうと、クラスメイト達は各々個性を発動し大盛り上がりになった……

 

それを見た出久はやっぱりいろんな個性があるなぁ……っと感心していた

 

「ああ、お前ら、言っておくが学校での個性利用は禁止な」

 

担任はそう注意するが、形だけ見せて本気で止めたりしない……

異形系の個性などもあるため、止めれなくても止めれない、っということらしい……

 

その辺りの線引きがかなり曖昧なのである

 

「せんせー。皆とか一緒くたにすんなよ。」

 

自分の机に足を乗せている生徒の一人、爆豪勝己が鼻で笑いながら声をあげた。

 

「俺はこんな没個性供と仲良く底辺なんざ行かねーよ」

 

「かっちゃん、そんな言い方しないの」パシンッ!!

 

不遜な物言いをする爆豪の頭を、ハリセン状にしたマントで叩く出久……

 

それぞれに抗議とブーイング、そしていいぞ、もっとやれ!!と言葉の嵐が巻き起こったが、それも教師の次の言葉であっという間に鎮火した

 

「ああ、そういえば爆豪と緑谷は雄英志望だったな?」

 

それを聞き、クラスは騒然となった。国立雄英高等学校は社会の花形であるヒーローの卵を育てる最高峰の教育機関であり、偏差値は75、倍率は毎年300前後という難関校の中でも更に一握りの人間しか入る事が出来ない…

 

いわば、エリートクラスなのだ

 

「そのザワザワがモブたる所以だ。模試じゃA判定、唯一の雄英合格圏内。あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローとなり、必ずやトップ納税者ランキングに名を刻むのだ!」

 

そう言いながら、出久に顔を向ける爆豪……

 

「デク! お前も俺の道を塞ぐようなら容赦はしねぇからな!」

 

「う~ん……」

 

出久は苦笑しながら、突っ込みをいれる

 

「トップ納税者を目指すのは、また別なんじゃない……?」

 

ーいまそれを言うことではないよね……?

 

クラスメイトたちが、その突っ込みに思わず突っ込みをいれかけるのだった……

 

ー放課後……

 

夕暮れ時の街は、湿った温かい風が吹き抜けていた

 

出久は高架下の暗いトンネルを歩きながら、自らの指先から腕、腹、脚などと微弱なオーラを移動……

 

"流"の練習をしていた

 

「(……『練』の維持時間、『流』の練度は伸びてきてるけど、『発』も使うとなると少し不安定なんだよなぁ……)」

 

ぶつぶつと考察を呟きながら歩を進めていた、その時だった

 

——ドサリ、と重く湿った音が背後で響いた……

 

「……おや? 良いサイズの『隠れ蓑』がいるじゃないか……」

 

ヌチャリ、と鼓膜にまとわりつく嫌な音。ドブ川の腐臭と粘液の酸臭が、一瞬でトンネル内の空気を満たす……

 

出久が振り返ると、そこにはマンホールから溢れ出た巨大な泥状の怪異——ヘドロヴィランが、ニヤリと黄色い歯を覗かせてそびえ立っていた……

 

「心配いらんよボウズ……! ちょっと体を乗っ取らせてもらうだけだ。10秒もすれば楽になる……!」

 

津波のように襲いかかってくる、ドブ色の泥の濁流

普通の中学生なら、恐怖で足がすくみ、悲鳴をあげる一瞬……

 

出久の行動は速かった

 

「……"千変万化の万能布(オールグリーン)"」

 

瞬時にオーラを元に、自身の『発』として安定した緑色の布を具現化……

 

それを自身とヴィランの間に遮るように大きく広げた

 

その布に思わず、襲いかかったヴィランが一瞬「なんだ!?」と視界全てが緑になることで見失う

 

その一瞬の隙……

 

出久は布に手を当て、ヴィランが布に触れた瞬間に沈み込むように布を動かす

 

「"深緑の包容(ラッピングリーン)"……」

 

漏れなく包まれるヘドロヴィラン……

縛られ、もがもがとヘドロヴィランが踠いている緑の包みとかした布を出久は練で肉体を強めながら掴むや否や、地面に叩きつける

 

「からの、"PM(プレゼントマイク)·スマッシュ"!!」

 

バァンッ!!

 

ヒーローの名を冠した、爆発的な生命エネルギーを漲らせた出久の渾身の一撃に、マントの中で踠いていたヘドロヴィランが苦しむ……

 

「ガッ……ハァッ……!!!?」

 

衝撃……振動がヘドロヴィランの身体を突き抜けるように走り抜け、苦しむ……

 

音(振動)は空気よりも液体のほうが良く伝わる……

 

その為、ヘドロヴィランは通常よりも感じる衝撃に悶絶しているのだ……

 

その衝撃により、気を失ったのだろうヘドロヴィランがマントの中で動くのをやめる……

 

それを感じた出久は、マントを広げることなく息一つ乱さずにそっと息を吐いた

 

「…と、突然だったし襲われたから反撃しちゃったけど、大丈夫だよね…?」

 

警察に連絡した方がいいのかな……

 

そう思ったその時だった——

 

「もう大丈夫! なぜなら……私が来た!!」

 

マンホールの底から、豪快な踏み込みとともに巨躯のヒーロー……

 

オールマイトが飛び出してきた

 

「ハハハ! すまない少年、追っていたヴィランが……ん? ……んん!?」

 

ポカンと口を開けるオールマイト……

 

目の前には、包まれたマントの中で意識を失っているヴィランと、それを持ってオールマイトを見ながら固まる出久……

 

そして、オールマイトの百戦錬磨の直感が、少年の身から引き尽くされたばかりの「異質で、強烈な生の余韻(オーラ)」を捉えていた……




·千変万化の万能布(オールグリーン)
緑谷出久が個性として登録している、変化、操作、強化混合の具現化系発
効果は、"自身の意思に沿った形状、硬度にリアルタイムで操作、変化する"ことである
オーラを追加で消費することで防炎、撥水等の性質を付与させることも可能
円の範囲が間合いに直結しており、切り落とされたり燃やされたり使用できなくなるとその分オーラの総量が減少してしまう

·深緑の包容(ラッピングリーン)
出久が千変万化の万能布(オールグリーン)で戦う際に良く使う技
対象を包んで救出や捕縛、攻防に移動と様々な用途として使う
必殺技は別に、他のヒーロー名から取っている

PM(プレゼントマイク)·スマッシュ

簡単に言えば深緑の包容(ラッピングリーン)で縛って動けなくなった相手を背負い投げで地面に叩きつけた際の衝撃で攻撃する技
深緑の包容(ラッピングリーン)で受け身や反撃できないようにした状態で行うため威力は高い
更に地面をオーラで強化することで大ダメージを与えることも可能
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